――06.一人じゃないよ、僕の運命の人――前編
まるでデジャヴのように連れ去られて数分後。
私が連れて来られたのは、言葉では表せないほどに、だだっ広い敷地に佇んでるお屋敷だった。
「どーぞ、入って」
バイクを車が何台でも入りそうなほど大きなガレージに置いて、雲雀さんは私を裏口へと連れて行った。
と言っても正面玄関かと思うほど広くて暫し固まっていると、なかなか入ろうとしない私を見かねたのか、雲雀さんに手を引っ張られた。
「家族は誰もいないから気にしないで」
「で、でも・・・・」
そっちの方が気になるんだけど、なんて思いながら上目遣いで彼を見れば、雲雀さんはふっと笑みを零して、
「そんな顔されたら、またキスしたくなる」
「――――ぅ」
さっきの不意打ちキスを思い出し、頬が赤くなる。そんな私を見て彼はクスリと小さく笑った。
「やっぱりは可愛い」
「か、からかわないでよ・・・・っ」
「からかってないよ」
雲雀さんはニッコリ微笑むと私の手を引いて目の前の広い空間へと足を進めた。
こんな大きな家だなんて、いったい親は何をしてるんだろう?と思いながら辺りを見渡す。
綺麗な調度品の並ぶ廊下には、きっと高価なものなんだろうと思わせる絵画が何枚も飾られている。
一面、真っ白な壁によく似合っていて、心地いい空間を演出していた。
「僕の部屋はこっち」
そう言って吹き抜けのある場所に、上へと伸びた、これまた綺麗なデザインの階段を上がっていく。
透明で下が見える階段を恐る恐る上りながら、ホントについて来て良かったのかな、と少し不安になった。
と言って、今から帰る、なんて言っても却下されそうだ。
二階も通り過ぎ、三階まで上がると、いきなり行き止まりで驚いた。
と言っても前方には大きなドアがあって、まさか、と雲雀さんを見上げれば、彼は「ここが僕の部屋」と言ってドアの方に歩いていく。
「え、この階全部・・・・ってこと?」
「そうだよ」
雲雀さんはそう言ってドアを開ける。
そして言葉も出ない私を中へと引き入れた。
「適当に座って。今、家政婦に紅茶でも運ばせるから」
「え、あ・・・・うん」
小さく返事をすると、雲雀さんは内線を使って誰かに飲み物を頼んでいる。
私はモノトーンで統一された広い空間を、ゆっくり歩きながら見て回った。
無駄な物は一切ないと言っていいほどにシンプルな部屋は何となく清清しい気分になる。
奥のスペースには大きなキングサイズのベッドがポツンと置かれ、私が今いる場所にはお揃いの、これまた高そうなソファが三つ。
テーブルの上には埃一つ落ちてなくて読みかけの本が一冊置いてある。
正面には特大サイズの液晶テレビがあって、横には色々な映画のDVDが飾られてあり、お店のようにディスプレイされていた。
「座らないの?」
すぐ後ろで声がしてハっと我に返り、振り返ると、雲雀さんが苦笑しながら立っていた。
何も言えないでいると、そのまま肩を抱かれ、ソファに座らされる。
「今、紅茶頼んだから」
「え、あ、うん・・・・」
「どうしたの?急に大人しくなっちゃって」
私の様子を見て雲雀さんが顔を覗き込んできた。
そうする事で、あまりに体が密着するから、それだけで、また緊張してくる。
「な、何でもないよ?ただ・・・・男の人の部屋って思ってたより綺麗なんだなあって思って・・・・」
緊張してる事がバレたくなくて、そんな事を口にすると、雲雀さんはソファに寄りかかって微笑んだ。
「は男の部屋に入るのは初めてなんだ」
「え?あ・・・・まあ」
(しまった・・・・。何となく主導権を握られた気分・・・・)
彼の嬉しそうな笑みに、そんな事が頭を過ぎる。
だいたいキスされたのだって初めてなんだから、部屋に来るのだって初めてよ、と言いたいのをグっと飲み込み、雲雀さんの方を見た。
すると彼も私を見ていて、不意に目が合い、ドキっとする。
雲雀さんはソファの背もたれに右腕を乗せて、優しい目で私を見つめたまま何も言わない。
「そ、そう言えば・・・・勉強するって言ったけど、私鞄を学校に忘れてきちゃった」
何とも言えない静かな空間に緊張が増して、そんな言葉が口から出る。
私の後ろには雲雀さんの腕があって、何だか肩を抱かれているような錯覚に陥り、勝手に鼓動が早くなっていく。
「いいよ。僕のがあれば必要ない」
「で、でも雲雀さんも鞄――――」
「恭弥だよ」
「あ・・・・」
またいつもの指摘を受けて口を手で抑えると、彼は苦笑いを零して体をこっちに向けた。
「は何で僕のこと"さん付け"で呼ぶの?」
「え?だ、だって・・・・」
「もう、そんなに知らない仲じゃないだろ?僕たちは」
「・・・・え?」
(何だろう、何だか凄く意味深な言葉に聞こえるんだけど・・・・)
そう思いながら目の前で微笑んでいる彼を見た。
すると雲雀さんはソファに置いていた腕をそっと外し、そのまま私の背中へとまわしてくる。
鼓動が跳ねた時には手遅れで、気付けば私の体は彼の腕の中に収められていた。
「ちょ、」
「僕が家に連れてきた人間も、バイクに乗せた人間も、が初めてなんだ」
「・・・・え?」
「もちろん助けたのもが初めて」
「・・・・?」
彼の声が耳に直接響いてくるくらい近い距離、背中に回された腕、それら全てに意識が集中して顔が熱い。
「あ、あの、」
「名前を呼ばせるのも・・・・だけだよ」
「・・・・っ?」
そう言って体を放すと、至近距離で見つめてくる。
その視線から目が反らせず、顔だけが熱を持っていく。
何も言えないでいると、雲雀さんの顔がゆっくりと近づいてきて、再び鼓動が跳ね上がった。
「ちょ・・・・っと」
「・・・・何?」
「何って・・・・」
軽く彼の胸を両手で押し返すと、明らかに不満げな顔をされた。
でも何度されても恥ずかしいものは恥ずかしくて、体が勝手に動いてしまう。
「・・・・べ、勉強しなくちゃ――――」
「うん、後でね」
「え、後でって・・・・あ・・・・」
ゆっくり近づいてくる雲雀さんから逃れようと、私は後ろに体を反らしていく。
でも胸を押さえていた腕を拘束されて、二人の間に隙間がなくなってしまった。
「抵抗されると意地悪したくなるんだよね」
「な・・・・意地悪って・・・・」
彼の言葉に抗議しようとしたが、両手首を掴まれていて動けない。
少しづつ唇の距離が縮まり、そのままソファに押し付けられ逃げ場を失った私は、観念してぎゅっと目を瞑った。
が、このままキスされる、と思った瞬間、コンコンというノックの音がしてパチッと目を開ければ、彼の唇と私の唇がすぐ触れてしまいそうなほどの距離でギョっとした。
「――――ッ」
「・・・・はぁ…ここも邪魔が入る」
もう一度ノックの音が響き、雲雀さんはそう呟くと、そっと私の手首を放して立ち上がった。
それを見て自由になった体でソファにグッタリと凭れかかり、思い切り息を吐き出す。
全身に力が入ってたのか、一気にダルくなって、出来れば横になりたいくらいだ。
「坊ちゃん、紅茶お持ちしました」
「ああ、ありがとう。僕が運ぶからいいよ」
ふと声が聞こえて顔を上げると、お手伝いさんらしき年配の女性が、雲雀さんにトレーを渡していた。
その女性は、ふと私を見ると、「どうぞ、ごゆっくり」とだけ言って静かにドアを閉める。
「はい、紅茶」
「あ、ありがとう・・・・」
何とか落ち着こうと深呼吸をしていると、雲雀さんがカップをテーブルに置いた。
「どうしたの?そんなに顔、赤くして」
「・・・・べ、別にっ」
何もかも見透かしたような笑みを浮かべる雲雀さんにムっとして顔を反らすと、彼はクスクス笑いながら紅茶を飲んでいる。
それを横目で見つつ、私も出された紅茶を一口飲んで気持ちを静めた。
「じゃあ今日やってる授業内容でも教えようか」
「え?」
不意に雲雀さんがそう言って立ち上がると、奥の死角になってるスペースへと向かい、教科書やノートといった勉強に必要なものを持ってくる。
それを見ながら本当に勉強する気はあったんだ、と少しだけホっとした。
「のクラスは今の時間、何をしてるの?」
「えっと・・・・確か英語だったかな」
隣に座った雲雀さんにそう言うと、彼は持ってきた教科書の中から英語を取り出し、テーブルに広げた。
「前はどの辺りまでやった?」
「ん〜、ここまでかな」
「じゃあ今日はここから・・・・多分この辺りまでだね」
雲雀さんはそう言うと真剣な顔のまま、それを開き、私に説明していく。
それを見ながら、ふと気になった事を聞いてみた。
「え、でもどうして私の学年の教科書なんてあるの?」
そう言って顔を上げると、雲雀さんは軽く息をついて、「おしゃべりしてる時間はないと思うけど」と目を細めた。
それを見て、彼って結構スパルタなのかな、なんて思いつつ、素直に「ごめん」と誤る。
雲雀さんは再び教科書に目を戻した。
「それより・・・・これを英文に訳して」
「えっ?あ、はい・・・・。えっと・・・・」
さっきまでキスしようとしてた人とは思えないほど、キッチリ勉強を始めた彼に、私は慌てて苦手な英文を頭に浮かべた。
「ア・・・・I go to relative's house today――――」
「発音、ちょっと違う」
「え」
「こうだよ。"I go to relative's house today"」
「わぁ・・・・綺麗な発音」
雲雀さんの英語の発音に素直に感心してそう言うと、彼はちょっと照れくさそうに視線を反らした。
そんな彼が可愛くて笑いを噛み殺していると、
「じゃあ・・・・もう一回」
と素っ気ない言葉が返ってくる。
それでもかすかに嬉しそうな笑みを浮かべてたのを見て、何となく私も緊張が解けてきた。
それから一時間以上も経った頃、やっと今日やっていたであろう箇所を覚えて、私は息を吐き出した。
「終わったぁ・・・・」
「まあの英語力なら、まあまあなんじゃない?」
「む・・・・!一言、余計です」
大きく伸びをしている私を見て笑う雲雀さんをジロっと睨むと、彼は小さく苦笑してソファに凭れかかった。
それを見て私も力を抜くと、何杯めかの紅茶を飲んで一息つく。
「他のも教えようか?」
「・・・・へ?」
やっと嫌いな勉強から解放されたかとホっとしているのに、雲雀さんは意地悪な笑みを浮かべて私を見ている。
確かに雲雀さんは教え方も上手だし、出来れば嫌いな数学も・・・・と思わないでもないが、今は頭が疲れていて、とてもそんな気分じゃなかった。
「い、いいです。後は帰ってから自分でやるし・・・・」
「そう?まあ・・・・もう時間も遅いしね」
そう言われて外を見てみれば、確かに日は沈み、スッカリ薄暗くなっている。
時計を見ると、午後6時半になろうとしていた。
「あ・・・・帰らないと・・・・」
そう言って立ち上がろうと腰を浮かした。
が、強い力で腕を掴まれ、グイっと引っ張られる。
「きゃ、な、何する――――」
「もう帰るの?まだいてよ」
「で、でも・・・・」
「お願いだから」
「雲雀さん・・・・?」
真っ直ぐに私を見つめる彼の瞳が少し悲しそうで、何だか胸の奥がズキズキと痛む。
しかも、いつもは意地悪なくせに"お願い"なんてしおらしく言うからドキっとしてしまう。
「それとも・・・・早く帰らないと両親に怒られる?」
「え?あ・・・・ううん・・・・。それは、ないよ」
そう言ってちょっと微笑むと、雲雀さんは僅かに眉を顰めた。
「どうして?」
「ど、どうしてって・・・・どうせ帰りはいつも遅いの。それに仕事の都合で帰って来ないこともあるし・・・・」
「・・・・そうなんだ。じゃあ寂しいね」
「さ、寂しくなんか・・・・ないよ・・・・」
雲雀さんが急に優しい事を言うから私の方が焦って、明るい声で誤魔化した。
こんな時に親の事なんて話したくない。あんな勝手な人たちの事なんか――――
そう思っていると、不意に手を握られドキっとした。
顔を上げると、その手に携帯を乗せられ、「え?」と首を傾げる。
「一応、電話くらい入れておいたら?友達のとこで勉強してるって」
「い、いいよ、そんな――――」
「よくないよ。の親に変な心配かけたくないし。それ使っていいから。どうせ携帯も学校に忘れたんだろ?」
「・・・・」
いきなりそんな事を言われて私は言葉を失った。
あの人たちが心配なんてするはずないけど・・・・でも、だったら私を帰してくれればいいのに、と言いそうになったがやめておく。
その気持ちが伝わったのか、雲雀さんはちょっと笑うと、
「あと一時間ほど傍にいてくれたら僕が送っていくよ」
「ぅん・・・・」
やだ、珍しく優しくて、ちょっとだけ嬉しいかも。
こういうのって何だか付き合ってるみたい。
「ほら、かけたら?僕は向こうに行ってるし」
そう言って雲雀さんは立ち上がると奥の方へ姿を消した。
一人残され、手の中にある携帯に視線を落とす。
そして雲雀さんがせっかく貸してくれたんだし、と軽く息をついて慣れた番号を入れていった。
暫く発信音を聞いていると、少しして、『です』という声が聞こえてきた。
こんな時間にいるわけない、と思いつつかけてたのに、珍しい事もあるものだ、と軽く息を吸い込み、なるべく明るい声を出す。
「もしもし?」
『あら・・・・なの?』
出たのは母親だ。
父はどうせ別居中だし愛人の所だから、出るはずもないのだが。
「うん、あの私――――」
『何の用?お母さん今からまた出かけるのよ』
「あ、そう・・・・なんだ・・・・」
いてくれた事が少し嬉しかったのに、その言葉を聞いて声が沈む。
やっぱり、この人たちが私の心配なんてするはずがなかった、と再確認した。
「私も・・・・遅くなるから電話したの」
『あら珍しいのね。彼氏でも出来た?』
「そ、そんなんじゃないけど・・・・友達と勉強してるの」
『へぇ、そうなの?その友達って男の子でしょ』
母はふふ、っと笑いながら楽しげに言った。
あっけらかんと、そんな事を言われて少しだけドキっとする。
「ち、違――――」
『そんな言いづらそうにしてるんだもの。それくらい分かるわ?いいわよ?遅くなっても。どうせ私も今日は泊まりだし・・・・何ならも彼氏のとこに泊まって来たら?』
「・・・・え?」
さすがに驚いて言葉を失っていると、母の後ろから小さく誰かの声が聞こえてきた。
『今行く――ああ、ごめんね、。私行かなくちゃ。じゃあ、その彼によろしくね?今度紹介しなさいよ』
「ちょ、おかあ――――」
いきなりガチャっという音がして切られたんだと分かり、深く溜息をついた。
何か言いようのない感情がお腹の奥底から湧き上がってくる。
いつもそうだ。
勝手な事ばかり言って・・・・うちは放任主義なんだって言うけど、そんなの嘘。
自分達が自由になれるからじゃない。
お父さんも、お母さんも、もうとっくの昔に愛情なんてなくなって、だから二人の子供である私はいらなくなったんだ。
じゃなければ、未成年の娘にあんな無責任なこと言えるわけがない。
そう、それに、さっき後ろから聞こえた声。
男の声だった。
お母さんにも・・・・愛人がいる。
これがキッカケで二人は別居し、私は転校するはめになった。
お父さんに愛人がいることを知って責めた事があったけど、味方になってたつもりの母も同じような事をしてたんだと知った時。
私の中で二人は他人になった。
私は、一人ぼっちだ―――――。そう、思った。
ゴトン・・・・と音がして携帯が床に落ちた。
拾わなくちゃ、と思うのに手に力が入らない。
「・・・・っ」
我慢して唇を噛み締めていても熱い液体が頬を伝っていった。
何で、こんなに寂しいんだろう。
何でこんなに痛いんだろう。
誰かに傍にいて欲しい、と思ってしまうんだろう――――
「・・・・?」
その声にハっとして、急いで涙を拭うと、彼は黙ったまま私の方に歩いてきて隣に静かに座った。
「あ・・・・ごめ・・・・携帯、ありがとう・・・・」
足元に落ちた携帯を慌てて拾い、彼に差し出した。
が、その手を引っ張られ、携帯は再度下へ落ちる。
「な・・・・」
「何で泣いてるの?」
ぎゅっと抱きしめながら、雲雀さんは小さな声で呟いた。
私は答えられずに何度か首を振ると、雲雀さんはそっと体を離して至近距離で見つめてくる。
「泣いてるじゃん。目が真っ赤だよ」
「ち、違う・・・・もん・・・・」
そう言ってみたところで。
彼に通用するはずもない。
「・・・・泣かないで。が泣いてると僕まで悲しくなるし」
「だ、だから泣いてないって――――?」
今度は思い切り抱きしめられ、言葉が途切れた。
「・・・・何があったの?」
「・・・・え?」
「もしかして・・・・怒られた?」
「ち、違うの・・・・。そうじゃなくて・・・・」
心配そうな声を出すから慌てて否定し、「その逆だったから」と付け加えると、彼は少し驚いたように顔を覗き込んできた。
「どういうこと?」
「だから・・・・遅くなるって言ったら泊まってきてもいいよって・・・・。うちの親、放任主義だからそんな事で怒らないし・・・・」
なるべく明るく説明してみた。
はずなのに――――雲雀さんは困ったように微笑んで再び私を腕の中に収めた。
「兎は寂しいと死んじゃうらしいよ?」
「・・・・へ?」
いきなり突拍子もない事を言い出した雲雀さんに変な声が出た。
でも彼は気にもしないよう、言葉を続ける。
「人間はそんなに弱くないけど・・・・。でもやっぱり寂しいと生きていけない」
「雲雀・・・・さん?」
「でもには僕がいるから寂しくないだろ?」
「・・・・え?」
そう言って優しい瞳で私を見つめる雲雀さんの瞳から視線が離せない。
彼の目は、やっぱりどこか寂しそうで、何となく私と似ている気がした。
(もしかして・・・・彼も同じような気持ちになった事があるのかな・・・・。だから…私の気持ちが分かるのかな・・・・)
そんな事を思っていると、額に軽く口付けられた。
「は一人じゃないよ。僕が・・・・傍にいるから」
そう言って雲雀恭弥は優しく微笑んだ。
それはどんな愛の言葉よりも私の胸に染み入ってきて、その温もりは静かに心の奥に広がっていった。
出会ったばかりなのに・・・・誰より私を理解してくれる人――――