lesson-11


※性的表現あり



「じゃあ…昨日のおさらいからね」
「は…は…い」

言いながらも、はだけさせたことで全貌が見えた胸の膨らみを撫でるように触れる。元々細身だからか巨乳とはいかないが、体型に見合った大きさでバランスのいい綺麗な形をしていた。つい喉が小さく鳴るのを抑えられない。この前と同じように揉みしだくと、それだけでビクリと体が跳ねた。を見れば目を強く瞑ったまま顔を背けている。長い黒髪がシーツの上に広がり、白い肌をより際立たせていて、その幻想的な光景が彼女の健康的な色気をかもし出していた。

一方、自分から言い出したものの、の緊張はマックスだった。昨日はただ、指先で触れられただけだった。でも今、初めて男性の目に自分の肌をさらけ出したは恥ずかしいのを必死で堪えていた。ここを乗り越えなければ先はない。

「ん…っ」

胸を揉まれていると思えば、指が先端の周りを撫でていく。焦らすようにそれを繰り返され、首筋に吸い付いた唇は少しずつ下がっていった。緊張で強張っていた体が徐々に解され、ほんのりと熱を帯び始めた頃、それを見計らったかのように、焦らされていた胸の先端に吸い付かれた。

「…ひゃ…ぁっ」

初めて味わう強烈な刺激に、思わず声が跳ねた。慌てて手で口を押えたものの、硬くなった乳首を舌先で舐られ、唇で強く吸われれば、意志と反して高い声が自然に洩れてしまう。五条の舌の動きはいやらしく、巧みでの快楽を引きずり出そうとするようにねっとりと動く。の体がびくんと何度も跳ね上がり、息苦しそうに上げる声の中に少しずつ甘さを含んだものが混じり始めた。

「んぅ…ぅ」
「声、我慢しないで」

必死に手で口を押えているを見て、五条がふと笑みを浮かべた。しかしは首を振ってぎゅっと目を瞑ったまま、苦しげに声を抑えている。こういうところも頑固だなと苦笑しつつ、五条は口を押えている手の甲へ軽く口付けた。

「手、どけてくれないとキス出来ない」

それでもは必死に首を振って、手を外すことを拒否した。五条は僅かに目を細めつつ、いいことを思いついたとでも言いたげに口元が弧を描く。

「…ん…ご…五条…先輩…?」

不意に五条の体の重みが下へ移動した気配がして、思わず口から手を放したは目を開けた。すると五条は途中で止まっていたファスナーを一気に下げる。当然、下着をつけていないそこは無防備なまま五条の視線にさらされることになった。

「…や…やだ…っ」

自分でもまともに見たことのない場所を男の目にさらしているという羞恥で、の表情が戸惑いに揺れ、今では耳まで赤く染めている。一瞬、襲われるのでは?という恐怖も湧いた。だが五条は「最後までしなきゃ何してもいいんだろ?」と、のしなやかな両足を軽く持ち上げ、にやりと笑う。

「な…何…」
が手をどけないから、こっち・・・にキスしようと思って」
「…え…ゃ…あ…っ」

ぐいっと両ひざを左右に広げられ、驚く間もなく、恥ずかしい場所を指で触られた。びくんと肩が跳ね、またしても高い声が口から洩れる。そこを撫でられるたび、これまでの比ではない程の強烈な刺激を感じて、は心底驚いた。

「ご…五条…せんぱ…ゃ…やめ…っ」
「ん?それってギブアップってこと?」

かすかに濡れ始めたところに指を何度か往復させながら、五条が尋ねる。その間も、の体は五条の指の動きに素直に反応してビクビクと身を震わせた。

「…しないの?」

ジっと耐えているを見て、もう片方の手を胸へ伸ばすと、硬く主張している場所も軽くつまんだり指で何度も擦る。そのたびの口から切なげな吐息が零れ落ちた。

「し…しま…せ…」
「…そう?じゃあ…続けるよ」

ギブアップと聞いて、はやはり首を振って五条から顔を背けた。しかしその顔は逆上せたように赤く、細い肩は震えている。これくらいじゃギブアップはしないということだろう。その必死な姿が健気であり、またやけに扇情的にも見える。

(あんまり時間をかけると僕の方がヤバいかも…)

素直に反応するの姿は男の欲情を掻き立て、オスとしての本能を煽って行く。それを堪えていつも女を抱く時は真逆の、どうにか理性を奮い立たせると、五条は次の段階へ移ることにした。

「じゃあ…の要望通り。今日は1ステップ進めるから」
「…え…?」

何を、と問う間もなく、ギシッとベッドのスプリングの音がした直後、股の間にかすかな熱を感じた。驚いて顔を戻すと、自分の脚の間に五条が顔を埋めようとしているのを見て、ドクンと鼓動が跳ねあがる。この熱が五条の吐息だと気づいた瞬間、顔が一瞬で火照った。閉じたいのに、五条の手に押さえつけられた両脚は更に広げられた。同時にちゅっという音と、恥ずかしい部分に温かいものが押しつけられる。

「…ゃ…ぁあ…っ」

それが五条の唇だと認識した時、今度はじゅっと音を立てて吸われたのを感じ、たまらず高い声が口から洩れた。五条の舌が濡れた表面を何度も往復する。ぬるりとした熱いものがすでに主張している場所を執拗に舐め上げては、音を立てて吸い上げる。その淫靡な行為がの羞恥心を更に煽り、同時にこれまで知らなかった快楽を植え付けていく。

「…んぁ…ぁっ」

もう口を押える余裕もないほど、五条によって与えられる甘い刺激に、絶え間なくから嬌声が上がっていた。

「…この前はくすぐったいって言ってたけど…今は…?」

すっかり潤みを帯びた場所を指で擦り、五条自身も呼吸を乱しながら合間に問うと、はかすかに首を振ったようだった。

「…お…同じ…です…くすぐ…ったい…で…す」
「じゃあ…もっとくすぐったいとこ探そうか」

言いながら開いている内腿にもちゅっと口付ければ、「ひゃ…」という可愛い声と共にの体が跳ねるのを感じた。そのまま唇を足の付け根まで滑らせ、再び、今では蜜が溢れている場所へ舌先を伸ばす。だが、ぷっくりと硬くなった場所を口に含んだ途端、の口から悲鳴のような嬌声が上がった。

「ん、ぁぁあっ…や…ゃぁ…そ、そこ…いや…も…む、無理…です…っ」

足をガクガクとさせながら、閉じようと力を入れて来るのを感じ、五条は行為を中断した。

「それって…ギブアップ?」

ふと顔を上げて尋ねると、は首まで赤く染め、涙目で小さく頷くのが見えた。今回は珍しいほど素直だ。それには五条も内心ホっと安堵の息を漏らす。の可愛い反応を見て、五条も痛いくらいにあそこが硬くなっていた。これ以上、続けていたら間違って襲ってしまいかねないくらいには、理性が危うかった。

「じゃあ…僕とデートするってことで…いい?」

落ち着かせるよう深く息を吐きながら、どうにか体を起こすと、はすぐに体を起こし、はだけた服を着直しながらも真っ赤な顔で五条を見た。

「…や…約束…ですから…」
「そ?なら……って、、大丈夫…?」

服を着たまでは良かったが、は今にも倒れてしまいそうなほどフラフラしている。この前よりはだいぶ一気に進めてしまったせいで、のダメージは深いかもしれないと心配になった。

「だ…大丈夫…です…っ。た、ただ…」
「ただ…?」
「か…身体の…あちこちがムズムズして凄く…落ち着かないんですけど…これは…何でしょうか」
「……ああ…」

の言いたいことが分かり、五条は軽く吹き出した。

「きっとイきそうだったのに途中でやめたからだと思うよ」
「い…いく…とは…?」
「だから……オーガズムってやつ」
「そ…っ…んなバカな…」

五条の説明に更に顔を赤くする。まさか自分がイク寸前だったとは思いもしてなかった様子だ。

「何で?、凄く感じてたし、そろそろイクかなと思ったんだけど――」
「きゃ、きゃあぁ!や、やめて下さい…そういうこと真顔で言うの…っ」
「え…んむっ」

首まで赤くなり、逆上せたような顔で五条の口を手で抑える。それでもまだムズムズするのか、腰の辺りをモジモジと動かしているの姿が可愛くて、五条は口を塞いでいる手を放しながら吹き出した。

「かーわいい、
「な…」
「まだムズムズする?」

ちゅっと火照っている頬へ口付けながら訪ねると、涙目でキッと睨まれた。しかしそんな顔ですら五条の欲を煽るだけだ。

「もう少し続けてイかせてあげようか?」
「い…いい、です…!きょ、今日は…いっぱいいっぱいなので…っ」
「ほんとに…?我慢できる?」
「で、出来ます…!」

真っ赤な顔で言いながら、ぷいっと顔を反らすが可愛くて、五条は小さく笑いを噛み殺した。

「なんだ…残念」

とつい本音が零れる。

「…ざ…っ?」

そのひとことにがギョっとしたように五条から離れた。自分の身体を抱きしめるようにしながら五条を睨む姿は、毛を逆立ててる仔猫のようで、五条はまたしても吹き出してしまった。いちいちの反応が可愛いので、ついからかいたくなってしまう。

「じゃあ…この続きはデートの後ってことで」
「……う…は…はぃ…」

蠱惑的な笑みを見せてそう言えば、はビビりながらも、小さく頷いた。



*** おまけ ***


「五条先輩もお風呂に入るんですか?」
「え?あーうん…ちょっと…処理をしないと帰れないっていうか…」
「…処理、とは?」
「…言えるわけないだろ」

キョトンとするを見て、五条はかすかに頬を赤くし、溜息交じりでバスルームへ飛び込む。
それでも――自身で処理をしてもなお、散々欲を煽られ過ぎた五条はこの日。悶々と眠れない夜を過ごし、次の日家入に絡まれることになった。