*** Mello ***
「おい…」
「んー?」
「こっち向けよ」
「んー。ちょっと待って」
俺が呼んでるのにコイツと来たら、さっきからテレビの画面に釘付けだ。
だいたい、いくらサッカー観戦とは言え、俺以外の男(ども)を応援してるってとこからしてムカつく。
「おい…」
「ちょ…メロ、やめてよ。今いいとこなんだから」
抱き寄せた手を振り払われてムっとする。
が、彼女は俺をチラっと見ると、ちょっとだけ笑った。
「何笑ってんだよ…」
「メロ、ヤキモチ妬いてるの?」
「…は?何で俺が」
「嘘ばっかり。だってそんな顔してるもの」
「してない」
「してるってば」
「してないよ!」
「素直じゃないんだから」
ムキになった俺を見て、彼女はクスクス笑いながら再びテレビ画面に目を戻した。
ふーん、そういう態度をするんなら、こっちだって考えがある。
「きゃ…メロ?」
後ろから抱きつき、その場に押し倒せば、見上げてくる戸惑ったように揺れる大きな瞳。
「な、何して…」
「素直になってる」
「え?ん…っ」
大きな目をパチクリとさせた彼女の唇を強引に塞げば、ビクンと体が反応した。
「ゃ…ちょ…メロ…何?」
「素直になってキスしてるだけだろ?」
「な…」
「お前は俺だけ見てればいいんだよ」
俺の強気の言葉に彼女の頬が赤く染まり、照れたような笑みを浮かべた。
「そういうメロも好きだよ」
「…知ってるよ」
得意げに笑う俺に、彼女はまた困ったような顔で微笑んだ。
いいとこも、悪いとこも
全てひっくるめて、俺だってお前を愛してるんだから。
※ブラウザバックでお戻りください。
皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて…
【SICILY...管理人:HANAZO】
|