La mia bella bambola.

※R18(性的表現あり)







ヴァリアーのアジトには色々な奴が集まる。
ファミリーの幹部だったり、情報屋だったり、金の匂いに寄って来る、頭の悪そうな色気むんむんの女どもだったり。
その中でも、一際目立つ女がいた。
、としか名乗らなかった、その女は、オレ達の周りにいるような、バカな女達とはどこか違ってた。
派手な化粧もせず、でしゃばらず、どこか清楚といった言葉が似合うような不思議な女。
香水の匂いをプンプンさせて、積極的に自分を売り込んでくる女達とは明らかに違う。
だって体を売ってるはずなのに、自分をアピールしようともしない。
そんな彼女に自然と目が行ったのは、いつものように任務から戻って来た日の夜だった。


オレ達は殺しを仕事としてる暗殺部隊だ。
任務を終えた日の夜は、体中の血が滾るほどに気分が高揚している。
だから、そういうのを吐き出すために、女が欲しくなる事もあった。
それを知ってる女どもは当然のように誘ってきたけど、この日のオレはそいつらでも、時々呼んでいる馴染みの女でもなく、そいつらの後ろで控えめに立っている、を指差した。



「ねえ、あんた。そう、黒い髪のあんた。後でオレの部屋に来てよ」
「え・・・・私・・・・がですか?」
「うん、そう。10分後にオレの部屋。分かるよな?」


どこか不安げな顔をしている彼女に、そう尋ねると、コクンと小さく頷いた。
その仕草が従順な子犬みたいで、結構そそられる。


「ベル〜どういう事〜?こんな子供にベルの相手できるわけないじゃない。ベル、ハードなのが好きでショ?」


何度か呼んだ事のある女がスネたように腕を絡めてきた。


うざ〜ハッキリ言って、こういう女は虫唾が走るんだよね、オレってば。


そんな気持ちのままに腕を払いのけ、振り向きざまに女をズタズタに切り裂いてやれば、周りで見ていた売女どもがキャーキャー叫ぶもんだから耳が痛いし。
こんな事くらいでギーギー、ブタみたいに騒ぐなよ。オレの職業、知らないわけじゃないだろ?
人を殺してなんぼなんだっつーの。それで金もらって、その金でお前ら抱いてやってんの。
だから今更、そんなに騒ぐなよ。


「こーなりたくないなら勝手にオレに触んないでね〜?うしし♪」


今はただの肉の塊になっている、さっきまで"人だったもの"を蹴りながら、後ろで固まっている女どもにそう言ってやると、青い顔をして逃げていく。
全く、どこに商売しに来てるか、もう一度よ〜く考えて来いっつーの。
そう思いながら、その場に一人だけ残っている女を見る。


「お前、名前、なんてーの?」


他の奴らとは違い、目の前で死んでる女を見ても眉一つ動かさない彼女に尋ねる。
女は、「と言います」とだけ答えた。


「そ。は逃げないんだ」
「・・・・私はベルフェゴール様に呼ばれましたから」


へぇ、ベルフェゴール様、と来たもんだ。
そんな呼び方されるの、すげー久しぶりなんだけど。
でも、まあ悪くない。
様付けは当然だろ。 だってオレ、王子だし。


「いい度胸してんじゃん。気に入った。んじゃさっき言ったとおり、10分後にオレの部屋。OK?」
「はい」


真っ直ぐにオレを見つめながら頷くに、オレは「ばいちゃ」と手を振ると、急いで自分の部屋へと歩いていった。
女を抱く前に、まずはこの血を洗い流さないとね。

部屋に戻ると、サッサとシャワーを浴びて返り血を洗い流す。
自分以外の血は、どうも美しくない。
綺麗に髪も洗い流し、バスローブを羽織った頃、コンコンとドアをノックする音が聞こえてきた。
時計を見れば、きっちり10分経っている。
約束を守れる女は、結構好きだ。


「開いてるよん」


髪をバスタオルで拭きながら声をかけると、静かにドアが開き、と名乗った女が部屋へと入って来た。
こっちこっち、と手招きすると、彼女は言われるがままにオレの方に歩いてくる。
目の前に来て分かったけど、この女、オレよりかなりちっこい。
しかもよくよく見れば化粧っ気のない顔は、どう見ても女というより、少女と言った方がシックリくるくらいに幼かった。


「お前・・・・いくつ?」
「17歳・・・・です」
「マジ?オレよか一つ上じゃん。すっげ!そんな若いのにこんな仕事してんの?あーもしかして借金の形に売られた、とか?」
「・・・・・っ」


オレの一言に、初めて彼女の顔に動揺の色が見えた。
図星ってわけか。
まあ借金の形に娘を売る親なんて、いくらでもいるしね。

彼女は少し目を伏せると、ゆっくりと胸元のジッパーを下ろそうとした。
その手を止めると、驚いたように顔を上げる。


「勝手に脱いだらダ〜メ。オレ、脱がすの好きなんだ。しし♪」
「え、あ・・・・すみません・・・・。よく・・・・分からなくて」
「・・・・は?」


一瞬で頬が赤くなったを見て、オレはズッコケそうになった。
だってさ、こんな商売してるクセに今更よく分からないって言われちゃ、そりゃー驚くだろ。
でもまあ、初々しくて、たまにはこんな子もいいか。

そう思いながらの手を引き、奥の寝室へと連れて行く。
いつもなら場所なんかどこでも良くて、その辺の床の上にでも押し倒して、服剥いで突っ込んで終わりってなもんなんだけど。
彼女は何となくそんなタイプじゃないようだし、今日は優しい王子様でも演じてあげようかなって・・・・何オレ!結構優しいじゃん。

自画自賛しつつ細い腕を引き寄せると、お約束どおり優しい男を演じる為、普段は商売女にはしない、キスをしようと唇を近づける。
普段は女の方から強引に唇を求めてくる事もあるけど、この子の場合・・・・あれ、俯いちゃったよ。


「・・・・何だよ?」


急に俯かれて、オレは少しムっとしながら顔を覗き込んだ。
けど彼女の顔が真っ赤になっていて、ギョッとしてしまった。


「ご、ごめんなさいっ!すみません・・・・っ!」
「いや・・・・別に必死で謝られても・・・・」


泣きそうな顔になりながら頭を下げるに何となく拍子抜けして、オレはベッドに腰をかけた。
そして目の前でかすかに震えてさえいる彼女を、マジマジと眺める。


つか、何でこの子、こんなに震えてんの?
ああ・・・・もしかして、さっきの女のようにオレに殺されるとか思ってんのかな。
あんまビビられても楽しめねーし、参るよなあ・・・・・。
やっぱ目的は一つなわけだし、それが達成されない事にはオレも困るっつーわけで。


「あのさ。別にオレ、お前のこと殺そうとか思ってないし、そんなビビんなくていーよ?」
「は、はい・・・・。あの・・・・ごめんなさいっ」
「・・・・・・」




またしてもペコリと頭を下げる彼女の従順さに、溜息をつく。
が、その瞬間、何を思ったのか、彼女はガバッと顔を上げると、思い切りオレを押し倒しキスを仕掛けてきた。


「んく・・・・っ」


と言っても、ただ単に唇を押し付けられただけで、キスと言える代物じゃない。
(・・・・っつーか何気に歯がゴチっと当たってマジ痛いんだけど!)


「んぅ・・・・ちょ・・・・ちょい待って!」
「・・・・・・っ?」


グイグイと唇を押し付けられ息苦しくなったオレは、彼女の体を押し戻した。
ってか、こんなお子ちゃまキスしたの、初めてだし!助けて、ボス!


「あのさ、もっと色っぽくできね?これじゃ勃つもんも勃たないんだけど」
「・・・・あ、ご、ごめ・・・・」
「あーもー謝んなくていーから!」


またしても頭を下げようとしたに、慌ててストップをかける。
は真っ赤な顔のまま、おずおずと顔を上げてオレを見つめた。
その真っ直ぐな瞳に、ガラにもなくドキリとさせられる。


「はあ・・・・。何か調子狂う・・・・」


そうボヤキつつ頭をかくと、彼女はそのまま俯いてしまった。

(変な・・・・女だな・・・・)

叱られた子供のように落ち込んでいるを見て、内心そう思った、
さっきから彼女の様子見れば見るほど、こんな商売をしているようには見えないし、ハッキリ言って似合わない。
ホントにコイツ、娼婦か?

(試してみるか・・・・)

そう思い立ち、彼女の腕を思い切り引っ張った。
突然ベッドに押し倒された彼女は驚いたように目を見開き、次の瞬間ギュっと目を瞑っている。
それには一瞬ギョっとしたけど、こんなプレイもなかなか新鮮でいい。
そう思いながら構わず唇を押し付けると、いつもよりは優しくキスを仕掛けていく。
その途端、彼女の体がビクンと跳ね上がったけど、そんなもんは無視して強引に舌を突っ込んだ。


「・・・・んっ」


逃げ惑う女の舌を上手く捕まえて絡め取ると、固まってた体が更に固まっていく。
いつも女を抱く時にくる反応が彼女からは全く返ってこないのを感じながらも、胸元のジッパーを一気に下げた。


「ひゃ・・・・っ」
「・・・・何で隠してんの?」
「ご、ごめんなさい・・・・」


胸元を開いた途端、凄い力で胸元を隠すに、オレは驚きつつ見下ろした。
見れば彼女は大きな瞳に涙をいっぱい溜めている。
それにはさすがのオレも戸惑った。
でも、この反応はやっぱり・・・・・。


「あのさ・・・・。さっきから思ってたんだけど・・・・お前、もしかして初めて?」
「――――ッ」


オレの一言に、の顔が真っ赤に染まる。
ソレを見て図星か、と溜息が出た。
百戦錬磨のオレでも、処女の女ってのは初めてだ。
喜ぶ男もいるだろうが、オレとしちゃ処女なんて面倒くせーだけだし、どっちかと言えば慣れてる女の方が楽でいいんだよなぁ。
ハッ!っつーか、オイオイオイ・・・・コイツは娼婦だろ?
何で処女なんだよ?!マジ、ビビんだけどっ!


「あ、あの・・・大丈夫です・・・・。私、大丈夫ですから」


はそう言いながら慌てて着ているものを脱ごうとする。
オレは咄嗟にその手を止めた。


「勝手に脱ぐなっつったろ」
「あ・・・・す、すみませんっ」
「いちいち謝るなって・・・・」
「は、はい・・・・。すみませんっ」
「・・・・・はあ」


またしても謝られ、深〜い溜息が零れる。
っていうか、彼女は今まで扱った事のないタイプだから、どうもペースが崩れるんだよなあ。


「あのさ。一つ聞いてい?」
「あ・・・・はい・・・・」
「娼婦やってるクセに何で処女なわけ?入ったばっかりって事ないよな・・・・?一ヶ月ほど前からここに出入りしてるし」
「・・・・・・」


そう言うと、は困ったように目を伏せてしまった。
オレの記憶だからアテにはならないけど・・・・彼女は一ヶ月くらい前から姿を見せてたと思う。
その期間にいくらでも誘いがあったはずだ。
売られて嫌々娼婦になったとはいえ、ここで自分を買った男を怖いからといって拒んだりしたら、まず生きていられないだろう。
拒んだ時点で、その場で殺される。 ここには、そういった男が腐るほどいる。
まあ、オレもその中の一人だけどさ。


「拒んでた・・・・わけじゃないよな」
「・・・・・」


オレの問いに黙って頷く。 やっぱ違うようだ。
っつー事は・・・・コイツが処女だと知って、オレのように面倒だと思われて他の女にチェンジをされたのか・・・・?

そう思っていると、は潤んだ瞳でやっとオレの顔を見た。
そんな顔されると誘ってるようにしか見えねーし、さっきから疼いてる腰が更にウズウズしてくる。
でも彼女はオレのよこしまな考えなど気づきもしないように、小さな唇を震わせながら、静かに口を開いた。


「だ・・・・誰からも・・・・呼ばれなかったんです」
「・・・・へ?」
「ここに来て・・・・私を部屋に呼んでくれたのは・・・・ベルフェゴール様が初めてですから」
「・・・・マジ?」
「はい・・・・」


顔を赤くして頷くを見ながら、オレは唖然とした。
まあ確かに地味で目立つ女じゃないし、オレだって最初は気づかなかったくらいだし、でもだからって誰からも呼ばれなかったとは・・・・
顔だって、かなり可愛い方なのに。
いや、こうしてみると胸はそんなにねーけど、華奢でスタイルはいいと思う。
まあ・・・・色気はねーな、確かに。

マジマジと彼女を観察するように見下ろしながら、そんな事を考える。
っていうか、オレ、どうしたらいーんだ?
処女なんか面倒だし、痛がるだろうし、きっと、あんなテクや、こんなテクなんかねーだろーし・・・・。ここはチェンジしとくか?(鬼)

そう思っていると、突然がオレに抱きついてきた。
両腕だけで体を支えていたオレは驚いた拍子に彼女の上に倒れこみ、思い切り腹をぶつけ、その痛みに「ぐぇ」っと蛙が潰されたみたいな声が出る。


「あ、あの!お願いですからチェンジしないで下さい!」
「ゲホッ・・・・え・・・・え?ゴホッ」
「私、困るんです・・・・!買ってもらわないと・・・・お金がいるんですっ」
「ちょ、ちょっと待て・・・・。離せって・・・・うが・・・・っ」


ぎゅうぎゅうと抱きつかれ、さっきの痛みと重なって息苦しくて仕方ない。
一瞬、はオレを殺そうと娼婦に化けてきた女暗殺者か?!と思ってしまうほど、オレの胸は圧迫され続けて悲鳴を上げている。
でもオレだって天下のヴァリアーで天才とまで言われた男だし?
本気を出せば、の細腕を組み敷くくらい、わけはない。


何とか密着した体を離すと、オレはの両腕を拘束し、ベッドに固定した。
そこで初めて、が泣いているのに気づき、またまたギョっとさせられたんだけど。


「な・・・・何泣いてんだよ・・・・」
「お願い・・・・。チェンジしないで・・・・。何でもします・・・・」
「何でもって・・・・」


そこで一瞬、またしてもエロイ事が頭を過ぎるオレってかなり鬼畜だな、と自分で呆れた。
その前に処女なんだから、何やらせてもヘタそうだし(あーこういうトコが鬼畜か)


「お願いします・・・・!」
「お願いって・・・・そんな泣くなよ・・・・。オレ、女に泣かれるの嫌いなんだよ」
「す、すみませ・・・・」
「同じ事、何回も言うのも嫌い」
「は・・・・はぃ」


普通ならこんな時に泣いた女も、同じ事を二度言わせた女も、秒殺するところだ。
でも、何でかだけは、そんな気分にはならなかった。
ウザいけど、でも何か・・・・そんな気分にはならなかったんだ。


「はあ・・・・分かったよ。チェンジはしない」
「ホントですか?」
「ああ・・・・」


オレの一言に、は嬉しそうな笑顔を見せた。
何だかその笑顔が妙に眩しい。


「でもその代わり・・・・きちんとお仕事してもらっちゃうよ?」
「はい。何でも――――」
「何でも、は、とりあえずいいから」
「・・・・え?」
「まずは・・・・処女を卒業するだけでいい。OK?」


オレの言葉に、はキョトンとした顔で見上げてくる。
やっぱ、コイツ、小動物みてーだ、なんて内心苦笑した。


「まあ初めての相手がオレってのはお前にとっちゃ不運だろーけど、なるべく優しくしてやっから――――」


自分でもガラじゃねーって思った。
そんな反吐が出るくらい優しい台詞を言ってる自分が、まるで知らない男のようで気持ち悪い。
でもすっかりその気でいたオレは、ハッキリ言ってヤルことヤリてーし、でも泣かれちゃ困るし、かと言って何か殺せねーし。
あーもう、どうしていいのか分かんねー。
面倒な女、呼んじまったかもじゃん、オレ・・・・。

オレの言葉に薄っすら頬を赤くしたは、小さく頷いて目を閉じた。
まあ思うところは沢山あれど。
そんな事をされるのも新鮮で、やっぱ悪くないかも、と思う。
やっとそういう雰囲気になった気がして、オレはゆっくりと顔を近づけ、その小さな唇に自分のそれを重ねた。
こんな優しいキスをしたのも初めてだったと思う。
はやっぱり体を固くしたけど、その緊張や恐怖をとってやるように優しく口づけた。
最初は触れ合うだけのキス。
マジ、こんなの初めてだ。

何度か唇を重ねていると、徐々にの体も力が抜けて来て、少しだけどキスを返せるくらいには緊張も解れたようだ。
処女のわりにキスは悪くない。(まあいくら何でもファーストキスくらい経験してるだろうし)
ソレを感じ、次のステップへと移るべく、オレは僅かに唇を離して彼女の濡れた唇をぺロリと舐めた。


「ん、」
「口、開けて」


促すよう、もう一度唇を舐め上げると、は真っ赤になりながらも、おずおずと小さな口を開けた。
その仕草がやたらとそそられ、僅かな隙間からちょっとだけ強引に舌を侵入させれば、ビクンと華奢な体が跳ね上がる。
それを少し押さえつけながら、さっきよりも濃厚なキスを仕掛けていった。
そうする事で卑猥な水音と、彼女のくぐもった声が耳を刺激してくる。
体中の熱が、腰に集中するように、オレの欲も高まっていく。


「脱がすよ・・・・?」


一旦、唇を離し、そう呟くと、は一瞬、身体に力を入れたけど、何も抵抗してこない。
それをOKととり、先ほど開いた胸元からそっと手を滑らせ、ゆっくり服を脱がしていく。
そうする事で艶やかな肌が目の前に現れた。
彼女の肌は透き通るように白く、そして滑らかだった。


「汚されてない、真っ白な肌って感じだな」


誰の手垢もついてないその肌に、オレは舌を這わせながら何とも言えない満足感に浸っていた。
誰でもない、このオレが、の初めての男になる。
未発達な体を愛撫していると、そんな思いが脳を支配して、妙に誇らしげな気持ちにさせてくれた。
誰も触れた事のない場所に指を埋めて行く時も、なかなか奥まで入らない事で彼女の初めての男なんだ、という思いが溢れてくる。
見せて、と言って足を広げた時も、小刻みに震えて顔を赤くしている彼女に、感じた事もないほどの欲情が溢れ出して、何だか未知の世界を経験してるみたいだ。


「すっげー綺麗だよ、のここ」


そう言って、彼女の、多分誰も見た事がないであろう、場所へ口づける。
彼女は高い声を上げて体が僅かに跳ねたけど、オレは構わず何度もそこへキスを落とした。
真っ赤になって羞恥に震えるを見てると、オレの中のSな部分が時々顔を覗かせる。

可愛い、可愛い、可愛い。
大きな声で喘ぐ女より、もっともっとって求めてくる女より、こんな事くらいで真っ赤になって恥ずかしがるはすっげー可愛い。
何だ、これ。ホント、オレらしくねーじゃん?こんな気持ちになるなんて、さ。
指や舌をねじ込んでかき回せば、だんだん身体も解れてきたみたいで甘い蜜が溢れてくる。


「そろそろ挿れるよ?」


再び彼女に覆いかぶさり、ちゅっと口づける。
は少し怯えたような顔をしたけど、それでも最後はコクンと頷いてくれた。
やっぱコイツ、従順な犬みたいで可愛い。


「――――ん・・・・ぁあっ!」
「・・・・うわ、すげっ」


締め付ける彼女の中に腰を押し進めると、痛みのせいかの体が跳ね上がった。
でもオレもかなりヤバイ状態・・・・つーか出そう、マジで。
優しくしてやろうかと思ったけど、あまりに気持ちよくて脳が溶けそうだ。
欲望のままに腰を揺らせば、彼女は痛いのを堪える為か、歯を食いしばっている。


「力、抜いて」
「む・・・・無理・・・・ぁ・・・・痛・・・・んっ」


無理って言われてもこんなに締め付けられちゃ、オレも限界なわけで。
しかも見下ろした先には、今までの女とはまるで違う反応をする、可愛い少女。
これだけ揃えばオレの脳も身体も、蕩けさせるには十分すぎる。
彼女の中は熱くて熱くて、もうホントに限界、だ。
高揚感でいっぱいで、乱暴に腰を揺らせば、彼女の悲鳴に近い声が部屋に響いた気がした。
それでも止められなくて、何度も何度も彼女を突く。


「――――く、出、る」


一気に気分が高まり気持ちのいい波が襲って来て、オレは欲望のままそれを吐き出した。
絶頂に達した瞬間、久しぶりに全力疾走したような倦怠感が、身体中を包む。
こんなに汗だくになったのって、いつ以来だっけ?
セックスして、これほど夢中になって満足感を得た事なんて、あったっけ?
大した時間ヤってたわけじゃないのに、オレは限界とばかりに彼女の隣に倒れこんだ。

それから少し眠ったようだった。
冷んやりとしたものが額に触れ、そっと目を開ける。
するとそこには心配そうな顔の彼女が、オレの顔を覗き込んでいた。


「大丈夫・・・・ですか?」
「オレ・・・・寝ちゃってた・・・・?」
「・・・・はい、少しだけですけど」
「ふぁ・・・・ごめんね・・・・」


欠伸を噛み殺しつつ寝返りを打つと、起き上がっていたの腕を引っ張って自分の腕に収めた。
彼女は少し戸惑うように身体を動かしたけど、逃がさないように力を入れる。


「・・・・すっげー良かった。マジ、気持ち良かったよ」


先ほどの興奮を思い出し、そう言いながら彼女に口づける。
セックスした後、女にこんな事をしたのなんて初めてだ。
だけどは耳まで赤くなり、恥ずかしそうにオレの胸に顔を押し付けた。
そんな事されただけで、何だろう、胸の奥がぎゅーって何かにつかまれたみたいになる。


「可愛いね、お前」
「・・・・・っ?」
「何か知らねーけど、すっげー可愛い」


真っ赤な顔を上げたの瞳は潤んでいて、それすらもこう、何て言うかオレの胸をえぐってくる。
処女って、こんなに良かったんだ。
いやそうじゃなくて、だったからか?
何でもいいけど、もう一回、いや何回でも体力が続くまで彼女を抱きたい気分だ。


「あーそだ。これ、お約束の報酬ね」
「・・・・え?」


ベッド脇にある金庫から金を出して彼女に差し出すと、は驚いたように目を見開いた。


「こ、こんなにもらえません・・・・」
「何で?報酬がいくらかなんて決まってないじゃん。オレがやりたいと思ったんだからいいだろ、別に」
「で、でも・・・・」
「いいって言ってンの。オレを怒らせたい?」


そう言ってナイフをちらつかせると、は黙って目を伏せた。
って言ってもオレだってマジで彼女を殺そうなんて思ってない。
やっとオレを楽しませてくれるオモチャを見つけたんだからさ。
いや、オモチャって言うよりは・・・・オレの可愛いお人形ってとこかもね。


「それより・・・・もう一回しよっか♪ 今度はもう少し濃厚なヤツ」


そう言って彼女を再び押し倒すと、やっぱりはビックリしたように大きな瞳を丸くした。


「今夜は帰さねーから。覚悟しといてねー?しし♪」


可愛い可愛い、オレのお人形。

すぐ壊したら、つまんないだろ?










※この作品、何気にスクアーロと同じヒロインです。

久しぶりに王子書いてみました。
これ、ヒロインは娼婦って設定ですが、同じ子でスクアーロも描いてますのよ。
設定としてはスクアーロとの出会いが先ですね。





2007:06.10