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いつもとは違う姿でやって来た彼女を見て一瞬、固まった。


いや、見惚れてしまった、というべきか。






「どうしたんです?その格好」
「んー夏だから…変、かな」





少し照れくさそうに微笑みながら、浴衣姿の彼女がこっちへ歩いてくる。




「いえ…凄く可愛いです」




私が思ったことを素直に口にすると、ほんのり頬を染めて照れたように笑う。
長い髪を綺麗にまとめて首筋を出している彼女は、とても艶っぽくて可愛い、と言うより美しいとすら思った。





「ね、近くでお祭りやってたの。行ってみない?」





おずおずと訊いてくる彼女。
きっと私が忙しいことを気にしているんだろう。
確かに忙しいのだけど、でも外に出たくない理由は他にあった。





「…やっぱり…無理よね。いいの、言ってみただけ!」





気を遣ってそう言う彼女に、つい笑みが零れる。
浴衣が崩れぬよう、そっと抱き寄せ、額に口づければ少し恥ずかしそうに彼女は顔を上げた。





「いいですよ」
「…え、ほんと?ほんとにいいの?」
「ええ。でも…ちょっと嫌ですけど」
「…何それ…どっちなの?」





私の言葉に彼女の頬が可愛く膨れる。
その頬にも口付けて、耳元でそっと囁いた。










「…ただ…他の男の目には触れさせたくないだけです」











可愛い貴女を閉じ込めておけたら、どんなにいいだろう。



















独占欲















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皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて…

【SICILY...管理人:HANAZO】