はちみつ味の笑顔この世に出逢いがあるのなら、当然のように別れもあるわけで。 その当たり前のような事実を分かってはいても、どんな事をしてでも手放したくない存在が、今、隣に眠っている。 どこにも行かないで、というように私の服を握り締め眠る彼女は、私が唯一愛した女性。 互いの体温を確かめ合うように肌を重ねた後、は一人、先に夢の中へと旅立ってしまった。 彼女がどんな夢を見てるのかさえ気になり、可愛い寝顔を見つめる。 "私の夢を見てくれてたらいい" なんて、らしくない事を思うのも溺れてる証拠なのか。 本気で愛せば愛するほど、彼女を失う事、そして自分の命を失う事への恐怖が強まり、いつから、こんなに弱くなったのだ、と失笑が漏れる。 「ん…」 そっと額にかかる髪をはらえば、僅かに彼女の瞳が動いた。 長い睫が震え、ゆっくりと開けば、綺麗な漆黒の瞳が私を捉える。 「…おはよう御座います。」 「…ぁれ…L…」 子供のように目を擦る彼女の仕草に自然と顔が綻んだ。 「ごめ…寝ちゃった…?」 「ええ」 「…ごめんね」 照れくさそうに微笑む彼女に微笑み返し、額にちゅっと口付ける。 「いいですよ。の寝顔を見れましたから」 「え…ずっと起きてたの…?」 「はい」 私が頷けばはかすかに頬を赤らめた。 「ズルイ…。Lってば自分だけ服着ちゃって」 「もう一度、脱がせてみますか?」 私の服を掴んでいた彼女の小さな手をそっと外し、指先へも口付ければ、は更に頬を染める。 そのまま綺麗に伸びた指先を口に含み、舌を這わせれば、彼女の体がビクリと反応した。 「あ、あの…紅茶でも飲まない?」 「今はいいです。ここにいて下さい」 「じゃ、じゃあ持ってきたケーキ食べる?」 「ケーキよりの方が甘いですよ」 「………っ」 恥ずかしがる彼女を見ながら指を解放すると、そのまま薄っすらと開いている唇へもキスを落とした。 「ん…」 最初から舌を忍び込ませ、の口内を味わうように愛撫すれば、体中に甘い痺れを感じた。 互いの舌を絡めれば、かすかに響く厭らしい水音に、彼女は恥ずかしそうに体を捩る。 「ん…ふ…っ」 逃げないように、ゆっくり覆いかぶさると更に深く口付け、互いの吐息も溶け合うくらい、情熱的に彼女を味わった。 「…L…」 「は甘いですね」 長いキスの後、彼女の唇をぺロリと舐めてそう言えば、は真っ赤になって目を伏せた。 それでも、すぐに視線だけ私に向けると、 「Lも…凄く甘いよ?」 と、はにかんだ笑顔を見せてくれる。 「…そんな台詞をそんな顔で言われたら、私がどうなるか分かっていますよね?」 唇が触れ合うすれすれのところで、そう囁けば、また彼女の頬が赤く染まった。 ※ブラウザバックでお戻りください。
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