※性的描写があります。苦手な方や18歳未満の方の観覧はご遠慮ください。




――私、悟のことが好きだよ。

あの時の自分が一番、素直で可愛かった。
でも期待した答えをもらえず、くすんだ青い春を積み重ねた結果、私は大して好きでもない男に処女を捧げたし、今もそこそこの男と付き合ってる。なんて愚かなことをしてるんだろうと分かっていても、報われない思いを抱えて生きるよりマシ。そんな浅はかさや未熟さを煮詰めすぎて焦げついてしまったのが今の私だ。
自分の想いを片付ける為に他の男を利用するという、何とも簡単な方法を選び、何よりも叶わない恋を諦められない自分から目を反らしたかった。
色褪せてしまった私の青い春は、もう戻らないから。

「――んんっ……ふ……は、……や、ぁぁあっ」

片手で私の両手をひとまとめにして、悟はもう片方の手を使い、ぐずぐずの場所で厭らしい抽送を繰り返す。

――全然足りない。もっとして……。

あんな強がりを言うんじゃなかったと、朦朧とし始めた頭の隅で後悔する。
私のそんな浅はかな一言が、悟のどこかに火をつけたらしい。本気でイカせようとナカを激しく擦り上げてくる。

「……む、無理……んあっ……待っ……てっ!う……ぅぅ」
「なあ。もっと声、出して。のエロい声聞きたい」
「な……なに、そ、れ……」

と言いながらドアの方へ視線を向ける。さっき廊下まで聞こえると言われたんだから出せるわけがない。
そんな私の反応を見て、悟は小さく吹き出した。

「オマエの彼氏の学年は全員が出張。傑は深夜まで任務だから不在。――ってことは?」
「……え?」
「実質、今この寮には俺とオマエだけってこと」
「な……そ、それ知ってて――んんっ」

さっきは誰かがいるようなニュアンスで話してたくせに、と文句を言いたかった。でも激しく指を動かされて、その声すら喘ぎに変わってしまう。
伊達に女経験、四桁はいってないらしい。悟のテクニックは大した経験のない私でも分かるくらい巧みで、ナカをそれほど開発されてない私の感じる部分をもう把握してきたようだ。
ぢゅぽぢゅぽと音が立つくらい指を激しく出し入れをしたかと思えば、次第に緩慢な動きに変わる。ナカの壁を折り曲げた指先でぐり、ぐり、と刺激したり、優しくとんとんしてきたり、緩急をつけた動きがとんでもなく気持ちいい。悟に比べたら経験値なんてないに等しい私の体は、容易く未開拓の境地まで押し上げられた。

「……や……っな、んかくる……っ!やぁ、さと――ぁああっぅぅっ」

全身がぞくぞくっと激しい快感に襲われ、身震いしそうになった時、脳天から指の埋められた場所まで一気に感じたことのない感覚が走った瞬間、ぷしゅっという音と共に、体内から何かが溢れ出る。全身の快感を全て表に放出したような感覚で、頭が痺れるくらいの気持ち良さだった。意志とは関係なく、開かされた足がガクガクと痙攣してる。

「はー……はー……」

沸騰した頭では何が起こったのか理解できない。ただ全力疾走したかと思うくらいの倦怠感に襲われて、荒い呼吸を繰り返すのがやっとだった。
私の体液に制服を濡らされた悟は怒るでもなく、ぐったりとした私を見て「気持ち良かった?潮吹き」と微笑んでいる。
ああ、そうか。今のが噂に聞く潮なんだ、と納得した。ここまで私を感じさせようとする男はいなかったし、正真正銘こんなのは初めてだった。

「とろんとした顔しちゃって……でもそんな顔するんだ」

悟はどこか喜色を浮かべながら私の火照った頬を撫でてくる。今は全身が性感帯になってるくらい敏感になってるせいか、たったそれだけの接触でもぞくりとした。
さっき物足りないって言われた仕返しとばかりに私を虐めようって魂胆かも、と痺れた頭で考える。ムカつくけど、気持ち良かったのは事実だから何も言い返せない。

「足りないならもっとしてやろうか」
「も……いい……イった……から……」
「遠慮すんなって。初めては今日だけの特別なんだからもっとしていいよ。――潮吹き」
「は?ちょ……や、やだ……ぁあっ」

悟は私が動けないのをいいことに、埋めたままだった指の動きを再開した。あげく乱れたシャツから覗いている胸の先にもはむっと吸い付く。

「ふ、ぁ……っだ、だめ……さと、るっ……ぁっん、あ~……っ!」

ちゅぱっと吸いつかれたかと思えば、ちゅうっと音を立てて吸われる。指から与えられる刺激と乳首への強い刺激でびくびくと腰が跳ねた。さっき盛大にイキ散らかした場所は愛液がどんどん溢れていて、シーツも敷いてないベッドのマットをじわじわ濡らしていくのが分かる。それが恥ずかしくて止めて欲しいのに、悟の指は容赦なく抜き差しを繰り返す。ぐちぐちと音をさせながら、私のいいところをとんとんして甘やかす。次から次に襲ってくる強い快感に、体がどんどん勝手に昇りつめていった。

「んんーっ、さ、さと……ぁぁあっ」

悟は暴れる私の体を適度な力で押さえつけ、乳首を黙々と吸っては舌でれろれろと転がしてくる。同時にナカをぐちゅぐちゅと擦り続けるせいで、気持ち良すぎてバカになりそうだ。
なんて思っていると、また僅かに潮を吹いた感覚があった。一度経験したからなのか、短い間隔で何度もそれが襲ってくる。
悟ってエッチの時はこんなにSだったの?と思うくらい、快楽攻めにされていた。

「……んんっ」

何度目かの絶頂を迎えた時、不意に指が引き抜かれ、胸元からちゅぱっと音を立てて悟が顔を上げた。この時はやっと解放される、とホっとしたくらいだ。
体中の水分が出たんじゃないかと思うくらいに全身が怠い。現に悟の制服の腹から股の部分は私の厭らしい分泌液でべっしょりと濡れていた。
でも寮に誰もいない今なら、見られず風呂まで行けるだろうし、私もこっそり自分の寮へ帰れる。
そう思いながら浅い呼吸を繰り返していると、上着を脱いで放った悟は何を思ったのか、グッタリ投げ出されている私の足首を掴んで両脚をぐいっと持ち上げた。

「やっ、何……?」

胸の辺りまで太腿を押し付けられてスカートがめくれる。当然、ぐずぐずに蕩けている場所が丸見えになった。

「や、やだ、やめてよっ!何してんのっ」

悟の行動にビックリしてジタバタしても、しっかり足首を握られてるせいで大した抵抗にもならない。
私のアソコへ顔を近づけていく悟を見て、顏から火を噴いたのかと思うくらい熱くなる。

「ちょ、悟!バカ、放してってば――」

恥ずかしい場所を至近距離で見られるのはたまらないとばかりに暴れていると、不意に悟が「見せて」と呟いた。

「は……?」
「俺にも見せて、のここ」
「な……や、やだっ」

俺にも?俺にもって何だ、と驚きながらスカートを戻そうと手を伸ばす。でも悟は足首から手を放そうとしない。放すどころか、どんどん私の足を広げていく。

「見るだけ」
「み、見るな、バカ!」
「無理。綺麗じゃん。どこもかしこもピンクで」
「ひゃ、ぁ」

悟は言いながら私の太腿の裏側にちゅ、ちゅ、と口づけていく。その小さな刺激ですら、露わにされた場所を疼かせた。

「すげえ、肌もスベスベ」
「……やっ」
「下の毛も薄くて?とろとろのとこ丸見え」
「やぁだ、見ないでってば――」
「で――花びらもクリも小さめ。かわい」
「……っ!」

恥ずかしい感想を言われてかぁぁっと顔が赤くなる。でも言ったと同時に悟はべ、と舌を出して、私のアソコをちろちろと舌先で弄ってきた。その初めての感触に情けない声が洩れる。

「や、あっ。も、帰る、帰るからやめ……っあ、っ」

私の抵抗なんかものともせず、また制止も聞かず、私のアソコに悟がはむっと吸いついてきた。そのぬるりとした感触に腰がビクンと跳ねて「……あ、ん」と甘い声が漏れてしまう。

(コ、コイツ……見るだけって言ったくせに……!)

「ん、あ……っ」

ほんとは文句を言いたい気持ちでいっぱいなのに、悟が舌を動かすたび気持ちとは裏腹に喘ぎが出てしまう。どうやら悟は指だけじゃなく舌技まで習得してるらしい。
クリトリスの周りをくるくる舐めたり、ぷっくりしてきたとこを舌先でピンピンしてきたり、多彩な動きで私のアソコを味わってる。それが死ぬほど恥ずかしいはずなのに、体の力がどんどん抜けて勝手に快楽を拾い集めてしまう。

「あ、……あっ」

はむ、にちゅ、ちゅく、にちゅ、と延々卑猥な音が聞こえてくる。色んなところから快感が広がって、アソコがジンジン疼いて仕方がない。

「……ああっ」

突然れろぉっと割れ目を舐められ、ビクビクと足を震わせる。鼻先まですりすりと擦りつけながら、悟は行為に夢中らしかった。どこか興奮してるような息遣いが聞こえる。
悟にエッチなことをされて、あげく興奮してくれてるんだと思うと、それがまた私の快感を爆上げしてくる。

「さ、さと、る――」

この瞬間、手放したはずの「好き」という思いがこみ上げて言葉にしてしまいそうになった。でも何とか踏みとどまれたのは「独りよがりな好意はただの呪い」だと今までの経緯で学んだからだ。
悟は私のことを愚かな幼馴染としか思ってない。下手な彼氏とのセックスに満足してないビッチだと思ったから、こんな風に気まぐれで手を出してきてるだけ。

「ん、あ……っ」

なのに、そう思えないくらい丁寧に愛撫されてる。恥ずかしい場所を暴かれて、そこを舌でねちねちと、しつこいくらいに攻められてるから勘違いしそうになる。

「……あ、う……イ、ク……っ」

クリトリスを剥いてぬるぬると優しく捏ねてたかと思えば、急に力を込めてぐにぐにと虐めてくる。その緩急をつけた愛撫にたまらずイってしまう。なのに悟は唇を放そうとはせず、溢れてきた愛液すらぢゅるぢゅると吸い始めた。恥ずかしくてやだやだと抵抗しても、ひたすら無言で攻め立ててくる。敏感になりすぎたそこは悟の好きなように蹂躙され、連続してイカされてしまった。
それでも許してもらえず、絶え間なくぬるぬると舐められ続けた。
それから約20分あまり、悟は一言も話さず、陽が完全に落ちて室内が暗くなっても、体の形や香りを、私の限界が超えるところを、優しく優しく確かめ続けた。

イキ過ぎて朦朧とした頭でぼんやりと天井を見つめていたら、ふと子供の頃のことを思い出した。悟も私も、まだ純粋で可愛かった頃の光景が頭の中で鮮やかに蘇る。
無邪気に悟のあとをくっついて歩いてた私を見て、悟も「しかたねえなあ」なんて言いながら手を引いてくれたこともあったっけ。
出来ることなら、あの頃に戻ってやり直したい。そう思ったら泣けてきた。

「……イキながら泣くなって」

不意に悟が体から離れた。

「……ぐす……う、るさい。エロ男……」
「いや、あんなにイカせてやったのにそういうこと言う?見て。俺までびしょびしょ」
「う……そ、そんなのそっちがしつこいからじゃん……」

シャツまで脱ぎだす悟を睨みつつ、そっぽを向く。未だにアソコはひくひく痙攣していて動けそうにない。舐められすぎて溶けてるかも、と急に怖くなった。

「わ、私のアソコ……無事かな」
「すっごい気持ち良さそうだし、ひくひくして可愛くなってるけど?」
「な、何それ……」

あんなにふやけるほど愛撫をされたことなんてない。ボーっとそんなことを考えてると、上半身裸になった悟が覆いかぶさってきた。その瞬間、アソコに硬くて熱いモノが押しつけられてビクンと腰が跳ねる。悟が脱いだのは上半身だけじゃなかったらしい。その硬いモノの正体に気づいた時、ひゅっと喉の奥が鳴った。

「可愛いとこ見せてくれたから俺の体、使っていいよ」
「……バ、バカじゃない……あっ……」

鎖骨をペロリと舐められ、肩がビクっとする。悟は私を抱きたいんだろうか。そう考えただけでアソコがずくんずくん、と疼いて仕方がない。
でもダメ。これ以上したら封印した想いが溢れてしまう。悟に夢中になってた体だけの女の子達みたいに、私も狂ってしまいそうだ。そんなの耐えられるはずもない。

「最低……手は出さないなんて言ってたくせに、悟も結局その辺の男と同じなんだ」

こんなこと言いたくない。でも今、悟を受け入れてしまったら自制できる自信がなかった。

酷いことを言っても悟はいつもみたいに怒らなかった。怒るどころか、自分の陰茎を私の濡れた場所へずりずりと擦りつけながら「俺の欲しくない?」と、どこのエロオヤジだと言いたくなるくらいの台詞を吐いて誘惑してくる。

「ほ、欲しくない――って、ちょっと!」
「挿れていい?」

グッタリしてる私の体をずるずると引っ張ったあとで反転させ、上半身だけベッドに乗っかった状態にされた。「いいわけないでしょ」と言ったのに背中に圧し掛かってくる。ジタバタ暴れたところで、体格差のある悟には敵わない。今度はお尻に硬いモノを押し付けられた。本気で私を抱く気かもしれない。そう思ったら何だか腹が立ってきた。

「じ、自分で言ったことくらい守りなよっ」
「あとで謝るから挿れていい?」
「だ、だめ――!」
「俺の……せいだから」
「……?……ん、んあっ」

よく分からない言葉を呟いたと思った瞬間、硬いモノがナカへずぷずぷっと入ってくる。散々イカされたせいで焦れていた体は、容易く悟の陰茎を飲み込んでいった。挿入されただけで、ぞくぞくとしたものが全身を駆け巡る。

「……は……ふ……」
「苦しい?痛くない?」
「や……う、動かない、で」

全部を押し込まれた感覚に体が震える。あんなにも望んでた相手と繋がれたという感動と、拒み切れなかったという後悔が入り混じり、どうしていいのか分からない。でも動かれたらすぐにイってしまいそうなくらい、ナカがジンジンしてる。

「動いちゃダメなの?」
「だ、だめ……は、う」
「でものナカ、いっぱい濡れてるし、突いて欲しそうにキュンキュンしてるのに」
「う、うるさいな……だ、めったらだめ……」

こんなガチガチので突かれたら、めちゃくちゃにされそうで怖い。すでに奥まで届いてるのに、まだ余ってるくらいに大きいなんて聞いてない。

(こ、こんなので動かれたら――死ぬ)

半分理性で考えながら、もう半分の本能が悟を締め付けている。その時、背後の悟が覆いかぶさってきて、私の耳殻にちゅっと口付けてきた。首元がぞわっとする。

「仕方ねえなぁ……」
「ちょ、」

後ろから伸びてきた手が胸を厭らしく揉むから、抗議するように睨む。でも首筋にちゅっとされて「ぁ、」と声が出てしまった。

(私のバカ!快楽に……いや、悟に弱すぎでしょ!)

悟も私に感化されて脳内を快楽に浸されてるらしい。「可愛い声、出しちゃって、可愛い」と語彙力ゼロの言葉を吐きだした。絶対、脳の殆どがエロいことで埋まってるに違いない。

さーん?とろとろの柔いナカで"待て"はしんどいんだけど」

ふざけた言葉遣いで言いながら、悟は胸の形をなぞるように指を肌へ滑らせる。敏感になりすぎて、軽い刺激でもツラい。そのうち悟も焦れてきたのか、もう片方の手が繋がってる場所の上辺りに伸びてきて、未だ主張してるクリトリスに指が触れた。びりびりと電気が走ってナカをきゅっと締め付けてしまう。

「ん、」
「あー締めすぎ」
「だ、だったら触んない、でよっ……んぁっ」

悟は一切腰を動かしてない。でも先っぽが子宮口をぎゅうっと潰してるから、ちょっとの動きでも奥がキュンキュンしてしまう。

――これから出すよ。ここに。

先っぽ越しにそう言われてる気がする。無理。私も頭がどんどんバカになってきた。

――五条くんはねぇ。眩暈しそうなほど甘い声だして、腰押しつけてくるの。イク時もびくんってなって凄く可愛いんだよー。

例のセフレにそう聞いた時、ちょっとだけドキドキしたのを思い出す。同時に心臓が焼け付きそうなほど、あの子に嫉妬した。
長く傍にいた私でも知らない悟の顔を、あの子が知ってるから。
でも今、私も知らなかった悟の顔が見られるんだと思うと、ドキドキが復活してきた。

(って、違う……私はもう悟のことなんて好きじゃ……ない)

流されるな、と思う。どうせこんなの悟にしたら遊びの一環で、私のことを好きなわけじゃない。
なのに――遊びでも何でもいいから、このまま悟の腕の中で溺れたいとも思う。

「……ぁっ」

我慢も限界にきたのか、悟が軽く腰を押し付けてきた。とん、とまた子宮口をノックされる。けど私の体も限界で、軽く甘イキしてしまった。

~?ひとりでこっそりイクのはズルい」
「んぁ……あっ……あっ」

悟にはバレバレだったらしい。頬に手が伸びて後ろを向かされると、唇にちゅっとキスをされた。そのまま腰をゆったりと動かすから、奥を何度もとんとんされてぞくぞくが止まらない。

「これ好き?」
「ん、あ…ぁ」

ガチガチので優しくとんとんされると感覚が高まって惚けてしまう。色んなことがどうでも良くなってきた。セックスってこんなにいいものだったんだと思い知らされて、これまでの彼氏たちは何だったんだと思う。
単に悟が上手いだけなのかもしれないけど、感じ方が全然違う。

(あ……ヤバい……またイっちゃそう……)

激しく突かれてるわけでもないのに、普段こんなんじゃイケないのに。何で悟が相手だと些細な刺激でもイっちゃうんだろう。
ちゅぷ、ちゅぷ、とゆったり一定のリズムでエッチな音が鳴ってて、それを聞いてるだけで気持ち良くなっている。私もたいがい変態かも――と思った瞬間。

「――あぁぁっ」

悟はゆったり動かしていた腰をぐいと引いて、最後にどちゅん、と奥まで突っ込んできた。その不意打ちで体がビクビクと痙攣するほどの絶頂感に襲われる。目の前がチカチカして、全身が気持ちいいって本能だけが支配してくるようだ。

(ダメだ……こんなの……どうしたって好きが溢れちゃうに決まってる……)

もうやめようって思ってたのに、体を重ねてしまったら、そんな強がりのメッキは簡単に剥がれ落ちる。
好きだよ、悟――。
自分の本当の愚かさに気づかされた時、悟が「……」と耳元で呟いた。

「激ピス……」
「……ふ、ぁ?」
「するよ」
「さとる――」

蕩けた脳では言葉の意味を理解するのに少しの時間を要した。いや、頭で理解する前に体で分からされた。

「んんぅっ……っぁあっっ!」

さっきまでの緩慢とした動きじゃない。今はガツガツと腰を振られ、強い快感で喉も背中ものけ反ってしまった。
悟は私の腰を抱え込みながら、ばちゅばちゅと音をさせて激しく攻めたててくる。

……イク時はちゃんとイクって言って」
「……んぁ、あっも、もう……イ……て……ぁ、のに……んんっあ……っ」

ナカをずりずりと擦られまくって、イクというなら何度もイってる。でも言葉に出来ないくらいに揺さぶられて快楽の波に意識が攫われていった。
その時、最奥をぐちゅん、と突かれて腰を押し付けられた瞬間、大きな大きな快感に襲われた。脳天まで突き抜ける電流が流れて全身が粟立つ。

「んあぁっ……イ、イク……!」

そんな言葉を叫んだのも初めてで、全くの無意識だった。もう何も考えられなくて、ベッドの上にぺしゃん、と倒れ込む。
そんな私を後ろからぎゅうっと抱きしめてくる悟の体温も熱い。

「あー……気持ちいー……俺もイっちゃそ……」
「ん……悟の、ナカでびくびくしてる……」
にキュ~ってされたからお返し」

悟は私の背中にちゅっと口付けながら、ピストンを再開した。

……」

――ああ、これか、と思った。
悟の甘い声が心地よく耳に響く。幼馴染の私には絶対に聞かせてくれないやつだ。
クラクラするくらい甘い声で、腰押しつけて、びくんとしながらイクんだったっけ。

「あ~……出る……」

悟の手が優しく私の手を握って呟く。
この時ふと思った。
今しかチャンスはないだろうから、あの子が言ってた悟の可愛いイキ顔、見てやろうって。
だけど、振り向いた瞬間、ぞくりとして言葉を失う。

「…………っ」
「……っ?」

可愛いイキ顔?誰のこと?
そう聞きたくなるくらい、悟の顔は本気の本気で興奮してた。綺麗な青を潤ませ、息も荒くて頬も紅潮してる。悟の私を見る目つきが、もう普段のソレじゃない。そう思うくらいオスの顔をしてた。
本気で興奮して、本気で腰を振ってる悟は、さっきまでの余裕なんて微塵もなくて、散々聞かされたあの子の解釈とは全然違う。

……!」
「あっぁっ……さ、さと、る……激し……っ」

後ろからガン突きしてくるこの男は誰?って思うくらい、悟は本気で私を抱いている。
頭じゃありえないって思う。なのに私の本能がそう訴えてくる。

「ンんっあ、ッ待っ……て……イっちゃ……」
「イケよ。ほら…………っ」
「ぁああっんぁあ……!」
「俺も……出る……っ」

ばちばちと互いの肌のぶつかりあう大きな音のあとに、私はまた派手にイカされ、悟は腰を振りながらびゅるるっと勢いよくナカへ吐精した。その刺激で目の前が真っ白になったあと、瞼の裏がチカチカして、意識がところどころ飛びそうになる。こんな感覚は初めてで、今までしてきたセックスはまがいものとしか思えない。それくらい悟とのエッチはお互いに本気で感じていた。
はーはーと互いの荒い呼吸が響くのを聞きながら、全身の力が抜けて再びベッドへ突っ伏した。その上から悟が圧し掛かってくる。どうやら悟も全身脱力してるらしい。互いの火照った肌が密着してるのさえ気持ちがいい。

「……

悟が僅かに体を起こして、私の頬に手を伸ばしてきた。甘えるように顔を寄せて、唇をちゅっと啄む。
どうして?って聞きたい。私が聞いてた話と全然違う。
どうして、抱いたあとにこんなに優しくキスをしてくれるの?抱きしめてくれるの?
そう聞きたいのに、答えを聞くのが怖い。また前みたいにはぐらかされるんじゃないかって思ってしまうから。