07-特別なのはお前だけ
※3P的な性的描写あり
ヒルズで買い物をして、蘭ちゃんは前に「買ってやりたい」って言ってくれた可愛いルームウエアを。竜ちゃんは前から欲しいなと思ってた色んなコスメを買ってくれた。その後にヒルズのスーパーでアレコレ食べる物を調達して、マンションに戻ると「少し早いけど夕飯にすっか」って蘭ちゃんが言い出して、いつもの如く三人で飲みながら食事をした。
「ん、この生ハムうま。も食う?」
「あ、食べたい」
スーパーで蘭ちゃんが「食べたい」と言って買ってた生ハムはとんでもない値段だったけど、色艶が見たことないくらい綺麗な色で香りも最高だ。早速食べようと箸を伸ばすと、何故か生ハムの方からわたしの口元へ寄ってきた。
「ほら」
「え?」
「食わせてやるから口開けろよ」
蘭ちゃんは笑顔で生ハムをわたしの口元へ持ってくる。改めて口を開けるのは恥ずかしかったけど、生ハムの誘惑に勝てず、そっと口を開けると、蘭ちゃんが箸で上手に生ハムを食べさせてくれる。食べた瞬間は口内に香ばしい味がじわじわ広がって、思わず「おいひい…」と言葉が零れた。
「だろ?これまた買ってこよ。ワインにも合うし」
「つーか、、このチーズも美味いから食ってみ」
「え?あ…」
今度は竜ちゃんがわたしの大好きなチーズを口へ運んでくれる。普段はオレ様の二人がこんな風に甘やかせてくれることが、どことなく気恥ずかしい。これじゃホントに"オヒメサマ"かもしれない。
「うん、これも美味しい…とろとろ」
さすがセレブ御用達のスーパー。ちょっとした物が高級レストランで出て来る物とあまり大差ないくらいに美味しい。数か月前は毎日カップ麺ばかり食べてのに、二人のおかげで今はこんな贅沢な物を食べられてることが信じられなかった。
ああ、幸せ…なんてシミジミ思ったのがいけない。不意に感動の涙がじわりと目に溢れてきた。
「あ?何で…涙ぐんでんの」
「何か…前の生活を思い出して…今、幸せだなあとシミジミ実感してるとこ」
ぐすっと鼻をすすると、二人は互いに顔を見合わせ、それからまたわたしに視線を戻す。
「こんなことくらいで幸せ感じるとか…可愛いな、は」
蘭ちゃんは眉をへにょっと下げて困ったように笑いながら頭を撫でてくれる。この大きな手に触れられると、胸の奥がまたきゅんと音を立てる。何とも言えない安心感に包まれるせいだ。
「いや、でもの前の生活はマジで酷かったって」
竜ちゃんは前に住んでたわたしの悲惨な部屋を思い出したのか、苦笑いを浮かべた。会社が倒産してショックのあまり一週間は呆然自失で過ごしてた気がする。だから毎日してたお掃除も洗濯も何も手につかないくらい未来が不安で仕方なかった。それでもお腹は空く。ただ作る気力もお金もなくて、ついつい安売りのカップ麺に頼っている日々だった。
「まあ…ハタチの女の子の部屋じゃなかったな…もガリガリでやつれてたし、マジ心配すぎてオレが貧血になったわ」
苦笑気味の蘭ちゃんの言葉を聞いて、そう言えばドアを開けて久しぶりに顔を合わせた時のことを思い出した。確かに蘭ちゃんは真っ青になってその場にしゃがみこんでしまったっけ。あれ貧血起こしかけてたんだ。
「まあ、あの悲惨さを考えると、が今を幸せって感じるのは分からなくもねーな」
竜ちゃんも納得したような顔で頷いて、わたしの頭を撫でると「もっといっぱい食えよ」と今度はから揚げを取ってくれた。それも口へ入れると、また美味しい幸せに包まれる。その次はまた蘭ちゃん、次は竜ちゃんと交互に食べさせてくれるから、どこか餌付けされてる気分になってきた。まるでヒナにえさを与えてる親鳥のようだ。
だから、ついつい調子に乗って注がれるままワインも結構飲んじゃったし、頭がふわふわしてくる。だけど明日は新しいバイトの初日だから二日酔いでいく訳にもいかない。
「蘭ちゃん、竜ちゃん、わたし、明日は初日だからそろそろ寝るね」
「え、もう寝んのかよ」
自分のグラスを持って立ち上がると、蘭ちゃんは驚いた顔でわたしを見上げた。わたしだって二人とまだ飲んでいたいけど、やっぱり"バイト初日"というプレッシャーが重くのしかかってくる。せっかく受かったんだから、今度こそ長続きさせたいのだ。
「まだ9時すぎだろ。早くねえ?」
「竜ちゃん…」
「明日のバイトは何時から何時まで?」
「えと…見習い期間の間は午前10時から午後の4時までかな」
「じゃあ、そんな急いで寝る必要ねえじゃん。今夜は久しぶりに家にいんのに」
「蘭ちゃん…」
寂しそうな蘭ちゃんの顔に挫けそうになる。確かに最近は二人とも忙しくしてて夜はいなかったから寂しい思いをした。でもここで少しくらいと飲み続けたら、明日の朝えらいことになる気がした。そこは心を鬼にしてグラスと空いたお皿をキッチンへ運ぶ。
「今からお風呂入って何だかんだしてたら10時過ぎちゃうし…お酒も飲んでるから念の為に早寝したいの」
「えー…」
「変なとこ真面目だよなァ、は」
竜ちゃんは拗ねたように目を細めてワインを煽ってる。でもわたしは真面目というより、甘い誘惑に乗ってしまえばズルズルと甘えちゃう自分のダメダメな性格をよーく分かっている。だから明日からのバイトに慣れるまでは、きっちり自制しなくちゃと思っているだけ、だったりする。
「ごめんね。じゃあお風呂入ってくるね」
両手を合わせて二人に謝ると、バスグッズを持ってバスルームへ向かう。その時蘭ちゃんが「あ、じゃあさー」と言いながら、さっき買い物してきた袋を手に歩いてきた。
「早速これ着て見せて。今夜はピンクのやつ」
「え、あ…さっきの」
「これ着たとこ見せてくれたら寝ていいから」
「あーオレも見たい!」
そこで竜ちゃんまでが振り向いてソファの背もたれへ顎を乗せている。
「あれ、絶対似合うって。着て見せて」
「う…うん。分かった」
その紙袋を受けとって頷くと、蘭ちゃんは嬉しそうにわたしの頭を撫でた。実はわたしも早く着たいなあと思ってたからちょうどいい。
(初めて蘭ちゃんに選んでもらったかも…)
そう思うと少しドキドキした。何かのイベントの時にわたしが欲しいと言ったものを二人が買ってくれることは多いけど、選んでもらったことはない。
(似合うといいなあ…)
袋の中からそれを出すとすぐ着れるようにタグなどは外しておいた。それからしっかりお風呂に入って、最後はアルコールで火照った体に温めのシャワーを浴びる。ふわふわ感はあるけど、今から寝ればお酒は抜けるはずだ。
「じゃあこれ着てみようかなー」
髪もきっちり乾かしてから新しい部屋着を身につける。前のと似たようなノースリーブのワンピースタイプだけど、生地の肌触りが全然違う。ピンクベージュの優しい色合いで、肩紐の部分は少し幅があって控え目なフリルが可愛いし、ゆったり開いた胸元には細かいギャザーが入って細いリボンが通されている。しかも何も着てないみたいに軽いから着心地も最高だ。
「これ、いいなあ。毎日着れちゃいそう」
蘭ちゃんはこれの他にも色違いや、別タイプの部屋着を何着か買ってくれた。でも今夜はピンクのがいいって言ってたからこれでいいはず。
「似合って…るかな…」
鏡を見ながら後ろを確認したりしてみる。ただちょっと気になるのは、やっぱり胸元だ。大きく開いてるけど胸が足りないせいで微妙に浮いてしまう。サイズはピッタリなのに胸元が緩いってどんだけと思いながら少しだけ落ち込んだ。
その時、ドアの向こうで「、まだ?」と竜ちゃんの声が聞こえてきた。きっとドライヤーの音は止まったのに、なかなか出て来ないから何をしてるのかと思ってるんだろう。すぐに「今行く」と応えてから脱衣所を片付けてリビングに戻った。
「ど、どう…かな」
ソファで寛ぎながらお酒を飲んでる二人の方へ歩いて行くと、蘭ちゃんと竜ちゃんは同時に振り向いて、同じような顔をした。
「おー!かーわいい!!すげー似合ってんじゃん」
「マジ、それな。やっぱ兄貴の見立ては確かだな。よく似合ってんぞ、。すんげー可愛い」
「そ、そう?良かった…」
二人に褒められてホっと胸を撫でおろす。やっぱり何歳になっても褒められるのは気分も上がるし嬉しいと思う。しかも可愛いを連呼されると自己肯定感が爆上げ状態だ。普段は低すぎるから余計に心もウキウキしてくる単純なわたしがいる。
そう言えば昔から蘭ちゃんも竜ちゃんも誉め上手だった。
「じゃあ…わたし、寝るね。二人とも今日はホントにありがとう」
役目は果たしたとホっとしたところで、そのまま自分の部屋――クローゼット兼物置だけど――に行こうと歩き出す。でも不意に腕を掴まれ、グイっと後ろへ引っ張られた。
「ちょ、蘭ちゃん…?」
後ろからぎゅっと抱きかかえられて仰ぎ見ると、ソファに座ってた蘭ちゃんの膝の上に座らされてた。あげく手を握られて指先に口付けられたことでビクリと手が跳ねる。
「な…何?蘭ちゃん…」
「ん-…やっぱの可愛い姿見たら我慢出来ねえんだけど…」
「え」
「ダメ…?」
「なな何が…ぁっ」
「しよ」
後ろから耳をペロリと舐められて声が跳ねる。ついでに蘭ちゃんの低音でそんなことを言われたせいで首筋がぞくりとした。
蘭ちゃんの言う"しよ"…って言葉の意味は…トランプ、とかじゃないのはわたしにだって分かる。
「おい、竜胆。早く来ねえとオレだけで食べちゃうけどー?」
「え?あ!」
キッチンで別のお酒の準備をしていた竜ちゃんが、この状況に気づいて目を吊り上げるのが見えた。
「食べるってそっちかよ!たく、油断も隙もねえな」
呆れ顔で頭を掻きつつ、こっちへ歩いて来た竜ちゃんは、わたしの前にしゃがんで目尻に浮かんだ涙を指で拭いた。
「なあ、…」
「り、竜ちゃんまで…?」
頬に手を添えられ、ドキっとした時にはくちびるを塞がれていて、すぐに柔らかい舌が絡められる。深く貪るように口内をかき回されて、本当に食べられてる感覚になった。その間、蘭ちゃんは耳に舌を這わせながら、せっかく着た部屋着の肩紐を下げて露わになった胸を後ろから揉みだした。
「…んっ」
すでに硬くなっている胸の先端を指で擦られて、その刺激に耐えられず声が出てしまう。
「何か…感じやすくなってね?可愛い声、出てんじゃん」
「そ…そんな…こと…」
「そうそう。ヤダヤダ言わなくなったしな」
「…ひぁ…っ」
竜ちゃんはスカートをまくり上げ、下着の隙間からすぐに指を滑り込ませると直に触れて来る。あまりに強い刺激に腰が跳ねてしまった。
「ん…あっ」
「はは、もうトロトロ」
ちゅぷっと指がゆっくり挿入されて声まで跳ねる。そこを解すように抽送しながら竜ちゃんはすっかりツンと上を向いた乳首の先をペロリと舐めてきた。
「、脚震えてる。そんなに気持ちいい?」
蘭ちゃんが耳輪に舌を這わせながら耳元で囁く。胸も、耳も、あそこも色んな場所を同時に愛撫されて、身体が一気に上り詰めていく気がした。
「じゃあもっと竜胆に触ってもらう?」
「え…ぁっ」
蘭ちゃんの腕が後ろから伸びてぐいっと足を開かされる。その前に竜ちゃんの顏があるからカッと顔が熱くなった。
「すでにのここ凄いことになってっけどなー」
「ゃ…っぁ」
「やっぱ、三人でする方が好きなんじゃねえの」
竜ちゃんは言いながら抽送する指を速めた。ぬちゅぬちゅと卑猥な音がしてきて恥ずかしさのあまり顔が燃えるように熱くなる。なのに甘い刺激の誘惑には勝てなくて、二人の愛撫に意識が持っていかれてしまいそうだ。
「そ、そんなこと…ない…ぁ!」
こんなのダメだって、今でも思ってるのに。
「こんな特別扱いだけだから」
「…んっ」
「……っ」
蘭ちゃんに耳元で特別だと言われた瞬間、竜ちゃんの指を締め付けてしまったようだ。竜ちゃんが欲の孕んだ瞳でわたしを見上げてくる。
「すっげえ締め付け…兄貴に特別扱いされて嬉しいみてーだな」
「ち、ちが…」
「マジで…?そんなこと言われるとコーフンすんだけど」
「…ぁ…ら、蘭ちゃん…?」
腰に当たってた硬いものが、またいっそう大きくなった感覚にドキっとした。
(蘭ちゃんの…当たってる…)
蘭ちゃんは後ろからぎゅっとわたしを抱きしめてこめかみにくちびるを押し付けた。
「ずっとお預けされてたせいで、限界かも」
「…え……ぁっ」
腰を掴まれ、前のめりにされると、背後でカチャカチャとベルトの外す音がする。それだけで鼓動が跳ねてしまった。
「今日は焦らしてる余裕ねえから」
蘭ちゃんはそう言いながらわたしを竜ちゃんの方へ倒すと、「竜胆にちゅーしてもらって」とわたしの顎をつかむ。それには目の前の竜ちゃんがニヤリと笑って「だってさ」とくちびるを塞いできた。
「…んんっ」
「しょうがねえから今日は兄貴を立ててやるよ」
「……っ」
「さんきゅ」
蘭ちゃんはそう言った瞬間、後ろから昂ったものを押しつけて、ずぷりと挿入してきた。その圧迫感に声が跳ねた気がしたけど、全て竜ちゃんの口内へ飲み込まれていく。
「…ん、ん!」
一気に貫いてきた蘭ちゃんの熱が、奥の深いところへ当たってゾクゾクとした快感が全身を駆け巡る。思わずくちびるを離すと、竜ちゃんは「ダメだろ、。ちゃんとキスしてなきゃ」とまたくちびるを塞がれた。その間も後ろから腰を打ち付けられ、重なり合う部分から卑猥な音が漏れ聞こえてくる。
「待っ…ぁ…あっ」
蘭ちゃんに中を擦られながら竜ちゃんのキスで酔わされる。脳内が沸騰して何も考えられなくなりそうだった。こんなことはいけないって分かってるのに体は勝手に上り詰めていく。
「…まだこういうことすんのいけないって思ってんの…?」
「…ん…っ」
背中に覆いかぶさってきた蘭ちゃんは後ろから耳を舐めながら甘い声で囁く。その声にぞわっと肌が粟立って言葉がすぐに喘ぎに変わってしまう。
「いいだろ。一緒に溺れても」
蘭ちゃんの手に顎を落ちあげられて後ろを向かされる。そのままくちびるを塞がれると、蕩けてしまいそうだった。その時、竜ちゃんがわたしの耳をペロリと舐める。
「オレも兄貴もにしかこういうことしねえから」
耳を舐めながら竜ちゃんの声が鼓膜を震わせる。ぞくぞくしたものが背中に走って、ナカをきゅっと締め付けてしまった。そのせいで蘭ちゃんがツラそうな吐息を洩らす。それすら扇情的でまた繋がってる部分が収縮してしまった。
「…く…マジで…分かりやすくて可愛いな、オマエ…」
「…や…ぁっ」
一度引き抜いてまた奥まで腰を押し付けてきた蘭ちゃんの熱が、ナカのどこかに当たってビリビリとした快感を連れてくる。そのせいで自然と背中が反りかえってしまった。
「ハァ…ヤバ気持ちいい……奥の子宮口にオレのが当たってんの分かる?」
「や…イ…ちゃう…っ」
蘭ちゃんのいう場所を何度も突かれると、頭がクラクラして何も考えられない。次第に蘭ちゃんの動きが激しくなって、また最奥をずんっと突かれた時、大きな電流のようなものが全身を駆け抜けて目の前が真っ白になった。
「…ン…ぁあっあ」
「……大丈夫か?」
絶頂に達して力の抜けたわたしを、蘭ちゃんが後ろから優しく抱きしめてくれる。ぼやけた視界には竜ちゃんの顏がぼんやりと見えてた。
「…気持ちいいって顔してる」
「わりい、…余裕なくて激しくしすぎた…」
頬にキスをされ、蘭ちゃんの優しい声が聞こえる中、「まだだぞ、。次はオレの番だから」と言う竜ちゃんの声が耳を掠めていった。

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