バカ男と
お笑い芸人、時々王子様B
窓の向こうから笑顔で手を振る大和に、私はまだ寝ぼけているのかと、本気で思った。
―――――――何で?何で大和がテラスにいるの?って言うか、ここ二階なんだけど!!
広いテラスに、大和が隠れるようにしてしゃがんでいる。
目の前の光景が信じられなくて、私は何度も何度も目を擦ったり、瞬きしたりしてみた。
でも目の前で手を振る大和は、一向に消えてなくならない。
「何してんねん、ちゃん。俺や俺!熱下がったん?」
いつものようにヘラヘラと笑う大和は、どう見ても幻でも何でもない。
そう気づいた時、私はゆっくりとベッドから出て、テラスへ続く窓を思い切り開け放った。
バンッッッ
「お♪もう起きれるん――――――――」
「ここで何してるのよっっ?!」
「―――――――――ひゃっ」
力の限り怒鳴ると、大和は子供のように首を窄めて、両手で頭を抱えている。
私も怒鳴ったせいでクラっとしてベッドにゆっくり腰をかけた。
「何やねーん…急に怒鳴るしビックリするやん…」
大和は情けない顔で恐る恐る顔を上げた。
と言うか…ビックリしたのは私の方だと思う。
「…それは私の台詞…!何してるの?ううん、どうやって、ここに上がったわけっ?」
少しフラつくのを堪えて、更に怒鳴る。
確かこの家のセキュリティは万全のはずだ。
そう思って大和を見ると、ニヤリと意味深な笑みを浮かべていた。
「どうやってセキュリティに引っかからず入って来たかって?」
「そ、そうよ…!っていうか不法侵入でしょっ?見つかったら――」
「別に友達の見舞いに来ただけやし…大丈夫やろ。まあ、マトモに正面から来ても追い返されそうやったしなぁ」
大和は呑気に笑うと、しゃがんだまま私に微笑んだ。
「ここのセキュリティ、うちんトコと同じやねん。そやから盲点くらい見つけるの簡単なんや」
「……は?」
「庭先から、このテラスまで長い蔓も、ようさん伸びてるし上がってくるのも朝飯前っちゅう事で♪」
「の、上ったって…えぇっ?」
大和のその言葉にギョっとして、テラスの柵に視線を向ければ、確かに壁づたいに伸びてる蔓が見える。
まさかコイツは、こんなもんに自分の命を預けて、こんな所まで上がって来たって事?
変な奴とは思っていたけど、ここまでアホなんだ、と思いながら目を細めると、大和はニコニコしながら私の顔を覗き込んできた。
「ああ、んな事より…元気そうで安心したわ。もう熱は下がったんか?」
「…ま、まあ…おかげさまで…」
言いながら軽く頭を下げる。
が、気づけば大和のペースに乗せられ、うっかり答えてしまう自分に、ハッとした。
「って、呑気に話してる場合じゃないわっ。こんなトコ、司に見つかったら、それこそ警察呼ばれちゃうわよっ?」
「ああ、すぐ帰るし大丈夫やって。オレ、逃げ足だけは速いねん」
「に、逃げ足って…だって、ここ二階だし、それに司は凶暴なサル並だから、すぐ暴力とか―――――――」
「ん〜?あれれ〜?オレのこと、心配してくれてるん?ちゃん♪」
「な!そ、そんなんじゃ…っ」
唇の端を憎たらしいくらい上げてニヤリと笑う大和に、思わず否定する。
すると大和はゆっくり立ち上がって私の頭をクシャリと撫でた。
「ま、でもオレもそんなひ弱とちゃうし大丈夫や」
「…え…?」
ボソっと呟く大和を見上げると、彼は苦笑しながら髪をかきあげた。
その表情がいつもと違い、少し大人びていて、ドキっとする。
いつもはヘラヘラしてるし、何となく弱そうに見えるのに…
F4のリーダーでもある司に目をつけられたら、大和だって英徳で孤立してしまうかもしれない。
そう思っていると大和は勝手に窓から中へと入ってきて、楽しそうに辺りをキョロキョロ見渡し始めた。
「ちょ、ちょっと!勝手に――――――――」
「へぇー♪ここがちゃんの部屋かー。女の子らしいやん」
「こ、これはおば様のセンスで…って、聞いてる?!」
言いながら大和の方へ歩いて行くと、彼が徐に振り向き、私の手を取った…と思った瞬間、ふわりと体が浮いてギョッとした。
「なっ何するのっ」
「フラフラ歩かん方ええってー。まだ病み上がりなんやし寝てなあかんよ」
「え、ちょ、ちょっとっ」
大和は私を抱えると、すぐベッドまで運び、寝かせてくれる。
そして唖然としている私にニッコリ微笑むと、ベッドの端に腰をかけた。
「さっき…花沢クンと話してたやろ」
「…えっ?」
その言葉にドキっとして顔を上げれば、大和はニヤリと笑った。
「ちょうど上がってきたら見えてん。何や、いい雰囲気出してたし声かけそこなったわー」
「い、いい雰囲気って別に…って言うか声かけてたらヤバかったわよっ。花沢類だってF4なんだから―――――――」
「何や、ちょっと妬けたなあ…。オレの兄貴が見たら発狂するかもしれへんで?アイツ、ヤキモチ妬きやし」
「な、何言ってるの…?妬くも何も、私と大和のお兄さんはとっくに婚約破棄されてるし、私だって会う気はない…」
そこまで言って思い出した。
そう、そうだ。大和はこの前、子供の頃、私に薔薇をくれたのは、お兄さんだったって、言ってたんだっけ…
あれは本当なんだろうか。
もしそうなら…私の初恋は大和のお兄さんって事になる。
「この薔薇…綺麗やな」
「え…?あ…それは…」
さっき司が持ってきてくれた薔薇を一輪、手にとって、大和は香りを楽しんでいる。
その様子を見ながら、私は軽く深呼吸をして、口を開いた。
「あ、あの…」
「ん?」
「この前の話だけど…」
「…この前?」
「うん。ほら…子供の頃…私に薔薇の花をとってくれたのは、大和のお兄さんだったって…」
「ああ…その話か。そうやで?兄貴がオレに言うてたしな」
大和はそう言うと、持っていた薔薇を私の鼻先につきつけ、「気になるか?」と微笑んだ。
「き、気になるっていうか…そりゃ…少しはね」
「ほんま?なら…兄貴に会いたい、とか思う?」
「…あ、会いたいって言うか…」
言いながら大和をチラっと見上げると、「…どんな人?大和のお兄さんって…」と尋ねてみた。
「そうやなぁ…兄貴…ああ、海斗言うねんけど…アイツは昔から頭脳明晰、スポーツ万能ってタイプで、オヤジの自慢の息子や」
「…ふーん…でも大和だって自慢の息子なんじゃないの?」
「いやいやいや…オレなんかスポーツだけやったもんなあ、得意なのは」
肩を竦めて苦笑する大和は、少しだけ寂しそうに見える。
「で、でも…今回、英徳に入った時の試験、満点だったって…女の子達が騒いでたわよ?」
「ああ、それは…まぐれやろ。前の学校で習ったとこがテストにちょうど出ただけや。あとは…コレの力かな?」
ニヤリと笑い、指で丸いサインを出す大和に、ぷっと吹き出した。
「変な人…関西の人って…皆、そんなノリなの?」
「そうやで〜?まあガキの頃からボケと突っ込みの世界で生きとるし…東京の奴には通じひんみたいやけどな」
「ああ…特に英徳では、ね」
そう言うと、大和も「ほんまやわ」と楽しそうに笑う。
彼の笑顔を見て少しだけホっとした。
「ほな…オレはそろそろ行くかな」
「え?」
「ん?寂しいか?」
「べ、別に…っっ」
いきなり顔を近づけてくる大和にドキっとして顔を反らすと、大和は「つれないなぁ」と苦笑した。
「長居すると道明寺クンに見つかるやろ?オレも正直、道明寺グループの跡継ぎとモメたくはないねん。オヤジに迷惑かかるしな」
「…優しいんだ」
「ちゃうちゃう。ぶっちゃければ、ほんまは英徳でイジメられるんが怖いだけやねん」
言いながら、「F4、怖いしなあ」と身震いする仕草でおどける大和に軽く噴出すと、不意に頭を撫でられた。
「ちゃんは風邪、はよ治し。来週はパーティなんやろ?」
「え?あ、それも聞いてたの?」
「花沢クンと話してるのが聞こえてん。まあ…オレも参加したかったけど無理そうやしなあ…」
「…参加って…ダメに決まってるじゃない…。って、クリスマスは大和もデート?あ、冬休みだし実家に帰るとか」
からかうように、そう言うと大和は小さく笑みを零し立ち上がった。
「まあ、そんなもんや。向こう戻ればオレのファンがぎょうさん待ってるしなあ。モテる男はツライわぁ」
「……はいはい」
「って、信じてへんのかー?」
目を細める私に、大和は軽くデコピンをすると、楽しそうに笑った。
「んじゃ…また学校で…って言うても、すぐ終業式やけどな」
「うん…。明日か明後日には出れると思うけど」
「無理はしたらあかんで?ほな、お大事に」
大和はそう言うと再びテラスへと出て行く。
それには驚いて体を起こした。
「ちょっと!そこから降りるの?大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫♪上がってこれたんやから降りるのも軽いもんや」
そう言いながらも、すでに柵の向こうへ出てる大和に、ハラハラしながら窓の方に這って行く。
すると大和は慣れた手つきで長い蔦を掴むと、「実家でも、これで家を抜け出しててん」とウインクをした。
そして「バイバイ、ちゃん」と手を振った瞬間、彼の姿はすぐに見えなくなる。
まるで今までいた大和は幻だったかのように、静かな空間が戻ってきて、私は大きく溜息をついた。
「アイツ…ほんと何しに来たの…?」
こんな無茶してまで、お見舞いなんか来なくていいのに。
そう思いながら、大和が残していった薔薇の花を手にして、香りを嗅いだ。
「お兄さん…かあ…。ホントにあの時の子なら会ってみたい気もする…」
さっきの大和の話を思い出し、ベッドに寝転がる。
おぼろげでしか思い出せない初恋の男の子を思い浮かべながら、私はそっと目を瞑った。
「おい早くしろ!遅刻すんだろーが」
「な、何よ、偉そうに…。だいたい司、しょちゅう遅刻してるでしょっ」
「うるせえっ。今日は終業式だぞ?F4が行かなきゃ始まらねーだろっ」
「あっそ!だったら先に行けば?私は歩いて行く…ひゃっ」
「つべこべ言ってねーで早く車に乗れっ」
いきなり腕を引っ張られ、私は無理やりリムジンに押し込まれてしまった。
あれから三日。
熱もすっかり平熱に戻り、体力も戻った。
と言っても今日から学校は冬休みに入るから、明日からまた休みになんだけど。
「痛いなぁ…どうして司はすぐ力ずくで来るわけ?やっぱり野生児だから?」
「あぁっ?誰が野生児だ、コラッ!お前がモタモタしてっからだろっ」
隣でぶりぶりと怒っている司は、つい先日まで甲斐甲斐しく世話をしてくれた男とは別人のようだ。
まあ、私としては、こっちの方が、らしくてホっとする。
あんなに妙な優しさを見せられても怖いだけだし(酷)
「おい、今日は学校終わったら早めに帰って荷造りしとけよ?明日発つからな?」
「…え?荷造り…って…」
「この前言っただろ?クリスマスに向けて、オレんちの別荘に行くって」
「ちょ、ちょっと待ってよ。私は行くなんて一言も―――――――」
「うるせえな!あの家に一人で残ってても暇だと思って、連れてってやるって言ってんだろ?ありがたく思えっ」
司はそう言いながら腕を組むと、「今回はカナダで過ごす事になったからな」と得意げな笑みを浮かべた。
「は?カナダ…?」
「ああ。そこにオレんちの別荘があんだよ。スキーも出来るしな」
「ま、待ってよ…私、冬休みはホントにいいってば…お父さん達と過ごすし――――――――」
「ああ?大阪なんか行って何が楽しいんだよ?まさか、テメ〜、あのお笑い芸人と密会する気じゃねぇだろうな?」
「は?あるわけないでしょ?そんな事っ!」
「けっどうだかな!ああ、でもお前の親にはオレから連絡しといたからよ」
「っ?…はあ?!」
「"ふつつかな娘をどーぞ宜しく、坊ちゃん!"って、お前のオヤジも乗り気だったぜ?」
「…な…っ」
ふふん、と鼻で笑う司に、私は開いた口が塞がらない。
と言うか、お父さん!!何、勝手に宜しくとか言ってるのよ〜〜っっ!!
「とにかく明日の午後には間に合うよう、荷造りしとけ。やらねーようだったらタマに頼んでやってもらうからな!」
そう言うのと同時に学校に到着。
司は車が停車した途端、サッサと降りて行ってしまった。
その後姿を見ながら唖然としていたが、「お嬢様?時間が…」と運転手に声をかけられ、慌てて降りる。
「ったくう…。足速い奴!」
追いかけようと思ったけど、すでに司の姿が見なくて、私は溜息をついた。
それにしても…嘘でしょ?…カナダって…それもF4と?!
信じられない…そんな勝手に決めて、しかも親にまで連絡しちゃうなんて…
「もう…最低っ。司のバカちんっっ」
頭に来て門をドカッと蹴ると、登校してきた生徒達が訝しげな顔で振り返っていく。
前なら、こんな下品な事すら出来なかったのに、野生児と一緒にいると、自分まで野生化していくようで、ちょっとだけへコんだ。
「はあ…」
「…どうしたの?」
「……っ」
その声に振り返ると、そこには花沢類と西門さんが笑顔で立っていた。
「あ…おはよう…御座います…」
「おはよ…って言うか、今、そこ蹴ってなかった?」
西門さんが不思議そうな顔で門を指さす。
花沢類に至っては、何だか口元を手で覆いながらクスクス笑っていて、その様子に彼にも見られてたのね…とガックリきた。
「い、いえ別に…」
「ああ、また司とケンカした?」
「…ケンカって言うか…」
「ま、アイツは単純だから、すぐ機嫌直ると思うし放っておけよ」
「え?あ…別に怒っててもいいんですけど…」
というか、前の横暴でムカつく司に戻って欲しいとすら思ってしまう。
ここ最近、妙に優しくされるから、逆に怖いんだもん。
そんな私の心のうちを知る由もない西門さんは、訝しげに眉を寄せていたけど、思い出したように指を鳴らした。
「あ、そうだ。明日の午後、カナダに発つって、司から聞いた?」
「…あ、はあ…。今さっき…」
「道明寺家のジェットで飛ぶし、空港で待ち合わせようぜ?」
「…え…でも私まだ―――――――」
「あ、そうだ。類は先に空港行くんだったっけ?」
私のへコんだ様子にも気づかず、西門さんは後ろにいる花沢類に声をかけた。
「うん。オレは静を出迎えるから…会ったら二人で皆と合流するよ」
「そっか。んじゃーそういう事で、あきらにも伝えてくるよ。じゃ、またね、ちゃん♥」
西門さんはそう言うと、校舎の方へと歩いて行ってしまった。
その場に取り残された私は軽く溜息をつくと、花沢類が不思議そうな顔で首を傾げて顔を覗き込んできた。
「な、何?!」
いきなり綺麗な顔がドアップで見えて、私は一歩後ずさった。
「どうしたの?何かあった?」
「え?あ…別に…」
「そう?でも困ったような顔してるし」
花沢類はそう言いながら校舎の方に歩き出す。
それについて行きながら、私はそっと花沢類を見上げた。
私より20センチ近くも高いから、一緒に歩いていても、かなり目立つし、すれ違う人が皆、見ていく。
特に女の子達は頬なんか染めて、「花沢さんよ。カッコいい…」なんて溜息交じりだ。
「何…?ジーっと見ちゃって」
「えっ?あ、ううん…ごめん」
「別に謝らなくてもいいけど」
そう言って笑う彼の横顔はホントに綺麗で、皆と同じように見惚れてしまう。
何か、彼といると心の奥がキュっと苦しくなるようで、この間から変な気分だ。
「〜♪〜♪」
「…機嫌いいのね」
小さく鼻歌を歌いだした彼に、そう言うと、花沢類は笑いながら、「そっかな」とだけ呟く。
でも良く見れば、その笑顔も、やっぱり、いつもより明るくて楽しそうだ。
そこで、さっきの話を思い出した。
明日、静さんを迎えに行くと言っていた。
きっと、それだけで花沢類はこんなにも幸せそうな笑顔を見せてくれてるんだろう。
「あれ、終業式は?」
裏庭の方に曲がる花沢類に、慌てて足を止めると、彼は苦笑交じりで振り向いた。
「うーん、オレはいいよ。このまま昼寝して帰るし」
「…え、じゃ…出ないの?」
「うん。きっと司達もカフェテリアでサボってると思うよ?」
「そう…じゃあ…私は教室に行くね」
「うん。じゃあ、またね」
手を振る花沢類に、私も手を振り返す。
そのまま彼が見えなくなるまで、その場で見送っていた。
「はあ…終業式の日でも変わらずね、F4…」
いったい何しに来てるんだ?と首を傾げつつ、息を吐く。
静さん、か。
だったら私も明日、彼女に会えるという事だろうか。
日本の女子学生の憧れの的で…花沢類の想い人でもある、藤堂静さんに。
そう思うと楽しみ、というより、少しだけテンションが下がった気がした。
この間から、この気持ちは何なんだろう。
ポケットから携帯を出すと、メールの画面を開いた。
そこに保存にしてあるメールを見て、ふと笑みが零れる。
タイトルもなく、"大丈夫?早く治せよ"というシンプルなメッセージ。
この前、熱を出して学校を休んだ時、花沢類から届いたメールだ。
これを見たのは夜だった。
一応メールアドレスを交換したけど、苦手だと言っていた彼が先にメールをくれるなんて思ってもみなかったから、何か嬉しくて。
なかなか返事を送る事が出来なかった。
「バカみたい…」
自分に苦笑しつつ、そこで他の受信メールを見ると、大和の名前が何個か並んでいる。
最近メールが多いのは大和で、大丈夫か?とか、今日も休みなん?とか、細かく送ってくれていた。
「あれ…そう言えば…昨日も今日もメール来てないなあ…」
このところ朝、起きると、大和から"おはよう"メールが必ず来ていた。
けど昨日も今朝も、それが届いていない。
「どうしたんだろ…」
別に約束してたわけじゃないし、来なくても仕方ないけど、こう続いていた後だと、多少は気になる。
腕時計を見ると、あと10分ほどでHRの時間だ。
「あ、いけない…っ」
私は校舎に向かうと、自分の教室へと向かった。
(後で大和の教室行ってみよう…)
少しだけ心配になり、私はそう決めると、急いで階段を駆け上がっていった。
「―――――――え、休み?」
終業式も終わり、帰り際に大和のクラスへ来てみると、アイツは学校を休んでいた。
「ええ。昨日からね。風邪でも引いたんじゃないかしら…」
それだけ言うと、その女の先輩はジロジロと私を見て、「それより…あなた、結城くんの何?よく一緒にいる子よね」と怖い顔をする。
「あの…古くからの知り合いで…」
まあ、あながち嘘じゃないし、と思いつつニッコリ微笑むと、その先輩は訝しげな顔をしたが、「あっそ、ならいいけど」と言って教室へと戻ってしまった。
それにホっと息をつくと、すぐに一年の教室へと戻る。
はー怖かった…
やっぱり本人の言うように、大和のファンって多いんだなぁ…
他にも教室の中から睨んでくる人もいたし…他のクラスだって……まあ半分はF4のファンなんだけど。
「そんなに睨まれても私だって困ってるんだから…」
ブツブツ言いながら廊下を歩いて行くと、階段のある方へと曲がった。
その瞬間、ドンっと勢い良く何かにぶつかり、「うっ」と鼻を押さえてしゃがみこむ。
「…ぃってえな!どこ見て……って…?!」
「(げっ!)…ッ…?」
上から降ってきた声にギョっとして立ち上がると、目の前でお腹を押さえてるのは司だった。
「てめえ…何してんだ?こんなトコで…」
「え、あ、あの…」
ここは上級生の教室だけしかないので、上手い言い訳も見つからない。
(別にホントのこと言ってもいいけど、そうなると怒鳴られそうで嫌だし…)
何て言おうと困っていると、いきなり司がニヤリと笑った。
「…もしかして、お前…オレに会いに来たのか?」
「―――――――はい?」
「バーカ、オレに会いに来たんだよ」
「あ?」
そこに西門さんが現れて、少しだけホっとした。
見れば司の後ろには美作さんもいる。
「何でが総二郎に会いに来んだよ?」
「そりゃーオレの魅力に――」
「何だそりゃ?どんな魅力だよ」
「んだとう?テメ〜」
「はいはい!ケンカはなしね!明日から楽しい冬休みなんだしさあー」
いつもの小競り合いを始めた二人を、いつものように美作さんが止める。
その間に私は思いついたばかりの言い訳をして逃げてしまおう、と考えた。
「あ、あの、司…」
「何だよ、やっぱオレに会いに来たのか?」
今の今まで怖い顔をしてたのに、何だかニヤニヤしはじめた司に、つい笑顔が引きつる。
「きょ、今日、帰りに寄るとこあるし…先に帰っててって言いに来たの」
「あ?寄るとこってどこだよ」
「う…」
すぐに怖い顔に戻った司に言葉が詰まる。
まさか大和が心配だから家に行ってみる、なんて口が裂けても言えない。(司は大和のことを、良く思ってないみたいだし…)
さっき話を聞いて、もしかしたら私の風邪が移ったんじゃないかと思ったのだ。
「ほ、ほら…明日から海外でしょ?だから色々と物入りで…」
「だったら乗せてってやるよ。どこだ?」
「い、いいわよ!あ、あの…し、下着とかも…買いたいし、その…」
何とか誤魔化そうと、最後の手段で、そう言ってみる(かなり恥ずかしい)
が、そこへ西門さんがひょいっと顔を出した。
「だったらオレが選んであげるよ♪ちゃんに似合う、可愛らしい〜下着―――――――」
「バ、バカヤロ!総二郎!テメ〜そりゃ赤裸々だろーがっっ!」 (真っ赤)
「―――――――は?(何が赤裸々?!)」(目が点)
「エロイこと言ってんじゃねえっ」
司はそう言いながら耳まで赤くしている。
そんな司に、美作さんが呆れたように項垂れた。
「司…そりゃ"セクハラ"だろ?恥ずかしいから知らないなら使うなよ…」
「ぐっ!う、うるせえ!」
「………(バカ男)」
茹蛸みたいになった司に、少なからず私も半目になったけど、これで誤魔化せそうだ。
「だ、だから買い物は一人でいいわ?すぐ帰るし…それじゃ!」
「あ!おい、――――――――!」
後ろから司の怒鳴る声が聞こえたけど、私は無視して一気に走った。
「ったく…何なんだ?アイツ…」
司は走って行ってしまったに唖然としながら、軽く舌打ちした。
「まあー買い物には男なんかついて来て欲しくないだろ、さすがに」
「あ?そうなのか?」
あきらの言葉に目を細めると、司は面白くなさそうに唇を尖らせた。
「まあ、それに司って、いちいちうるさそうだしなあ」
「あきら…テメ〜ケンカ売ってんのか?オレのどこがうるさいんだよっ」
「だって司って選ぶもの全てにケチつけそうじゃん?なあ?総二郎…って、おい、どうした?難しい顔して」
振り返ると、総二郎が腕組みをして、が去って行った方向をジっと見ている。
「いや…何か気になってさ…」
「何がだよ?」
「だから…ちゃんの様子がおかしかったような…」
「そうか?司について来て欲しくなかっただけじゃねーの?」
「んだとっ?あきら!」
顔を真っ赤にして、司はあきらの首を絞めながら、未だ難しい顔をしている総二郎を見た。
「…何が気になるんだよ」
「いや…何となく。つーか、一緒に帰らないとか言いに来るか?あの子が。帰るなら勝手に帰りそうだけどな」
「ああーそっか…なるほどね」
「あ?何だよ、どういう意味だ?」
総二郎の言葉に、あきらだけが気づいた事が不満なのか、司はムっとしたように二人を睨む。
「だったら何で、こんな場所にアイツが来てたんだよ。他に知り合いなんか―――――――」
「「………」」
そこまで言って司も言葉を切った。
「やっと気づいたか…」
「まさか…アイツか…?あのお笑い芸人…」
「ああ。アイツ、昨日から姿見てねーしなあ。何か関係あるかもしれないぜ?」
「………」
総二郎の言葉に、司はギリッと歯を噛み締めると、そのまま階段を下りて行く。
「お、おい、どこ行くんだよ、司!」
「これから遊びに行くんじゃねーのかよっ?」
「うるせーっ。んな気分じゃねーよっ」
そう怒鳴ってサッサと歩いて行ってしまう司を、二人は慌てて追いかけていった。
「ここ…かな…?」
前にチラっと聞いた事のある記憶を頼りに、代官山で一番大きなマンションを見つけて、私は立ち止まった。
この辺で大きいマンションと言えば、これしかない。
「よし…」
軽く深呼吸をして、マンション内に入る。
自動ドアを抜けると、まるでホテルのようなロビーが目の前に現れた。
が、そこへ入るには、もう一つオートロック機能のドアを抜けなければならない。
「えっと…部屋は…どこだろ」
郵便受けのある場所を一つ一つ探していくと、思ったとおり、最上階の部屋のところに"結城"という名前を見つけた。
「やっぱ、ここで合ってたんだ」
ホっとしてインターフォンで部屋番号を押すと、ピンポーン…という音が鳴る。
暫く待ってみること数秒、不意にガチャリ…と音がして、『…はい?』という掠れた声が聞こえてきた。
「あ…あの…大和…?」
『………か?』
インターフォン越しに驚いたような声が聞こえてくる。
目の前に小さなカメラがあるから、きっと大和からは私の姿が見えてるんだろう。
『ど、どうしたん…?お前…』
「あ、あの…休んでるって言うから…お見舞い?」
『な…見舞いて…。ああ、ちょお待って…今開けるし…』
その声と同時に、目の前のドアがカチッという音と共にウィーンと開く。
「入っていいの?」
『ああ…あ、でも、ゆっくり来てや?部屋、散らかっとるし…っ』
「え、あ、そんな気にしないで―――――――」
そう言って振り返ったが、すでにインターフォンは切れていて、思わず苦笑する。
あの声の感じからすると、やっぱり風邪を引いてるようだ。
そんな体で掃除でもする気なんだろうか、と心配になる。
急いでロビーまで入ると、すぐにエレベーターに乗り込んで最上階へと向かう。
チンと扉が開くと、これまた広いフロアが現れ、私はそっとエレベーターを降りた。
「わ…ここのフロア、二部屋しかないんだ…」
見れば、広いフロアの中に向かい合って、ドアが二つしかない。
ロビー並みの豪華なフロアには、来客用のソファやテレビがあって、誰がいつ使うんだ?なんて素朴な疑問が浮かぶ。
そのまま大和の部屋の前に立つと、その瞬間、ドアが開き、少しだけ驚いた。
「あ…大和…」
「…どないしたん?ビックリするやん…」
顔を上げると、そこにはパジャマを羽織った大和が、少し元気のない顔で立っていた。
「あ、あの…ごめんね、いきなり来て…昨日から休んでるって聞いて、ちょっと心配で…」
「あ、ああ…とりあえず入って」
言ってドアを開けてくれたので、おずおずと中へ入る。
玄関もかなり広くて、壁一面が靴箱のようだ。
「どーぞ、入って。さっき言うたように散らかっとるけど」
苦笑気味に言う大和に、ちょっと笑いながらも、靴を脱いで上がらせてもらう。
部屋の中は、いつも大和からする香水の香りがして、ちょっとだけ緊張した。
(そう言えば…男の子が一人暮らししてる部屋に来るのって初めてかも…)
そう思いながら足を進めると、これまた広いリビングが現れた。
「わ…広い…」
正面が壁一面、窓で大きな大きなテラスがあり、そこから夕日が差し込んでいる。
それに照らされた室内は、散らかってるどころか、荷物も殆どない状態で、大きな画面のテレビと、大きなソファがドンと真ん中にある。
後はオーディオの前に数枚のCDが散らばってるだけだ。
「ゴホッ…あ、テキトーに座ってて。今、お茶淹れる」
「え?あ、いいよ…!風邪引いてるんだし寝てて?」
キッチンの方から声が聞こえて、急いで走っていくと、大和が咳き込みながらポットのスイッチを入れているとこだった。
「大和は寝てて?顔色悪いし…」
「んあ…ちょっと熱出てもーて…」
軽く息を吐き出し、顔を歪める大和に、いつもの元気が見られない。
彼の体を支えると、そのままリビングを通って、奥の寝室へと大和を連れて行った。
「ここ?」
「ん…」
「何も…ないのね…」
寝室へ入ると、ここもリビング同様、キングサイズのベッドがあるだけで、他にはテレビくらいしかない。
「ああ…まだ荷物も全部出してないねん…。っと、悪い」
ベッドまで支えていくと、大和はつらそうにそこへ寝転がった。
その拍子に、ボタンの留めてないパジャマが肌けて、大和の引き締まった胸元が視界に飛び込んでくる。
「ちょ、ちょっと!ボタンくらい留めてよ…風邪引いてるのに…」
ドキっとして顔を反らすと、大和は不満げな声を上げた。
「…んえ〜窮屈やん…。ってかオレ、普段は裸で寝てるしなあ…今はちゃん来たから慌てて羽織っただけやし」
言って大和は苦笑すると、軽く寝返りを打った。
「それより…よぉここが分かったな?誰かに聞いたん?」
「あ…だって…前に大和が、今住んでるマンションは代官山で一番大きなマンションだって話してたでしょ?だから…」
「ああ…そうやったっけ…でも…見舞いに来てくれる思わんかった…」
その言葉に、そっと顔を上げると、大和は嬉しそうな笑みを浮かべてこっちを見ている。
いつもより気だるそうな顔で、しかも胸元が肌蹴ている大和は、妙に男の色気を出していて、顔が熱くなった。
(コ、コイツ、黙ってると普段以上にカッコいいし困る…っというか…何で高校生のクセに、そんなに色っぽいのよっ?)
「どうしたん?何や大人しいやんか」
「な、何でもない…それより…ごめんね?」
「え?何がや?」
「だから、その風邪…私のが移ったんでしょ?この前お見舞いに来てくれたし…」
そう言ってベッドの方に歩いて行くと、大和は軽く笑って、「ちゃうって」と手をブラブラと振って見せた。
「一昨日、風呂上りにそのままリビングで寝てもーて…んで朝方に寒くて目が覚めたら、すでに熱が出とって。せやからちゃんのせいとちゃうよ」
「でも…」
「ほら、オレ風呂上りはバスローブだけしか羽織ってへんし、思い切り湯冷めしてもーて」
だから気にする事ない、と大和は微笑んだ。
その笑顔にドキっとして視線を反らすと、ベッドの脇にあるテーブルに、写真たてが置いてあった。
眩しいくらいの笑顔でピースサインをしている男の子と、その背中におぶさるようにして笑っている男の子が映っている。
それを見て、私は思わず目を疑った。
「それ…大和…?っていうか…大和が二人…」
「ん?ああ…これは…」
大和はその写真たてを手に取った。
「オレと兄貴や…このピースしてんのが海斗で、こっちがオレ」
「え?で、でもソックリ…」
「そらそうや。オレと兄貴は一卵性双生児やからな」
「え、ふ、双子…っ?」
それには驚いて、大和が差し出す写真を見る。
写真の中の二人は、中学生くらいで、まだ笑顔も幼いが、確かによく似ていた。
「ソックリ…大和が二人いるみたい…」
「…どうや?兄貴も男前やろ?」
「…って、同じ顔じゃない、二人とも」
大和の言葉に苦笑すると、大和も、「性格はちゃうけどなあ」と苦笑いを零した。
「仲がいいんだね」
「ああ、まあ…ケンカもしょっちゅうやけど…でも海斗とは命を分け合ってるから普通の兄弟よりは仲良しやな、きっと」
「そっか…。だったら離れ離れで暮らしてて寂しいんじゃない?」
そう言って顔を上げると、大和は軽く目を伏せた。
「…大和…?」
「そやなあ…めっちゃ寂しいねん…」
「…え?」
いきなり切なそうな顔で、そんな事を呟く大和にドキっとした。
やっぱり慣れない土地で暮らすのは、いくら明るい大和とは言え、辛かったのかも…
そう思いながらベッドの脇にしゃがむと、不意に大和が顔を上げた。
「そやしちゃん…今日、泊まってってくれへん…?」
「……は?」
そう言って私の手をぎゅっと握り締める大和に、目が点になる。
すると突然、「ぶっ」と噴出し、大和が楽しげに笑い出した。
「…ぁはは…!嘘やって…そない驚かんでも…」
「な…っ」
目の前でひーひー言いながら笑ってる大和に、顔が真っ赤になったのが分かった。
からかわれたんだと気づき、「最低っ」と思い切り大和の背中を殴ると、彼は困ったように眉を下げる。
「わ、悪かったて…。けどちゃんがあまりに可愛いこと言うから、つい…」
「な…バカにしてる…」
「してへんって…可愛い言うとるやん」
「ちょ…わ…」
大和に背を向けた瞬間、急に手を引っ張られ、その拍子にベッドへと倒れこんでしまった。
が、私が倒れたのは大和の上で、肌蹴た胸元が視界に飛び込んで慌てて起き上がる。
「あ、危ないでしょ?急に引っ張らないでっ」
「あ〜ちゃん、真っ赤や。ほんま可愛いなあ」
「………ッ」
悪びれた様子もなく、そんな事を言う大和に、ホントに熱があるのか?と疑いの眼差しを向ける。
それでも少し息が荒いところを見れば、確かに熱があるようで、私は思い切り溜息をついた。
「もう…大人しく寝てないとダメでしょ…?」
「…くっくく…」
「何がおかしいのよ…」
「いや…何か…可愛くて…そんな可愛いこと言われたら、熱がまた上がってきたわ…」
「な、バカ言ってないで早く寝て。それと…布団ちゃんとかぶって、ほらっ」
未だ笑っている大和に呆れながらも、布団をかけてあげると、彼はちょっとだけ照れ臭そうに、「サンキュ」と呟いた。
「ちゃんは…優しいな…。海斗が惚れるわけや」
「何言ってるのよ…。お兄さんは私の事、殆ど知らないでしょ?それより…薬飲んだ?ご飯は?」
「…食欲ないねん…。薬は…病院で貰ってきたのがあるし、それ飲んだ」
「もう…何も食べないなんて治るわけないでしょ?」
言って立ち上がると、軽く息をついた。
「お粥作るから…後で食べてね。お米ある?」
「え、あるけど…ええよ、そんなんしなくて…オレなら大丈夫やし」
「大丈夫じゃないじゃない。そんな苦しそうな顔して…とにかく作っておくから今、食欲ないならお腹空いた時に食べて?ね?」
私がそう言うと、大和も困ったように微笑んで、「分かった…」と呟く。
「でも…何で親切にしてくれるん?」
「え…?」
「いつも学校ではオレから逃げるくせに…」
「そ、それは…」
苦笑気味に私を見る大和に、思わず言葉に詰まる。
「学校だと…色々あるじゃない…。私はあまり目立ちたくないっていうか…」
「…でも道明寺クンの親戚ってだけで目立ってる思うけど…」
「だ、だから…これ以上って事よ…。あ…っとじゃあ、大人しく寝ててね?」
そう言うと、大和は片手を上げた。
私は寝室を出ると、キッチンに向かい、お米がどこにあるか探して行く。
その時、携帯が鳴り出し、ドキッとした。
「わ…司だ…」
ディスプレイを見て思わず頭を項垂れる。
そう言えば、今日は荷造りをしろって言われてたっけ。
でも…大和はああ言ってたけど、私が移したかもしれないのに、このまま帰れない。
「…帰ったら、また怒鳴られそうだけど…えいっ」
そう呟きつつ、思い切って携帯の電源を切ってしまった。
「今…6時か…8時までには帰らないと…」
電源を切った事で司が怒ってるとこを想像して、軽く身震いをしつつ、私はお米を炊く準備をしていった。
「はあ…ったく。ほんまに驚かせてくれる子やなあ…」
キッチンから時折聞こえる物音に苦笑しながら、写真を眺める。
「このまま休みに入って…暫くは顔も見れへん思てたのに…予想外の展開やわ…」
仰向けに寝転がり、額に腕を乗せると、思い切り息を吐き出す。
昨日から急に上がった熱で、体全体がダルイ。
でもそれとは逆に、気持ちの方はさっきよりも晴れていた。
明日は実家に戻る事になってるのについてないと思ってたけど…思いがけないザプライズがあったからかもしれない。
「兄貴も…彼女に会えて満足やろ…?」
そう呟いたのと同時に、手からするりと写真が零れ、床に滑り落ちた――――――――

これ書いてる途中で具合が悪くなってどうしようかと思いました(;^_^A
なので、ちょっと中途半端に終わらせちゃいました…
まあ、またしても長くなっちゃったんですけど…
結局書きたいとこまで書けませんでしたよ_| ̄|○;
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