エクソシスト――――
それは神に魅入られた者達。彼らは闇より現る。禍禍しきものを葬るために在る――――。
エクソシスト総本部、《黒の教団》は世界の終焉を阻止するためヴァチカンの命によって設立された直属の対AKUMA軍事機関だ。
私がこの教団に入ってすぐの頃、初めて言葉を交わしたエクソシストは、私より一日先輩で寄生型の対アクマ武器を腕に宿す、白髪の少年だった。
「初めまして。僕、アレン・ウォーカーと言います」
妙に礼儀正しくて、どこか線の細い、その少年は、ホントにエクソシストなのかと思うほど、か弱そうだった。
左目の傷と額にあるAKUMAに浸食された印" ペンタクル"を見た時は驚いたけど彼曰く「呪われているだけ」で特に問題はないという事だった。
次に話したのが可愛い中国人の女の子で、名前はリナリー・リー。
彼女は黒の教団の科学班室、室長、コムイさんの妹だそうだ。(似てないけど)
なかなか優しそうで、教団の中を色々と案内してくれた。
コムイさん曰く、私と彼女は雰囲気もスタイルも良く似ていて、まるで姉妹のようらしい。(私の方が年上)
その次に出会ったのが、私と同じ日本人だという長い黒髪を後ろで束ねた、ちょっと目つきの悪い男、神田ユウ。
こいつは出会って早々、アレンくんとケンカしてたから印象に残ってる。
神田は初めて会った時、「お前、日本人か?」と唐突に訊いてきた。
そうだ、と応えると彼は僅かに視線を反らし「まあ、死なないよう、せいぜい気をつけろ」と怖い口調で言われた、
リナリーは「神田が自分から話しかけるのは珍しいの。きっと同じ国の人に会えて嬉しかったんじゃないかな」と笑ってたけど、私には無愛想で怖いという印象でしかない。
そして次に会ったのが、神田とは真逆のような明るい人で、右目に眼帯をつけている男の子。
顔を付き合わせた瞬間、変なビームを送ってきたと思えば、第一声が――――
「ストラ〜〜〜イクッ!もろタイプ♡♡」
あまりの事で驚いた私に、一緒にいたアレンくんが苦笑いしてたっけ。
彼はブックマンという師の元、修行している人で、名前をラビと名乗った。
それ以来、何かと話しかけてくるラビは、私の中で"うるさい男"という位置づけだ。
こんなタイプ様々な人がいるこの黒の教団は、これから私の"故郷"となる。
「こんばんは、ジェリーさん。コーヒー貰えますか」
「あら、お帰りちゃん。また今日もコーヒーだけ?」
そう言って心配そうな顔をするのは、ここの食堂の料理長でジェリーさん。
男の人なのに何故か女言葉で話す、ちょっと変わった人だけど、私はジェリーさんと話してると何だか落ち着く。
「うん、食欲なくて……。あ、今日はキリマンジャロがいーな」
「はいはい。でもちゃん、任務から戻る時はいつも食欲ないのね。大丈夫?」
「大丈夫!少し慣れて来たから」
「そーお?アタシ、心配よ。そんなに細いのに、ますます細くなっちゃって」
「もともと親譲りで太れない体質だから……」
ジェリーさんが淹れてくれたコーヒーを飲みながらホっと息をつく、この瞬間が私は好きだった。
ホームに帰ってきた、と実感できる、この瞬間が。
「そうそう!さっき他のエクソシスト達も帰って来たのよ。娯楽室でゲームしてるようだけど、ちゃんは行かないの?」
「そうなんだ。でも……私はやめとく。こうしてジェリーさんと話してる方が落ち着くし」
「あらま!嬉しいこと言ってくれちゃって!」
素直に喜んでいるジェリーさんに、ちょっと笑いながら食堂を見渡す。
今はファインダーの人たちが寛いでいるくらいで、エクソシストは誰もいない。
「ああ、でもさっきラビがちゃんのこと探しに来たわよ〜?少しだけでも顔出してきたら?」
「……いい。どーせアレンくんが一人勝ちしてるから仲間を増やそうって魂胆だもん」
「そう?ホントちゃんってば人付き合い苦手ね〜。そんなんでやって行けるの?」
「大丈夫だってば!だいぶ慣れてきたって言ったでしょ?これでも神田とはよく任務も一緒になるから仲良くなったんだよ?」
「えっ!アタシはそっちのが不思議だけど……」
「そう?見た目より、いい奴なんだけどな」
「………」
そう言った私をまるで珍獣を見るような目で見てくるジェリーさんに思わず苦笑する。
でもそれも仕方ないのかもしれない。
神田はここではちょっと、煙たがられてる存在のようだし。
(神田は口が悪いからなぁ……)
先ほど一緒に戻ってきて早々、自室に引きこもった彼を思い出す。
神田は私以上に人付き合いが良くない方だ。
「私、ちょっと書室にでも行ってるね。ラビが来たら部屋に戻ったってテキトーに言っておいてもらっていい?」
「あら、そう?まあ息抜きになるならいーけど……。少しは目も休めなさいね。任務から戻ったばかりなんだし」
「うん。ありがと、ジェリーさん。あ、カップあとで返しに来るから」
そう声をかけて食堂を後にすると、私は書室へと向かった。
途中、数人の仲間と出会い、軽く言葉を交わしながら、自分でもだいぶ社交的になってきたなぁと思う。
以前の私はどっちかと言えば自分から挨拶をするような人間ではなかったし、そういうとこは神田と似ているかもしれない。
(あ、そっか……。だから気が合うのかな)
そこに気づき、一人で納得する。
皆はあの神田と気が合う、なんて言えば変な顔をするけど、でも私といる時の彼は案外普通だと思う。
普通に話をし、たまには一緒に笑いあう。まあ笑顔を見せてくれるのは本当にたまに、だけど。
最初に怖いと感じた印象も、今はもうない。
きっと神田は不器用なだけなんだと、私なりに解釈している。
「良かった、誰もいない」
書室に入ると、そこは静かで、今は誰も使用していなかった。
ホっとしながら奥の棚に歩いて行き、好きな書物を手にする。
任務の後は気分が高まっているから、こうして静かな空間で本を読み、心を静めるのが好きなのだ。
いつもの窓際の席に座り、コーヒーを飲みながら本を読む。
時々窓の外に目を向けて、遥か下に見える街並みを眺める、この時間が好きだった。
少し温くなったコーヒーを口に運び、再び本に視線を戻す。そこへドアの開く音がした。
顔を上げると意外な人が書室へと入ってくる。
「あれ……神田。どうしたの?寝るんじゃなかった?」
「何だ、いたのか」
神田は何冊か本を手に取ると私の隣に腰をかける。
神田でも本なんか読むんだ、と思っていると、それを察したのか、彼は不機嫌そうな顔で「眠れないからちょっとな」と視線を反らした。
最近気づいたけど、彼がこういう顔をする時はある種の照れ隠しみたいなもので前ほど気にならなくなった。
「どうしたの?疲れた?」
「疲れたのはお互い様だろう。あんなに沢山のアクマと戦ってきたんだしな」
パラパラと本を捲りながら苦笑する神田に、私も素直に頷く。
確かに今回の任務で行った先には想像以上のアクマが待ち構えていて、私と神田は少し苦労させられた。
「でもイノセンスを二つも回収できてコムイさんとへブラスカには誉めてもらえたし」
そう言いながらコーヒーを飲んでいると、強い視線を感じた。
顔を上げてみれば、神田がジっと私を見ている。
「お前は誰かに誉めてもらえるのが嬉しいみたいだな」
「嬉しいっていうか……こんな私でも教団の役に立てたんだなって思うから……。親孝行とかじゃないけどそんな気持ちになるの。神田は?」
「オレは別に何とも思わない。任務が成功すればいいだけだ」
「ふーん……。そっか」
「は……親も兄弟もいないんだったな」
「うん。だからこんな風に社交的じゃない性格になっちゃった」
「……ま、オレも人の事は言えない」
「そうだね。神田も相当、無愛想だもん」
そう言って笑うと神田は思い切り顔を顰めた。でも怒ったわけじゃない。
「も最初は相当、無愛想だったろ」
「そうだけど、でもね……。教団に入ってから仲間が出来て、何だかこういうのいいなぁって思えるようにはなったよ?神田は?」
「………オレは――――」
私の問いに神田は少し戸惑ったように瞳を揺らした。
凄く簡単な質問をしただけなのに何を考え込んでいるのか、暫し沈黙が続く。
「神田……?」
「……オレは他人と馴れ合うのは好きじゃねえ」
不機嫌そうな顔で不意に呟いた神田に、私は軽く溜息をつく。
「みんな一緒に戦ってる仲間なのに……。そんな風だから誰も神田と組みたがらないんじゃない」
「うるせえ。余計なお世話だ」
「そうかもしれないけど……。はあ……神田、私と居る時は普通なのになぁ……」
そうボヤく私を見て、神田は小さく舌打ちをした。
「あ、また舌打ちした!そのクセ何とかしてよね、もう」
「うるさいって言っただろ。静かに本でも読んでろ」
「言われなくても読みますー。ほんっと素直じゃないんだから」
ブツブツ文句を言いながら本を開く私を神田はジロリと睨みつける。こういうのも慣れっこだから私は気にならない。
けど言われた通り黙って本を読み始めた時、神田が小さく息を吐き出した。
「何よ。まだ文句あるの?」
「お前と話してると調子が狂う」
「何よそれ。いつも普通に話してるじゃない」
私がそう言った瞬間、神田は言葉に詰まった様子で目を伏せた。
「……似てる……からかもな……」
「え?」
「ドジなとこも、うぜえとこも―――」
聞き取りにくいほどの声で話す神田の言葉に耳を傾ける。
でもそれを最後まで聞く前に、勢い良く開いた扉の方に自然と意識が向かった。
「あー見っけたさー!」
「……う、ラビッ!」
大きな声を上げて入って来た人物の顔を見て、私は思い切り顔を顰めた。
静かな空間にラビの賑やかな声が響き渡り、隣にいる神田も小さく舌打ちをしている。
「探したさ〜!やっぱ、ここにいた」
「ゲームのお誘いには参加しないから」
間髪入れずに言えばラビは泣きそうな顔で駆け寄ってきた。
「そんなぁ頼むって〜!アレンの奴が本気出しやがってさ!あいつ今、黒アレンさ、マジで」
ラビがいるだけで、さっきまで静寂が似合ってたこの書室も一気に賑やかになる。
「あれ、ユウもいたんさ〜!」
「その呼び名で呼ぶんじゃねえ!」
「まあまあ。ってか……何?もしかして二人きりで話してた?」
「………だったら何だ」
「えぇーっオレでさえ二人きりで話したことないのにっ!」
「……うるせえ。いちいち叫ぶな」
ラビの絶叫に神田が顔を顰めた。私は私で再び本に目を向ける。
こうなったら神田にラビの相手をしててもらおう。……なんて甘かったかもしれない。
再び扉が開く音がして、そこに顔を出したのは確かに普段より顔つきの悪くなってる"黒アレン"だった。
「ふふふ……。見つけましたよ、ラビ……」
「げ!アレン!」
「今日は朝まで勝負だって言ったのは嘘ですか?」
「ちょ、ちょっと待て!すぐ戻るからさっ」
「待てません!さあ、早く続きやりましょう」
つりあがった目を光らせ、アレンくんはニヤリと笑った。
それにはラビも潤んだ目で哀願するように私を見る。
こういうとこは何だか犬みたいで可愛い、と思ってしまう私は、すっかり教団のカラーに染まってきたようだ。
「はあ……今夜は静かに読書したかったのに……」
「おい、、こいつらに付き合う必要はない」
神田があきれ顔で溜息をついた。
「何だよ、ユウ!冷たいさー!」
ラビが唇を尖らせ反論すると神田の顔が更に恐ろしい顔になっていく。
いつもこんなノリだから、落ち着く場所なんてこの教団にはないのかもしれない。
「分かった。ゲームに付き合ってあげる。でも一回だけね」
「ホント?」
「おい、……お前、目が――――」
「大丈夫だよ、少しくらい。そんなに心配しないで」
「……心配なんかしてねえよ」
神田はそう言って顔を背けると本を持って立ち上がった。
どうやら、うるさいのが来て部屋に逃げるようだ。
「……おい馬鹿ウサギ。こいつは任務で疲れてる。あまり無理させるな」
「……あ、そっか。了解!あ、ユウはやらないの?」
「うるせえっっ!その呼び名で呼ぶなと言っただろ!刻むぞっ!」
くわっと目を吊り上げる神田に、ラビはギョっとしたように私の後ろへと隠れる。
こうして見てると何だか仲のいい(?)兄弟のようにも見えるから不思議だ(二人とも同じ歳だけど)
「さあ、早くやりましょう」
「はいはい……。ホント、アレンくんってカード持たせるとキャラ変わるね」
「そうですか?そんな事ないですけどね」
「……自覚してないんだ」
黒い笑みを浮かべるアレンくんに思わず目が細くなる。
彼は過去に師匠であるクロス元帥との過酷な旅を続けていたらしく、そこでこの歪んだ黒アレンが生まれたらしい。
どっちかと言えば私は黒い彼も嫌いじゃない。
「何で勝負する?ポーカー?それともブラックジャック?」
「ではブラックジャックで」
「OK」
「では行きますよ」
アレンくんはそう言ってカードをシャッフルさせ、配っていく。
私の隣ではラビがワクワクしながらそれを眺めていた。
が、アレンくんはふと手を止めると、
「あれ……?でもは確か、その目で以前……」
「勝ったけど」
「あっそうでした!」
アレンくんはそこに気づいたのか慌てて首を振ると「やっぱりダメです、が参加しちゃ」と立ち上がった。
それにはラビも「えーっ」と不満げな顔をする。
「いいじゃん!助っ人呼んでもいいって言ったくせに」
「でも彼女はダメです!特殊な能力があるんですから」
「きったねー!」
「いいからラビが相手して下さい。この前のツケ分も溜まってるんですからね」
「げぇ、鬼さ……。アレンは黒鬼さ……」
ラビは私の後ろに隠れてブツブツ文句を言っている。
どうやら、私との勝負はお預けになったらしい。
その時、ぐぅぅ…という変な音が部屋の中に響いた。
見ればアレンくんが顔を赤くして、えへへ、と頭をかいている。
「お腹……空きましたね」
「…………」
「僕ちょっと食堂に行って来ます」
「……ホッ」
アレンくんの一言で、ラビが息を吐いてる。きっとこのゲームから抜け出せると思ったんだろう。
でもアレンくんはキラッと目を光らせると、
「すぐ戻りますからラビは逃げないで待ってて下さいね」
「う……っ」
すっかり逃げ腰のラビは、アレンくんの一言で首をすぼめガックリと項垂れた。
そんなに嫌なら最初から勝負を挑まなきゃいいのに、と思いつつ私は再び本を開く。
これで少しは静かに読書が出来そうだ。……と思ったのに。
「やーっと二人きりになったさ♡」
「…………」
何故か隣には無邪気な笑顔を浮かべている大型犬が一匹。
「……もういいでしょ?一人にして」
「えぇ?嫌さ〜せっかく邪魔者もいなくなったのに」
「私的にはラビが一番、邪魔」
「ひどっ!」
私の一言に、胸を抑えながら打ちひしがれてるラビは、それでも明るく笑う。
最初にも思ったけど、元気いっぱいで太陽のように笑うラビは私にとって少し眩しい存在だ。
「は本好き?」
「うん。異国の本とかは色々と知らない事を知れるし面白いから」
「そっか。オレも本は好き」
「そりゃ時期ブックマンだものね」
「それもあるけど……元々好きなんだ」
「じゃあ……ラビも本読んだら?ここには幸い沢山の本があるし」
そう言ってズラリと並んだ本棚を指差す。
でもラビは不満そうに首を振った。
「オレは今、と話したいんさ。本はいつでも読めるから」
「……私は今、本を読みたいんだけど」
「まま!いいじゃん!たまにはゆっくり話そうよ。いつもユウが怖い顔で睨むから話せないしさ」
ラビはそう言って笑うと私の手からたやすく本を奪う。
それには仕方なく溜息をつくと、隣で微笑むラビを見た。
「前から思ってたんだけど……」
「ん?」
「ラビって、どうして私にかまうの?」
「どうしてって……そりゃ気になるから?」
「…………」
アッサリと告げられたその言葉に、ガラにもなく顔が赤くなってしまった。
そんな私を見てラビは何故か嬉しそうだ。
「あ、、赤くなってるさ〜。かーわいい……。惚れたかも♡」
「……ふざけないで。私の事なんか何も知らないくせに」
「知ってるさ。ここに来てからのの事は」
「まだ数か月じゃない。それで何が分かるの?」
「分かるさ。がいい子だって事は」
「………」
何を根拠にラビはそう思うんだろう。
自慢じゃないけど、私はこれまで"いい子"と評された事なんかないんだから。
「勝手にそう思ってるだけでしょ。私は今まで――――」
「過去よりオレには今が大切」
そう思わない?と、ラビは微笑んだ。そのポジティブな笑顔に、私はいつも何も言えなくなる。
仲間、とか、家族、とか、今まで感じた事のない意識に、私は翻弄される。
それは一人の時より少し煩わしくて、でもほんの少し胸が熱くなるような、そんな些細な熱。
「は今、ここにいる。ここに帰ってくる。そしてそれを出迎える仲間がいて、オレがいる。そんな今の方が大切だと思うんさ」
ラビの言葉は何だか凄く説得力があって。確かにその通りだ、と思ってしまうくらいのパワーがある。
現に私はこの教団に入って居心地の良さを感じてしまってるから。
「……オレは今のを知りたいって思うんさ」
「今の私……?」
「そ。人を知りたいって思うのに理由がないとダメって事はないっしょ。知ったらもっと好きになるかもしれないさ」
よく分かったような、分からないような。
でもラビが何だか嬉しそうだから、それでいいか、と思ってしまう私はスッカリ彼のペースに流されてる気がする。
「少しの欲を言えば、オレの事も少しづつでいいから知っていって欲しい、かな」
「……うるさいのは知ってる」
「そういうんじゃなくてー」
私の言葉にラビはガックリ項垂れている。
でも私は今まで、誰かの事を知りたい、とかそんな風に思った事がない。
それって、どんな感情なんだろう。
「まあいーや。オレ、これから頑張るからさ」
「が、頑張るって何を頑張るの?」
「にもっと打ち解けてもらえるように」
苦笑気味にそんな事を言うラビに私はやっぱり首をかしげたけど、彼はただ笑うだけでそれ以上は何も言わなかった。
でも何となく心地よくて、私もそれ以上は何も言わずに黙って本を閉じる。
その時、廊下の方で、ラビを呼ぶアレンの声が聞こえて来た。
「はあ、ホントに戻ってきたさ……」
諦めたように項垂れるラビを笑いながら、今日も平和なこの夜を楽しんでる私がいた――――。