Gli piace Lei come sia.

※R18(ヌルイ性的表現あり)






あの夜に抱いた子の味が忘れられなくて、オレは今日もを自室へと呼び寄せた。


「・・・・ん、」


首筋に舌を這わせ、ゆっくりと服を脱がしていく。
小さな身体は小刻みに震えながらも、必死に応えようと、オレの愛撫を受け入れ、ゆっくりと力が抜けていった。


「・・・・まだ怖い?」


白い肌に舌を這わせながら囁くと、は涙目になりながらも小さく首を振る。
その仕草だけでオレの中の欲望が勝手に暴れだすんだから、笑ってしまう。
まるで余裕のないガキみたいに、彼女の肌に溺れてくのが自分でも分かった。
身体中の全てを余すとこなく愛撫した後、ゆっくりと腰を推し進めれば、その甘美な刺激に思わず声が洩れそうになる。
もだいぶ痛みはなくなってきたのか、控えめながら可愛い啼き声をあげ、必死にオレの背中にしがみついてくる。
ホント、オレらしくねーけど、普通のセックスってもんを、彼女と共有してた。
セックスなんて遊び以外のなにものでもなかったのに。
気持ち良ければOKで、欲望を満たす為なら、どんな事もさせてきたってのに。
娼婦の女を相手にする時には無用だった優しさも、何故かにだけは見せられる。
彼女を初めて抱いたあの時から、何だかペースが乱されっぱなしだ、と自分でも思う。


「大丈夫?」


終わった後、そう尋ねると、腕の中で小さく頷く彼女にホっとする。
今までと違う事と言えば、こうしてセックスした後にの反応を気にしてしまうのも、その一つだ。
こんな風に終わった後で抱き寄せる事も、小さな額に口づける事も、これまでなら考えた事もなかったし、した事ももちろんなかった。

――――何だろう、完全におかしいじゃん、オレ。



「なあ、・・・・」
「・・・・はい」


を抱きしめたまま彼女の方を向くと、大きな瞳がオレに向けられる。
そんな事でさえ、何だかワケの分からない幸福感で満たされながら、ふと現実が頭を過ぎった。


「オレさ、明日から仕事で暫く、ここ空けるんだよねー」
「・・・・そうなんですか。頑張って下さいね」
「あーうん・・・・」


アッサリと、それも可愛い笑みを浮かべながら頑張ってと言われ、オレは何となく釈然としない気持ちになった。
いや別に寂しがって欲しい、とか、そんなんじゃなくて・・・・あれ?それともオレってば寂しいって言って欲しいのか?


「明日は何時頃、行かれるんですか?」


あれこれ考えていると、は無邪気にそんな事を訊いて来た。


「あー朝っていうか・・・・朝方かな。でもは寝てていいからさ」


普通なら寝てていいも何も、ヤった後はすぐに追い返すのが普通だった。
でもとは、まだこうして一緒にいたい、とか、ヤるだけじゃなく、色々な話をしたいとか、そんな風に思ってしまう。
なのに彼女はそんなオレの気持ちに気づきもせず、「寝てなんかいられません」と慌てたように首を振った。


「私、もう帰りますから、ベルフェゴール様は寝て下さい。お仕事に差し支えますし・・・・」
「え、帰るって・・・何でだよ、いいからいろよ」
「そんな事出来ません。朝早いなら尚更――――」
「いいから!」
「・・・・・っ」


何故かムキになって大きな声を出してしまった。
は驚いたように目を丸くして、オレを見ている。
一瞬だけど彼女の身体がビクリと跳ねたのを、オレは見逃さなかった。


「悪い・・・・。怒鳴ったりして・・・・」


彼女の怯えた顔を見て、思わずそんな言葉がついて出た。
人に謝った事なんかただの一度もなかったオレが、と、自分で驚く。
でも何故かの方も首を振りながら、「いえ・・・・私こそすみません」と謝ってきた。


「何でが謝んの?悪いのはオレじゃん」
「ベルフェゴール様は悪くありません・・・・。私が言う事を聞かなかったから――――」
「ちょ、待ってよ。オレ、そんな風に思ってねーし・・・・いいから謝んな。な?」


オレの言葉には僅かに笑みを浮かべ、コクンと頷いてくれた。
それだけでホっとするのと同時に、オレが彼女を困らせてるんじゃないかって気になってくる。
ってかオレは王子だし、今までだって我がまま放題してきたはずなのに、何で女一人に変な罪悪感を感じてんだ?オレ・・・・。
ホント、らしくねーし、よく分からない感情に振り回されてる気がする。
でも・・・・やっぱりが困る顔は見たくないって思うんだ。


「あのさ・・・・やっぱ帰っていーよ」
「・・・・え?」
「・・・・あ、でもオレが寝てからにしてくれる?」


慌てて、そう付け足すと、は驚いた顔をしながらも、「もちろんです」と、微笑んでくれた。
何だろう、その笑顔を見てると、心の奥が温かくなる。
オレ、やっぱ病気かな・・・・。


「ベルフェゴール様・・・・・?」
「ん?ああ・・・・何でもない・・・・」


ボーっとしてるオレを、が不思議そうな顔で見てるから、笑って誤魔化しておく。
軽く頭を撫でると、は子猫のように目を瞑って、控えめながらに身体を寄せてきた。
ダメだ、やっぱ、おかしな感情が湧き上がってきて止められない。


「・・・・
「・・・・?・・・・ん、」


顔を上げさせ、濡れた唇を塞ぐと、僅かに彼女の身体が強張る。
怖がらせないよう、優しく口付けながら、そのまま頬にもキスを落とした。
キスだけで満足してるなんてどうかしてる。
彼女を抱きしめる腕が熱い・・・・ 出来れば、このまま朝までこうしていたい気分だ。
でも・・・・朝が来ればオレは仕事に行かなくちゃいけなくて、はまたいつもの生活に戻らなくちゃいけない。
・・・・ああ、そっか。
はオレがいなくても仕事があるんだし、そうなれば明日の夜にはこんな風に他の男の腕に抱かれてるって事もありうるわけだ。
初めて彼女を抱いた日からオレがずっと呼んでるし、彼女は今でもオレ以外の男を知らないはずだ。
でも、それまで誰からも呼ばれなかったって事だけど、すでに男を知った彼女は最初に会った頃よりも艶が出てきたと思うし、
そうなれば他の男が彼女に目をつけるって事も当然あるはず。
そう、それが普通なんだ。
だっては娼婦なんだから・・・・。

そんな事、分かってるのに、何だろう・・・・。
他の男がに触れると思うと、まだ現実に現れてもいない、その男を切り刻んでやりたくなる。
出来れば・・・・オレが帰ってくるまで仕事をしないで欲しい、と、何ともバカな考えが浮かんだ。


「なあ・・・・」
「・・・・はい」
「オレがいない間・・・・お前の事、契約したままにしておくって事、できねーの?」
「え・・・・?どういう、事ですか・・・・?」
「だから、さ・・・・。その・・・・余計に金払っておけば他の仕事しなくていいのかなって思っただけ」


我ながらにバカな事を言った、と思った。
でも、やっぱりイヤなんだ。
こいつの身体を他の男が撫で回すのなんて・・・・これって俗に言う"嫉妬"ってやつか?

――――いや、まさか。
このオレが女に嫉妬するなんてありえないっつーの。
ただを見つけたのはオレで、こいつの初めての男になったのもオレで、だから他の奴に荒らして欲しくない、そう思ってるだけだ。


「・・・・他の、とは、その・・・・他の方の相手をするって・・・・事ですか?」
「・・・・うん、そう」
「それは・・・・無理です・・・・。相手がいないのに客を取らなければドナおばさんに怒られますし・・・・」
「そっか・・・・やっぱね」


そりゃ、もっともだ、と思った。
いくらオレが大金を払おうが彼女を雇ってるのはあのババァだし、彼女を好きに使う権利がある。
自分のものにするのなら、彼女の借金を全て返すくらいの金額を出さないとダメだろう。
でも前に一度、「その借金、オレが返してやろうか」と冗談半分で言ったら、彼女に激しく拒否された。

"ベルフェゴール様に、そこまでしてもらう理由はありません。これは私の家の問題だから"

真剣な顔でそう言われ、正直、驚いた。
他の娼婦も同じで、だいたいの理由は借金のかたに体を売ってる女が多い。
だからこそ、そいつらは借金を全額支払ってくれる、金持ちの男の専属になりたがるんだ。
もし他の女に「オレが返してやろうか」と一言、言おうもんなら絶対に飛びついてくる。
なのに・・・・このという女は、ハッキリそれを拒絶した。
自分の力で返してみせる、という強い意志を、オレに見せた。
そんな女、今まで会った事がない。
だからこそ・・・・こんなにも惹かれるのかもしれない。
これって世間で言う"恋"ってやつなのかな。
今まで女を愛しい、とか思ったことねーし、分かんねーよ。


「・・・・ベルフェゴール様?寝ちゃったんですか?」


彼女を抱きしめてるとその体温が心地よくて、オレは気づけば夢の中に迷い込んでたらしい。
かすかに聞こえた彼女の声を最後に、オレの意識は闇の中へと引きずり込まれていた。









あの日の朝、目が覚めた時には、すでに彼女が帰った後だった。
つい、さっきまで腕の中にいたはずの温もりがなくなっている。
そんな事で、寝起きから無性にへこんでいるオレも、正直、おかしいんだろうな。

だるい体を何とか起こし、シャワーを浴びて、出かける用意をする。
いつも楽しくて仕方がない任務なのに、あの日は本当に行きたくない、と思った。
言われた任務をこなしてアジトに戻った時は3日という日が経っていて、オレはすぐにを探した。
だがヴァリアーの他のメンバーも別の任務でいないのか、いつもならイヤになるくらい大勢来ている娼婦も今日は殆どいない。
きっと仕事をする為、他のファミリーのところへ行ってるんだろう。
そう思うと、妙に胸の奥が疼いた。


「あら、ベルじゃない。今、戻り?」


パラパラと来ている娼婦の中に馴染みの女がいた。
オレを見つけて嬉しそうに歩いてくる。
だが、やはり他の女の中に、の姿はない。


「皆、いなくて今日はダメかと思ったわぁ。ね、どう?この前のプレイ、今日もしてみない?」


そう言って怪しく微笑むと、チラリとバッグの中身を見せてくる。
中にはロープやムチといった、小道具が入っていて、思わず苦笑した。
この女はSMプレイが大好きで、以前オレも呼んだ事がある。
最初はMのフリをして最後にはSっ気全開で、オレを縛りつけ悦んでた女だ。
まあ、そんな行為もなかなか楽しかったけど、今日はあいにく、そんな気分じゃない。


「うしし、お前、相変わらず変態なんだ」
「失礼ね。ベルの方が変態でしょ?私を縛って散々弄ってくれたクセに」
「でもお前、悦んでたじゃん。あれだけイきまくっておいて、よく言うなー?」
「だってベルってば激しいんだもの。ねぇ、今日もしましょうよ」


猫撫で声を出し擦り寄ってくる女に苦笑し、「今夜は気分じゃねーし」と、まとわりついている腕を外す。
女はスネたような顔をしながら、「何でよ」と唇を尖らせた。


「いつもなら任務終了後に必ず発情してたクセに」
「発情って何だよ・・・・。オレは犬か?あ?」
「犬よりタチ悪いじゃない。いつでも盛っちゃって。なのに何で今日はダメなの?」
「うるさいねーお前・・・・。つか、他の娼婦はどうしたんだよ」
「あら、何よ。私じゃ不服で、他の女捜そうっての?」
「・・・・いいから応えろよ」
「ぁんっ」


いちいち、うるさい女の喉元にナイフをつきつける。
それには女も降参したのか、溜息をつきつつ、「分かったわよ」と両手を上げた。


「今日はヴァリアーのメンバーがいないからって、ボビーノファミリーの方に行ってるみたいよ?」
「・・・・ボビーノ?」
「ええ。私も一応ここ見に来て、もし誰も帰って来なかったらそっち行こうと思ってたとこ」


女はそう言うと、オレの腕から離れた。


「もういいでしょ?買う気ないなら私もボビーノに行く事にするわ。じゃね・・・・って、ベル?ちょっと!」


女が出て行く前に、オレの方が一足早くアジトを飛び出した。
考えるより先に、体が勝手に動いたのは嫌な胸騒ぎがするからだ。


きっと、はそこにいる。
でも、だから?
オレはそこへ行って何する気だ?
は仕事をしに行ってるだけだ。
なのに、その邪魔をしようってのか?

・・・・分からない。
でも心の奥で感じた胸騒ぎを、止める事が出来ないんだ。
任務の後に必ず襲ってくる高揚感は、まだ収まっていない。
その感情のまま、オレは一気に敵のアジトへと、辿り着いた。

ボビーノファミリーは、それなりに名が知られている。
ボンゴレとも、争う姿勢でいながら、表立って仕掛けてこようとはしない奴等だ。
今ここで、オレが暴れたら、ボスに迷惑をかけることは間違いない。

目の前に聳え立つ、ボビーノのアジトを見上げ、オレは素早く敷地内に身を隠した。
そして、そのままエントランス中央の吹き抜けを飛び越え、二階の柱に身を隠す。
元々、陰の暗殺部隊、これくらいわけはない。
いったい何がオレを突き動かしてるのか、敵のアジトに来てまで何をしようとしているのか。
自分でも分からないまま、エントランスに集まっている女達を確認した。
甘い声を出して男を誘ってる中に、ヴァリアーのアジトでもよく見る顔が数人いる。
男前ね、とか、私好みで素敵、とか、オレ達にも言ってるような台詞を、恥ずかしげもなく言いながら女達は次々にボビーノの男達と消えていく。
その中に、を探したが、彼女の姿はどこにもないように見えた。


「チッ・・・・いねぇ・・・・。まさか来てないのか?」


一人ごちて、少しづつエントランスに近づき、何度も女達の顔を確認するも、やはりの姿は見えない。
来てないなら来てないで安心だけど、もしすでに男に呼ばれていたら・・・・・
そう思うと、その場から動けないでいた。

はぁ・・・・オレ、バカみたいじゃね?
一人の女、しかも娼婦なんかを本気で心配して、敵のアジトにまで来ちまうなんて・・・・やべ、マジでバカじゃね?オレ。

自分の行動を一番信じられないのが自分で、何だかイライラしてきた。
が、その時、娼婦達の中に、一人の女を見つけた。
黒い髪の女に自然と目が行き、か?と一瞬思ったが、それは別人だった。
確かあれは何度か呼んだ事のあるルカとかいう娼婦だ。

(あの女・・・・最初にと一緒にいた女だな・・・・)


ふとそれを思い出し、彼女の傍にがいないか確かめる。
だが、の姿はどこにもなく、少しづつ焦ってきた。
と、その時、ルカが煙草を吸いに女達から離れ、こっちへ歩いて来るのが見えた。
オレはボビーノの奴らが傍にいない事を確認すると、音もなく女の背後に飛び降りた。
そして腕を掴み口を塞ぐと、エントランスロビーの端にある大きな柱の陰に引きずり込む。
女は大きく目を見開き、暴れたが、オレだと気づくと、暴れるのをやめた。


「・・・・声出した瞬間、お前の首が飛んじゃうよ?」
「・・・・・・っ」


その言葉に何度も頷くのを見てから、そっと口を塞いでいた手を離した。


「ビ、ビックリした・・・・。ベルじゃないの・・・・。何してるの?もしかして任務?」
「うるさい・・・・。いいか?聞かれた事だけ応えろよ」
「わ、分かった・・・・」


オレの顔を伺いながら、ルカは頷いた。


「お前、って女、知ってるだろ」
「・・・・え?」
「お前と同じ黒髪の子。今日、一緒じゃないのか?」


オレがそう尋ねると、ルカは訝しげな顔でオレを見た。


「何よ・・・・。こんなとこまで探しに来たの?」
「黙れ。いいから応えろ。はどうした?」
「わ、分かったわよ・・・・」


喉にナイフの切っ先を食い込ませると、ルカは怯えたように息をついた。


「今日はもちろん一緒に来てるわ?でも来て早々、ボビーノの男に目ぇつけられてさ。すぐ呼ばれて部屋に連れてかれたわよ・・・・」
「――――チッ!やっぱ、そうか・・・・」


嫌な予感が当たり、思わず舌打ちをした。
そんなオレをルカは訝しげに見ながら、「やだ、ベルってば・・・・あの子に本気なんて事ないわよね?」と、下らない事を言ってくる。


「うるさいって言ってんだろ?で、どいつだ?部屋は?」
「ちょ・・・まさか行く気?ここは敵のアジトよ?」
「いいから聞かれた事に応えろっ。首、飛ばされてーのかよ」
「わ、分かったけど・・・・ホント、信じられない・・・・」


ルカはブツブツ言いながらも、を連れて行った男の事を話し出した。


「名前はブルートって言って私の上客だった男よ。東洋の女が好きみたいでさ。でも今夜は私よりあの子を選んだってわけ。ホント頭にくるわ・・・・」
「余計なことはいいっつの。で、その男の部屋は?知ってんだろ」
「ええ。三階の右奥にある部屋よ・・・・。多分、鍵がかかってると思うけど」
「鍵・・・・?そんなもんオレに意味あると思うの?」
「そりゃそうね・・・・。まあ、せいぜい見つからないようにね。って、これもありえないか、ベルにかかっちゃ」
「・・・・しし。よく分かってんじゃん。じゃ、オレの事は誰にも言っちゃいけないって事も分かってるよねー?」
「分かってるわよ。誰にも言わない。マフィア同士の抗争なんて、私ら娼婦には関係ない事だもの」
「おりこうさん。んじゃ、戻っていーよ」


そう言って掴んでいた腕を離すと、ルカはホっとしたように息を吐き出した。


「でも・・・・何なの、あの子。そんなにいいわけ?最近あの子に客盗られてばっかだし、いい加減頭にくるわ」
「・・・・っ?」


ブツブツ言いながら戻りかけた女を、慌てて引き戻す。
ルカは驚いたように、「何なのよ・・・・。もういいでしょ?」と顔を顰めた。


「お前・・・・今、何つった?」
「え・・・・?」
に・・・・客盗られてばっかだって・・・・そう言ったか?」
「え、ええ・・・・言ったけど・・・・。それが何?」
「どういう意味だ・・・・。オレ以外にを呼んでる奴がいるってのか・・・・?」


ありえない、と思った。
初めてを呼んだ日から、毎日オレが彼女を独占していたんだから。
それともオレがアジトを空けていたこの三日間で、他の誰かがを呼んでいたのか?
そう思っていると、ルカは苦笑しながら、オレを見上げてきた。


「その顔じゃ知らなかったみたいね」
「・・・・何が」
「この前、スクアーロにもあの子の事、聞かれたのよ」
「スクアーロ・・・・っ?」
「ええ。だから教えてあげたの。ベルがあの子を毎日呼んでるってね。スクアーロったら驚いた顔してたわよ〜?あの子が処女だって知ってたみたいだし」
「知ってたって・・・・とスクアーロはその前から顔見知りだったって事かよ」
「さあね。そこまでは知らないけど。でも・・・・昨日も一昨日も部屋に呼んだみたいよ?ベルがいなかったからでしょうけど」
「・・・・・っ」


(スクアーロ・・・・!)


それを聞いて愕然とした。
まさかアイツがに目をつけるとは思ってもみなかったからだ。
今までアイツと呼ぶ女がかぶらなかったわけじゃないが、はどう見ても、スクアーロの好みから外れてた。
それなのに・・・・・。


「ベル・・・・?何よ、そんなにショック?あの子が他の男にヤラれちゃったのが」
「殺されたい?」
「・・・・ひっ、わ、分かったわよ。何よ・・・・ベルもスクアーロも・・・・どうかしてる。あの子だって私と同じ娼婦なのよっ?」


ブツブツ言いながら女が歩いていく。
が、ふと振り返ると、


「行くなら早く行けば?ブルートはヤバイ男よ?」
「・・・・ヤバイ?」
「ええ。アイツ、変態でさ。レイプじゃないと燃えないらしいの。だから、いつも乱暴なのよね。いつも縛られて殴られて、終わった後なんか体中傷だらけだもの」
「・・・・・・っ」
「ま、払いは凄くいいから我慢してたけど。あの子もきっとボロボロにされるわよ?どこまで耐えられるかしらね。処女を失ったばかりのお子ちゃまに」


ルカはそう言い捨てると、女の群れの中へと戻っていった。
オレはその話を聞いて体中の血が沸騰してくるのが分かった。
が、そんな危ない野郎に襲われてるのかと思うと、言葉にならない怒りが込み上げてくる。
そのまま一気に二階へ上がると、廊下の窓から外へと出る。
そこからテラス越しに三階へと上がり、右奥の部屋のテラスへ飛び移った。
その瞬間、部屋の中から、「きゃぁぁっ」という悲鳴が聞こえてきた。
部屋の奥、寝室から聞こえた悲鳴は、間違いなくのものだ。


「クソっ!!」


オレはナイフで窓を切り裂き、それを蹴破った。
ガシャンっという派手な音が響いたが、構わず部屋の中に飛び込む。
そこはリビングのようで、派手な装飾品に囲まれ、趣味の悪い飾りつけが、あちこちに施されている。
が、その時、音を聞きつけたのか、奥のドアから大柄の男が飛び出してきた。


「だ、誰だ、てめぇ!!ここで何して――――」


男の言葉は最後まで吐き出す事も叶わず、そのまま血しぶきの中へとのまれていった。
音もなく床に倒れた男の身体に、数本のナイフが突き刺さっている。
その身体からは、大量の血が溢れ出し、オレの足元まで流れてきた。
殆ど全裸の状態の大男の喉は、皮一枚で繋がってるだけだ。
それが致命傷で、多分即死だったろう。
だがオレは男の格好を見た瞬間、怒りが爆発し、身体にもナイフを突きたてたのだ。
辺りは真っ赤で無数の傷から溢れ出す血の匂いが、部屋に充満している。

暫し殺しの高揚感に浸り、流れ出る血をボーっと見ていた。
が、部屋の奥から小さな声が聞こえて、ハッと我に返る。


・・・・っ」


慌てて飛び込んだ寝室を見て、オレは思わず唖然とした。
部屋の真ん中にあるキングサイズのベッドの上には、ロープで手足を縛られ、衣装を引き裂かれた状態の、がいたからだ。


「ベル・・・・フェゴール様・・・・?」
・・・・」


信じられないような顔でオレを見る彼女の顔は、恐怖で怯えていた。
良く見れば口元からは血が流れ、一目でぶたれたんだと分かる。


「あ・・・・んのクソ野郎っ」
「な・・・・な・・・・んで、ここに・・・・」
「いいからしゃべんな!」


言いようのない怒りが込み上げてくるのを感じながら、急いで彼女の足を拘束しているロープを切る。
そして頭の上で縛られている手足のロープも一気に切って、彼女の身体を抱き起こした。
腕から伝わってくるのは、彼女の身体の震え。
相当、怖かったんだろう。
オレに縋りつくようにしながら、胸に顔を埋めてきた。


「もう・・・・大丈夫だから・・・・」
「こ・・・・怖かっ・・・・た・・・・」
「大丈夫・・・・だって。だから、そんな震えんな・・・・」


そう言いながらも、彼女を抱きしめるオレの手も、かすかに震えてたかもしれない。
ああいう男は女を甚振りながら犯す事で欲情する。
殴られ、乱暴に犯されながら泣き叫ぶ女を抱くのが好きな、キチガイ野郎だ。
そのせいで女が死ぬことなんて、何とも思っていない。
オレも・・・・少し前までは同類だったからこそ、分かるんだ。
なのに自分が他の女にしてきた行為を、がされたと思うと、吐き気がするくらい不快に感じる。
オレの中で、何かが変わった瞬間だったのかもしれない。


「動けるか・・・・?」
「・・・・・・」


そっと身体を離し、尋ねると、は震えながらも小さく頷いた。
それでも顔は青ざめ、オレの腕をぎゅっと掴んでくる。
いくら仕事とは言え、あんな大男に、こうも乱暴されれば、怖いに決まってる。


「帰ろう・・・・。ここにいちゃマズイ」
「は・・・・・はい・・・・」


何度も頷くの頭を撫でながら、オレは着ていたジャケットを彼女に着せた。
の服は、あの男に裂かれている。
ところどころ見える白い肌には何個か赤い痣があり、オレはぐっと唇を噛み締め、彼女を抱き上げた。


「あ・・・・あの人は・・・・」
「気にするな。もう二度と、の前には現れない」


それだけ言うと、はそれ以上、何も聞いてくる事はなかった。
クソ野郎の死体を彼女に見せるのは忍びなく、寝室の窓から外へと出る。
ちょうど、その時、物音を聞きつけ、部屋のドアからは数人の怒鳴り声が聞こえてきた。
きっと、少ししたら、あの男の死体を発見され、大騒ぎになるだろう。
その前にボビーノの敷地を抜け出し、彼女を連れ、ヴァリアーのアジトへと戻ってきた。

誰かに会うのもイヤで、裏から自分の部屋へと向かう。
未だ誰も戻ってないのか、廊下はシーンと静まり返っていた。
いつものように自分の部屋に入ると、をベッドに寝かせ、すぐに電話をする。
少しして薬や水といったものを使用人が運んで来た。


・・・・大丈夫?」


寝室に戻ると、はグッタリしたように横たわっていて、オレは慌てて彼女を抱き起こした。
すると、かすかに目を開け、小さく頷く。
きっとホっとして身体の力が抜けたんだろう。


「手当てするから・・・・。少し痛いかもしれないけど我慢して」
「は・・・・はい」


ちゃんと返事をしてくれたにホっとして、オレは運ばせた救急箱の中から消毒薬を取り出した。


「顔、上げて」


薬を滲みこませたタオルを、そっと彼女の口先に当てると、僅かにが顔を顰め、身体を強張らせる。
それを見て慌てて手を離した。


「ごめん・・・・痛かった?」
「だ、大丈夫です・・・・」


そう言って気丈にも笑ってみせるに胸が痛くなった。
もう一度、タオルを傷口に当てると、今度は我慢しているのかぎゅっと目を瞑っている。
それを見て可哀想になったが、傷を放っておくと痕が残ってしまうと思って、そのまま何度か消毒をした。
人を傷つけるのは得意でも、こんな風に手当てをしてやった事なんか一度もない。


「これ・・・・殴られたの?」
「す、少し・・・・私が嫌がったから・・・・・」


折れそうなほどに華奢な彼女の肩にはクッキリと赤い痣があり、その痣は、腹、腕、足にまで及んでいた。


「・・・・殺しても殺したりねー」
「・・・・え?」
「何でもない・・・・。ほら、水・・・・飲める?」


殺してもなお湧き上がってくる殺意を抑えながら、彼女の手に水の入ったボトルを握らせる。
何とか震えも収まってきたのか、はボトルを口元まで運び、美味しそうに水を飲んだ。


「・・・・す、すみません・・・・。助けていただいて・・・・」
「いいよ、そんな事・・・・それより・・・・アイツに何もされてない?」


聞きたくない事を口にした。
あの男は全裸だったし、彼女の服は殆ど切り裂かれていた。
もしかしたらすでに強姦されてしまっていたのかもしれない、と心配になったのだ。
けど予想に反して、は小さく頷くと、「・・・・殴られて・・・・触られただけです・・・・」と呟いた。
触られたってとこに軽くキレそうになったけど、それでも無事だったのなら、とホっとする。


「そっか・・・・。良かった・・・・」
「ビ、ビックリ・・・・しました・・・・。部屋に入ってすぐに、いきなり殴られたので・・・・」
「ああいう男もいるって事、分かった?」
「は、はい・・・・。あの人・・・・私を殴って縛ったりしながら楽しそうに笑ってた・・・・。凄く・・・怖くて・・・・」


そう呟くと恐怖が蘇ってきたのか、は自分の身体を抱きしめるように両手を回した。
そんな彼女を安心させるように優しく抱き寄せると、抵抗もせずオレの腕の中に納まってくれる。
それが何より嬉しい。


「で・・・・でも何であそこに?最初見た時、幻かと思いました・・・・」
「え、ああ・・・・いや・・・・帰ってきたら・・・・無償にに会いたくなってさ。だから・・・・迎えに行った」
「・・・・え?」


言い訳することなく、素直な気持ちを口にする。
それは思った以上に恥ずかしかったが、それでもそれが本音なのだから仕方ない。
はオレの言葉に驚いたように顔を上げた。


「迎えにって・・・・私を・・・・?」
「うん。ダメだった?」
「い、いえ・・・・そんな事・・・・。で、でも普段からそうするんですか?」
「・・・・へ?」
「娼婦を・・・・他のファミリーのところへ迎えに行ったり・・・・」
「す、するわけねーじゃん。初めてだったよ、オレだって」


思い切って素直になったというのに、オレのその気持ちは伝わってないようだった。
やはりこの世界にあまり詳しくないのか、はよく分かってないみたいだ。
普通、娼婦を他のファミリーと取り合う事なんかない。
あくまで娼婦は娼婦で、遊ぶための相手だ。
今日、自分が抱いた女を、明日どのファミリーの男が抱こうがどうでもいい事で、ましてあんな風に助け出したなんて話、聞いた事がない。
きっとこの事が公になれば、オレは唯一バカな行為をした男、と笑われるだろう。
そう、娼婦に入れあげる男はこの世界じゃ、ただのバカ呼ばわりだ。


「じゃあ・・・・何で私を・・・・」


は不思議そうな顔をしながら、オレを見ている。
やっぱ全然、分かってなさそうだ。
オレがこんなにも心配してるって事や、お前を他の男に触れさせたくないって思ってる事を・・・・。
そりゃ、そうだよな。
オレだってビックリしてるし、未だにこの気持ちは何なんだろうって思ってるし。
自分以外の人間を気にかけた事すらなかったオレが、たった一人の娼婦を心配してるなんて、笑い話にもなんねんじゃね?


「・・・・はさ、オレが女にしたんだから・・・・特別なんだよね」
「特別・・・・?」
「そ、特別」


答えを求めるように見てくる彼女に、分かりやすいように説明すると、何となく伝わったのか可愛らしい笑顔を浮かべた。
その笑顔でさっきまで胸に残っていた腹立たしさが、一気に消えていくんだから不思議だ。


「何か・・・・嬉しい言葉ですね、特別って・・・・」


そう言って微笑む彼女に微笑み返し、そっと唇を押し付けた。
その行為には一瞬、驚いたように目を見開いたけど、腰を抱き寄せると素直にオレに身体を預けてくる。
何度か唇を啄ばみながら、ゆっくりと舌を侵入させていけば、小さな甘い声が彼女の喉を鳴らした。
そのままベッドにそっと寝かせると、白い首筋にも口付けていく。
オレが貸したジャケットを脱がしながら、露になる肌にも同じようにキスをした。
イヤでも視界に入ってくる赤い痣にも、キスをしていくと、はくすぐったそうに身体を捩って、痛々しい傷跡を手で隠す。


「見せて・・・・」
「で、でも・・・・汚いし・・・・」
「汚くない・・・・。綺麗だよ」


そう言って優しく彼女の手をよけ、胸元の痣に口づけてからぺロリと舐める。
その刺激にはビクっと身体を揺らしたが、それ以上、抵抗する事はなかった。


「ん・・・・ベルフェ・・・・ゴール様・・・・」
「・・・・ベルでいい」
「・・・・っ?」


胸の尖りにも口づけるオレに、恥ずかしそうに手を伸ばす彼女にそう言えば、驚いたようにオレを見た。


「そ・・・・んな・・・・呼べませ・・・・ぁ・・・・っ」
「いいから・・・・。もう・・・・"様"はいらない」


ツンと尖った蕾に舌を絡ませると、ビクンと身体が跳ねる。
そのままもう一度、同じ場所にキスを落とし、に覆いかぶされば、彼女の頬は真っ赤に染まっていた。
ほんの少し愛撫しただけだと言うのに、涙目になって見上げてくるに、胸の奥が熱くなる。
彼女の、こういうところが本当に愛しい。


「ベルって呼んで欲しいんだよね、に」
「よ、呼べません・・・・っ」
「いいって言ってるじゃん。オレが言ってるんだから、は気にせず、呼べばいーの。分かった?」
「で、でも・・・・」
「オレ、同じ事、何度も言うの嫌いだって言わなかったっけ?」
「う・・・・」


なかなか呼んでくれない彼女に痺れを切らし、最後の手段としてそう告げる。
すると思ったとおり、困った顔でシュンとしてしまった。
内心、苦笑しながらも、「ほら、呼んでみ?」と催促すれば、は諦めたのか、おずおずと顔を上げた。


「べ・・・・ベル・・・・」
「そうそう♪いい感じじゃん」
「で、でも言いにくいです・・・・」
「そう?ベルフェゴール様の方が言いにくいんじゃない?長いし」


そう言って苦笑すると、はちょっとだけ笑って頷いてくれた。
可愛くて額にキスをすると、彼女の上から降りて隣に寝転がる。
その行動には少し驚いたようだった。


「あ、あの・・・・」
「ん?」
「し・・・・しない・・・・んですか・・・・?」
「・・・・へ?」
「だ、だって私・・・・呼ばれたようなものですし・・・・」


真っ赤になってそう言ってくる彼女に、ちょっと驚きつつ、その可愛さに思わず噴出してしまった。
そのまま彼女を抱きしめ、髪にキスをすると、「今日はしない」とだけ告げる。
でもその言葉には驚いたように顔を上げ、「それじゃ困ります・・・・」と泣きそうな顔をした。
その顔、凄く可愛いし、マジでそそられるんだけど・・・・でもやっぱ今日だけは出来ないんだ。


「いいじゃん、たまには何もしないで一緒に寝るだけでも。それにあんな怖い思いした後で、気持ちいいセックス出来るはずないし?」
「え、いえ、私は別に・・・・そんなのは――――」
「ダ〜メ!オレさ、に気持ちいいと思いながら、オレに抱かれて欲しいんだよね。じゃないと、オレも気持ちよくないし」
「・・・・そっそう・・・・なんですか・・・・?」


オレの言葉には真っ赤になってしまった。


「お、男の人って・・・・女の人がその・・・・そうならないと・・・・気持ちよく・・・・ないんですか・・・・?」
「・・・・はい?」
「え?」


・・・・オレの言葉をどう解釈したんだろう?と首を傾げたくなった。

まあオレとしては精神論を言ったつもりなんだけどは肉体的な事としてとったようだ。
いや、ぶっちゃければオレだって、そんな気持ち最近まで知らなかった。
相手がどうであれ、ヤる事をヤれば男は何でも気持ちいーし、女が痛がろうが、泣こうが、気持ちいー事に変わりはない。
だけどを抱いてる時、気づいたんだ。
オレの愛撫で彼女が反応してくれれば嬉しくて、痛そうな顔をしてれば気になって、こっちも気持ちよくなんかないって事に。
今までのオレからしたら、まさに有り得ない事だけど、でもに限っては、そう感じたんだから仕方ない。


「あ、あの・・・・私・・・・何か変なこと、言いました・・・・?」


顔を真っ赤にしながら聞いてくるに、オレは溜まらず吹き出した。
オレが笑った事で彼女は更に赤くなったけど、さっきの話を上手く説明する自信はないから、勘違いされたままでもいいや。


「な、何で笑うんですか・・・・?」
「ごめんごめん・・・・つーか…って、マジ可愛いー」
「・・・・・っ」


子供にするように頭を撫で撫ですると、は赤い顔のまま、僅かに唇を尖らせた。
これでもスネてるらしい。


「わ、私、子供じゃありません・・・・」
「うんうん、ごめんね?」


可愛い抗議をする彼女の頬に、ちゅっとキスをすれば、はますます、「バカにしてます・・・・」とスネてしまった。
でもそんな顔されたらどうしても意地悪したくなるオレって、やっぱ根っからのSなのかも・・・・。


「そんなスネんなよ」


僅かに膨らんだ頬を指でつつくと、はハッとしたように、「す、すみません」と謝ってくる。
これには本気で笑ってしまった。


「なーに謝ってんの?」
「だ、だって・・・・」
「いーんだよ。そんな、かしこまらなくて・・・・オレ、には普通にしててもらいたいし」
「普通・・・・?」
「そ、普通、自然のままのを見ていたいなーなんて・・・・」


言った後でちょっとだけ後悔した。
何かオレ、とてつもなくキャラ違う気がしてきたし。
でもさ、何となく、そう思ったんだ。
飾ってない、普段ので向き合って欲しい、なんてガラにもないけど。

今のままのが好きだから――――



「・・・・・っ?」
「・・・・どうしたんですか?」


何か今、一瞬で顔が熱くなった。 もしかしてオレ、顔赤くない?
つーか・・・・"好き"って何だよ・・・・。
オレ・・・・のこと・・・・好き、なのか?


「あ、あの・・・・ベル?」


何も応えないオレに、が心配そうな顔をしてる。
せっかく名前を呼んでくれたんだから、何か応えたいのに。
心臓がドキドキして、何かオレ、おかしいかも。


「どこか具合でも悪いんですか?顔・・・・赤いです・・・・。もしかして熱でも――――」
「だ、大丈夫っ。何でもないから、ここにいて」


慌ててベッドから抜け出そうとするの腕を掴んで、そのまま胸の中に収めた。
まだドキドキしてるから、きっとにも聞こえてるだろう。


「ベル・・・・?」
「少しだけ・・・・このままで」


そう呟いて彼女を強く抱きしめた。
気づいたばかりのこの気持ちを、ハッキリ言って持て余してるから、もう少しだけ考えたいんだ。

でもホントは・・・・もっと前から気づいてたのかもしれない。
感じた事のない感情だったから、戸惑ってただけで、本当は・・・・。

こんなオレは"らしくない"って、もう一人のオレが笑ってる。

でも彼女を抱きしめるだけで、こんなにも幸せと感じてるオレは、結構、いいかもしれない。












ベル第二弾ですが、何となくベルが似非臭い?いーやー(゜ε ゜;)


励みになるコメント、ありがとう御座いました<(_ _)>




■ヒロインの清潔さとウ゛ァリアーのメンバーの優しさがとてもおいしくってもうマジおいしくってもう萌ェェェェ〜!!(超危)(中学生)
(ヲヲー嬉しいお言葉、ありがとう御座います!何気に似非ベルスク(略すな)ですが、そう言って頂けるとホントに励みになります!


■頑張ってください(高校生 )
(ありがとう御座います!)




2007:7.15