「どうしました?」
「何でもない」
パズルをしている二アの背中に抱きつきながら、小さな声で答えた。
邪魔をするつもりじゃなくて、ただこうして二アの体温を確かめたかったの。
だって、こうでもしないと、目の前からパっと消えてしまいそうだから。
「こうしてていい?」
「いいですよ」
「ずっと二アの傍にいてもいい?」
「いいですよ」
「じゃあ…お仕事の時は?」
「それは時と場合によります」
「ふぅん…」
「怒ったんですか?」
「…怒った」
「怒らないで下さい。私だって傍にいて欲しいと思ってるんですから…」
「ほんとに?」
「ええ、ほんとに。だから怒らないで下さい」
「じゃあ…キスして。そしたら怒らない」
「…それは大歓迎です」
二アはちょっと笑うと体を少しだけ動かし、私の方に振り向いた。
そして、まだ少しスネてる私の唇に触れるだけの優しいキスを落とす。
「もっと」
少し物足りなくてキスをねだる。
二アはちょっと苦笑しながら、もう一度、唇を重ねた。
そっと背中に回された腕が心地よくて、気遣うように侵入してくる舌が愛しさを連れてくる。
「…やっぱり、ずっとこうしてて欲しいな」
僅かに唇が離れた時、二アの鼻先に口付けて、そう呟けば。
「…こんな事してたら仕事なんて出来なくなってしまいます…」
少しだけ息を乱した二アが私の耳元で小さく呟いた。
ああ、私が二アの付属品ならいいのに。
山に寄り添う雲みたいに
あなたの傍にいたい
あなたが山だったなら私 雲になってくっついていたい
※ブラウザバックでお戻りください。
皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて…
【SICILY...管理人:HANAZO】
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