新しい敵――04
「いよいよ守護者を集めるミッションスタートさせるぞ」
リボーンはそう言って皆を見渡した。
ツナだけはギョっとした顔で、「もう?」と不安そうな表情を見せている。
「ちょ、ちょっと待ってよ!まだ心の準備が――――」
「いつまでも京子達の心配したって始まらねーぞ。守護者を集める事が、最終的に京子達を守る事になるんだ」
「・・・・・っ」
リボーンの一言に、ツナはハッと息を呑んだ。
確かにリボーンの言う通りかもしれない、と軽く目を伏せる。
今、自分に出来る事は守護者を集め、皆を守る事。
怖いけどやるしかない。
「大丈夫っスよ。十代目!アホ牛はともかく、イーピンは結構やります!きっと無事に帰ってきます!」
「獄寺くん・・・・」
獄寺の励ましにツナもやっと笑顔を見せる。
「んじゃ始めっぞ。山本とも話してたんだが・・・最初に欲しい戦力、ヒバリは無事に見つかった。あとは残りの守護者を――――」
リボーンは話を進めながら、次に探す守護者たちのリストを挙げて行った。
「あれ・・・皆どこに行くんだろ・・・」
恭弥が寝てしまって暇を持て余した私は、沢田くん達とちょっと話しをしようかと部屋を出てきた。
その時、沢田くん、獄寺くん、そして10年後の山本くん達が出口に向かって歩いて行くのを見て、足を止める。
チラっと話し声が聞こえたけど京子ちゃんとハルの名前が出ていた気がする。
(もしかして皆で迎えに行くのかな・・・)
ふとそう思い、皆が歩いて行った方へと向かった。
見れば沢田くん達はさっきのエレベーターに乗り込んでいる。
(やっぱり外に行くみたい・・・)
ちょっと考えてから扉の閉まったエレベーター前に行くと、すぐにボタンを押した。
京子ちゃん達を迎えに行くならついて行こうと思ったのだ。
この時の私は、まだ自分達がどれほどの危険にさらされているかなんて、よく分かっていなかった。
「――――待って!山本くん!」
「・・・っ?!」
外に出ると、そこは先ほどの工場跡地だった。
急いで皆の方へ走っていくと山本くんが驚いたように振り返る。
「バカ!何しに来たんだ?!危ねぇから戻ってろ!」
「だ、だって・・・京子ちゃん達が心配で・・・。迎えに行くんでしょ?」
「ああ、もう少しでここに到着するってイーピンから連絡が入ったんだ。無事に保護したらしい」
「そう・・・!良かった・・・」
皆が無事だと聞いてホっとする。
でも山本くんは困ったような笑みを浮かべると、私の頭にポンと手を置いた。
「だからも下に戻ってろ。じゃないと、またヒバリの奴がキレるぜ?」
「きょ、恭弥ならグッスリ寝てるし大丈夫だよ。それにジっとしてても落ち着かないし・・・ランボくんもここに戻ってくるんでしょ?」
「ああ。そろそろ着くと思うけど――――ッ?」
その時、ドォォン!!という物凄い音と共に、すぐ近くで爆風が見えた。
「な・・・何っ?」
山本くんの顔色が一瞬で変わり、沢田くんや獄寺くんもハッと息を飲んだ。
「――――こっちです!急いで!!」
遠くで声が聞こえて急いで走っていくと、黒煙が立ち上っていてその中に数人の影が見えた。
「あれは・・・・」
山本くんが肩にかけている剣を持つ。
その時、煙の中から姿を現したのはランボとイーピンだった。
「ランボ!イーピン!!」
「あ・・・京子ちゃんとハル・・・?」
「京子さん、ハルさん、逃げて!ここは私が――――!」
大人のイーピンがそう叫んでいる。
山本くんは軽く舌打ちをすると、「誰かと戦ってる!」と言って、二人の方へ走って行った。
それを見て私や沢田くんも、それを追いかけようとした。
その瞬間――――再び物凄い爆音と共に、目の前の建物が吹き飛んだ。
「――――ああ!上に・・・!」
獄寺くんが空を指さす。
その先には見知らぬ男が二人、宙に浮いていた――――。
「とどめをさしてこい」
「任せてよ。
兄弟」
黒いコスチューム姿をした長髪の男、そして大柄の男が怖い顔で私達を見下ろしている。
足の先から炎を出し、それで浮いているようだ。
こんなのは見たことがない。私は唖然としながら、その二人を見上げていた。
「・・・ミルフィオーレのブラックスペル!」
山本くんが二人を見て叫んだ。
その名前は先ほど聞いた話の中に出てきたものだ。
ミルフィオーレにはブラックとホワイト、2つの部隊があると、山本くんが説明してくれた。
「下がってろ、!」
「や、山本くん・・・」
「おいツナ!獄寺・・・!ボンゴレリングからマモーンチェーンを外せ!」
二人にそう言うと、山本くんは敵の方へ走っていく。
私は言われたとおり少しだけ下がると、煙の中にイーピンとランボの姿を探した。
「うろたえないで、ランボ!京子さんとハルさんをお願い!」
「その体じゃ無茶だよイーピン!」
そんな声が聞こえてきて、私はそっちへ走って行った。
「・・・ランボくん!イーピン!」
「・・・?!」
私の声に振り向いたランボくんが驚いたように目を見開いた。小さな姿ではなく、10年後のランボくんだ。
その時、宙に浮いてた長髪の男が、「よそ見してんじゃねぇ!」とこっちに飛んでくる。
男はボックスを開けると長いカマのような武器を手にした。
「、危ない!!」
「――――ッ」
その声に慌てて振り返ると、男のカマから炎が飛び出し私の方へ向かって飛んでくるのが見えた。
逃げる暇もない。ドォォンっと再び激しい爆音がしたのと同時に、ランボくんが私を抱えて後ろへと飛ぶ。
気づけば私は瓦礫の中に倒れていた。
「だ、大丈夫?!」
「ラ、ランボ・・・くん・・・?」
むせ返るような煙で咳き込みながら、ゆっくりと目を開ける。
足や腕をぶつけたのか、体中が軋むように痛んだ。
「・・・ここは危ない!は京子ちゃんとハルさんを連れて逃げて!」
大人のランボくんは自分が傷だらけになりながらもそう叫んだ。
そこへイーピンも走ってきて、
「京子ちゃんがいないわ!」
「えぇ?さっきまでそこに・・・」
「今の爆風で飛ばされたのかも・・・。とにかく今はハルさんだけでも連れて――――」
その時、長髪の男が再びこっちに向かってカマを振り上げるのが見えた。
「弱ってるところを狩ってやらぁ!!」
「――――ッ」
その声にハッと顔を上げる。
瞬間、目の前に誰かが立ちふさがり、男の振り下ろしたカマは彼の剣によって止められた。
「――――山本くん!!」
「・・・兄貴、コイツ誰だ?」
カマを止められた男はニヤリと笑いながら、後ろにいる大柄の男に訊いている。
「抹殺者リストに載ってたかもしんねーが、消えてく人間をいちいち覚えちゃいねーな」
「だよな!」
長髪の男は笑みを浮かべると再びカマを振り下ろす。
それを山本くんは全て剣で受け流している。
「い、今のうちに逃げるんだ、・・・」
「ラ、ランボくん・・・。でも京子ちゃんが――――」
目の前で戦っている山本くんを見ながら私は辺りを見渡した。
ハルちゃんはイーピンに守られるようにして、そこにいる。
でも京子ちゃんはイーピンが言うように爆風で飛ばされたのか姿が見えない。
「行くぜ――――。時雨蒼燕流・・・八の型」
その時、山本くんが剣の型を構えた。
「!!離れろ、野猿!!」
大柄の男が叫ぶ。
でもそれより早く、山本くんの剣が長髪の腹部を切り裂いた。
「――――篠突く雨!」
「――ギャァ!!」
「・・・浅いか」
踏み込みが甘かったのか、山本くんが小さく舌打ちをした。
「あ・・・っぶねー」
長髪の男は直撃を避けたようで大した怪我もなく宙へと浮かんでいる。
あれを避けるくらい、敵も強いという事だ。
「皆、大丈夫?!」
「しっかりしろ!!」
そこへ沢田くんと獄寺くんが走ってきた。
「ボンゴレ!!獄寺氏も・・・!」
私を庇うようにしていたランボくんも、二人を見てホっとしたように息を吐き出す。
「だから言ったじゃないですか。絶対ツナさん達が助けに来てくれるって」
「あ・・・」
その時、こっちへ歩いて来たイーピンとハルちゃんを見て、沢田くんと獄寺くんは目を丸くした。
10年後のハルちゃんは少し女っぽくなっていて、二人とも驚いているようだ。
「はひ・・・何だかハル、急に背が伸びたみたいです・・・。ちゃんもツナさんも皆、何か縮みました?」
「・・・・・・(中身、変わってない・・・)」
私と沢田くん、獄寺くんの三人は顔を見合わせて同じ事を心の中で思った。
「しゃらくせぇ!!よくも兄貴達とお揃いのスーツ、破ったな!!まとめて消してやらぁ!!――ショァ!!」
「危ない――――」
長髪の男が再びカマを振り下ろした。
それと同時に山本くんがボックスに指輪をはめると、一瞬で水のバリアが出現して、敵の炎を弾いた。
「なんだとぅ?!」
長髪の男が驚いているのを見て山本くんは軽く笑みを零すと、「お前達、よく覚えておけ」と振り返った。
「リングにはこのボックスってのを開ける力がある」
「そ、そーか!こいつに開いてる穴はそうやって使うんだな?」
獄寺くんが思いついたようにボックスをポケットから取り出した。
それを見た山本くんはギョっとしたように、
「お前それ、どこで・・・?」
「10年後のオレのカバンに入ってた」
「そういや、アイツ、すげぇーの手に入れたって・・・・」
「お前ばかりにいい格好させないぜ」
そう言って獄寺くんは自分のリングをそのボックスへと合わせた。
が・・・何も起こる気配がなく、皆で顔を見合わせる。
「何も起きねーぞ・・・?」
「ははは!人間の体ってのは血液だけでなく、目に見えない生命エネルギーが波動となって駆け巡ってるんだ」
山本くんはそう説明すると、
「波動は7種類あって、リングは自分の素質と合致した波動が通過すると、それを高密度エネルギーに変換して生成する・・・。死ぬ気の炎をな」
山本くんのリングが再びボックスと重なる。
その瞬間、炎の塊が飛び出し、宙に浮いている長髪の男の周りをぐるぐると回りだした。
「クソ!何だよこれ!炎を消しやがる・・・!」
長髪の男の足から出ている炎が見る見るうちに小さくなっていく。
山本くんが出した炎がそれを吸収しているらしい。
「やはり雨の守護者か・・・」
それを見ていた大柄の男が呟いた。
「おい、今のうちに笹川を探しに行け!見つけたら安全な場所まで逃げろ!」
「う、うん・・・!」
山本くんに言われて、私は痛む足を引きずりながらも立ち上がる。
沢田くんも京子ちゃんが心配なのか、「オレも探すよ!」と私に肩を貸してくれた。
獄寺くんやランボくん達は、山本くんに加勢するらしく、その場に残るようだった。
「だ、大丈夫?さん・・・」
「うん、何とか・・・。擦りむいただけだから」
沢田くんの肩に掴まりながら、何とか近くの倉庫の中へと移動する。
さっきの爆風で飛ばされたのなら、多分この辺にいるはずだ。
大怪我をしてるかもしれない、と私は焦りながらも中を見渡した。
外ではまた大きな音が響いていて、皆が戦ってるのが分かる。
「大丈夫かな、皆・・・」
「大丈夫だよ・・・。10年後の山本くんもいるし・・・」
「そ、そうだよね・・・。でも・・・京子ちゃんに何かあったら――――」
「それも大丈夫だってば!でも怪我して動けないでいるかもしれないし、早く探そう?」
そう言って沢田くんから離れた。
彼は一人で歩ける?と心配してくれたが、この状況じゃ痛いとも言ってられない。
「私は平気!沢田くんは向こう探して。私はこっちを探すから」
「分かった・・・。でも無理しないでね!」
沢田くんはそう言うと、反対側の奥へと走って行く。
私も瓦礫の山を何とか越えて、奥へと歩いて行った。
「京子ちゃん!いる?!――――京子ちゃん!」
名前を呼んでみても何の返事もない。
この辺じゃないのかな、と不安になりながら慎重に辺りを探していく。
その時、突然携帯が鳴り響き、ドキっとした。
「いけない・・・。恭弥からだ・・・」
ディスプレイに表示されている名前に、慌てて通話ボタンを押す。
勝手に外に出てきて怒ってるかもしれない。
「――――も、もしもし・・・」
『何してるの。今、どこ?』
案の定、不機嫌そうな声に顔が引きつる。この分じゃ、また後で怒られそうだ。
「あ、あの・・・ちょっと京子ちゃん達を迎えに外に・・・」
『・・・外?一人で?』
「う、ううん・・・。えっと山本くん達に勝手についてきちゃったの・・・。ごめんなさい」
私の説明に恭弥は深々と息を吐いている。
『外は危ないって言っただろ?すぐ戻って――――』
その時、反対側の奥の方からドゴォン!!という物凄い爆音が轟いてきた。
「――――沢田くん!!」
『?!何?今の音――――』
「恭弥・・・!沢田くんが・・・っ」
慌てて音のした方へと走る。
受話器の向こうで恭弥が戻って来いと叫んでいたけど、今は聞こえないフリをした。
沢田くんや京子ちゃんを見捨てて自分だけ逃げるなんて出来るはずない。
「沢田くん・・・!!」
あちこちに散らばっている瓦礫の山で転ばないよう気をつけながら、何とか奥までやって来た。
その時、再び凄い爆音と共に辺りの瓦礫や屑が飛んできて、体中にぶつかる。
その痛みに耐えながら顔を上げると、土煙が舞う中に、沢田くんが見えた気がした。
「――――沢田くん?!」
次第に視界がはっきりしてきた。
彼の腕には京子ちゃんが抱えられていて、沢田くんの額にはオレンジ色の炎が灯されている。
(・・・あれはザンザスと戦った時の沢田くんだ!)
確か死ぬ気モードになると額に炎が出るとか何とか・・・。あれ?ハイパーだっけ?
――リボーンくんから一度教えてもらった事があったけど、私はいまいち理解出来てなかった――
ボンゴレファミリーの持つ特殊弾とか言われても、サッパリ分からない。
でも、炎が出ている時の沢田くんは普段とは別人のように強くなる事だけは知ってる。
リボーンくんがいない状況でどうやって"死ぬ気モード"になったのかまでは分からないけど、あれなら何とか京子ちゃんを助けられそうだ。
(でも・・・京子ちゃん少しも変わってない気がするのは気のせい・・・?)
沢田くんの腕の中にいる彼女を見て、私は首を傾げた。
(まさか・・・彼女も入れ替わったんじゃ――――)
その時、沢田くんが動いた。
「――――下がってろ」
京子ちゃんを下ろすと、沢田くんは静かに前へ歩いて行った。
私は敵に見つからないように彼女へ近づくと、
「京子ちゃん・・・」
「あ・・・ちゃん・・・!」
「しっ。こっちに来て。ここにいたら巻き込まれるかもしれないから」
「で、でもツナくんが・・・・」
「沢田くんなら大丈夫よ。彼、ああ見えて強いから――――」
そう言った時だった。
空中を飛んで敵を翻弄していた沢田くんが肩を何かに貫かれて、まっ逆さまに地面へと叩きつけられた。
「沢田くん・・・!!」
「ツナくん・・・?!」
見れば大柄の男の背中から針のようなものが無数に出ている。
「そういやぁボンゴレの十代目もグローヴに炎を灯したそうだな。殺す今となってはどうでもいい事だがな!」
「――――やめて!!」
「来るなっ!!」
沢田くんはゆっくり体を起こすと私達に向かって叫んだ。
「大丈夫。君達は・・・守ってみせる。オレの・・・命にかえても」
その瞬間、沢田くんのグローヴの炎が再び燃えはじめた。
――――それからはアっと言う間だった。
何度か追い込まれはしたものの、沢田くんがザンザスと戦った時のように相手の炎を凍らせる。
そのまま一撃で相手を殴り飛ばし、大柄の男は倉庫の外へと吹き飛んで行った。
「――――沢田くん!!」
相手を倒した瞬間、その場に崩れ落ちた彼を見て、京子ちゃんと慌てて走っていく。
沢田くんは思った以上に大怪我をしていたらしい。意識を失っているようだ。
「ど、どうしよう・・・。ツナくんが・・・」
「大丈夫!意識を失っただけみたい・・・」
沢田くんの胸に耳をあて、心音を確かめる。
微弱ながらトクン、トクンと鳴っているのを訊いてホっと息をついた。その時――――
「――――!!」
「きょ、恭弥・・・?!」
急に聞こえた声に振り返ると、恭弥がこっちへ走ってくる。
いつの間にか電話は切れていたようだ。
「あ、あの、ゴメン――――」
怒られると思って先に謝ろうとした。その瞬間、強く抱きしめられ体が撓る。
恭弥は慌てたように私の顔を覗き込むと、
「――――怪我は?!」
「え?あ・・・。大丈夫・・・」
「大丈夫じゃない!あちこち傷だらけだろっ」
私の格好を見て恭弥は怖い顔で怒鳴った。
何度か爆風に吹き飛ばされたから、足や手は擦り傷だらけなのだ。
「こ、こんなの平気・・・それより沢田くんが――――」
「・・・沢田?」
私の言葉に恭弥は眉を上げると、足元に倒れている沢田くんに目を向けた。
「・・・アイツらがついていながら、このざまなんだ」
「え?あ・・・そう言えば山本くん達がまだ――――」
「外はもう終わってるよ」
「え?じゃあ・・・」
「敵は何とか倒したようだけどね」
「良かった・・・!」
それを聞いて心の底からホっとした。
でも恭弥は面白くなさそうに、「ちっとも良くない」と目を細める。
「とにかく戻ろう。怪我の手当てをしないと」
「え、で、でも沢田くんは――――」
「奴らに任せればいい。彼女もいる」
そう言って心配そうに沢田くんの様子を見ている京子ちゃんを見た。
そこへ獄寺くんたちが走ってきた。
「十代目!!」
倒れている沢田くんを見て獄寺くんは青い顔ですっ飛んでくる。
そしてその後ろからは・・・・。
「あれぇ?もいたんか!」
「や・・・山本くん?!」
「いや、何か知らねーけど、また変な遊びしてるみたいだな?」
「・・・な、何で・・・」
こっちに歩いて来た山本くんは先ほどまで会ってた10年後の彼じゃなかった。どう見ても私のよく知っている山本くんだ。
いつの間に入れ替わったんだろう?と考えていたのもつかの間、見ればランボくん、イーピン、そしてハルちゃんまでが入れ替わっている。
・・・という事は、やっぱり京子ちゃんも入れ替わってしまったんだろう。
「ど、どういう事・・・。これ・・・」
「ああ・・・。何か知らねーけど、戦いの最中に突然入れ替わりやがってよ・・・」
沢田くんを担ぎながら獄寺くんが顔を顰めた。
それを聞いて、よくさっきの長髪男を倒せたものだと唖然とする。
「ったく、どうなってんだよ・・・。つか何でヒバリは入れ替わってねーんだ?」
と、獄寺くんは私の隣にいる恭弥を見た。
その言葉に目を細めると、「僕は愚かじゃないからね。君達みたいに入れ替わったりしないよ」と恭弥は笑った。
「何だとコラ!」
「・・・悪いけど相手してる時間はないんだ。の手当てをしないと」
「きょ、恭弥・・・!」
私の手を引いて歩き出す彼に慌ててついていく。こういう強引なところはちっとも変わってない。
獄寺くんも分かっているのか、それ以上突っかかってくる事はなく皆を連れてアジトへと戻った。
「・・・・・・」
沈黙が続く中、恭弥は私の足や腕に包帯を巻いていく。
その顔はどこか怒ってるようで私は声をかけられないでいた。
「・・・痛くない?」
「え?あ・・・う、うん。大丈夫・・・」
不意に顔を上げた恭弥と目があってドキっとした。
10年後の恭弥は凄く大人びていて、こうして見つめ合ってるだけで鼓動が勝手に早くなっていく。
その事が未だに浮気をしているようで後ろめたい気がしないでもない。
けど過去の彼だろうと、未来の彼だろうと、同じ"雲雀恭弥"である事は変わりないし、彼を好きな私にとってはそれも仕方のない事だ。
「あ、あの・・・。ホントにごめんなさい。心配かけて・・・」
勝手に抜け出したあげく心配をかけてしまった事を怒ってるだろう、と思い、素直に謝る。
恭弥は小さく息を吐くと、「もういいよ・・・」と隣に座った。
その横顔はどこか疲れてるように見えて、そうは言ってくれても罪悪感を感じた。
「あ、あの・・・」
「目が覚めていない事に気づいた時は凄く心配したけど・・・。はアイツらの事が心配だったんだろ?」
「あ・・・うん・・・」
「他人を気にかける気持ちなんて僕にはよく分からないけど、でも僕もが危険な目にあってると思うといても経ってもいられなくなる・・・」
「恭弥・・・」
「だから・・・前よりはそういう気持ちも少しは分かるようになったよ」
静かな口調で話す恭弥にゆっくりと顔を上げれば、彼は優しい笑みを浮かべて私を見ていた。
恭弥は私に会う以前、他人を全く必要としていなかった。
弱い者を嫌い、群れる事を嫌い、いつも一人でいたという。
だけどそんな彼が、私と会った事で自分以外の人を心配するという気持ちを理解してくれたなら、それは凄く嬉しい事だ。
「・・・ありがとう」
「何でお礼?」
「・・・何でかな。凄く・・・言いたかったの」
私の言葉に、恭弥はかすかに首を傾げた。
でも上手く今の気持ちを説明できないからそれ以上何も言わず、黙って恭弥の肩に頭を乗せる。
自分の存在が人に影響を与えたという事実、それが大好きな人なのだから、それは凄く幸せな事だな、と思った。
恭弥に会うまでは、どこかで自分の事を好きになれない私がいて。
自分を好きになれない人が、他人を好きになれるはずもなく。
きっとあの頃の私も、恭弥と同じように他人を必要としていなかったんだろう。
だからこそ自分と同じ空気を持つ、彼に惹かれたのかもしれない。
「沢田くん、大丈夫かな・・・」
ふと先ほどの戦闘で怪我を負った彼の事が心配になる。獄寺くんが医務室に運んでたけど、意識は戻ったんだろうか。
それに過去から来てしまった京子ちゃんやハルちゃんだって、こんな事態に巻き込まれて不安になってるかもしれない。
「・・・男の事は・・・あまり心配して欲しくないな」
「え・・・?」
不意に口を開いたと思えば、そんな事を言う恭弥にドキっとした。
肩から顔を上げると、不満げな視線と目が合う。
「少しは分かるようになった、とは言ったけど。それは女の友人までだよ」
「きょ、恭弥・・・?」
「それに・・・アイツは弱いから怪我をした。自業自得だと思うけど」
そう言って私を見つめる恭弥は、どこかスネているように見えた。
その顔が過去の彼と重なって、つい苦笑が漏れる。
「何がおかしいの?」
「だって・・・そういうとこは全然変わってないから」
「・・・どういうとこ?」
「え、や、あの・・・」
少し屈んで顔を覗きこんでくる彼にドキっとして、僅かに体を離す。
昔よりもシャープになった顔立ちを目の前で見ると頬が熱くなった。
こうして見ると、本当に恭弥は綺麗な顔だな、と見惚れてしまう。
「だ、だから・・・すぐ怒るとこ・・・?」
至近距離で目を合わせてる勇気はなくて視線を反らせば、恭弥はくすっと笑った。
「も変わってないね」
「・・・え?」
「そうやって、すぐ赤くなるとこ」
「・・・・ッ」
「って言っても・・・ここにいる君は過去の君なんだから変わるわけもないか。でも未来の君もそういうシャイなところは少しも変わってないよ」
そう言いながらクスクス笑っている恭弥を見て、また恥ずかしくなった。
10年経っても成長してないんだ、と言われてるような気がしたのだ。
そんな私の気持ちを察したのか、恭弥はちょっと微笑むと、
「僕はそういうところも気に入ってるんだけど」
「・・・・ッ」
頬に軽くキスをされ、ドキっとした。
何となくマズイ空気が流れた気がして慌てて立ち上がろうとした時、腕を掴まれ引き戻される。
気づいた時にはベッドに押し倒されていて、恭弥が上から私を見下ろしていた。
「あ、あの――――」
「何で逃げるの?」
「に、逃げたわけじゃ・・・」
目を細める恭弥に慌てて首を振る。
「た、ただ大人の恭弥といると・・・必要以上に緊張するって言うか・・・・」
「緊張・・・?どうして?」
「ど、どうしてって・・・」
あまりに大人っぽくて――当たり前だけど――何か胸がドキドキ苦しくなるから・・・とは言えない。
私の知ってる恭弥とも違うし、でも目の前の彼は私が好きな恭弥で間違いなくて・・・。
ああ、何だろう、私ってば強烈に意識してるのかも。
最初に会った時に見せつけられた、大人の男としての顔。
彼の中の時間は10年も経ってるんだからそれは当たり前なんだろうけど、でも私はまだ子供のままだから全てが未知の世界で、意識をするなと言われても無理な話だ。
「・・・キス、していい?」
「――――ッ」
唐突にそんな事を言われ、一瞬で顔が赤くなった。
そんな私を見てちょっと笑いながらも、ゆっくりと顔を近づけてくる恭弥に思わず顔を背ける。
っていうか、この体勢でキスはマズイ気がする。
だって前も未遂があったし・・・。さっきだって、あんな――――。(思い出しただけで赤面)
「・・・何で背けるの」
「だ、だって・・・」
「僕にキスされるの・・・嫌なの?」
「い、嫌なんかじゃなぃ――――」
悲しそうに呟く恭弥に慌てて顔を戻した瞬間――――触れ合う唇に、目を見開いた。
恭弥はどこか楽しそうな笑みを浮かべていて、更に顔が赤くなった。
「ず、ズルい・・・」
「ズルくないよ。が意地悪するからさ」
「い、意地悪って・・・」
「意地悪だよ。が傍にいると、僕の理性がきかなくなるの、知ってるクセに」
「なっ何それ・・・」
「・・・こういうこと、したくなるって意味」
恭弥は苦笑すると軽く唇を重ね、首筋にも唇を押し付けた。
彼の唇が触れるたび、私の体がビクンと跳ねてそこから熱が生まれていく。
「恭・・・弥・・・」
首筋から耳朶へと口付け、恭弥は私の手をそっと持ち上げた。
そして指先や、怪我をした場所へ、優しくキスを落としていく。
壊れ物を扱うようなそのキスに、鼓動がどんどん早くなって、逆に体は抵抗する力を失っていった。
「綺麗な肌なのに・・・傷なんかつけて」
右手の小指を軽く甘噛みしながら、恭弥は目を細めた。
恥ずかしいのに動く事さえ出来なくて。これじゃ、まるで蛇に睨まれた蛙だ。
恭弥の綺麗な形の唇に自分の小指が吸い込まれていくのを、まるで夢を見るような感覚で見ていた。
「・・・ん」
指先に恭弥の舌が触れて、ビクっとなる。
彼の切れ長の瞳が僅かに細められ、私の小指は更に深く彼の口へと吸い込まれていく。
私の指を舐めるたびにちらりと見える恭弥の赤い舌が凄くいやらしくて、僅かに力が入った。
「――――、真っ赤だよ」
掌にも口付けながら、片方の手が私の耳や首筋を撫でていく。
「ここも、ここも・・・全部真っ赤」
「・・・・ぁっ」
「凄く・・・そそられる」
恭弥がゆっくりと覆いかぶさって、再び唇が重なった。
もう抵抗する気力なんかとっくに奪われていて、隙間から侵入してくる舌にまた翻弄される。
心のどこかで流されちゃダメだ、と思ってるのに、その僅かな理性さえも奪うほど、恭弥のキスが甘くて。
ただ、私を抱きしめる腕が、愛しかった。
(どうしよう・・・。たまらなく、恭弥が愛しい)
過去も未来も関係なく、恭弥のことをどんどん好きになる。
このまま抱かれてもいい――――。今の私は、もしかしたらそう思っているのかもしれない。
そんな自分が怖いとすら思うけど――――それくらい恭弥が好き。
口内を余すことなく愛撫され、体が蕩けそうになる。
(ああ・・・もうダメかも・・・)
そう思いながら、恭弥の胸元を掴んでいた手が、力なくシーツの上に落ちた。
〜♪〜♪〜♪〜
その瞬間――――甘い空気を壊すように、聞きなれた校歌が静かな部屋に流れた。
「・・・はあ」
僅かに唇を離して、恭弥が小さく息をつく。
「・・・タイムリミットかな」
恭弥はそう言って苦笑すると、体を起こす際にちゅっと私の唇にキスをする。
私は金縛りにでもあったかのように体が固まって、ボーっとしながら離れていく恭弥の背中を見ていた。
「――――もしもし。ああ、うん」
恭弥はすぐに携帯に出ると、ベッドから降りてドアの方へと歩いて行く。
その時、私は一瞬のうちに現実に引き戻された。
同時に顔から火が出たんじゃないかと思うくらいの熱に襲われる。
(・・・って・・・今の何?!というか私ってばさっき・・・このまま抱かれてもいい、なんて思ったりした?!)
まるで夢の中にでもいたような感じだ。
ガバっと起き上がって思い切り首を振ると、さすがにクラっとする。
でもおかげで頭の中がスッキリしてきた。
(何考えてるの、私ってば!いくら何でもそれはマズイでしょ?!)
彼は恭弥だけど、でも恭弥じゃないのに。(ややこしいけど)
(あんなキスで簡単に流されちゃダメじゃない・・・っ!って、キスもホントはしちゃダメだよ、私・・・!)
一人であれこれ考えながら、さっき以上に早くなった鼓動を静めようと何度か深呼吸をした。
そこへ電話を終えた恭弥が歩いてきて、
「何、百面相してるの?」
「えっ?!べ、別に・・・!何でもないよ?」
隣に座った恭弥にドキっとしながら首を振る。
そして少しだけ距離をとれば、恭弥が僅かに眉を寄せた。
「で・・・何で離れるの」
「え?いや、あの・・・そういうわけじゃ・・・」
不機嫌そうに目を細める恭弥に、顔が引きつった。
でも、またさっきみたいなキスをされたら、今の私じゃどうなるか分からない。
というか、自分が自分で信用出来ない。
だって恭弥が好きなのは仕方のない事で、いくら未来の恭弥であってもそれは変わらないから・・・。
「ああ・・・もしかして、また襲われるとか思って警戒してるんだ」
「・・・えっ?」
ニヤリと笑う恭弥にドキっとした。
「・・・その顔は図星みたいだね」
「そ、そんな事・・・っ」
「心配しなくても無理に襲ったりはしないよ」
恭弥はそう言うと、ベッドから立ち上がった。
「に泣かれるのは嫌だしね」
「・・・恭弥・・・」
「それに・・・過去の僕がかわいそうだろ?」
「――――ッ」
そう言ってクスクス笑う恭弥に、顔が赤くなった。
恭弥は更に意味深な笑みを浮かべると、ゆっくりと目の前に屈んだ。
「まあ、でも・・・がいいって言うなら、今すぐにでも抱きたいけど」
「な・・・っん、」
そう言って素早く唇を重ねると、恭弥はニッコリ微笑んだ。
「僕、ちょっと出かけてくるけど・・・はここで休んでて」
「え、出かけるって・・・」
更に心拍数の上がった胸を抑えながら、スーツのジャケットを着込む恭弥を見上げた。
いたらいたでドキドキして緊張するけど、いなくなると寂しく感じる。
勝手だなと思いながら、「どこ、行くの?」と、つい聞いてしまった。
「ちょっと部下から呼ばれたんだ」
「部下・・・?」
「うん。ああ、も知ってるだろ?草壁だよ。草壁哲矢」
「え?草壁さんって・・・風紀副委員長だった?」
「そう。彼、今も僕の下で働いてくれてるんだ」
「そ、そうなの?って事は彼も事情を――――」
「もちろん知ってるよ。今は僕とこのボックスについて調べてる」
そう言ってポケットから、あの小さな匣を取り出した。
「それ・・・」
「まだこれには沢山の謎がある。興味があって色々と調べてるんだ」
「危なくないの・・・?」
ふと先ほどの戦いを思い出し、不安になった。
あんなに強くなった沢田くんでさえ、あれほどの傷を負った。
敵はこれまでの敵よりも、ずっと強い。
なのに恭弥は、また戦わなくちゃならない立場にいて・・・私はそれを見ている事しか出来ない。
「・・・心配してくれてるの?」
恭弥はそう言って目の前にしゃがむと、俯いている私の頬をそっと包んだ。
「心配だよ・・・。恭弥はいつも・・・戦いの中にいるから」
「・・・」
「そ、そりゃ恭弥は凄く強いしそんなの分かってる。だけど・・・分からないじゃない・・・。相手がどんな手で来るかだって・・・ヴァリアーとの戦いの時だって、あんな大怪我までして――――」
不意に唇を塞がれ、言葉が途切れた。
ドキっとしたのもつかの間で、それはすぐに離れていく。
「恭・・・弥・・・?」
「そんな顔しないで・・・僕なら大丈夫だから」
「で、でも――――」
「あんな奴らに負けるほど、僕は弱くないつもりだけど?」
「・・・うん」
優しく微笑む恭弥に、小さく頷く。
そんなの分かってる。でも、結果、戦いに勝ったとしても、恭弥が傷つくのは見たくない。
「はあ・・・。どうして男の人って戦う事が好きなのかな・・・」
「ぷ・・・っ」
「な、何で笑うの?」
小さく噴出して、笑いを噛み殺してる恭弥に顔が赤くなる。
恭弥はゴメン、と言いながら、そっと頭を撫でてくれた。
「があまりに可愛いこと言うからさ」
「か、可愛い・・・って、私は真剣に――――」
「分かってる。――――ありがとう」
恭弥はもう一度、触れるだけのキスをしてゆっくりと立ち上がった。
「すぐ、戻るから。ここで待ってて」
「・・・うん」
「さっきみたいに勝手に出かけたら、今度は許さないからね」
「う、うん・・・。分かってる」
ちょっと怖い顔をする恭弥に素直に頷けば、すぐに優しい笑顔を見せてくれた。
「――――ああ、それと一人じゃ暇だろうし・・・もし心配なら様子を見てくるくらいはいいよ?」
「・・・え?」
「それじゃ・・・行って来ます」
恭弥はそう言って軽く頬に口づけると、静かに部屋を出て行った。
閉じられたドアに少し寂しくなりながらも、さっきの言葉が嬉しくて、つい笑みが零れる。
(京子ちゃん達を心配してる私の気持ち、考えてくれたんだ。やっぱり恭弥は優しい・・・)
恭弥の気持ちが嬉しくて、胸の奥があったかくなった。
「大好き・・・・」
ベッドに顔を押し付けると、そんな言葉が口から零れる。
これ以上、好きになったら私の心臓なんかもたない気がした。
そっと唇に触れると、さっきの余韻が残ってる。
(――――あれって、やっぱり浮気に入るのかな・・・・)
さっきのキスを思い出してまた――――鼓動が早くなった。
「沢田くん・・・?」
第一医務室と書かれたドアを静かに開けると、そこには獄寺くんが座っていた。
「ああ、・・・」
「どう?沢田くんの容態・・・」
包帯だらけの姿でベッドに寝ている沢田くんを見て、そう尋ねる。
沢田くんは苦しげな様子で、心なしか息も荒い。その姿に胸が痛んだ。
獄寺くんも同じ気持ちなのか僅かに顔を顰めると、「まだ意識が戻らない」と溜息をついた。
「クソ・・・。あのヒゲヤローめ・・・」
悔しげに獄寺くんは握り拳を固めた。
「皆には・・・説明したの?」
「ああ・・・。リボーンさんが簡単に話したみたいだ」
「そう・・・。驚いただろうね」
そう言いながら、獄寺くんの隣に座る。彼はふと思い出したように顔を上げて、
「そういや・・・よく来れたな。ヒバリは?」
「あ・・・さっき出かけた」
「どこへ?」
「何か草壁さんから電話が来て・・・。でもすぐ戻るって」
「草壁・・・?え?まだアイツとつるんでんのか?ヒバリの奴」
「何か部下って言ってたけど・・・色々と手伝ってくれてるみたいだった」
「へえ・・・。つか、ヒバリの奴、何してんだ?守護者としてボンゴレで働いてんのか?」
「さあ・・・。普段は別行動だってチラっと言ってたけど・・・。今回は特別だって」
「ふーん。相変わらずってとこか・・・・」
獄寺くんは苦笑しながら、、「お前も苦労するな」なんて言ってくる。
それには何となく恥ずかしくて小さく咳払いをした。
その時――――沢田くんがかすかに動いた気がした。慌てて椅子から身を乗り出すと、
「う・・・ん・・・」
「十代目?!」
「沢田くん・・・っ」
「――――あ・・・。危ない・・・!」
突然、目が開いたかと思うと、沢田くんは急に叫んで起き上がった。
「――――っいててっ」
「十代目!お怪我してるんっス!無理しちゃダメっス!」
「獄寺くん・・・ここはっ?」
「アジトっス!十代目は敵を倒して、すぐ気を失ったんです!」
「え・・・?あ、さん・・・!皆は?!」
私に気づいた彼は慌てたように叫んだ。
それには苦笑しながらも、「皆、無事だよ」と教えてあげる。
沢田くんはホっとしたように息を吐き出し、「良かった・・・」と目を潤ませた。
でもすぐに、「そうだ・・・。京子ちゃんがっ」と私を見て、
「来ちゃったんだ・・・。京子ちゃんが過去から!」
「その事ですが・・・笹川だけじゃないっス。山本もイーピンも・・・」
「え・・・皆も?!ど、どうして、そんな事に・・・」
青い顔をして呟く沢田くんに、獄寺くんも小さく首を振った。
「それが・・・どーやって全員10年バズーカに当たったのか、いまいち分からなくて。どいつも背後からくらったらしいんですが・・・」
「そんな!!大変だ・・・。ダメだよ!こんなとこにいちゃダメだ!こんなところにいたら皆・・・皆殺されちゃうよ!――いっつ・・・」
「十代目!落ち着いてください!傷に触ります」
「そうよ、沢田くんは休んでて」
興奮している沢田くんに驚いて、獄寺くんが彼を押さえた。
「・・・ふぇぇん・・・」
「――――っ?」
その時、ドアが開いてハルちゃんと京子ちゃんが顔を出した。
「ハルちゃん・・・」
「いやです、こんなの〜。10年後の世界がこんなにデストロイだなんて〜」
「泣かないで、ハルちゃん・・・」
泣きながら入っていたハルちゃんも、彼女を支えている京子ちゃんも顔が真っ青だ。
それを見て沢田くんは悲しそうな顔をした。
「ツナさーん!ハルは平和な並盛に帰りたいです・・・!」
「ハル・・・」
とうとう沢田くんに抱きついて泣き出したハルちゃんに、皆も言葉を失う。
そこへ山本くんとりボーンくんが顔を出した。
「皆、これ飲め。少しは気分が落ち着くぞ」
そう言って紅茶のカップを乗せたトレーを運んでくる。
「特製ハーブティーだ」
「あ・・・私が運ぶわ」
「悪いな、」
小さな体でトレーを運ぶリボーンくんから、それを受け取る。
その時、沢田くんがベッドから飛び起きた。
「リボーン・・・!!」
「「「――――ッ」」」
その声にその場にいた全員がビクっとなる。
「お、もう立てるようになったか」
「オレ・・・」
「・・・分かったぞ」
沢田くんの気持ちが伝わったみたいだ。リボーンくんは小さく頷くと、私や京子ちゃん達に部屋を出るように言った。
「悪いな」
「ううん・・・。どうせ私は何も出来ないし・・・」
「そんな事はないぞ」
「・・・え?」
「たちは食事の用意と、あとチビ達の面倒を見てくれるか?男どもは戦いの為にこれから鍛えなくちゃならない。こっちでの戦い方は特殊だからな」
「うん、分かった。私もボーっとしてるより動いてた方が気が紛れるし・・・」
「そうか。なら頼んだぞ。京子やハルにも、そう伝えてくれ」
「うん」
そう言って部屋を出る。きっとリボーンくんたちはこれから大事な話をするんだろう。
――――廊下に出ると、京子ちゃんが泣いてるハルちゃんを励ましていた。
「大丈夫?ハルちゃん・・・」
「さぁん・・・。ハル・・・ハル、怖いです・・・。ツナさんもあんな怪我しちゃって・・・」
「うん・・・。私も・・・怖いよ」
「さん・・・」
ハルちゃんの気持ちは痛いくらいに分かる。好きな人が傷つけば、誰だって怖い。
自分が痛い思いをするよりもずっと――――。
「・・・でも大丈夫だよ。皆、絶対に負けないから」
「・・・はい」
「そのためには、まず美味しい食事よね」
「え、食事って・・・?」
京子ちゃんが不思議そうに首を傾げた。
「あのね、今日から私達が皆の食事を作る事になったの」
私はリボーンくんに言われた事を京子ちゃんとハルちゃんに伝えた。
自分達にも出来る事があってホっとしたのか、二人はやっと笑顔を見せてくれた。
「それならハルにも出来ます〜!」
「そうね。食事や洗濯とか分担してやろうか」
「はい〜」
京子ちゃんも嬉しそうに提案しているのを見て、私もホっとした。
それからボンゴレ御用達だという武器チューナー&発明家のジャンニーニさんにキッチンへ案内してもらい、何がどこにあるかなどを教えてもらった。
かなり広いキッチンで、この場所なら皆と食事が出来そうだ。
「今夜は何を作ろう」
「もう時間も遅いし簡単にカレーにする?」
「あ、いいね!じゃあカレーに決定」
そう言いながら材料を出して、下準備をしていく。
そこへ賑やかな声が聞こえてきた。
「ー!!お腹減ったー!」
「我空腹!」
「あ・・・ランボくん?!イーピンも!」
さっきまでは大人だった二人も今は入れ替わってしまって、いつもの姿で走り回っている。
「ランボさんも手伝うー!」
「ホント?じゃあ・・・このタマネギの皮、むいてくれる?」
「オッケー!ランボさん皮むいてやる」
そう言ってタマネギを運んでいくランボくんに、つい笑みが零れる。
最初はあのノリに戸惑ったけど、気づけば弟みたいに可愛がってる私がいた。
獄寺くんはウザいとか言ってよく殴ってるけど(!)私はある意味、ランボくんがムードメイカーになってるような気がした。
「あ、じゃあ、京子ちゃんは人参を・・・って、京子ちゃん?」
「え?あ、ゴメンね。それ皮むくわ」
「あ、じゃあ・・・お願い」
「うん」
京子ちゃんはすぐに笑顔を見せると、人参を水洗いし始めた。
その様子を見ながら、彼女が一瞬見せた表情が何となく気になって、「やっぱり心配?」と声をかける。
「え?あ・・・」
「今、そんな顔してたから・・・」
「うん・・・」
京子ちゃんは小さく頷くと、「実は・・・お兄ちゃんが行方不明だってリボーンくんが教えてくれたの」と溜息をついた。
「え、笹川先輩が?」
「うん・・・。入れ替わったかどうかも分からないし・・・。さっきの怖い人たちに見つかったらって思うと不安になってきて」
「京子ちゃん・・・」
「で、でも今、心配しても何も出来ないし・・・見つかるのを待つしかないよね」
「そうだね・・・。笹川先輩の事だから・・・きっと大丈夫だよ。凄く強いし」
「うん、ありがと」
京子ちゃんは嬉しそうに微笑むと、人参の皮をむき始めた。
私もそれ以上、何も言わずにジャガイモを適度な大きさに切っていく。
皆、怖いのは当たり前だけど、今はどうする事も出来ない事が、やっぱり少しもどかしかった。
「美味い!」
「本当に凄く美味しいよ!」
「ありがとう御座います!」
沢田くんと山本くんの言葉に、ハルちゃんも嬉しそうだ。
「私と京子ちゃんとさんで腕によりをかけましたからね」
「カレーなんか誰が作ってもかわんねーだろ」
「お代わり、よそいませんよっ!」
獄寺くんの言葉に、ハルちゃんが目を吊り上げる。
まあまあ、と山本くんが笑いながら、ふと私を見た。
「そういや・・・ヒバリは?食わねーの?」
「あ・・・それが出かけたきり、まだ帰ってないみたいで」
「何だ、そっか。どこ行ったんだ?」
「・・・さあ」
食べ終わったお皿を下げながら、曖昧に返事をする。
先ほど部屋に戻ってみたけど、帰って来た形跡はなかった。
時計を見ればすでに午後の9時を回っていて、少しだけ心配になってくる。
(すぐ戻るって言ってたのにな・・・。大丈夫かな)
さっきの敵を思い出し、軽く頭を振った。
(大丈夫。恭弥はあんな奴らに簡単にやられるような人じゃない・・・。もうすぐ帰ってくるわよ)
そう言い聞かせながら、お皿を洗っていった。
「ツナー!ランボさんオヤツ!」
「そんなものないよ・・・。我慢しろって!」
「やーだー!オヤツー!プリンはー?飴はー?」
「ないって!」
いつものランボくんの我がままに、沢田くんは困っているようだ。
そこでふと思いつき、
「あ、ランボくん。クレープなら出来るんだけど・・・食べる?」
「クレープ!!ランボさん食べるもんね!」
ランボくんが嬉しそうに走ってきた。
「え、いいの?さん・・・」
「うん。さっき小麦粉とかそういった物はあったから何とか出来るよ。生クリーム作る材料や果物もあったし」
「そっか。じゃあ悪いけど・・・お願いしていいかな。オレ、これからまたラル・ミルチにボックスの使い方、教えてもらわないといけないし・・・」
「うん、任せておいて。沢田くんの分も作っておくね」
「あ、ありがとう」
そう言って沢田くんは食事を終えるのと同時に、獄寺くんたちとラル・ミルチのところへと向かった。
彼女――ラル・ミルチは門外顧問組織の人、という事で、それ以上の事は詳しく聞いていない。
「ボックスかあ・・・」
またしても、あの匣を思い出した。恭弥が興味を持って調べているものだ。
山本くんや、さっきの敵がリングと合わせて使っていた不思議な匣・・・。
いったい、あれは何なんだろう。
そんな事を考えていると、不意にポケットが震えた。携帯のバイブ機能だ。
「あ・・・。ジンから・・・メール?」
そう言えば午後から姿を見ていない。
すぐに開いてみると、題名のところに絵文字のハートマークがたくさん並んでいた。
「はあ。何してんのよ、あいつ・・・」
呆れつつ本文を開くと、これまた可愛いスマイルつきで、"元気にしてる?(^_-)-☆"とある。
元気も何もさっきまで一緒だったでしょ、と内心突っ込みながら、次の文章に目を通した。
『今、恭弥と一緒にいるんだけど今日はそっち戻れそうにないし先に寝ててってさ。今は手が離せないみたいだけど後で電話するって!熱いね〜(* ̄m ̄)』
「何よこれ・・・っていうか恭弥ってばジンも連れてったんだ・・・」
ジンのアホなメールに溜息をつきつつ、恭弥が戻れそうにないという事が分かってガッカリした。
二人で何してるんだろうと不安になりつつ、仕方がないから、"分かった。電話待ってるって伝えて"と短い返事を送る。
「どうしたの?ちゃん・・・。メール、ヒバリさん?」
そこへ京子ちゃんが歩いて来た。
「あ・・・うん。恭弥の従兄弟から。今夜は戻れないって」
「え、そうなんだ。そう言えば、さっき知らない男の子と一緒に出てったの見たわ」
「ああ、その男の子が恭弥の従兄弟なの」
「そうだったんだ。あ・・・でもちゃんって、携帯こっちでも使えてるの?」
「あ、うん。私、ずっと同じ電話会社で番号も変えてなかったみたいで」
「そうなんだぁ。私なんか携帯使えなくなってたわ。いつもある物が使えないと不便よね。お兄ちゃんにかけることも出来ないし・・・」
そう言って小さく溜息をつくと、一緒にお皿を洗ってくれた。
ハルちゃんはイーピンやランボくんと遊んでくれてるようだ。
「でも・・・ちゃんも心配よね」
「え?」
「ヒバリさん。単独行動が多いし、ちゃんとしては色々と心配でしょ?」
「うん・・・まあ」
「さっきチラっと見たけど・・・ヒバリさん何か凄く大人っぽくなっててビックリしちゃった。10年経ってるんだから当たり前なんだけど」
京子ちゃんはそう言ってクスクス笑っている。
「知ってる人なのに、何か急に大人の姿で来られると変な気分よね」
「う、うん・・・。ホントだね」
京子ちゃんも私と同じような違和感を感じてるようだ。
ああ、でも彼女は確かこの世界では沢田くんと付き合ってたんだっけ・・・。
これは内緒にしてた方がいいのかな。
「でも大人のヒバリさんも、やっぱりカッコ良かったね。ちゃん、惚れ直したんじゃない?」
「えっ?」
「あ、赤くなった。可愛い、ちゃん」
「か、からかわないでよ・・・」
肘で突付いてくる京子ちゃんを軽く睨むと、彼女は楽しそうに笑っている。
さっきより少し元気が出たみたいで、内心ホっとしていた。
『――――もしもし。?』
その夜、深夜に近い時間、待ちわびていた電話が鳴った。
『寝てた?』
「ううん。起きてた」
ベッドの上に座りながら応えると、恭弥はホっとしたように良かった、と呟いた。
『戻れなくてごめん。思ったより手間取って』
「うん・・・いいの。無事なら。――――今、どこ?」
『僕のアジト』
「え・・・アジトって…」
『そことは別に、僕も組織を持ってる。今はその研究施設にいるんだ』
「組織・・・。研究?」
何だか良く分からないけど、とにかく恭弥が無事らしい事が分かって少しは安心した。
『後で詳しく話すよ。それより・・・僕がいない間、何してたの?』
「え?あ、あの・・・」
いきなりの質問にドキっとしながら、「食事の用意したり・・・お風呂掃除したり?」と正直に答える。
すると、急に恭弥の声のトーンが落ちた。
『・・・食事?誰に作ったの?』
「だ、誰って・・・皆だよ?リボーンくんに頼まれて・・・」
『赤ん坊に?ふーん・・・』
「・・・・・・(き、気まずい)」
恭弥は何となく不機嫌そうだ。
『・・・別にがあいつらに作ってあげる必要ないと思うけど。は僕の恋人なんだし』
「え、だ、だって・・・。私だけ不参加って申し訳ないし・・・」
『で・・・今日は何を作ったの?』
「あ、カレーだよ」
『そうなんだ・・・。僕も食べたかったな』
「え・・・?」
受話器の向こうからは残念そうな溜息が聞こえてきた。
「あ、あの・・・恭弥が戻ってきたら、また作るから――――」
『当然だよ。は僕の恋人なんだから』
「・・・・・・」
キッパリとそう言われて、嬉しいのと複雑なのとで言葉に詰まる。
恭弥はそんな私の反応に苦笑しているようだ。
『ああ、でも・・・これだけは守って』
「な、何・・・?」
不意に真剣な声で言われ、首を傾げた。
『シャワー入る時は、部屋のバスを使うこと』
「・・・へ?」
『大浴場なんか使って、覗かれたら困るだろ?』
「ま、まさか――――」
『アイツらが覗かないっていう保証はないからね。まあ、そんな事したら速攻で咬み殺すけど』
「・・・・・」
そこまで心配されてるとは思わなくて、言葉を失う。
それでもこうして気にかけてくれる事は素直に嬉しい。
『――――じゃあ・・・明日はちゃんと戻るから、それまでいい子にしてて』
「い、いい子って・・・子供じゃないもの・・・」
むぅっと口を尖らせると、恭弥はクスクス笑いながら、「お休み」と言って電話を切った。
途切れた電波に少しの寂しさを感じながらも、仕方なく布団に潜る。
それでも携帯は手放せず枕元に置いて、「お休み、恭弥・・・」と呟いた。
ゆっくり目を瞑ると思ってる以上に疲れていたらしい・数分も経たないうちに深い眠りに落ちていく。
未来に来てから二日目が静かに終わろうとしていた。
やっとリボ新刊出ました♪
いや思ってた以上に雲雀がカッコ良すぎて、読みながらドキドキしちゃいましたよ(笑)
ってか、10年後って事もあるけど、初期の頃と比べたら、かなーーーり顔変わってないか?!
頬なんかスッキリしちゃって、切れ長の目が更に切れてて、いやーヤバイっすよ(何)
そ、そしてビックリしたのが、着物着てるシーンっすよ!(鼻血)どっかの若頭か?あんたはーー♪
黒い着流し…似合いすぎる!!しかも草壁ってば、「恭さん」なんて呼んでるし!怪しい!しかもアジトが和風!!カコン、まであるよ!
それにしても雲雀の頭にチョコンと乗ってるヒバードが可愛すぎる……(どんなけ長生きやねん、あの小鳥)
この作品にも沢山、素敵なコメントを頂いております。いつもありがとう御座います<(__)>
■主人公を大切に想う雲雀がとても自然で新たな雲雀を発見できた気がしますvv(大学生)
(ありがとう御座います!一途な男って雲雀に似合いますよね★気に入って頂けて嬉しい限りです(´¬`*)〜*
■もう、こちらの雲雀さんは素敵すぎてキュンvときちゃいます!愛が降ってきました!(中学生)
(素敵なんて嬉しいです!ヲヲ!!愛が降って来ましたか?これからも頑張りますね♪)
■雲雀さんかっこよすぎです!ここの小説を読んでもっとすきになりましたvこれからも頑張ってください!(高校生)
(この連載で雲雀がもっと好きになったなんて感激です!!これからも頑張りますね!)
■好き同士なのになかなかくっつかなくて。切ない!!!すっごい胸キュンですww(中学生)
(もどかしい関係っていいですよね(´¬`*)〜*胸キュンしてもらえて嬉しいです!)
■雲雀夢とっても甘アマで素敵です。落ち込んで沈んでた気持ちが軽くなりました!(社会人)
(雲雀で甘々って何気に難しいんですけど(何故かエロくなる(オイ)落ち込んでた気持ちが軽くなったと言って頂けて、少しは私のドリも役にたったのかと思うと凄く嬉しいです!
■10年後へヒロインが行ったときの雲雀さんの過保護っぷりに笑ってしまいましたvV(高校生)
(雲雀はやっぱり過保護キャラだと萌えます(笑)笑って頂けて嬉しいです♪)
■この夢は大好きだったんで、またお話が始まって嬉しくて嬉しくてどうしようもなかったですvまた雲雀さんとヒロインの話の続きが読めて幸せですvv(高校生)
(番外編、喜んで頂けて良かったです!今回は未来の雲雀との甘々っぷりを楽しんで頂ければいいな♪)
■ますます雲雀さんが好きになりました。これからも頑張って下さい!!(社会人)
(ますます好きになったなんて、感激ですー!これからも頑張りますね!(´¬`*)〜*)
■いつも読むときドキドキしちゃいますvあと雲雀がちょっといじわるで優しくてとても大好きですv(中学生)
(ドキドキして頂けて嬉しいです!ちょっと意地悪な男っていいですよね(笑)これからも頑張ります!)
■彼マジで格好いいですよね!あんな人に愛されてみたいです。(大学生)
(雲雀は一風変わったキャラで何考えてんのか一番分からないですよね(笑)だから惹かれるのかな…描くのは何気に難しいですけど、確かに愛されたい(笑)
■素敵なお話をいつもありがとうございます。一生懸命なヒロインにぐっときますvvこれからも応援しています!(高校生)
(応援嬉しいです!これからも頑張りますね(´¬`*)〜*
■雲雀さんは、いいなぁって感じのキャラクターだったんですけど、小説を読んで雲雀さんにもいいところがあるじゃないかと高感度がかなり上がりましたw(中学生)
(高感度上がって嬉しいです!悪役キャラ好きな私も雲雀はいいなぁと思いました(笑)もっと登場増やして欲しいです>原作
■ここの雲雀さん大好きです!お願いします(高校生)
(ありがとう御座います!ボチボチ書いていきます☆)