それぞれの
答え









暖かい日差しがカーテンの隙間から部屋の中を包む。
その眩しさで、ふと目を覚ました司は自分がソファで寝転がっている事に気づき、小さく欠伸を零した。


「…チッ…寝ちまったか…」


ゆっくりと体を起こし、頭をガシガシとかく。
夕べは寝付けないまま、一人で酒を飲み、そのままソファで寝てしまったらしい。
時計を見れば、すでに午後12時をさすところ。
司は重たい頭を軽く振ると、テーブルに視線を向けた。
そこにはワインのボトルが二本、転がっていて、どちらとも綺麗に飲み干されている。


「頭いてぇ…」


完璧に二日酔いの症状だ。
司は部屋にある冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、一気にそれを飲み干した。


「ふぅ…」


少し喉が潤った事で、ホっと息をつくと、司は思い切り伸びをして立ち上がった。
軽くシャワーへ入りたいが、まずその前に気になる事がある。


「ったく…どんだけ鈍いんだよ…バカ女」


夕べの事を思い出し、軽く舌打ちをすると、司はそのまま部屋を出た。


別にいきなり、あんな事をするつもりじゃなかった。
ただ楓の話を聞いて、少なからず動揺はしていた。
が妹になるかもしれない、と思うと、心の奥がどうしようもないほど疼いて、気づけば自分の気持ちに素直に従っていただけだ。
傷つけるつもりは、少しもなかったのに。






「おい、…起きてるか?」


司はの部屋のドアをノックしながら、小さく深呼吸をした。
とにかく、あのままじゃ良くないって事は分かっている。
そう思ってやってきたの部屋。
が、中から返事はなく、司は軽く首を傾げた。
まだ寝ているのか、それとも、すでに起きて下にいるのか…
どちらにしろ確かめる必要がある、と自分に言い聞かせ、司はそっとドアノブをまわした。


「…入るぞ?」


そう声をかけてからドアを開ける。
鍵がかかっていない、という事は部屋にいないと言う事だろうか。


「おい、…?」


少しだけドアを開け、中を見てみると、部屋の中は薄暗く、まだカーテンが引かれているようだ。


(やっぱ、まだ寝てんのか?だとしたら無用心な奴だな…鍵も閉めないなんて)


…いるのか?」


一歩、中へ足を踏み入れる。
また勝手に入れば怒られるだろうが、それならそれでもいい。
今はとにかくと話したい、と思った。
だが、部屋の中に入った司の目に飛び込んできたのは、奥にある空のベッド。


「何だ…起きてんのか…」


もし下にいるなら、すでに皆を起こしているだろうから、すぐには話せないな、と思い、部屋を出ようとした。
だがその時、ふと手前にあるソファに目が行き、ピタリと足を止めた。


「…あぁっ?」


振り返って、もう一度確かめてみる。
薄暗い部屋の中、見間違えたかと思ったが、どうやらそうでもないらしい。


「…る、類…か?」


ソファの上には未だスヤスヤと気持ち良さそうに眠っている、花沢類の姿があった。


「な…何で類がの部屋にいんだ…?」


目を擦りつつ何度も確かめたが、類はやはり気持ち良さそうに眠っている。
それを見て司の顔色が変わった。






ドカッ







「起きろ!!類!!」


容赦なくソファを蹴飛ばすと、ガタッという派手な音が響く。
蹴飛ばした時の振動で、さすがに目が覚めたのか、類はモソモソ動き、かけられていた毛布を抱きしめながら「ふぁぁぁ…」っと欠伸をした。


「…んぁ…司…?」


ゴシゴシと目を擦りながら、未だ寝ぼけた様子で目を開けると、目の前に仁王立ちしている司の姿に気づいた。


「…おはよ…ってか何でオレの部屋にいんの…」
「ふざけんな!いいから早く起きろ!」
「…わっ」


類の握り締めていた毛布を思い切り引っ張ると、類も一緒にソファの下へと落下した。
ドタンッという音と共に、類は「いってぇ…」と顔を顰めて、目の前にいる司を睨む。


「何すんだよ、いきなり…」
「うるせえ!何で類がここで寝てんだっ?」
「は?何でって、だってここはオレの部屋―――――――」


そう言いかけて部屋の中を見渡すと、類は「あれ?」と言って首を傾げた。


「あれ?じゃねぇ!ここはの部屋だろが!なのに何でてめーが寝てんだよ?」
「……何で…だろ」
「はあ?」


類がキョトンとした顔で首を傾げると、司の額に怒りマークがピキッと浮かぶ。
握り拳をプルプルさせながら、「おい…もしかして…覚えてねーのか?」と尋ねると、類は不思議そうな顔で頷いた。


「リビングでワイン飲んでたら…司が帰ってきたってとこまでは何となく覚えてるんだけど…」
「…はあ?!そんな酔ってたのかっ」
「そうみたいだね」


一人エキサイトしている司に対し、類はいつもの如くマイペースで応えると、ゆっくりと立ち上がって欠伸をした。
そして部屋の中を見渡すと、「ねぇ、は?」と、尋ねる。
今頃部屋の主がいない事に気づいたようだ。


「んなのオレが聞きてーんだよっ」
「何そんな怒ってんの?司…」
「うるせえっ。つか、てめー夕べに夜這いかけたんじゃねーだろうな?」
「夜這い…?」



司の言葉に一瞬、目を丸くすると、類は小さく吹き出した。


「ああ、何だ。もしかして司、心配してるの?オレとの間に何かあったんじゃないかって」
「………ッ」


類の言葉に、司の顔が真っ赤になる。


「し、心配なんかしてねーよっ」
「ならいいけど。でもオレ、何もしてないと思うよ?」
「……記憶がないんだろ?何で分かるんだよ」
「記憶がなくても分かるよ。総二郎じゃあるまいしオレがそんな事すると思う?」
「…う…そ、そりゃ…そうだけどよ…」


目を細めている類に、司は言葉が詰まった。
確かに言われてみれば、類はそんなキャラじゃない。


「…チッ。分かったよ…」


納得するしかなくて、軽く息をつくと、司はさっきまで類が寝ていたソファに座った。
そんな司を見て今度は類が意味深な笑みを浮かべると、


「ところで…司はに何の用だったの?」
「…え?」
「その様子だと寝起きだろ?起きて早々に会いに来たって事だ」
「……っ」


ニヤリと笑う類に、司は耳まで真っ赤になった。
いつもはボーっとしてるクセに、こんな時だけ勘がいい。


「べべべべ別に大した用じゃねーよっ」
「司、目が泳いでる…」
「し、しつけーな!別に用なんかないって―――――――」
「何、これ…?」


司が立ち上がった時、類が訝しげな顔でテーブルに視線を向けた。


「あ?何だよ」
「これ…」


そう言って類がヒラリと持ち上げたのは、一枚のメモだった。
そこには何か文字が書かれていて、類は目を擦りながら、


「何だ、これ…オレ宛てだ…」
「何ぃ〜?」
「"花沢類へ。ちゃんと起きれたかな?夕べは酔っ払ってソファで寝ちゃったので起こさずに行きます"」
「てめ、やっぱ酔って部屋に押しかけたんじゃねーかっ」
「ちょっと待てよ、司…!行くってどこ行ったんだろ…」
「あ?」
「まだ続きがある」


胸倉を掴んできた司に、類はマジメな顔でメモに視線を戻す。
その様子に、司は眉間を寄せると、「何て書いてあんだよ」と手を離した。


「えっと…"突然で皆には悪いけど、私は一足先に日本に帰ることにしました"」
「ああっ?!」
「ちょ…司、うるさい…読めないだろ?」
「うるせえな!貸せ!」
「あ、」


司はイライラしたように類の手からメモをひったくる。
そのメモには、こう書いてあった。




"花沢類へ。ちゃんと起きれたかな?夕べは酔っ払ってソファで寝ちゃったので起こさずに行きます。
突然で皆には悪いけど、私は一足先に日本に帰ることにしました。
花沢類がこれを読んでる頃には、私は多分飛行機の中にいると思います。
理由は、やっぱり一度、お父さんに会って話をしたいから。
こんな気分のままじゃ、せっかくの旅行も楽しめそうにないし、答えも出せそうにない。
なので日本に帰って、お父さんと会ってきます。勝手な行動とってごめんね。
皆はまだ寝てるし、後で花沢類から話しておいて下さい。
それじゃ残りの休みを楽しんできてね。より"




「な…んだよ、これ…!」


全てを読み終えると、司は急いでクローゼットを開けた。
が、中には何もなく、持って来た荷物全てがなくなっている。


「クソ…マジかよ…」


ガランとしたクローゼットを見て、司は軽く舌打ちをした。
すると類が苦笑交じりで、司の手から、そのメモを取った。


「…司を殴った時も凄い子だって思ったけど…ホント、って想像つかないような事やるね」
「……何、呑気なこと言ってんだよっ」
「でも今から連れ戻そうにも無理だろ?とっくに午前の便で発ってるんだし慌てても仕方ない」
「分かってるよ!あー!クソ!あのままの状態で帰んなよ、ったくっ」


バンっと壁を殴り、司は頭をかきむしった。
が、そこで類が耳ざとく、「"あのままの状態"って…どんな状態?」と訊いて来る。
それには司もドキっとした顔で首を振った。


「な、何でもねーよっ」
「ふーん…。ああ…またケンカしたとか」
「…っ!そ、そんなんじゃねーっ」


痛いところをつかれ、司は口元が引きつった。
まあ、どっちかと言えば、ケンカではなく、司が一方的にを怒らせただけなのだが、その怒らせた原因までは、いくら類でも話せない。


「クソ…勝手なマネしやがって…」
「司、どこ行くんだよ。まさか―――――――」


出て行こうとした司に声をかけると、司は渋い顔のまま振り返った。


「…二日酔いでダルイからシャワーあびんだよ!」


それだけ言うと、司はバンとドアを閉め、そのまま自分の部屋へと戻っていった。














「―――――――お疲れ様でした」


客室乗務員がにこやかな笑顔で頭を下げる。
私も軽く微笑むと、荷物を持ってタラップを降りた。


「う〜ん…疲れたぁ…」


下までつくと、思い切り両腕を伸ばす。
殆ど眠らないまま別荘を飛び出してきたから、かなり眠い。
移動中もあれこれ考えてしまって、それほど眠れなかった。


あれから朝になるのを待って、日が昇るとすぐにおば様の下へ向かった。
おば様は私が来る事を分かっていたかのように、「飛行機の手配は済んでるわ」と言い、私にチケットをくれたのだ。
そして私を空港まで送ってくれると、


「この飛行機は直接、関西国際空港に着きます。気の済むまで、お父様と話してきて」


と言って、笑顔で見送ってくれた。
おば様はこの後、再びニューヨークへ戻り、すぐまた日本に帰ると言っていた。
ホントに多忙な人だ、と思いながら、私は指示された通り到着ロビーの出口前に向かって歩き出す。
その時、ゴンっと後頭部を小突かれて、突然の事に前のめりになった。


「痛…っ」
「よ!」
「何する…て、あ…!!」


頭を擦りつつ、誰だ、こんな事する奴は!と振り返ると、そこには長身のサングラスをかけた男が笑顔で立っていた。


「や…大和…?!」
「ようこそ、関西へ〜


驚きのあまり口をパクパクしていると、大和は苦笑しながらサングラスを外し、


「何や、金魚みたいに。ほんま期待を裏切らんやっちゃなぁ」
「な、な、何でここにあんたがいるのよっ?」
「何でって、ここはオレの故郷やで?おったらアカンのか?」
「そ、それは…そうだけど…」


偶然にしては行き過ぎてる再会に、少なからず私は動揺していた。


「いつ…こっちに戻ってきたの?」
「もちろん今や。多分、と同じ飛行機やで」
「…は?だ、だって結城グループにも自家用ジェットはあるんでしょ?」
「あるけどやなぁ…オレ、あんま飛行機好きとちゃうし、どうせ乗るなら大勢いた方がええやん?」
「え?」
「まあ落ちる時、一人ぽっちより知らん人間でも大勢いた方が寂しないし…」


わけの分からない理由を話され、私は目が点になった。
…遠まわしに飛行機が苦手って言ってる?
って言うか、どうしてコイツは"落ちる"って前提で話をしてるの?
それに…


「大和…私、カナダ発つ時にメールしたよね…」
「ん?ああ、急用が出来たから今から日本に戻るいうやつやろ?いや驚いたわぁ、いきなりの事やし」
「…まさか…そのメール見て―――――――」
「なになに?そのメールを見てオレが慌てて追いかけて来た思てんの?」
「だって、こんな偶然あるわけないでしょ?」


キッと睨むと、大和は両手を上げて、ホールドアップをしながら苦笑した。


「はいはい、の言うとおりや」
「…やっぱり」
「そんなん言うけどやなあ。のおらんカナダに一人残っても寂しいだけやん?」


スネたように目を細める大和に、私は思い切り溜息をついた。
このノリで言われると、どう突っ込んでいいのか分からない。
何となく憎めないというか、本気で怒れないというか。
なんて得な性格なんだろう、と思う。


「…何でこの飛行機に乗るって分かったの…?」
「そら空港に問い合わせて聞いたんや。てっきり東京行きや思てたけど…こっち来た言う事は大阪のご両親のとこ行くんか?」
「まあ…もうすぐお正月だし…」
「ふーん。でもよく、あの司坊ちゃんが許したなぁ」
「…べ、別に言ってないもん」
「は?言うてないって…勝手に来たって事か?ぶ…ははは!凄いなあ、お前ー」


小さく頷くと、大和は楽しげに笑いながら、私の頭をクシャクシャと撫で回した。
そして、意味ありげな笑みを浮かべ、「でも何でなん?」と訊いて来る。
それには言葉もグっと詰まってしまう。


「そんな大切な用事やったん?それとも、また坊ちゃんと大ゲンカして飛び出してきた、とか」
「そ、それは…」


あまりに鋭いとこをつかれ、ドキっとする。
お父さんと一度会って話したかったというのも本当だ。
そして…司と顔を合わせるのが嫌で、何も言わず出てきてしまった事も。


「まあ…話したくないならええわ」


私が黙ったままでいると、大和は軽く息をついてそう言った。
そしてサングラスを胸元のポケットにさすと、ふと腕時計を見て、


「それより…ここからどうやって行くん?大阪は初めてなんやろ?」
「あ…そうだった…」


いきなり来てみたはいいけど、大阪に来たのは初めてで右も左も分からない。
電車だって、どれに乗ればいいのかも分からないから、この空港から、お父さんの家まではタクシーで行くしかなかった。


「タクシーで行くわ?住所は分かってても、ハッキリとした場所までは分からないし…」
「どの辺?住所は?」
「あ、えっと…これなんだけど…」


バッグの中から手帳を出して大和に見せると、大和は目を丸くした。


「え、大阪市住吉区…帝塚山…?」
「うん。大和、この辺り分かる?」
「って、分かるも何も…ここオレの実家の近くやで?」
「えっ?!」
「ひゃー奇遇やなあ…。ああ、でも近所には道明寺グループの所有するマンションとか、結構あるしな」
「そうなの?お父さんたちは用意してもらったマンションに住んでるらしいんだけど…」
「そうなんや。ほなオレが案内したるわ」
「え…っ」


得意げな笑みを浮かべた大和は、「オレんちの車、迎えに来てる思うし乗っけてってやるで?」と言って私の荷物を持った。
それには慌てて首を振り、バッグを奪い返す。


「い、いいよ、そんな…」
「何でや。何も遠慮する事ないやろ?どーせオレも実家に戻るのに、同じ方向行くねんから」
「え、遠慮って言うか…」


キョトンとする大和に、私は口篭った。
大和と会うのは、あの告白の夜以来だし、やっぱり少しは気にしてしまう。
どういうわけか、大和は私の事が好きだと言うし、あげく結婚まで考えてるらしい。
でも私はそんな気はないし、出来れば友達のままでいたいと思ってるから、大和の気持ちを知ってしまった今、こんな風に顔を合わす事さえ、少々気まずかったりする。
だが大和はそんな私の気持ちなんか、とっくに見透かしてたようで、「はは〜ん」と言いながら、私の顔を覗き込んでニヤリと笑った。


「もしかして…オレと顔を合わすん気まずかった?」
「な…何がよ…」


思いきり図星でドキっとしつつ、なるべく平静を装う。
けど大和はクスクス笑いながら、私の荷物を奪い返すと、サッサと歩き出した。


「ちょ、ちょっと――」
「気にせんでもええ。前みたいに普通にしてくれてたら、それでええし」
「…え?」
「言うたやろ?返事も急がんでええて。せやし、あんま意識しなや。こっちが照れ臭いわ」
「な、べ、別に意識なんかしてないわよっ」


大和の言葉に、逆に私が照れ臭くて言い返すと、大和はニヤリとしながら振り返った。


「ほなら送ってあげるくらいええやろ。同じ高校の先輩後輩として」
「…う…」
「ほら、はよ来い。モタモタしとったら遅くなんで?もう夕方やし渋滞にでもなったら面倒や」


そう言いながら大和は到着ロビーを突っ切って、どんどん歩いて行ってしまう。
仕方なく私もその後から追いかけて行った。


外に出ると、出口前には大きなリムジンが止まっていて、運転手らしき男性が、私達を見てペコリと頭を下げた。


「お迎えに上がりました。大和坊ちゃん」
「おぉー綾瀬さん。おおきに。って、オレのこと、坊ちゃん呼ぶな言うてるやん…ごっつツレとかにバカにされんねんから…」
「すみません。でも坊ちゃんは坊ちゃんですので」


綾瀬さんと呼ばれた50代くらいの男性は、優しい笑みを浮かべながらドアを開けてくれた。
そんな彼を見て、大和は困ったように頭をかくと、


「はあ…相変わらずマジメやなぁ…。ああ、そうや。この子、ちゃん言うねん。この子の親がこっちにおるし送ってくれるか?」
「はい、かしこまりました。ではどうぞ、様」
「え?あ、は、はい…すみません…」


中へと促され、私は慌てて車の中へと乗った。
大和は私の荷物をトランクに入れてから、隣に乗り込むと、綾瀬さんはすぐにドアを閉め、運転席へと向かう。


「では、どちらまでお送りすれば宜しいですか?」
「ああ、のご両親も帝塚山やねん。せやから、そっち向かって。でも…」



身を乗り出して大和が綾瀬さんに何かを告げると、


「畏まりました」


綾瀬さんがそう言った瞬間、運転席と後部座席の間にある扉が閉ざされる。


「何で閉めるのよ…」
「さあ?気を遣たんちゃう?」


私の問いに大和はニヤニヤしながらシートに身を沈めると、「ふぁぁ」と大きな欠伸をした。


「あんま寝れへんかったし眠いわー。は飛行機ん中で寝れたん?」
「…私も…あまり寝れなかったわ」
「そうかぁ。オレなんか、もうめっちゃ緊張してまうから、飛行機内では熟睡した事ないわ」


何度目かの欠伸を噛み殺し、大和は苦笑した。
そう言えば、さっき飛行機は苦手だとか言ってたっけ。


「何で飛行機が怖いの?」


そう尋ねてから、「ああ、おじいちゃんみたいに"鉄の塊が飛ぶなんて"とか言わないでよ?」と付け足した。
私の問いに口を開きかけた大和だったけど、その一言に言葉をつまらせ、「…だってそうやん…」と唇を尖らせる。


「あんな重たいもんが遥か上空まで浮かぶなんて、めっちゃ怖いて!」


そう言いながら体を縮ぢ込ませる大和を見ておかしくなった。
今時、おじいちゃん世代だって平気で飛行機に乗る時代なのに、大和ってば、そういうとこ子供みたいだな、と思う。


「あのね…飛行機が墜落する確率はどの事故よりも凄く低いんだよ?」
「それでも0とちゃうやろ?油断しとったら食われんでぇ?」


ビクビクしながら目を細める大和に呆れ、私まで目が細くなる。


「…何に食われるのよ…だいたい、大和は結城グループの跡取りなんだから、飛行機くらい克服しなさいよ。それじゃ海外外交なんて出来ないわよ?」
「ええもーん。向こうから来てもらうし。ってゆーか、って、うちのオカンみたいなこと言うなあ?」


そう言いながら呑気に笑っている大和に更に目が細くなる。
司も司だけど、どうして坊ちゃんって人種はおき楽な奴ばかりなんだろう?


その時、ふとカナダでの最後の夜を思い出した。
いつもとは違う、真剣な顔で私を見ていた司…熱かった唇…


"何って…お前の事、考えてるに決まってんだろが"


(どうして…司はあんな事したんだろう…)


あの夜のキスを思い出し、軽く頭を振った。


―――――――今は考えてる余裕なんかない。
とにかく今は養子の事を、お父さんと話し合わなくちゃ。




、どないしたん?難しい顔して」


ボーっと窓の外を眺めていると、大和が不思議そうな顔で覗き込んできた。
気づけば車はすでに街中を抜けて、住宅街の中を走っている。


「何でもない…ちょっと眠くて」
「あー何や疲れた顔しとるもんなあ…。何なら、うちで少し休んでくか?」
「い、いいよ…」


ニッと笑う大和に、慌てて首を振る。
すると大和は窓の外を指差し、ニヤリと笑った。


「でもなあ…もうついてん」
「…え?」


その言葉に驚いて窓の外を見ると、静かに車が停車したのを感じた。


「大和…?」
「ここ、オレんちやねん」
「な…」


もう一度、窓の外を見ると、確かに大きな門があって、今まさにその門が開く所だった。
そして車は再び動き出し、門の中へ静かに入っていく。


「ちょ、ちょっと!どういうつもり?送ってくれるって――――――――」
「少しだけでええねん」
「…っ?」


不意に大和はマジメな顔で私を見つめた。


「少しでええし…兄貴に会うてってくれへん?」
「……え?」


大和の言葉にドキっとした。
その時、ドアが開けられ、顔を上げると綾瀬さんが立っていた。
さっき大和が彼に何かを言ってたのはこの事だったんだ、と思いながら、視線を戻す。
大和は不安そうな顔で私を見ていた。


大和は…私をお兄さんに会わせたいんだ…
その気持ちが真剣な瞳から伝わってくる。
私は小さく息をついた。


―――――――」
「分かったわ」
「…っ?」
「知らなかったとは言え、私はお兄さんの婚約者だったわけだし…」


そう言って先に車を降りると、続いて大和も下りてきた。
私の頭をクシャリと撫でると、「…ありがとう…」とだけ言ってエントランスの方に歩いていく。
その後姿を見ていると、綾瀬さんが「こちらへどうぞ」と、家の方へ案内してくれた。















その頃、カナダでは――――――――




「なあ…司の奴、かなーり機嫌悪くねえ?」
「ああ…よっぽどちゃんが帰国したのがショックだったんだろうなあ…。さっきまで二日酔いだったくせに、もう飲んでるし」


総二郎とあきらはコソコソ話しながら、暖炉の前で一人、ワインを煽っている司を見た。
"帰国します"と書かれたメモを、類にだけ置いていったというのも気に入らないらしく、さっきから類とは一言も口を利いていない。


「やっぱアイツ、マジなのかもな、ちゃんに」
「ああ…それはそれでいい傾向なんだけど…司は極度に意地っ張りだからな…。どーせ夕べもケンカして怒らせたんじゃねーの?」
「だろうなあ。司は何を聞いても教えねーし…ったく、どうすんだよ、この状況…」


二人はそうボヤキながら溜息をついた。


「で…類と静は何してんだ?」


ふと総二郎が思い出したように顔を上げる。
あきらは軽く肩を竦めると、


「さあ。部屋にでもいんじゃねーの?あの二人も色々あるみたいだし…」
「しっかし静も思い切ったもんだな。パリに移住なんて…もうすぐで留学も終わるってのに」
「ああ、類もへコむわけだよなぁ…。静が留学終えて帰ってくるのをずっと待ってたんだし」
「しかも想いが叶ってすぐそんな話聞かされりゃ傷つくよな…」


総二郎はそう言いながら溜息をついた。
あきらはそんな総二郎を見て少し驚いたように、「珍しいな、総二郎がそんなこと言うなんて」と言った。


「いつもは相手を傷つけてる方だろ?」
「人聞き悪いな…相手はいつも分かっててオレを選んでるんだぜ?」
「そりゃそうだろうけど」
「ま、とにかく…今回の旅行は想像通り波乱含みだったな」


総二郎は苦笑交じりで、未だスネたようにワインを飲んでいる司に目を向けて呟いた。









「…類、何してるの?」
「……」


静が声をかけると、類はバッグのジッパーを閉めてゆっくりと立ち上がった。


「…それ…」


静は類の足元に置いてあるバッグを見て、眉を寄せた。


「もう帰る用意…?あと三日はいる予定じゃ…」
「………」
「まだ…怒ってるの?」


無言のままの類に、静は悲しそうな顔をした。
あの話をしてから、まともに顔を合わせてくれない類に、静もどうしていいのか分からない。


「言ったでしょ?類とこうなる前から…決めてた事なの…。だから――――――」
「分かってるよ。別に怒ってるわけじゃないから」
「…じゃあ…何?」


やっと返事をしてくれた類に、静はホっとしながらも問い返した。
すると類は小さく息をついてベッドに腰をかけると、目の前に立つ静を真っ直ぐに見つめ返す。


「静の気持ちは分かってる。小さい頃から見てきたんだし。こうと決めたら絶対にやり遂げるっていうのも分かってる」
「…類…」
「オレはそんな静だから好きなんだ。正直言えば…寂しいけど、でも静が決めた事なんだから応援するよ」
「…ありがとう…類」


類の言葉に静は瞳を潤ませると、ぎゅっと抱きついた。
そんな静を類も強く抱きしめると、そっと髪に口付ける。


「でも…オレは先に日本に帰るよ」
「…え?」


その言葉に驚いて顔を上げると、類は困ったように微笑んだ。


「静、ここからパリに戻るって言ってただろ?」
「ええ…。一度戻って色々と準備をしなくちゃいけないから日本に戻る時間は―――――――」
「だから…今回はオレが先にここを出て行く。もう静を見送るのは嫌なんだ」
「…類…」
「情けないけど…頭では分かってるのに…心が…まだついていけないんだ。だから…」


そう言うと、類は静をそっと離し、額に口付けた。
静は僅かに目を伏せると、小さな声で、「分かったわ」とだけ呟き、ゆっくりと立ち上がる。


「私も…見送らない。また…会えるもの」


静のその言葉に、類は優しく微笑み、「皆には適当に言っておいて」と言うと荷物を持って立ち上がった。


「もう…行くの?」
「うん。ダラダラ一緒にいれば引き止めたくなるし、今夜のうちに最終で日本に発つよ」
「…そう。分かった」


類の気持ちも固いと知ったのか、静もそれ以上、何も言わず黙って頷く。


「じゃあ…気をつけて」
「うん。静も…向こうで頑張ってね」
「ありがとう。準備を終えれば一度、日本に戻るから、その時は連絡するわね」
「うん。それじゃ」


二人は向かい合うと、そのままどちらからともなく右手を差し出し、最後は握手をして別れた。











その頃、カナダで花沢類と静さんが別れ話をしてるなんて事も知らず、私は結城家に招待され、大和のお兄さんの仏壇の前に座っていた。
手を合わせた後、目の前の写真を眺めていると、不思議な感覚になってくる。
大和に似ているこの写真の人が、知らないところで私を想っていてくれたんだ。


「ありがとう」


後ろから声がして振り返ると、大和が手にカップを持って入って来た。


「これで兄貴も満足やろ」


そう言いながら紅茶のカップをテーブルに置いてくれた。


「紅茶で良かった?」
「うん。ありがとう」


そう言って立ち上がると、テーブルの前に座り、紅茶を口に運ぶ。
かなりの広さがある和室には、お線香の香りが漂い、独特の静けさがあった。


「この前、三回忌やったばかりなのよね」
「ああ…。ここに親戚が集まって、兄貴の話やなく、仕事の話をしまくってたらしいけどな」


皮肉交じりに笑う大和を見ていると、きっと複雑な立場にいるんだろう、と思った。
これから色々な事を学んで、結城グループを背負っていく事になる。
まだ17歳の大和には、荷が重い事なんじゃないのか、と思った。


「…家の人は?」
「ん?ああ、オヤジは忙しいしおらんで。まあ今度、紹介するわ」
「え、い、いいよ…」


ギョッとして首を振ると大和は、「そない嫌がらんでも…」と苦笑いを零した。


「だ、だって…お父さんって結城グループの社長さんでしょ?緊張するし…」
「そんな事ないて。普通のオッサンやし。前にも言うたけどのオヤジさんとも仕事がらみで、よう知っとるみたいやし」
「…そうだけど…」
のオヤジさんとは気が合うみたいで、前はよう酒飲んだりしててんで」
「…気が合う?お父さんと…結城グループの社長さんが?」
「そう言うてたで?何やのオヤジさんて、何気に天然キャラなんやろ?」
「…そ、そんな事は…そりゃちょっと能天気で困る事もあるけど…」
「あははっまあ、そういうとこがオヤジも好きなんやろなあ。何や人が良すぎるんやって?」
「ま、まあ…って言うか、そんな笑わないでよ…」


ケラケラ笑っている大和を睨むと、「悪い悪い」と言って手を上げる。
そして、ふと時計を見ると、


「ああ、もうこんな時間か…」
「え?あ、ホント…帰らなくちゃ…」
「ほな送ってくわ。一人やと迷子になるやろし」
「…え、でも大和だって疲れてるでしょ?」
「大丈夫や。この辺は住宅街で人気も少ないしな。心配やしご両親の住んでるマンションまで送る」
「…ありがとう」
「何や、いつもと違って素直やん」
「…わ、悪かったわね…」


憎まれ口を叩く大和を睨みつつ立ち上がると、最後にもう一度、仏壇に手を合わせ、私はその部屋を後にした。
二人で長い廊下を歩いてエントランスまで行くと、すぐに数人のお手伝いさんがやって来る。
その辺りは道明寺家と似ていて、何となくくすぐったい。
すると、そこに年配の女性が「坊ちゃん、帰ったんか?」と歩いて来た。
年代からすると、道明寺家の使用人頭、タマさんと同じくらいに見える。
その女性が来ると、他の若い使用人の子達が一斉に並び直し始めたから、彼女がこの家の使用人頭なんだろう。


「…大和坊ちゃん、帰った早々女の子を引っ張り込んだんか?」


そう言ってジロジロと私の事を見てくる。
内心、"坊ちゃん"に強いとこまでタマさんみたいだ、と思っていると、大和が情けない顔で振り向いた。


「…梅ばあ…人聞きの悪いこと言わんといてーなぁ…」
「誰が"梅ばあ"や!ばあは余計や言うてますやろ。ほんまに坊ちゃんは…」
「あー説教は後で聞くし、そこで一時停止!」
「またアホなこと…。で、どこ行くんです?帰ったばかりやのに、また夜遊びに行く気ぃですか?」
「…せやから人聞き悪い言うてんのに…。夜遊びちゃうやん。この子、家まで送ってくるだけや」


大和の説明に、梅さんはジロっと私を睨んだ。
そして上から下までジロジロ見ると、「この子、見たことない顔やけど…どこのお嬢さんや?」と訊いて来た。
その迫力にひるんでいると、大和が苦笑しながら、


「この子は東京の子や。今オレが通ってる高校の後輩」
「…東京の…?ほな何で大阪に?坊ちゃん追いかけてきたんか?」


私の荷物を見ながら、更に怖い顔で睨んでくる。
それには慌てて首を振ると、「ち、違いますっ」と否定した。(じゃないと敵視されそうだ)


「両親が大阪で仕事をしてるので来たんです。そしたら空港で偶然、大和さんに会って…」
「…ふん…ならええけどね…。坊ちゃんに近づいてくる女は山ほどおるし―――――――」
「あ〜〜!梅ばあ!オレ、めっちゃ腹減ってんねん!はよ夕飯の支度してくれへん?オレ、送ったらすぐ帰るしっ!ほな!」
「あ、坊ちゃん!」


大和は慌てたように梅さんの言葉を遮ると、私の手を掴んで、急いで家を出た。


「ちょ、ちょっと大和!待ってよ…っ」


グイグイと腕を引っ張られ、私は転びそうになりながら必死についていくと、大和は気づいたように手を離した。


「悪い悪い…ってか参ったわぁ…」


ガックリ項垂れる大和に、私は息を整えながらも、つい吹き出してしまった。


「大和も、あの梅さんには弱いみたいね」
「…まあ…オレが生まれる前からおる人やからな…。って、オレもて…他に誰かおるん?」


私の言葉に、大和は訝しげな顔で振り返った。


「司も使用人頭のタマさんって人に頭が上がらないみたいなの」
「…へぇ。やっぱ同じような境遇やねんなあ」


大和は苦笑いをしながら頭をかくと、私の荷物を持ってくれた。


「あ、ありがと…」
「別にこんくらいで礼なんかええよ。えっと…確かさっきの住所やと、こっちやと思うねんけど…」


そう言いながら方向を確かめつつ、歩いていく。
私はその後からついていきながら、辺りを見渡した。
大和の家も相当大きかったけど、他の家もかなり大きな家が立ち並んでいる。
きっと、この一帯は高級住宅街と呼ばれる場所なんだろう。


「悪かったなぁ、梅ばあが失礼なこと言うて」
「ううん。気にしてない。きっと大和の事が心配なのね、梅さんは」
「…顔合わすたび説教やけどなあ…」
「孫みたいに思ってるんじゃない?跡取りだし悪い虫がつかないようにって思ってるのかも」


からかうように言うと、大和は顔を顰めながら、「オレは男やで?」と苦笑いを零す。


「でも跡取りになったなら、それなりに相手を選ばないといけないでしょ?」
「…そんなん言うて…遠まわしにオレにのこと諦めろって言うてるん?」
「そ、そんな事は…」


ジトッとした目で見られ、ついそう応えると、大和はニヤリと笑った。


「ほな諦めんでもええっちゅう事やな♪」
「…え?あっ」
「まあオレは諦めぇ言われても諦める気はないけど」
「…な…」


大和の言葉に足を止めると、大和も足を止め、振り返る。
その顔が真剣で、ドキっとした。


「言うたやろ?」
「な…何で…私に拘るの…?」
「…それも前に言うた」
「でも…お兄さんに聞いてたからって、実際に会ったのは最近じゃない。なのに…」


私の言葉に、大和はふっと笑うと、


「そうやな…でも…実際に会うて…もっと好きんなってん」
「……っ?」
「思ってた通りの子やった」
「…大和…」
「オレは本気や…せやからも…本気で考えといて。あ、って言うても急かしてるわけちゃうから誤解せんよーに」


大和はそう言うと、ニカッと笑って私の頭をクシャっと撫でる。


私は何も答えられないまま、ただ黙って大和に微笑む事しか出来なかった。











「あぁ?類も帰ったぁあ?!」


静の言葉に、司は思わずワイングラスをガシャンと落とした。
後ろでは総二郎、あきらも目を丸くして固まっている。


「…嘘だろ…?」
「ホントよ」
「な…つか…いつからお前ら、そんな関係に…!!」


司はそう言いながら口をぽかんと開けている。
それを見て、総二郎とあきらは今頃気づいたのか、と言いたげに溜息をついた。


「黙っててごめんなさい」
「…静が謝る事ないよ。司が鈍すぎんの」
「う、うるせー!総二郎!ってか、てめーらも知ってたのかっ」
「もちろん。オレ達は司と違ってスルドイからねー」


あきらの得意げな顔を見て、司はムっとすると、思い切りあきらにパンチを食らわした。


「…痛っ!い、いちいち殴るなよっ」
「うるせぇ!」
「…おい、どこ行くんだよ、司!!」


そのままリビングを出て行こうとする司に、総二郎が声をかける。
司は一度、足を止めると、目を細めて振り返った。


「帰んだよ…」
「…は?!」
「帰るって…日本にか?!」
「…他にどこがあるんだよ!てめーらはここで仲良く冬休みを堪能してろ」
「お、おい司!待てって!」


ずんずん歩いていく司を、総二郎が慌てて追いかけていく。


「おま…帰るって、今はもう空港も閉まってんだろっ?」
「自家用ジェットに時間も何も関係ねぇ!オレは日本に帰る!お前らはここに泊まってけ」
「泊まってけって言っても…ってか、何で急に帰るんだ?明日でもいいだろが」


総二郎のその言葉に、司は不満げな顔で振り返ると、


「類の奴…を追いかけてったかもしれねえ…」
「…えぇ?」
「アイツ…まさかのこと…」
「バ、バカ!んなわけねーだろ!さっきの静の話、聞いてなかったのかよ?アイツは静がパリに移住するからショックで――」
「―――――――クソ!こうしちゃいられねぇ!」
「あ、おい!最後まで人の話を聞けー!!」


話も聞かず、いきなり走り出した司に、総二郎は大声で叫んだのだった。

















久々?に更新。
やっと日本に帰りましたよ…
というか、何だか長くなりそう…この連載;;



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●花男はハッキリ言って詳しくは分からないのですが、連載の中で一番読み入ったDREAMです!類と大和が好きでなりません!!(社会人)
(花男に詳しくないのに読んで下さり、しかも気に入ってもらえたなんて感激です!(>д<)/


●ヒロインと類と司の少しずつ、でも確実に進んでいく関係にドキドキさせられっぱなしです。テンポよく、続きが気になる文の進め方も感動です!
そして何よりも、ヒロインやF4や大和達が繰り広げる話の内容に、つられて泣き笑いしてしまい素敵だなぁと思っています。
今後の展開に期待しつつ心から応援しています。大好きです!(高校生)
(ひぃ〜;そんな風に言って頂けて嬉しい限りです!励みになりますよ〜!これからも頑張りますね!(>д<)/


●いつも楽しみに読ませていただいています!司との関係にドキドキしつつもやっぱり類は捨てがたいです!オリキャラの大和くんもかっこよくて大好きですv(高校生)
(ありがとう御座います!原作キャラばかりか、オリキャラ大和まで大好きと言ってもらえて感激です!これからも頑張りますね!)


●だああああ…!!つ、司がヒロインに…!!?ちょ、急展開に目が離せません!!類との関係も気になるし、大和ともどうなるのか…まさか、大和と結婚させるつもりじゃぁ…!!?妄想が激しくなってしまいます!!(フリーター)
(原作のような強引な司も好きです(笑)これから徐々に司も動いていきますよ〜☆妄想しまくってやって下さいね(´¬`*)〜*