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「…やり直しませんか?」 「…嫌」 ずっと、ほったらかしてたクセに今更ズルイ。 そんな悲しそうな目をしたってダメなんだから。 「どうしても?」 「どうしても」 ずっと待ってたのに置いていったのはLじゃない。 だけど私は待ってるだけの女なんて嫌だから。 豪華な部屋も、高価な食事も、何も、何もいらなかった。 「誰か他に好きな人でも出来たんですか?」 「…そうかもね」 貴方についた最初で最後の嘘。 それくらい許してよね。 だってほんとに私が欲しかったのは。 凄く凄く欲しかったのは… 豪華な部屋でも、高価な食事でも何でもなかったの。 「……愛してるんですけど」 「…だから?」 「だから…やり直しましょう」 スタートに戻って。 最初に会った頃に戻って。 また好きになりませんか。 そう呟いて私を抱きしめる貴方は― 「やっぱりズルイよ…」 「そうですね」 「私の欲しいもの、ちゃんと分かってるんだから」 「だって愛してますから」 世界でたった一つ、お金で買えないもの。 ※ブラウザバックでお戻りください。
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