訳アリ彼氏の彼女になる



存在理由が欲しかった。わたしがこの世に存在していいよって言ってくれる誰かが欲しかった。そしたらその人がこの世界に在る限り、わたしはそれを理由に生きていけるから。

人は死のうと思ってもなかなか死ねないものだ。理性が働く限り、恐怖を感じたり、後のことを考えたりして、いつまで経っても死の淵に辿りつけなくなる。逆に理性があるなら自分はまだ大丈夫とも思う。でもじゃあ、自分発信じゃなくて他人の力を借りたらどうだろう。例え怖いと思っても、後のことを考える暇もないまま命を奪われる。自分の意志とは関係なくこの世界からバイバイ出来るんじゃない?そうだよ。これだ。

「……いいこと思いついた」
「ん?何か言ったかい?」

つい脳みその中で考えてたことが口から出てしまったようだ。隣にいる店長がこっちを見た気配がする。

「いえ、何も」
「そう?ああ…今日もまた来てるな…この辺でよく悪さしてるらしいよ。暴走族って言うの?そーいうチームに入ってるんだって」
「へえ…」
「あの黒金の髪で首にタトゥー入れてる子は何度も傷害事件起こしてるみたいだし、ちゃんも気を付けなよ」
「…はあ」

店長は溜息交じりでボヤくとバックヤードに歩いて行く。わたしはカウンター内でひとり、店の前でたむろしている三人の男の子たちへ視線を向けた。彼らはこの辺の中学校のいわゆる不良だ。バイク乗りまわしては誰かを殴って捕まったり捕まらなかったりしてるらしいから、もしわたしがケンカを吹っ掛けたらボコボコにしてくれるかもしれない。

「ぎゃははは!でさーこの前の女がまたヤバくてー」

大きな笑い声が外から響いて来るのを聞きながら店の前にあるゴミ箱を片付けに外へ出た。

「一虎、オマエはあの中じゃ誰がタイプだったんだよ」
「…オレ?いねえな。オレ、ああいう尻軽そうなの好きじゃねえの」

さっき店長が話してた黒金頭の男が何かほざいてる。見た目はお尻の軽そうな女の子は大歓迎って顔してるクセに。っていうか自分も軽そうなのに。最近の中学生ヤバ。内心ツッコミながらゴミ袋を引っ張り出して新しいのと交換していく。

「でも一虎、あの子とヤることヤってんじゃん」
「それとタイプは別っしょ」
「それなー。じゃあさ、どんなんがタイプなわけ」
「オレぇ?オレはまあ……例えば…」

もう一つのゴミ箱も新しい袋に交換してふと顔を上げると、黒金頭の男と目が合った。店長の言う通り、首には虎か何かのタトゥーと、耳に鈴の形をしたピアスが揺れてる。でも正面から見てちょっと驚いた。その男の子は見たこともないくらい綺麗な顔をしていたからだ。その黒金頭が何故かわたしを指さした。

「ああいう子」
「は?マジで」

(――は?マジで?って、それわたしの台詞なんだけど。からかってるだけのクセに)

「地味すぎじゃね?」
「そこがいいんだよ。何もかも終わりみたいな顔してるっつーか」

(…終わっててすみませんね。っていうか本人目の前にして失礼すぎだし。どうでもいいけど、ここで絡んだら不自然かな…)

その時、その中の一人が放り投げた空き缶が綺麗な弧を描いてわたしの方へ飛んで来ると、頭にカコンっと当たった。

「あ、ヤベ。ごめんねー!彼女」
「………(これはチャンスか?」

どうキッカケを作ろうかと思ってたけど、これなら自然に絡める。

「あの…」
「あ?」

ウンコ座りしている男の子たちの前まで歩いて行くと、目の前に立って三人を睥睨してやった。

「いい加減にしてもらえませんか。毎日毎日うるさいんですけど」
「あ?オマエ、ケンカ売ってんの?それとも殴られたいのかよ」
「どっちもですかね」
「はあ?舐めてんのか、テメェ」

三人のうち一番小柄な坊主頭の男がわたしの胸倉を掴んで来た。これで死ぬまでボコボコにしてくれたらわたしは救われる。

「ちょっとコッチ来いよ」

坊主頭の男がわたしをコンビニの裏へ連れて行こうとする。それを見ていた黒金頭は「アホくさ」とひとこと呟いて立ち上がった。

「おい、一虎来ねーのかよ。この女、タイプなんだろ?ヤらせてもらえよ」
「別にいいわ」
「はぁ~?何でだよ。一緒に行こうぜ」

サッサと歩いて行く黒金頭の男に向かって、もう一人のロン毛の男が追いかけようとしたその時、黒金頭が目の前のゴミ箱を足でドゴンっと蹴り飛ばした。

「しつけーよ!」

何故キレてるのか謎だ。でも黒金頭が歩いて行ってしまうのを見た残りの二人は、掴んでいたわたしの腕をサッサと放して「オイッ待てって」と黒金頭を追いかけて行ってしまった。

「……はあ…失敗か」

ポツンとひとり取り残されたわたしは溜息交じりで夜空を見上げた。新宿からほど近いこんな汚い街の上空じゃ星なんか見えやしない。

(また死ねなかったなぁ…)

空しい思いだけが残って、わたしは片付けたゴミ袋を手に、店内へと戻って行った。






2.

オレが生きてる意味って何だ――?
今日もそんな答えの出ない自問自答をしながら、いつもの帰り道を辿る。大勢で騒いでも、誰かを殴っても、女を抱いても満たされない。若い身空で人生積んでる気分だ。
オレが犯した罪を正当化する理由が欲しかった。誰かのせいにしていれば、自分の犯した罪から目を反らしていられる。そんな空っぽの心を埋めてくれる誰かの温もりが欲しかった。誰かにこんなオレを救って欲しかった。人殺しのオレを、救ってくれる人間なんているはずもないのに。

気づけばいつも立ち寄るコンビニに来ていた。この場所は安心する。例え見知らぬ他人でも、誰かしら人がいると安心するなんて変な話だけど、24時間営業サマサマだ。
適当に商品を手にしてレジへ行くと、オレと同じように全てが終わってるような顔をしている女がいた。その顏を見た瞬間、一昨日の夜のことを思い出した。

「いらっしゃいませー」

何とも気持ちの入ってない「いらっしゃいませ」だなと思いながら、手に持っていた飲み物や弁当を女の前に置いた。

「オマエってドМなの」
「…あ…この前の…」
「どーも」

女はオレのことを覚えていたようだ。

「いえ…違いますけど」
「ちげーの?何かされたがってたじゃん」
「あー…それは単に死にたかっただけで――」
「は?」

よく知りもしない女にいきなり死にたい宣言をされて唖然とした。

「色々問題を起こしてるあなた達にケンカを売れば、案外サクッと死ねるかなぁなんて思ったのに、あなたの友人はわたしよりあなたの方が気になったようですね。お箸付けますか?」
「は?どういう意味。あー箸付けて」
「はい。――そのままの意味です。あなたの顔色ばかり窺ってるように見えたし」
「ああ…それは…オレが院帰りだからじゃね」
「…そうですか」

女は特に興味もないような顔で袋に弁当と箸をつめていく。その顏をボーっと見ていたらふと気づいた。一昨日の夜も、そして今も。女の顔には絆創膏が貼られていた。

「これ、どした。この前もケガしてたよな」
「あ、ちょっと…」

オレが頬に触れた瞬間、驚いたのか、彼女はお釣りの小銭を床にぶちまけた。

「あー…」
「あーワリ」

しゃがんで小銭を拾いだすと、彼女も同じようにしゃがんで拾い出す。その様子を見ながら「その傷も死にたい理由の一つ?」と尋ねてみた。彼女が顔を上げて表情のない目でオレを見つめる。彼女の目はどこか、昔のオレと似ていた。理不尽な暴力に支配されていた頃のオレと。

「はい…っていうかコレが元凶ですね。今どうやったら楽に死ねるか考え中です」
「…バーカ。楽に死ねる方法探すやつはいつまで経っても死ねねーよ」

軽く彼女の額にデコピンをかますと、不意に彼女は額を擦りながら笑みを浮かべた。

「ほんと、その通りですね」
「………(お…笑った顔もかわいー)」

その時初めて彼女の笑顔をみれた。その後、お釣りを受けとってコンビニを出ると、何気なく夜空を見上げた。

「はー…マジで…タイプかも」

いつもなら何も見えないくせに、今夜は一つだけ黒の中に輝きを放っている小さな星が見えた気がした。
この日からオレは何となく帰りに彼女のいるコンビニに寄って帰るようになった。客がいたら軽く挨拶だけして帰る。客がいなかったら少し話してから帰る。それが彼女のバイトの終わる時間だったら、彼女を家まで送っていく。今までの日常にそんな時間が出来ただけで、不思議といつもの頭痛はしなかった。

(だり~。3限目から出るはずが放課後って…家で寝てりゃ良かった)

ある日の午後。欠伸を噛み殺しつつ街中を歩いていると、前から人混みをかき分けて女が走ってくる。見覚えのある制服に自然と目が向いた瞬間、走って来た女がオレの胸元にしがみついて来た。

「あ?オマエ…か?」

あのコンビニの彼女はといった。オレよりも一つ年上の高校一年生で、あのクソオヤジがオレに行かせたがってたこの近くの進学校に通っているらしい。まさかこんな場所で会えるとは思ってなかったけど。

「一虎くん…助けて…」
「…あ…おう…」

しがみついてくる彼女にガラにもなく心臓が音を立てて顔が熱くなった。っていうか何ではこんなに震えてんだ?オレの胸元に顔を埋めているからよく見えねえけど、肩がぶるぶると震えてるのが分かる。どうした?と聞こうとした時、その答えが彼女のあとから走って来た。

「おい、何知らねえ男に媚びてんだよ、!」
「早く来いよ!」

綺麗にメイクをした制服姿の女が二人、無理やりの腕を引っ張って連れて行こうとする。それを見てカチンと来た。

「知らねえ男じゃねえんだけど」
「……あ?」
「な、何よ、コイツ…」

思い切り睥睨すると、女二人は後ずさって「行こ」と言いながら戻っていく。でも振り返って「覚えてろよ、っ」と捨て台詞を吐いて行った。不良には見えないが、この様子じゃ彼女の傷の原因は――。

「チッ。何だ、アイツら」

走って逃げていく女どもを見て舌打ちすると、腕をギュっと掴まれた。

「おい、どうした…」
「わ、わたし…生きてますよね…」
「あ?」
「し…死ぬかと思った…」

そう言って顔を上げた彼女の顔も、よく見りゃしがみついていた手も傷だらけで、かなりの暴力を受けたように見えた。とにかく憔悴している彼女を放って帰るわけにもいかず、そのまま促して歩き出すと、学校近くの川原へ連れて行った。

「落ち着いたか…?」
「…うん」

は震えが止まったのか、今はボーっと目の前の川を眺めている。このまま入水自殺でもしそうな勢いだ。

「ってか…アイツらか。いつもオマエに暴力振るってんの」
「…うん」
「ってか…原因は?何でイジメられてんの。やっぱ根暗だから?」
「ち、違う」
「冗談だよ。んじゃー他に理由は?」

笑いながら顔を覗き込むと、は僅かに目を伏せて話し出した。

「……前に…話したでしょ。ウチの学校のこと」
「んあー進学校だろ?」
「うん…でもわたし、勉強についていくのがやっとで…それでよく連帯責任制のテストがあるんだけど…わたしのせいでビリになっちゃって…さっきの子達は同じグループの子なの。二人はいい点数取ってたんだけど、周りからバカにされたみたいで、それからわたしのせいだって言ってお金要求して来たり嫌がらせされるようになった」
「へえ…オレが行かされそうだった学校はクソばっかなんだな。良かったわ、年少入って」
「え、一虎くんって見た目と違って頭いい…?」
「何げにシツレーだな、オマエ」
「ご、ごめん」

オレが睨むと、は慌てて俯いた。まあでも普通はそう思うよな、誰だって。髪の色抜いて、首には虎のタトゥー。耳にはピアスじゃ進学校に行こうとするヤツには見えねえだろうし。
その日の夜は何となく、買い物っていうより彼女を送ってやりたくてコンビニまで迎えに行った。そしたら開口一番、

「え?勉強教えて欲しい?」
「…うん」
「いや、待って。オレ中3、アンタ高1」
「そーなんだけど…わたし、中3からやり直して勉強した方がいい気がして来たんだもん」
「え…そんなバカなの、
「…む。どーせバカですよ」
「………(可愛い)」

口を尖らせてぷいっとそっぽを向く彼女はオレの心臓にドストライクな直球を投げてきた。

「いいけど…でもオレ、最近は勉強なんてしてねえぞ」
「でも一虎くん、頭いい気がする」
「……いや、そんな曖昧な勘で頼られても」

と言いつつ、教科書どこにしまったっけ?なんて考えてるオレがいて。気づけば「いいよ。うち来る?」と聞いていた。その瞬間、何故かの頬がかすかに赤くなった。

「え、一虎くんち?」
「おー。だって、どこでやんだよ」
「ど、どこでやるって…」
「あ?下ネタじゃねえから。期待されても」
「し、してません…っ」

今度こそ真っ赤な顔で慌てる彼女に、思わず笑みが零れた。

「いいから着替えてこいよ。さみーわ」
「う、うん」

それから10分後、彼女は着替えて外に出て来た。待ってる間に買っておいたホットコーヒーを渡して「お疲れ」と声をかけると、はふわりとした笑みを浮かべた。あまり笑わない彼女の笑顔は貴重だ。

「ありがとう…」
「いえいえ」
「何気に優しいよね。一虎くんって…」
「そりゃ…オレだって好きな子には優しいですよ」
「あ…あ…そ…なんだ」

どさくさに紛れてシレっと言えば、は驚いたような顔を真っ赤に染めた。少しは伝わってくれたらと思いながら、メッセージアプリのIDを交換する。女に対してこんなに時間をかけてるのは初めてかもしれない。って、オレも何だかんだマジになってんのか?らしくもねえけど。

それから彼女を送って、オレも家に帰るとまずは教科書探しから始めた。そこから彼女に教える辺りを勉強していく。最近はまともに勉強してねえからどうなるかと思ったけど、やり始めると昔の勘が戻って来た。元々覚えはいい方だ。その合間に彼女とメッセージのやり取りをしながら、気づけば寝ていたらしい。起きた時には朝だった。今日は休日だから昼に彼女と待ち合わせをして、オレのマンションへと連れて来た。普段からそんなに散らかしてはない方だけど、何かヤバいもんなかったよな?くらいは確認したくなる。は部屋に入ると、室内を見渡して不思議そうな顔をしてた。

「お邪魔…します」
「適当に座ってて」

冷蔵庫を開けての好きな缶コーヒーを出す。その間もは辺りをキョロキョロして落ち着かない様子だ。

「なにジロジロ見てんの?あ、男の部屋初めてとか」
「そ、そうだけど…何か?」
「いや、別に…(ってことは今まで男いなかったのか?)」

少し顔がニヤケそうになったのを隠しながらソファに座ると、は「一人暮らし…なの?」と訊いて来た。

「あー…オレ、親に見放されてっから」
「え…?」
「言ったろ。年少に入ってたって」
「あ…うん」

は気まずそうな顔で隣に座った。ここで言うべきじゃないのかもしれない。だけどこの時、何となく彼女には嘘が付けなかった。

「オレ、人殺してんの」
「…え?」

あっさり告白すると、の顏が固まった。きっと罪状が殺人だとは思っていなかったんだろう。

「まあ…そんな反応になるよな」
「え、あ…ご、ごめん。でもそうじゃなくて…」

は首を振ると、「何でかなって…思ったの」と呟いた。その一言に、今度はオレの方が驚かされる。オレが人を殺した理由なんて、誰も聞きたがるやつはいなかった。それはそこまでオレに興味がないからだ。年少帰り、それだけでハクがつくと思ってるアホな連中はオレにくっついて来る。チームの奴らみたいに。

「一虎くんが無意味に人を傷つけるような人には見えなくて…」

そう言ってくれるはオレのことを知りたいと思ってくれてるんだろうか。こんなオレのことを。

「オレさ…ガキの頃…父親に暴力受けてたんだよ」
「え…?それって…」
「そ。DVってヤツ。まあ、あのクソオヤジは躾なんて定番中の定番を口にしては殴る蹴るのオンパレード。お袋にも手を上げるようなクソ野郎だった」
「え、ってことは…お父さん…を?」

オレの話で勘違いしたが驚いたように訊いて来た。そうだな、本当なら、あのクソオヤジを殺すべきだった。そしたら、こんな罪悪感なんて微塵も持たなかったのに。

「残念ながら…違う。まあ…こんな暗い身の上話されても困るよな」
「そんなこと…」
「オレのこと…怖くなった?」

気になっていたことを尋ねると、はすぐに首を振ってくれた。

「そ…良かった」

思っていた反応とは違って心の底からホっとした。最悪、ビビったが部屋を飛び出して帰った後は、そのまま二度と会えなくなると思っていたから。

「じゃあ…この問題から解いてみて」
「え?あ、うん」

急に勉強モードになったせいか、が慌ててノートを広げる。でも寝不足だったせいで急激に眠くなって来た。

「わりぃ。オレ眠いからちょっと寝るわ。分かんないとこあったら起こして」
「あ、うん」

真剣に問題と睨めっこしてるを見て苦笑しながら、オレはベッドに横になった。多分ものの数秒で寝たと思う。せっかく部屋にが来てくれてるってのに睡魔に勝てなかった。でも一時間くらいした頃、「一虎くん…ごめん」という声が聞こえて、ふと目が覚めた。

「…ん…?」
「ちょっと分かんないとこがあって…」
「…どれ?」

目を擦りながら起き上がると、の後ろからノートを覗き込む。その時、彼女の細い肩が視界に入って、後ろから包むようにノートへ手を伸ばした。

「どこ?」
「あ、あの…こ、ここ…」
「字、ちっさ!見えにくいんだよ」

なんて言いながら「ここは――」と説明しようとした時、俯いていた彼女が真っ赤な顔でオレを仰ぎ見た。

「あ、あの…か、一虎くん…」
「あ?」
「……恥ずかしくて死にそう」
「………」

見れば耳まで赤くなっていて、思わず後ろからぎゅっと抱きしめてしまった。

「ひゃ、あ、あの一虎くん…?」
「はー……かわいー…」
「ぇ…っ」

は急に固まってジっとしている。だからこの時ばかりは素直に思ったことを口にした。

「あのさ」
「は…はい」
「……オレと付き合う?」
「…へ」
「ん?」

抱きしめながら首を傾げて彼女の顔を覗き込むと、は真っ赤な顔を両手で隠して「…うん」とひとこと言ってくれた。

「死んだ?」
「…う……死にたくない……って初めて思ったかも」
「上等」

くしゃりと頭を撫でれば、可愛い笑顔を向けてくれる。
オレが一番、欲しかったものを、がくれた気がした。





訳アリ先輩の逆パロを一虎で笑