父、ハリソンの独り言(?)






私の変わった家族達を紹介する前に自己紹介をしておこう。
私の名はハリソン。ハリウッドで、『ACTOR』という仕事をしている。
それなりにキャリアもあり実績も積んできた。
まあ、自分で言うのも何だが、私の名前を一度くらい聞いた事のある人は世界中でも多いと思う。――私の作品を見る見ないは別として――


突然だが私は子供が好きだ。
特に男の子が、出来れば9人欲しかった。
―――何でって?そりゃ野球チームが作れるからさ。誰でも憧れるだろう? ―――え?そんな事はないって?まあ、いい。
そんなに子供が欲しいなら「結婚しろ」とも友人や家族から言われた。
だが…"人生は恋愛に始まり、恋愛に終る"がモットーの私に"結婚"の二文字はない。
結婚なんてしちまったら、他の女性とは恋愛が出来なくなる。一生、同じ女性が相手だ。
そんな事はまっぴら、ごめんなんだ。それに浮気するというのは私のポリシーに反する。相手の女性も悲しませるし良い事なしだ。
それなら最初から結婚なんてしない方がいい。


それでも…子供は欲しかった。

だから私は養子をとる事にした。ある色々な事情から親が育てられなくなって養子に出された子供たちを自分の養子にしたのさ。
もちろん男の子ばかりをね。最初は1人…そして手が離れてから、また1人…と養子にしていったんだ。
だが…思った以上に子育ては大変だった。
私の所へ来た子達は皆が生まれたての赤ん坊だった。
だから最初から世話をしなくてはならない。
何もかもが初めての経験だ。オムツを変えたり昼寝をさせたり、お風呂へ入れたり…そのうち仕事にまで影響し始めた。
夜泣きがうるさくてセリフが頭に入らなくなってしまったんだ。ACTORがこのザマじゃ失業してしまう。
だから私は信用の出来るベビーシッター兼、家政婦を雇った。 ――その女性、名はエマという――
エマは本当によくやってくれた。彼等の母親代わりをね。
だが彼女一人で子供を何人も面倒みるのは大変だし、私もそろそろ限界を感じていた。
9人なんて無理な話だと今更ながらに気づかされたのさ。
だから4人目で、野球チームを作る夢を断念した。


そんな時、私はとある作品で一人の、かけ出しの女優と出逢った。
彼女は日系アメリカ人の女性で、ルーシーという。
彼女も、ある事情から子供を育てられない状況で生まれたばかりの女の子を抱えて困っていた。
彼女は私が養子を迎えているとの話を聞いていたのだろう。
その女の子も養子にしてくれないかと頼んできた。
私は女の子を養子にする気はなかったのだが…
彼女の事情を聞いて、その頼みを受け入れた。
「いつか迎えに行くから…」 
そう言って彼女は忽然と消えてしまった。自分のエージェントにさえ何も言わず。
私は彼女との約束で、引きとった女の子はあくまで私がまた、どこかの親に養子縁組を希望して引き取ったという事にしておいた。
マスコミは私の子供好きを知っているので別に、またか…くらいにしか思わなかったようだ。
ハリウッド俳優というやつは、少々常識外れな事をしても別に驚かれないらしい。

そして初めて女の子を男だらけの家へと迎え入れたのだが…
初めての女の赤ちゃんが家に来ると、男の子だけの生活と違って私も予想以上に可愛くなってしまった。
本気で嫁には出さないと誓ったくらいだ。そしてそれは今でも思っていることだが…。
上の男の子―兄たちも、その女の子を、「天使みたいだ」「我が家のお姫様だね!」 と言って可愛がった。
そりゃ、もうベタベタに甘やかしながら。各言う私も同類なのだが…。
それでもその女の子―娘は素直ないい子に育ってくれたと思う。普通なら我がまま放題な子供に育ってもおかしくはないのに。
こうして、この全員が血の繋がりが全くない変な家族が出来上がったというわけだ。

そして…変な家族ついでに、もう一つ変な事がある。
それは…私の影響からか息子達も皆、ACTORという職業についたということ。
娘はACTRESS。
そして全員が、それなりに成功して今では若手の中でも自分の地位を確立している。
そう…ハリウッドスターというやつだ。これには、マスコミも黙ってはいない。
私が何人も養子をとった事では小さな記事にしかならなかったのだが、その子供たちがACTORになり、
しかも人気なんて出てきた日には、マスコミが飛びつくのも当然だろう。
少しづつ大きく取り上げられるようになり、今ではタブロイド誌に、"今月のハリソン一家"なんてコーナーまで出来る始末。
家族全員が血の繋がらない他人で、あげく全員がACTORという仕事をしているというのが、よほど珍しいのだろう。
最近ではテレビでも新聞でも、私の一家は、「Precious Familys」 という形容詞で扱われる事が多くなった。
そんなこんなで私の家族の事情も全てアメリカ全土の人にまで知られることとなったのさ。

まあ、子供達には小学校へ上がる頃、養子だという事は話してある。
なので今更、それがバレたからと慌てるような事はなかった。
逆にそれを利用して、さらに自分を売り込んだ長男のレオには、私ですら感服する。
彼の冷静で、かつ頭の回転の良さには、いつも驚かされる。
そして…私と同じで女性にやたらとモテるのだが…。 ――と私は思っている―ー
常にガールフレンドが数人いる辺りは私とは似ていない。 ――私は恋多き男だが、その時は一人だけを愛するのだ。その辺が違う――

だが、クールで色々な女性と本気ともつかない恋愛をくり返しているレオでも本気で愛情を持って接しているのは妹のに対してだけだろうと私は思っている。
とにかくには甘い。
これ以上のない優しさを彼女に与えているように思う。
知らない奴が見たら、恋人同士かと思うほどだろう。
が初めて我が家へ来た日から、大事に面倒を見てきたのはレオだからということもあるのだろう。
が我が家に来た時、レオは、すでに6歳だった。
他の弟達は、まだ小さかったので、よく分からないまま、その赤ちゃんを見ていたという感じだったが、レオは一番瞳を輝かせて、
「天使みたいだ」 と、何度も嬉しそうに言っていたのを覚えている。
それでも、その言葉に反応して、「我が家のお姫様だ」 と呟いていたのが、当時4歳のオーランドだった。
どこでそんな言葉を覚えたのか…よくエマが読んであげていた絵本からだったのだろうが、
そう言ってまだ赤ちゃんだったに、ひっきりなしにキスをしていた。
今思えば、オーランドのスキンシップジャンキーは、この頃からだったように思う。
それでレオに、「僕のにキスするな!」 と怒られるのも今と同じだ。それでも彼はめげないのだが――

このオーランドはレオとは正反対で、かなり明るく育ってくれた。人なつっこい笑顔で誰とでも仲良くなれる。
だが顔に似合わず危険な遊びが大好きで、しょちゅう怪我をして病院に運ばれるのが、たまに傷だ。
オーランドも、かなりモテる方なのだが、レオほど起用ではないのと、やはり妹にベタベタなのでよく振られているようだ。
まあ、自分のガールフレンドに、妹の事を、「My Little Girlがね!」 などと言って自慢するんだから振られるのも当然のように思うのだが。
そのうち一人はオーランドが、からの電話に、「My Little Girl!」 と嬉しそうに出たことから誤解されてこっぴどく振られたと聞いた。


――ある意味、私はオーランドが一番可愛いよ…その情けない所がね。


情けないと言えば、オーランドは二男のクセによく三男のジョシュからも説教をされている。
ジョシュもレオとはまた違った意味でクールなのだが、こいつは情にも厚く何より優しい。
兄弟の中では一番優しいんではないだろうか。それにシッカリしている。
それゆえに彼もまた女性にはモテる。前はガールフレンドもいたようだが…今はフリーのようだ。
妹のと一緒に出かけることの方を優先しているくらいだからな。
彼もまたにだけは特別優しい男だ。ベタ甘なんてものじゃない。あれじゃあ、本気の恋人なんて作る暇もないだろうな…。
若いんだから大いに恋をしろ!と私も常々言っているのだが…。


若いといえば四男のイライジャ。彼もまたヤンチャで人懐っこい明るさを持っていて、その辺はオーランドと似ている。
だが彼は少々情けないオーランドとは違って、ある意味かなり器のでかい男なのかもしれない…と思うことが多々あった。
あっけらかんとした性格が際立っていて、周りがヒヤヒヤするような事でも、イライジャだけは、ケロっとしていたりする。
小さい頃、私やレオ、ジョシュの前で車にひかれた時も無傷で起き上がり、それでも泣くかと思った私達の心配をよそに、
ケラケラと笑い出し、「あーびっくりした!」 と言いのけ、また何も変わらぬ様子でサッカーボールで遊び出した時は、
さすがに私達も唖然とさせられた。
それは大人になっても変わっていないようで、この前オーランドとイライジャの兄弟共演でも話題になった映画の撮影中、
彼は何と高い階段から落ちたというが、本人は、またもケロっと立ち上がり、ケラケラ笑って、

「だいじょぶ!だいじょぶ!あービックリした!」 

と、あっけらかんと言って監督やスタッフを驚かせたという。
撮影から帰って来た時に、オーランドが言っていたが、「リジーってある意味器が大きいなと思ったよ!きっと俺なら"痛い〜"って叫び倒すかも」 と苦笑いしていた。
それには私も心の中で、そっと頷いたものだった。
イライジャは末っ子のよりも9ヶ月先に生まれ我が家へと来た。
だから少しだけお兄さんなのだが、同じ歳というのもあり、とは本当に仲がいい。まあ、たまにはケンカもしているようだがすぐ仲直りをする。
彼もまた年上キラー張りにお姉さん系にモテるようなのだが、今は恋より遊びの方が面白いようだ。
将来は、「音楽レーヴェルを作るんだ」 と同じ趣味のと盛り上がっていたりする。


このはというと…やはり我が家のお姫様だろう。
小さな頃から、4人のナイトに守られて幸せに育ってきた。
その割には変に我がままでもなく、明るく素直に育ってくれている。それに謙虚で誰よりも頑張り屋だ。
皆に続いてACTRESSになろうと決めた時もコネなど一切使わず自分で劇団に入りながらも色んなオーディションを受けまくり、
4年前に若手ACTOR、ACTRESSのキャストで作られたホラー映画でデビューした。
オーディションに受かった時は泣いて喜んでいたっけ。
は我が家では唯一の日系人だが、その水晶のような黒い瞳と長くて奇麗な黒髪が独自の魅力を漂わせている。
そのせいで彼女もまた男性にモテまくりなのだが、心配性の兄4人が、常に目を光らせているので、
なかなか恋人も出来ないらしい。前に聞いたらそうぼやいていた。
その気持ちも分かるが私も、かなり心配なので、まだまだ恋人なんてつれてこないで欲しい。
そんな男を連れて来たら、思わずパンチをいれてしまいそうだ。
もちろん、それは私だけじゃなく、レオ、オーランド、ジョシュ、イライジャ達も同じことをするだろうが…。
の恋人は大変だ。
計5人の男から、パンチを受けなければならないのだから…。
いや…そんなものでは済まされない…きっと皆ではがいじめにして……
あんな事や、こんな事まで…が、その男を嫌いになってしまうように…………








「…さん!お父さん?」

私はいきなり肩を叩かれ、思わずソファーから飛び上がった。
振り向くと、そこには私の愛娘、が少し心配そうな顔で立っている。
私は一つ深呼吸をすると無理やり笑顔を作った。

「ど、どうした?」
「もう…何度呼んでも降りてこないから心配しちゃったわ…」

呆れた顔で肩をすくめると、が苦笑いしている。

「もう仕事に行く時間でしょ?車が迎えに来たわよ」
「あ、そ、そうか…。もう、そんな時間か?早いな…」

私は迎えを待つ間、部屋で台本を読んでいたのだが…。
さっきまで読んでいたはずの台本が足元に落ちていた。
私は慌てて、それを拾うと仕事へ出かけるため着替えるのにクローゼットを開けた。
はそれを確認すると私の部屋から出て行こうとしつつも振り返り、

「あ、私、暫く今日からオフだから」 

と嬉しそうに私に言ってくる。

「そうか!良かったな?この前までハードだっただろう?ゆっくり休めばいいさ」
「うん、そうする。ちょっと寝不足続きで体もだるいし…久し振りに家でノンビリするわ」

は笑顔で、そう言うと私の部屋を出て行った。
私は溜息をつくと素早く外出用の服に着替えた。
そして寝ぼけた顔をパンっと叩き、仕事の顔へと変える。
そう。何のことはない。さっきまで迎えがくるの待つ間、私は、うたた寝をしていただけの話だ。
それをが呼びに来たというわけだ。
私は夢の中で、の母親の言葉を思い出していた。


"いつか迎えに行くから…"


その言葉を思い出すと、ふと、うすら寒くなり私は軽く頭を振った。
今更、そんな事があるはずもないよな…。20年も音沙汰がないんだから…。

そう心の中で呟き、私は静かに自分の部屋を後にした。
一応出かける前にリビングへと顔を出すと、暖炉の前で本を読むと、その周りを固めるように我が家の王子たちが寛いでいる。

「あ、父さん、出かけるの?」

に、まとわりついてレオに足蹴にされているオーランドが私を見て言った。

「ああ、お前達は?今日は仕事はないのか?」
「あ、俺、今から顔合わせなんだよね!"パイレーツ…"の!だからルネッサンスホテル途中まで乗っけて行ってよ!父さんが行くスタジオの途中だろ?」
   「離れろ、オーリィ…」
「それはいいが…何でお前は自分の車で行かないんだ?」
「帰りに、ドムやビリー達と飲みに行く約束をしてるんだ。車で行ったら帰り困るだろ?」
   「この手、離せって…!」
「ああ、そうか。分かったよ。じゃ、もう出るが用意はいいのか? ――ああ。それと…いいかげんを離してやったらどうだ?そんなに蹴られてるんだから…」

と、私は少し呆れ顔で言った。
さっきから本を読んでいるに腕を絡めて甘えているオーランドに対し、の後ろに座っているレオとジョシュがオーランドの腕を離そうと
必死になって蹴ったり、こづいたりしているのだが…。一向に懲りない様子で離れないのがオーランド。
も慣れたもので、それを軽く無視して本を読んでいる。
が、その時、顔を上げると、私の方を見た。

「父さん?マイクがイライラして待ってるわよ?きっと」
「え?ああ、そうだな!じゃ、オーランド!早く来なさい」

マイクとは私のマネージャーである。
その私の言葉にやっと重い腰を上げたオーランドは、「じゃ、行ってくるね!My Little Girl!」 と、の頬へキスをした瞬間、更にレオとジョシュに、「「キスするな!」」 と蹴りを一発づつくらっている。

「い、痛いな!!ほんとにレオもジョシュも足癖悪いったら!!」 

と、オーランドはブツブツ文句を言いながら私の方へと歩いて来た。
それでも、に、「オーリー、行ってらっしゃい!」 と言われて、途端にニヤケ顔になり、「うん!」 と返事はしたものの、その後に、
「あ、ジョニーに宜しくね!サイン貰ってきてね?というか仲良くなってね?」 と言われると、一気に嫌な顔をした。

…俺も彼は尊敬してるし憧れてるけどさ…が彼のファンなのは納得いかないな…」
「ええ?何でよ?だってオーリーが最初に彼の映画を見に連れて行ってくれたんじゃないの」 

が首を傾げる。
それを聞いていたレオとジョシュ、そして今までコミックを黙々と読んでいたイライジャも顔を上げて、ちょっと嫌な顔をしてオーランドを見た。

――全く…余計なことをしやがって…というような目つきである。

はインタビューにも、憧れのACTORを聞かれると、「ジョニーデップです」 と答えているくらいに、彼のファンだった。
なので今回オーランドと共演が決まった時は大いに感激し喜んでいたのだが、オーランドや他の兄達もそれには複雑だったようで、


「だいたい、は彼のどこがいいんだ」 


と影で言い合っている日々。ようするに、ただの焼きもちではあるのだが…。


「じゃ、行って来る」


私は朝から兄弟ゲンカに付き合っていられるほど暇じゃない。
オーランドの肩を抱くと、「さ、行くぞ?遅れてしまう」 と言って、まだ、「、行って来まーす!」 と手を振っているオーランドに、「ジョニーはベテランなんだし…くれぐれも迷惑かけてくれるなよ…」 とボソっと呟いた。


私とオーランドが急いで車に乗り込むと、マイクが、「おはようございます!」 と待ってましたと言わんばかりに車を発車させた。

「ああ、マイク。オーランドを途中のルネッサンスホテルで降ろしてやってくれ」 
「あ、はい。分かりました」 

それだけ言うと私は、さっき途中まで目を通していた台本を広げると、再びセリフを頭に入れていく。
それを邪魔するように、オーランドが話し掛けてくる。

「ねえ、父さん。今度の映画はサスペンスだって?」
「ああ、そうだ。お前はディズニーなんだろ?どうしてだ?最初、あんなに渋ってたじゃないか。娯楽作品っぽいし…とか言って…」
「ああ、そうなんだけど…。やっぱり憧れのジョニーデップと共演できる機会を逃す手もないし…それに…」
「それに?」

私は台本から顔をあげてオーランドを見た。

「…がディズニー大好きだろ?それでディズニー映画に俺が出るのを見たいな〜って言うもんだからさ!」

オーランドは急に、デレっとした顔になり、一人でニヤけている。

「お前…相変わらずには弱いな?それじゃまた彼女に振られるぞ?この前パパラッチされた若手女優とはまだ続いてるんだろ?」
「まあね。でも、それとこれとは別さ!は誰より大事だし、彼女だって"妹なんだし仕方ないわ"って言ってくれたからさ」
「そんな事言って…前の彼女だって最初は物分りいいこと言ってたけど結局最後にはお前の事をシスコン呼ばわりして去って行ったじゃないか」
「そうなんだけどさ…。俺とのことで口を出してくるようなら振られたっていいんだよ。これから先も大切な順番が変わることはないし」

それを聞いて私は溜息をついて、また台本へと目を戻した。
全く…自分の彼女より、妹が大切なんて言ったら、そりゃ振られるのも無理はない…。
私だって家族や、唯一の愛娘は誰より大切に思っているが、それを敢えて恋人に言ったりはしないしな。
そんな事を考えつつ、チラっとオーランドへ視線を戻すと彼は首からジャラジャラとぶらさげたネックレスを笑顔でいじっていた。
それはから貰ったものを、(主にペンダントヘッドや奇麗な色の小石等だが)一つ一つチェーンに通していったもので、
どんな些細なものでも、から何かを貰うと、そのネックレスへと通していくのがオーランドのクセだった。
まあ、失くさないようにというのと、いつでも見につけてお守りみたいにしているのだろう。
実際、オーランドが身につけているアクセサリー類は、殆どがからのプレゼントだ。
手首のバングルにしろ、指輪にしろ…。

(全く、恋人かっちゅーのに…)

私は心の中で苦笑しつつもそんなオーランドが可愛かった。
ま、今度の彼女に振られるのも時間の問題だろう…。
その時は、またに泣きつくんだろうな…。
それを想像すると、知らず笑いが込みあげて来る。

「…父さん?何ニヤニヤしてるのさ?」 

オーランドは不思議そうな顔で私を見た。
私は一つ咳払いをすると、「べ、別に…」 と呟き、また台本を読み始めた。
そこに車が止まり、マイクが、「ルネッサンスにつきました」 と振り返る。

「あ、ありがと!マイク。じゃ、父さん、行って来るよ」
「ああ、頑張って来い。くれぐれも皆さんに失礼のないようにな?」
「分かってるよ…子供じゃないんだからさ…。 ――父さんも撮影、頑張って!」
「ああ、じゃあな」

私は車を降りてホテルの中へと駆け込んでいくオーランドの姿を見ていた。
ホテルのロビーに、オーランドのマネージャーが待っていて二人でエレベーターへと歩いて行くのを見届けると、「マイク…出してくれ」 と言って車のシートへと寄りかかる。
マイクが静かに車を出すと、私は窓の外に見えるハイランド駅の賑やかな人並みを、暫くの間、眺めていた…。

(今夜も…遅くなりそうだ)

小さく溜息をつくと、また台本を手に取った…。












新しい家族夢です〜(笑)
ちょっと思いついちゃって…エヘv
これは、よくハリウッド映画とかでもありそうな「ファミリー&ラブコメディー映画」っぽくしたいのです…(笑)
なのでテーマソング使っちゃったりしました。アハハ。
ちょっとコメディー路線になるかもしれませんね。

まず第一話は父親のハリソンのお話から・…
ちょっとプロローグっぽくしてみました。なので少し短め。
次からレオ、ジョシュ…と兄弟で続いて、それが終ると普通に一話完結で
お話をスタートさせようと思っております。
こんな夢のような家族に入りたいわ!と思って、つい書いてしまいました(笑)
これも血の繋がりはないのですが全員なんで笑える・・・^^;
どんな家族やねん!って思われるでしょうが、これも「夢小説」ならでは…って事でvv
自分もハリウッド女優とかの生活に興味があったのでヒロインも今回は女優に
してみました。どんなもんでしょーか?

家族設定で、ちょっと説明しますと、ハリソンはジョシュ同様に
私もインディージョーンズシリーズで子供の頃のヒーローだったもので
父親を考えている時に、この人しかいない!と決めてしまいました(笑)
ハリ的〜でジョシュとも共演しているし…
それと、レオ様は、「家族夢T」でキャラが気に入ってしまったもので
今回も登場ですv
オーリー、ジョシュ、イライジャは説明はいりませんよね(笑)
コメディー路線で頑張って書いていきたいと思いますv(たまにシリアスなお話もあるかもですが)
宜しくご愛読の程をお願いしまーす^^