序章~第一話



結婚は人生の墓場――よく男の人がそう言うのを聞くけれど、最初からそう思って結婚する人は少ない。
けれどもわたしは、最初から墓場のような結婚をするつもりだった。


【五条家・家 ご両家結婚式場】


「おめでたいわねえ、遂にこの日を迎えることになるなんて」
「本当に。あの御三家・五条家の"六眼"であるご子息と、あの"狐憑き"家のお嬢さんが結婚なんて、最初に聞いた時は凄く驚いたものよ」
「そうねえ、力が全ての五条家と、強さはなくても子を使って富と名誉を掴んだ家は互いに認め合えず過去にはいがみあってた時期もあったらしけど、五条家に悟さまが生まれて両家ともに考えが変わったんだものね」
「そりゃそうよ。五百年ぶりに六眼と無下限呪術を扱える悟さまが生まれただけでも凄いのに、2年後、ちょうど100年目で"狐憑き"のさまがお生まれになったんだもの」
「六眼の子を宿せば、両家ともに安泰。手を結ぶいいキッカケになったんだと思うわ」
「ほーんと、お二人の間にお子さんが生まれるのが楽しみねぇ」
「そうねえ。でも…要するにこれって――政略結婚ってことなのかしら」
「ダメよ、そんな本当のこと言っちゃ」
「それもそうね。おほほほ」

「…………」

――勝手なこと言ってくれちゃって。

高笑いしながら式場に入っていく親戚のババア連中の会話にイラっとしながら、わたしはこっそり新婦の控室へと戻った。

――二人の子供。政略結婚。

確かにそうなんだけど、子供だって産まなくちゃいけないんだけど、わたしは全然楽しみなんかじゃない。むしろ、いや出来れば今すぐにだって、こんな結婚やめてしまいたい。
だけど――わたしにこの道しかないんだって嫌というほど分かっている。
"狐憑き"として生まれた時から、わたしの運命は決められていた。

我が家は代々"狐憑き"と呼ばれる家系だった。何百年も昔、呪術師だったご先祖さまが人に化けた妖狐と交わり、その二人の間に生まれた子が"狐憑き"と呼ばれるおなごだったそうだ。その子供は不思議な力を持って生まれた。"狐憑き"と呼ばれる女が成長し、ある呪術師と結ばれた。その後二人の間に生まれた子供は、親の術式をそのまま受け継いだだけじゃなく、親の何倍もの力を持っていたと言われている。例え親が呪術師であっても、そのまま術式を受け継いでいるかと言えばそうではなく。少しずつ変化していくことは珍しいことではない。我が子に自分と同様の術式を相伝させたいと願っても、必ずしもそれが叶うとは言い切れないのが、呪術師たちの悩みの種だった。だからこそ"狐憑き"の女は重宝され、特に強い呪術師たちから望まれた。

"狐憑き"は100年に一度、生まれると言われていて、わたしが生まれた年はまさに前の"狐憑き"が生まれてから、ちょうど100年目の残暑が残る秋のことだった。生まれた瞬間から、わたしの運命は決まっていたらしい。この世に生を受けてから10年後の初冬、わたしは2歳年上の男の子の婚約者にされた。





「りくがん…?」
「そうよ。オマエの婚約者になる子だから、きちんと挨拶してきなさい」

まだ学びの途中で呪術界の何たるかをあまり分かっていない10歳のわたしを、両親は五条家へ連れて行った。そこで引き合わされたのは宝石の如く煌いた瞳を持つ、それはそれは綺麗な男の子で。絹のような白髪を垂らし、髪の色と同じくらい白い肌をしていた。今日はその男の子の12歳の誕生日だったらしい。

(この男の子がわたしの婚約者…)

まだ言葉の意味もよく分かっていなかったけれど、その誰もが見惚れるくらいに美しい男の子が、自分の未来の旦那様になることだけは漠然と感じていたと思う。子供ながらに、胸がときめいてしまうくらいには。
だけど、わたしは気づいていなかった。この五条悟という少年が、見た目に反した厄介な性格だということを。そして自分が、その婚約者を大嫌いになってしまうことを。

「は、初めまして…悟くん」

初めての顔合わせの場。人見知りのわたしが絞り出した精一杯の挨拶のあと、五条悟はこう言った。

「おい化け狐。悟くんじゃなくて悟さまって呼べよ」

その場にいた大人達全員、そしてわたしも含めて全員が石化した瞬間だった。
あれから15年――その間に紆余曲折があったものの、わたしは未だに五条悟が嫌いだ。その嫌いな男と今日、遂に結婚式を挙げる。





「――は?今…なんて?もう一度…言ってくれませんか、悟さん」

今、目の前には大嫌いな婚約者がいる。結婚式数分前だというのに先ほど新婦の控室に押しかけて来たのだ。五条悟はわたしの問いにニヤリと笑みを浮かべて身を乗り出した。

「だからさ、。僕たち今日で夫婦になるんだし…そろそろちゃんと恋をしない?」
「……………」

にっこりと微笑むその美しい顔は世の女性たちを一瞬で骨抜きにするくらいの魅力と威力がある。けれども、わたしには何の効果もない。いやむしろ。意味の分からないことを言いだされ、とてつもなくイラっとしてしまった。

(恋…って。政略結婚する相手に何を言ってるの、この人…。呪霊祓いすぎて遂におかしくなったんじゃ…?)

恋――?そんなものとっくに諦めてる。この五条悟の婚約者になった時あの日から。

は昔から悟さんって呼ぶけど、今日から僕のことは悟って呼んで」
「……はあ。(いや、昔アンタが"悟さま"と呼べって言ったんじゃない。さすがに様付けは嫌だから悟さんで落ち着いたんですけど!)」
「まあ、君は昔から僕に興味ないようだけど、今後の僕たちの為にも、両家の為にも、仲を深めるに越したことはないと思うんだよね」

未だにニコニコしている五条悟は、わたしが黙っていることで承諾したと思ったようだ。言いたいことを言ってスッキリしたのか、満足げに立ち上がった。

「じゃあ、そういうことだから。また式場でね」

勝手に喋って勝手に納得して帰って行く姿に、わたしは深い溜息しか出なかった。言ってることはまともだけど素直に受け取れないわたしがいる。親友の彼が高専を離反した後から随分と物腰が柔らかくなった気はするけど、他人を振り回す性格はあまり変わっていない。

(やっぱ嫌い!五条悟!)

家の為にと今日まで考えて来たけど、この気持ちだけは変わらない。いくら結婚して夫婦になろうと、あの男だけは愛せない。また再確認しながら、この5分後、わたしは式場へと向かった。

「病める時も健やかなる時も――」

全然誓う気のない誓いの言葉を交わした後、わたしは五条悟の方へ体を向けた。神父が「では…誓いのキスを」と定番の台詞を言う。わたしにとっては最悪の瞬間だ。大嫌いな男と、またキスをしなければいけない。いや、結婚したんだから当然、それ以上のこともしなければいけないんだけど。

そう思いながら少し屈んでベールを上げてもらう。そして見れば見るほどムカついて来る男の顔を見上げた。普段は目の負担を減らすためと言って怪しい目隠しをするようになっていたけど、今はその宝石の如くキラキラとした碧眼をさらけ出している。その美しさは初めてあったあの日から何も変わらない。不覚にも、見惚れてしまったあの日の瞳と。その瞳から逃げたくて、わたしは目を瞑った。それを合図に彼の顏が近づいて来る気配がする。互いのくちびるが触れあい、一瞬だけ過去にされたキスの光景がフラッシュバックした。あの屈辱的なファーストキスのことを。

だけどそれは一瞬で消えた。嫌な思い出が消し飛ぶくらいのキスを、五条悟にされたからだ。

「…んっ」

それは誓いのキスでも何でもなく。突然口内に彼の舌が滑り込んで来て、わたしは目を見開いた。

(し、舌が…入って来た!)

わたしにとっては初めての行為。あまりに驚きすぎて固まってるのをいいことに、五条悟は巧みに舌を使い、わたしの口内を蹂躙していく。そして会場内もざわざわとし始めた頃。彼はゆっくりとくちびるを離した。

「やっぱり柔らかいね、の唇は」
「…~…っ~ッ…!!」
「ご馳走様。ほんと初夜が楽しみだなー♡」

自分の唇をペロリと舐めて、五条悟はぬけぬけと言い放った。こんな人前で、しかも神前でディープキスをするなんて非常識にもほどがある。

(ありえない…五条悟!!)

これが五条悟との最悪の結婚生活の、ほんの入り口にしか過ぎないことを、わたしは知る由もなかった。







最低最悪の結婚式から一週間。わたしは花嫁修業という名目で五条家に通わされていた。でもそれも今日を最後に終わりを告げる。



呪縛から解放されたくてサッサと帰ろうと廊下を急いでいると、幼い頃から五条家にいる彼の従妹が声をかけてきた。名前は五条圭吾。この五条家で唯一、わたしが親しくなった人だ。

「圭吾…」
「何だよ、その顔。とても新婚には見えないぞ」
「別に新婚とか思ってないし」

圭吾には昔からアイツの愚痴を聞いてもらっていたこともあり、わたしの本心は彼も知っている。だからつい本音が口から洩れてしまった。

「まあ、からすればそうだけど…それで…無事に初夜は済んだのか?悟くんと」
「…まだ。一度も手を出してこない。まさか不能…とかじゃないわよね、アイツ」
「は?それはないって。性格はまあ置いといて、あのイケメンの悟くんがそんなはずは…ってかオマエが拒んでんじゃないの」
「顔とソレは関係ないでしょ。っていうか拒むも何も…手をだして来ないんだってば。こっちは子供を作らないといけないんだから、そこは不本意でも拒むつもりないし」

五条悟のことは嫌い。でもわたしは彼の子供さえ産めればいいんだ。御三家で名門の五条家と、"狐憑き"の家。両家を強く繋ぐ子供を産めば、わたしはやっと自由になれる。

「どうせ愛のない結婚だもの。アイツもすぐ愛人の一人や二人や三人作るだろうし、わたしはあの腹黒男と家庭内別居でもして子供と幸せに第二の人生を歩むわ」
「えぇ~…、オマエさあ…悟くんとまともな夫婦になる気ねえの?もういい加減ガキの頃の暴言なんて許してやれよ」
「ないよ…アイツと普通の夫婦になる気も、恋をする気もないっ!それに子供の頃だけじゃないよ、アイツの暴言はっ」

婚約者と言っても、まだ子供だったわたし達はそれほど頻繁に会うことはなかった。どうせ結婚するのはハタチ過ぎと言われてたし、会う必要性も感じなかった。だけどやっぱり中学くらいになると関係を深める為にも高専に入学しろと親に言われるようになって。だから呪術師になる気はなかったのに高専に入るはめになった。どっちにしろわたしの術式は戦闘向けじゃないし、ひたすら裏方に努めて、卒業後は普通に事務員として一応は在籍している。夜蛾先生には「補助監督をやらないか」と誘われたこともあるけど、さっくり断った。同級生の伊地知くんが現在、アイツにコキ使われてる姿を見て、つくづく断って良かったと今も思ってるくらいだ。

「何がまともな夫婦よ…手も出さないほどわたしに興味のない男となれるはずないじゃない」

式の日は"恋をしよう"とか"初夜が楽しみだなー"なんて言ってたクセに、どういうつもりなんだと腹が立ってくる。
圭吾と別れてから、文句を言いつつ門に向かって歩いていると、突然後ろから「あらの狐さんじゃない」と声をかけられた。振り返ると五条の遠縁である女性陣が勢ぞろいしていた。幼い頃も、この家に来るたび来ていた連中だ。"狐憑き"のわたしより、彼女達の方がよっぽど"女狐めぎつね"だと思う。

「やだ、もうじゃなくない?」
「あーそっか。五条さま、だったっけ」
「そうそう。でも悟さまに見合うように、もっと華やかな服装にしたらいいのに~」
「ほーんと、いつ見ても地味よね~。"狐憑き"じゃなければ悟さまだって絶対相手にしないわよ」

この連中は出来れば自分達がアイツの"奥さん"になりたかったんだろう。だから会うたびこうして嫌味を言って来る。でもわたしだって出来ればアンタ達にこの立場を譲ってあげたいくらいだ。

(それにしても…高専関係者の女性陣からは評判散々なのに、五条家絡みの女性陣からは本当に人気あるのね、アイツ…)

彼の婚約者になってから長いこと嫌がらせを受け続けて来たからこそ分かる。彼女たちは五条悟という男の価値をよく知っているのだと。

「ちょっと、聞いてるの?さん!」
「…痛っ」

いきなりドンと肩を押され、足元がよろけた。でも背中が何かに当たって後ろから両肩を支えられる。誰?と思った瞬間だった。

「こんな場所で女の子同士のイジメ?陰湿だなー」
「「「「…さ、悟さま!」」」

その声でげ、と思った。後ろを見なくても肌で感じる呪力で分かる。五条悟だ。

(何で…?今日は地方に出張のはずじゃ…)

そっと後ろを仰ぎ見れば、いつもの胡散臭い目隠し姿の彼が見える。口元には弧を描いているけど、感じる呪力の方はざわめいていて、どこか苛立っているようにも感じる。

「イ、イジメなんてとんでもないです!」
「そうです。私達は彼女に五条家の者としての指導を…!」
「ふーん。まあ、花嫁修業の一環なら僕が口を出す必要もないけど――」

と言いながらも、五条悟はわたしの肩をグイっと抱き寄せてきた。

「昔ならいざ知らず…今現在、この五条・・・・が僕の妻という事実は、君たちもよ~く理解しておいて欲しいね」
「……っ?」
「…ひっ…し、失礼しました…!」

彼女たちは真っ青な顔で頭を下げると、慌てて母屋の方へと走っていく。それを唖然として見ていたけど、ハッと我に返った。

(今のって…助けてくれた…の…?昔はわたしが嫌味を言われても知らん顔をしてたくせに…何で今更?)

驚いて再び見上げると、彼は小さく溜息を吐いて目隠しを取ると、ふとわたしを見下ろした。意外にも優しい眼差しと目が合ってドキっとする。まさかあの男がわたしを助けてくれるとは思わない。

「あ、あの…ありが――」
「礼ならキス一回でいいよ」
「…は?」
「式で僕がしたような深~いのがいいかな。はいどうぞ、♡」
「……っ」

五条悟はそう言いながらくちびるを突き出して両手を広げている。抱き着いてあんなエッチなキスをわたしにしろと?!ムリすぎる。その態度にカーっと頭に血が上って顔が真っ赤になったのが分かった。

「…ぷっ」

それに気づいたのか、五条悟は小さく吹き出して肩をゆすっている。

はさ~黙ってても可愛いけど、そういう真っ赤に崩れた顔も超可愛い♡」
「…は…?」
「ほーんと愛らしいなあ、僕の奥さんは」
「げ――」

肩を抱き寄せられたかと思えばオデコにちゅっとキスをされ、更に耳まで熱くなる。歯の浮くような台詞でからかわれてる気がして来た。

(わたしがこういうことに免疫ないの知ってて…からかって遊んでるんだ…)

幼い頃にこの男の婚約者という"赤札"を貼られたあの日から、わたしは数々の困難に見舞われた。幼少期から懸賞金付きで命を狙われていた五条悟の婚約者、それも"狐憑き"なんて奴らからすれば邪魔以外の何者でもなく、格好のターゲットだったからだ。常に誘拐の危険にさらされていたし、何度も呪詛師の襲撃にあった。五条家から護衛と称して従妹の圭吾を筆頭に何人ものボディガードをつけられ、息苦しい日々を過ごして来たわたしは、当然他の誰とも恋をすることは出来ず、結婚する日までただ生きているだけの毎日。その間、五条悟がわたしに会いに来たことは一度もない。彼が高専に入ってからはわたしが会いに行かされるばかりだった。そこで優しく接してくれたのは、彼じゃなく、同級生の二人や後輩、補助監督の人達だけ。この男はいつも冷めた目でわたしを見下し、棘のある言葉を吐き散らす。そんな男をどう愛せばいいんだろう。

?僕、もう今日は時間空いたし、今から二人で食事でも――」

ヌケヌケと誘って来る態度に腹が立ち、思わず両手で突き飛ばしていた。

「そ、外でくっつかないで下さい…。それとアナタは暇でもわたしはこれから高専に戻って学長の仕事を手伝わないといけなのでムリです」

言いたいことだけ言ってその場から走り去る。だいたい式では「初夜が楽しみだ」とか言っておいて結婚しても手すら出して来ないほど、わたしに興味もないクセに何を言ってるんだと思った。
五条悟なんて大嫌い。だけど家の為に離婚はする気ないから、サッサと愛人作ってもらって家庭内別居してやる。

「…何よ、こんな指輪なんて…」

五条家を飛び出してタクシーを拾うと、シートに凭れ掛かる。乱れた髪を直す際、左手薬指に光る忌々しい指輪が視界に入った。愛もないのにハリーウインストンの指輪なんてくれちゃって、形だけが立派すぎて笑ってしまう。

(はあ…早く家庭内別居に持ち込みたい…いや…いっそ完全なる別居の方が…)

新居は都内でも高級住宅街と言われる場所のタワマンを用意され、何とも豪華な部屋に住むことになった。今はだいぶ落ち着いて来たものの、まだ呪詛師に狙われる可能性も考え、一軒家よりもセキュリティが万全のマンションの方がいいということで、今の家は警備がかなり厳重だ。危険だからという理由で結婚するまでは実家暮らしをしてたわたしはこれが初めての他人との同居になる。

(今は寝室も同じにしてるけど…少しずつ自分の居場所を確保しなくちゃ…でもその前に…)

と、それを考えると憂鬱になってしまう。

「子供…作ってもらわなくちゃなんだけど…」

わたしには恋愛なんて皆無だったけど、五条悟の方はそうでもなかったようだ。高専に入ってから聞いた噂では、非術師からよくモテてたようで色んな子をとっかえひっかえしてた時期があったらしい。婚約者がいながら、随分といいご身分だと、その噂を聞いた時は心底呆れたものだった。ハタチを過ぎたあたりで落ち着いて来たらしいけど、その頃からは時々わたしの様子を見に来るようになっていた。きっと結婚も近いからわたしのご機嫌でも伺いに来てたんだろう。

(わたしに手も出して来ないってことは…すでに愛人がいるって可能性もなくはない…?)

ふと過去の素行を思い出し、そんな思いが過ぎる。愛人を作ってくれるのは大歓迎だけど、わたしの目的は子供だ。いくら嫌いでも手を出してもらわなければ、延々とこの仮面夫婦を続けなければならなくなる。

(そう言えばアイツ…どんな女が好みなんだろ…)

五条悟を何かその気にさせる方法はないかと考えていたものの、肝心なものを知らないことに気づいた。

(マズい…それくらい知っておかないとダメか…)

と言って本人には絶対に聞きたくない。となれば、アイツの女の好みを知る方法は一つしかない。わたしはすぐにケータイを取り出し、ある人物へ連絡を取った。



アニメに伴い新連載スタートです。(23.7.03)