※性的描写あります。苦手な方は観覧をご遠慮下さい。
かすかに鈴虫の鳴く声を耳の端で聞きながら、は五条の腕に抱きかかえられ、柔らかい唇を受け止めていた。
今朝も任務前に会ったばかりだというのに、互いに帰校してすぐに、こうして触れあっている。
五条と付き合いだして一カ月。少し飛ばしすぎなのでは、という心配をしつつ、二人になりたいのは彼女も同じだ。
夕飯もそこそこに五条の部屋へ連れ込まれても、それを受け入れてしまう自分がいる。
ベッドへ腰をかけている五条に跨る形で抱きかかえられ、先ほどから唇を吸われていた。
しかし五条の手がスカートの中へ吸い込まれ、彼女の尻を撫で始めた時、絡めていた舌を強引に剥がす。ついでに五条の肩をぐっと押したのは、大事なことをもう一度伝えるためだ。
「せ、先輩……」
「ん?」
「ほ、報告書……まだ書いてない、でしょ」
「分かってる」
「わたしも……書いてない」
「うん」
と五条は生返事をしながらもの首筋へちゅっと口付けた。同時にの着ているシャツの中へ手を忍ばせてくる。ぷちっと音がしたのはホックを外した音だ。
「ん、」
大きな手のひらに優しく背中を撫でられ、ぞくりとしたものが走る。
「あとでちゃんと書くよ」
「そ、それさっきも言って……ぁっ」
シャツを少しずつたくし上げられ、露わになった胸の谷間付近へ五条が顔を埋める。「五条せんぱ、い、ダメ……」というの微々たる抵抗では効果も薄いらしい。五条はちゅ、と滑らかな肌へ口づけながら、カップが浮いて自由になった膨らみをふにふにと揉んでは、主張してきた乳首をきゅっと摘まむ。
「あ……っ」
「今日一日、に触れたくて仕方なくて、ずっとうずうずしてたの。――だめ?」
「ん、せ、せんぱ……朝もそう言ってた……ぁっ」
「……の気持ちいいって顔が可愛いから見ていたいんだよ」
「んんっ」
乳首をぱくりと唇で挟まれ、ちゅうっと少し強めに吸われた瞬間、の背中が大きくのけ反る。同時につつつ、と指でなぞられた背中はずっとゾクゾクしたままだ。本能を呼び覚ますような、それでいて物足りなさも残る焦れた触れ方をされ、彼女は内心ずるい、と思う。触れたくて仕方ないという言葉の通り、初めて抱かれた日以来、五条は本当に触れるだけだ。
今朝も早起きをして任務前に五条と会った際も同様の行為をされ、一日悶々と過ごしたのはも同じだった。
「……あ」
「凄い濡れてる」
背中から下りてきた手が再びスカートの中へ入り、お尻をすり、と撫でていく。そのまま後ろからクロッチ部分をなぞられた時、湿った感触があるのは自分でも分かった。恥ずかしいくらいに溢れているということも。
「もしかして……あのまま任務してた?」
下からジっと澄んだ青に見つめられ、の頬がポっと音がしたくらいに熱くなった。朝の状態のまま任務に行ったと勘違いされたようだ。
「ち、違います……!あ、朝はちゃんと新しい下着に替えてから行ったし……今は五条先輩が触ってるから……」
と言いつつ、は五条の肩に抱き着いた。指が下着越しで割れ目をなぞるたび、クロッチ部分の湿った感覚が肌から不快感を伝えてくる。同時にもどかしさで少しだけ腰を浮かせてしまった。
今回も五条が触れるのは外側だけで、中も触って欲しいのに、と寂しく思う。
抱き着いていた肩を掴む手に僅かな力が入った。
「せ、先輩……もっとちゃんと触って欲しい……」
「え、でも慣れてないから奥はまだ痛いでしょ」
「……ん、」
言いながらもクロッチ部分を器用にズラし、そこから指で直に触れてくる。濡れすぎて太腿に垂れてくる感触が恥ずかしい。なのに直にその場所を指で刺激されると、どうしようもなく気持ちが良かった。腿から力が抜けていく。
「……イっとこうか。僕につかまってて」
「ん、あぁっ」
五条の首にしがみつくと、とろとろの場所を指で往復され、ぷっくりしてきたクリトリスを優しく捏ねられる。くちゅくちゅと音をさせながら指の腹で擦り、合間に指先でくるくると撫でながら最後はぎゅっと押し込まれた。
今日まで散々、快楽を与えられた体は五条の思うように反応し、快感を上手く拾えるようになっていた。
――気持ち良くてどうにかなりそう。
幾度となく愛撫を繰り返されるたび、刺激される場所から緩やかに何かが上り詰めてくる。それがバカになりそうなくらいに気持ちがよく――。
「んんっ……ん、ぁ……んっ……んあっ」
それだけで限界だった体が容易く絶頂を迎えてしまった。背中と喉をのけ反らせ、抱き着く腕にぎゅうっと力を込める。一気に解放した快感で、脱力した体を五条の腕に抱き留められながら荒い呼吸を繰り返す。顔全体から熱が噴き出しているように熱い。
その時、首の後ろへ回った腕に引き寄せられ、五条の唇で乱れた吐息ごと塞がれた。敏感になっているせいで唇が触れあうだけでも気持ちがいい。唇をちるっと軽く吸われた時、ナカがきゅんとひくつき、キスだけで甘イキしてしまった。
「かわい。イキやすい体になってる」
んーっと擬音付きで頬にもキスをされ、はもう一度五条の首へ腕を回した。
「……ん、ごじょ……先輩……最後までして……も、痛くないから」
「……?」
「今朝も昨日も……その前もずっと我慢したぶんだけして欲しい……」
連続でイカされ、耐えきれずに本音を口にする。恥ずかしさよりも、五条にこの疼きをどうにかして欲しい。もう一度抱かれたい、という気持ちの方が上回ってしまった。
言った通り、今日まで何度も焦らされ――五条は気を遣ってたのは知ってるが――の体は限界だったらしい。イったそばから下腹の奥が疼いてくる。
一方、から可愛くせがまれた瞬間、五条もまた体にゾクゾクとしたものが走り、すでに勃ちあがってる場所が更に硬さを増していく。我慢していたのは何もだけではない。五条も早く彼女を抱きたくて仕方がなかった。
でも一度抱いたとはいえ、処女だった彼女に自分の欲望ばかりを押し付けて無理をさせたくない。そんな気持ちが強かったのも事実。
要はがっついて嫌われたくはないし、本気を出して彼女の体に負担をかけたくないというのが本音だ。
ただでさえストーカーの生み出した呪霊に襲われ、怖い思いをしている。そんな彼女に男の欲だけをぶつけたくはなかった。
ただ好きなのだから、そこはやはり触れたくなってしまう。ついつい度を越したスキンシップをしてしまっていた感はある。でも一線を越えることだけは我慢していた。
なのにはそんな理性の部分を簡単に崩してくるのだから、五条も苦笑するしかない。
膝の上に乗せていたをベッドへ押し倒すと、とろん、とした瞳が見上げてくる。あまりの可愛さに服を脱ぐのも面倒に感じた。
五条はズボンのジッパーを下ろし、自身の陰茎を解放しながら彼女の唇に吸い付いた。小さな舌を余裕の欠片もない動きで追い込み、柔い部分を擦り合わせる。そしての体の力が抜けたころ合いで太腿を持ち上げ、クロッチの脇からぬかるんだ隘路を押し開くようにガチガチのモノをずぷりと押し込んだ。
「ひ、ぅ……んっ」
熱く滾ったものが、ずぷずぷとナカへ入ってくるのを感じながら、は久しぶりに五条を受け入れた幸せを感じていた。無言のまま腰を揺らす五条の顔にも余裕がなく。そこで初めて自分と同じく焦れていたのだと気づく。
「あ……っ」
途中から一気に最奥まで挿入され、子宮口をとん、と突かれた瞬間、喘ぎごと飲み込むように口付けられた。何度も舌を擦り合わせ、絡め合い、吸われながら、激しく体を揺さぶられるのがたまらなく気持ちいい。
大きめのベッドがギシギシと苦しそうな音を立てる中、二人の荒い吐息、そしてぱちゅん、ぱちゅん、と肌と粘膜のぶつかり合う音が室内に響く。五条に丸ごと抱きしめられてる感覚の中、もっと、もっと、という欲が溢れてきたのは、好きと言う感情がどんどん膨れ上がっていくせいだ。
「せ、せんぱ……ぃ……ぁ……んっ」
僅かに離れた唇から想いが零れ落ちそうになる。子宮口を何度も突き上げられ、ぞくりと肌が粟立った。五条は余裕のない動きで黙々と攻め立ててくる。朦朧としてきた頭でそれを眺めていると、五条の額から、ぽたりと汗が落ちてきた。
五条先輩でも汗をかくんだ、とぼんやり思う。
入学した当初から五条は後輩であるの面倒をよく見てくれていたし、頼めば体術訓練なども付き合ってくれていた。でも汗だくになるのは自分の方で、五条は常に涼しい顔。それが時々悔しくて、どうにか五条に汗をかかせてやりたい、なんて無謀なことを思ったりもした。しかし、どれだけ頑張って攻めてみても殆ど軽くいなされ、膝がガクガクになるくらいへばってしまうのはの方だった。五条が本気を出していないのは明らか。それでも体を動かしているのに、汗ひとつかかないことが不思議だった。
その五条が自分を抱きながら汗をかいている事実に驚き、また嬉しく感じたのは、それだけ本気を感じたからだ。
「んん、ぅ……ぁああっ」
一度引いた陰茎にぐちゅん、と最奥を突かれた。その場所から一気に快感が弾けて、ぐぅっと背中をのけ反らせる。どうしようもなく五条を好きだと感じた瞬間、目の前が弾けて真っ白になった。心身共に満たされたせいで、快感が長く、深いところまでの神経を蕩けさせていく。五条に抱えられた足ががくがくと痙攣し、ナカがぎゅうっと収縮する。
「すごい締め付け……可愛い」
乱れた呼吸を繰り返す彼女に笑みを浮かべ、五条は濡れた唇をちゅっと啄み、汗で張り付いた前髪を指で避けてくれる。湿った額に涼しい空気が心地よく、はふと五条を見上げた。今度は優しく唇が重なる。
「……、好きだよ」
あの日以来、キスをするたび五条の唇から零れ落ちてくるのその言葉は、の心臓をいとも簡単に撃ち抜いてくる。
「好き……わたしも……五条先輩が好き」
どちらかと言えば意地悪な先輩だった。言うことも辛辣で、なかなか言われたことを出来なかった時は特に容赦がない。でも今はそんな厳しさは必要ないとばかりに、甘い言葉をくれるギャップにどうしようもなくドキドキしてしまう。
五条の強気なところも、どこか皮肉めいた意地悪な笑みも好きだった。そのくせ、さり気なく優しいところも、後輩思いで何だかんだと面倒見の良いところも。
憧れるだけの存在ではあったけれど、今はこうして手の届く距離にいて、愛おしそうに自分を見つめてくれる。
その事実がどうしようもなく心を、体を疼かせるのだ。
「はー……僕もイキそう」
切なげな吐息を漏らす五条はやけに扇情的でドキドキしてしまう。この姿を見れば、五条が非術師の、それも大人の女性にモテる意味が分かってしまった。外見の美しさとの相乗効果もあり、色っぽすぎるのがいけない。
五条はの体を抱き起こし、向かい合う体位になると、彼女の首筋や鎖骨へ唇を滑らせていく。
「ん、ご、五条せんぱ、い」
「まだイキたくないけど……今度は僕をイカせて」
甘えるように言いながらちゅっと唇を啄まれ、の頬がじわりと熱くなる。先に達したことで少し冷静になりかけた体に、また火を付けられた気分だ。
「あ……ぁっん」
「腰浮いてる……奥、気持ちいい?」
「……ぁっん……な、んかお腹が疼くから……」
「僕も。の匂いに興奮して疼きっぱなし……」
「……んぁっ」
とん、と下から突き上げられ、の髪がゆらりと揺れる。その間も腰の動きは止まらず、浅いところから深いところまで満遍なく擦られて、体のゾクゾクが止まらない。
五条も同じなのか、次第に吐息が荒くなり、腰の動きも早くなっていく。
「……っ……」
「ん……ぅ……あぁ……っ」
射精する為だけの抽送を繰り返し、一番奥へ欲を吐き出した五条と、が三度目の絶頂を迎えたのは同時だった。その瞬間、ベッドへ押し倒し、唇を擦り合わせる。柔らかいそれを堪能するように啄みながら、五条は吐息交じりで好きだと呟く。
「あー……かわい」
火照った頬と潤んだ瞳で見つめてくるに微笑み、五条の本音がぽろりと零れ落ちる。繋がった部分はすぐに復活してきたようだ。何もしていないのに、再び大きくなったのを感じたは、更に瞳を潤ませ恥ずかしそうに目を伏せた。その顏すら五条を煽るとも知らないで。
「が最後までしてってエッチなこと言うから、全然納まんないんだけど」
「……えっ」
「ってことで……朝まで抱き潰すから」
「な……んんっ」
抗議をする間もなく唇を塞がれ、余すとこなく口内を貪られる。そのままゆっくりと腰の動きを再開したことで、の理性もまた頭の隅へ追いやられてしまった。
これまでの焦れた心を、体を、抱き潰してくれるなら、それもいいかとさえ思ってしまう。
出来ればもっと抱いて欲しいと思ったのは、も同じだったのかもしれない。
もっと深く、もっと奥まで繋がっていたい。
五条に揺らされながら、そっと耳元で呟いた。
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