恋愛偏差値〜ある日の朝〜










ハリソン





私は眠い目をこすりながらベッドから出ると一気にカーテンを開けて窓も開け放った。

「う〜ん…朝の空気は美味しいなぁ…」

思い切り吸い込んで、そう呟く。
少し体が固くて軽い運動をして首をコキコキと鳴らすと次第に体も温まり、ほぐれてきた。

「はぁ…夕べは最悪な夜だったからな…」

独り言を呟き、軽く頭を振ると、夕べの騒ぎが目に浮かぶ。

私が帰って来るとリビングでは酒盛りが始まっていた。
私はヴィゴに掴まり、一緒に飲み始めたのはいいが気付けば、あの小僧(ドム)が私の大事な(高級な)ブランデーを、グビグビ飲んでて、思わず後頭部に鉄拳をくらわせていた。
なのに、あの小僧は、よりによって私の事を、"お父さん"などと呼びながら縋りついてくるし、おかげで私の玉のお肌が総毛だったぞ!

全くオーランドも一緒になって酔っ払って、「待ってろ、ライアン、ケンカ上等だぁ〜!」 とワケの分らない事を叫んでいるし、今度の映画のセリフか?
イライジャはイライジャで、"そろそろシアタールームの工事を頼んでいい?"とか聞いてきて一人マイペースだし、
頼みの綱のレオナルドとジョシュはいないしで…もう、ほんとに大変だった…。
ヴィゴも普段は冷静で大人なんだが酒が入り、の事になると、もう手に負えん…っ。
"そろそろデートに誘いたいんですが・…お許し願えますか?お父さん(!)"などと、あいつまでが私を、"お父さん"呼ばわりだっ
私はお前等のお父さんじゃない!と言いたい。いや言ったけど…。

その後は、が戻って来て、更に大騒ぎだ。
も珍しく飲みたいと言って来たので私のお酒を飲ませたんだが・・(もちろん愛娘になら、どんな高級な酒でも飲ますのだ)
少し元気がない気がした。まあ、それでもオーランドに、まとわりつかれ、更にドム、ヴィゴと…

はぁ…本当にモテる娘をもつと父さんは心配だよ…
まあ、ドムにいたってはイライジャがキッチリ、押さえ込んでを守っていたし、ヴィゴもデートに誘うとか言う割に、
なかなか声がかけられないようだったが・…ああ、彼はオーランドにからまれて、それどころじゃなかったんだっけ?

私はそんな事を考えつつ顔を洗い、朝食を頼みに行こうと部屋を出た。
そして階段を下りながら、ふと思った。

ん?あの後はどうしたんだろう…?
私は眠くなったので先に自室へと戻ってしまったが…ちゃんと皆、帰ったんだろうな…?
あぁ…きっとリビングは嵐の去った後のように散らかっている事だろう…エマに掃除して貰わないと…

私は、そんな事を思いつつ、リビングのドアを開けて中へと入った…






「う……っっっ!」






私は目の前の光景を見て唖然とした。


「な、何なんだ、これは…っっ」


目の前には嵐が去った後…じゃなく―――――まだ"嵐がいた"。




「こ、こいつら結局…泊ったのか?!」




私は呆然とリビングに寝転がっている彼等を見て、そう吐き捨てた。

そう…私の憩いの場であるリビングには…まず…ソファーの上にはヴィゴが、
テレビの前の大きなクッションに、ドムと何故かオーランドが抱きしめあうようにして寝ていた(!)しかも…


「……酒くさい」


そう呟き、私は顔をしかめた。

夕べの酒の匂いがリビングに充満していたのだ。私は慌ててリビングの大きな窓を開け放った。
少し新鮮な空気を入れて、ホっとすると同時に、後ろを振り返る。どうやらとイライジャは、ちゃんと自分の部屋へ戻ったようだな…
しかし…オーランドは何をしてるんだっ。

私は朝から気分が台無しにされたのでイライラしながら、グッスリ眠りほうけてる我が息子の足を思い切り蹴飛ばした。
だが全く起きる気配すらない。なので私は、もう一度、今度はグーで頭を殴った。




ゴィンッ!!




「んぃったぁ…っっ」


鈍い音と共に、オーランドが叫んだ。

「おい、起きろ、オーランド!」
「ぅぅう…っ」

変な唸り声をあげて、もそもそと動くオーランドに、もう一度グーをお見舞いしようかと思った時、
オーランドが目をパチっと開けて私を見る。

「んぁ…あれぇ…?父さん?」
「あれぇ?父さん?じゃない!!起・き・ろ、こらぁ!」

私は朝から余計な体力を使って、大きなオーランドの体を無理やり引っ張り起こした。

「ぃたた…っ。痛いよ…ふぁぁぁああ…っ。はぁ…気持ち悪い…」

オーランドは大きな欠伸をしながらも酒が残っているのか顔をしかめている。

「ふん、あんな飲んだんだから二日酔いにもなるさ!それより!これは、どういう事だ?」
「ヘ?何がぁ?」
「何がぁ?じゃないだろう?何で小僧を泊めてるんだ!に、もしもの事があったらどうする気だ!」
「えぇぇ?!」

私の言葉に、オーランドは驚いた顔をして後ろを振り返っている。

「うわぁっ!ド、ドム?!な、何で俺の隣に…っ!!」
「何言ってる…寄り添って寝てたぞ?」

私の言葉に、オーランドは軽くへこんだようだった。

「はぁ…思い出せない…。くそぅ…こんなのレオに知れたら、俺、また鉄拳くらうよ…。しかもジョシュのと合わせて二つ…」
「そうだろうなぁ?仕方ないだろう?とにかく顔を洗って来い!思い切り酔っ払いの顔だぞ?朝から見たくない」
「ふぁ〜い…」

オーランドは、のっそり立ち上がると、二階の自分の部屋へと歩いて行った。

「ふぅ…さて…。こいつはどう料理しようか…(!)」

私は目の前で、ぐがーぐがーっとイビキをかいている小僧を見下ろし、考えた。
そして何も小細工なしで、そのまま小僧の鼻を、むぎゅっと摘んだまま待つこと数秒……


「………んぐ…っ!んぐぐぅ……っっっ!!」



変な呻き声と共に小僧がジタバタと暴れ出し、目をぱちこんと開いた。

「ふぁ…っっ」

「おはよう?ドミニクくん。いい朝だね?」

私は彼の鼻を摘んだまま、ニッコリと微笑んだ。彼は、だんだん顔が真っ赤になっていって、


「んふぅーーーっふぐぁーっ」


と変な声を上げている。

(ふふふ…そろそろかな?)(悪魔)

私は殺人犯になる前に彼の鼻をそっと解放した。

「んがぁーーーーっはぁはぁはぁ…」

彼はすぐさま飛び起きて必死に息を吸っている。
何気に摘んでやった鼻が赤い。

「やっと、お目覚めかね?ドミニクくん」
「ふ、ふぁい…っ。お父様!」
「ぬ…私は君の"お・父・様・"で・は・な・い!と夕べ、散々言っただろう?まだ分ってないようだね?」

そう言って私が、もう一度彼の鼻に手を伸ばそうとした時、彼は慌てて後ずさり、

「I....I'm sorry!!Mr.ハリソン…!!」

と言って怯えた顔をした。

「ふむ。それで宜しい。では、とっととヴィゴを起こさないかっ」
「はいぃぃっ!!」

私の声で、彼はピョコンと立ち上がって、すぐにソファーで寝ているヴィゴを起こしにいった様子。
私はホっとしてキッチンへと向かう途中、何やら後ろで、「んぐ…っふぐ…っ」と言う変な声が聞こえてきた。


まあ、彼がヴィゴに何をしようと私には関係ないんだがね?


私は少し気分が良くなり鼻歌なんぞ歌いながら、リビングを後にした――











オーランド





「ふぁースッキリ!!」

僕はシャワーを浴びて気分爽快でベランダに出た。
濡れた髪をバスタオルで拭きながら、ベランダにあるチェア―に腰をかける。

「あ〜…飲みすぎた…。久々に気持ち悪いや…ふぁぁ…」

そのまま欠伸をしつつ目を瞑る。

あれ?僕…夕べはに会えたんだっけ?心配で飲みながら待ってたはずなんだけど…記憶がない。
夕べはスケコマ氏ライアン(!)と再会したんだよなぁ、きっと…大丈夫だったのかな…

「う〜ん…心配だっ」

僕はチェアーから勢いよく立ち上がると、自分の部屋を出て、の部屋へと向かった。
そのままノックもせず部屋に入る。

「ぬ…薄暗い…。まだ寝てるのかな?」

僕はスタスタと寝室まで行くと、そこは静かに開けてみた。
ドアの隙間から顔だけ入れて中を覗いてみると、ベッドの上に小さく丸まった姿が見える。
僕はニコっと笑顔になると、足音を忍ばせて寝室へと入った。
薄暗い部屋の中に、のスース―という寝息が、かすかに聞こえる。僕はベッドの端に腰をかけ、の顔を覗き込んだ。
ギシ…っとスプリングの軋む音で、少しだけが顔をこちらに向ける。

…疲れた顔しちゃって…。かわいそうに…」

あのオババのせいで、は…っ!!そう思うと、また怒りが湧いてくる。
ああ…っ。僕も明日から今度の映画の撮影が始まるし…忙しくなるから、家にも帰ってこれるかどうか…困ったなぁ…。
が辛い時に傍にいてやれない兄貴なんて兄貴失格だぞ、オーランド!

自分で自分を怒ってみながら、の可愛い寝顔を見て、軽く頬にキスをした。
そして、そのまま、そっとの隣に潜り込んで優しく抱き寄せ額にもキスを落とす。

「ふ〜ん、暖かい…ぬくぬく…」

僕はの体温で、また眠くなってきた。
その時、が、「う〜ん…」 と動いて、突然パチっと大きな瞳を開いて僕は思わず見惚れて顔がふにゃっと綻んだ。


「おはよう、

「………っ!!!!!」


僕の挨拶に、はパチパチっと瞬きをして、そのまま…


「キャ…キャァァァァアアッ!!!」


と叫んだ…(!)



「うぁ、?!ちょ…待って…」

「な、何してるのよ、オーリー!!驚くじゃないの〜〜〜!!」


僕はボスボスとクッションで殴られて、慌てて飛び起きた。

「ぃた…っ。ちょ…っ、ど、どうしたの?…?いつも、そんな怒らない…っあぅっ!」
「オーリーのバカー!お、おかげで変な夢、見ちゃったじゃない…っ」
「え…えぇ?な、何だよ、それ…っ?ぃた…っちょっと…?」

僕は必死にクッションを避けながらも、の言った事が気になり、そのまま彼女の腕を掴んだ。

「ご、ごめんってば!いつものサプライズだろ?」
「う…っ。わ、分かってるわよ…」

僕が必死に訴えると、もやっと落ち着いたのかクッションを離して僕の胸に頬を埋めた。
僕はホっとして、の頭にキスをすると、「ごめんね?」 と言って顔を覗き込んだ。

「ううん…。もう大丈夫…私こそ、ごめんなさい…」

は、そう言うといつもの天使の微笑みで僕を見てくれて、思わず顔が緩んでしまう。

「でも…変な夢って?どんな?」
「え…?!」

その質問にが目に見えて顔を赤くした。僕が、それを見逃す筈はない。

「ん〜?もしかして…男に抱きしめられて寝てる夢とか?!」
「バ、バカなこと言わないでよ…。ち、違うわよ…っ」

は、僕の言った事に明らかに動揺している…。
ま、まさか…ライアンに抱きしめられてる夢とか見ちゃってた?!

そう思うとジェラシーにも似た怒りが、ふつふつと僕の心から湧き上がってくる。

(くそぅ!スケコマ氏ライアンめっ!夢の中でまで、を襲うとは、いい度胸だ(!))

僕はをギューっと抱きしめて、体の中の怒りを抑えていた、その時――



…!どうし…ってオーリー?!」



寝室に慌てて飛び込んで来たのは、レオだった。

「やあ、レオ。Good morning!」
「ハァ?お前、何やって…と、とにかく、を離してベッドから降りろ!」
「えぇ?何でさ?おはようの挨拶してたのに…」
「い、いいから!」

レオは怖い顔で言うもんだから僕も仕方なく腕の中の愛しい温もりに、さよならを告げ渋々ベッドから降りた。
その時、またしてもバタバタと、うるさい足音がして、ジョシュとリジーまでがの部屋にやってきた。

「おい、今凄い声だしたのか?ってあれ?何して…」
「何やってんの?皆で…」

「い、いや別に…ちょっとサプライズしたら、思った以上に驚いちゃったみたい…ハハハ」

僕が笑って誤魔化すと、レオが僕の額をこづいた。

「ったく!この歳になってやるなよ!驚かせやがって…。、大丈夫か?」
「ええ。大丈夫よ?もう起きる時間だし…」

は、そう言ってベッドから出ると、レオ、ジョシュ、リジーの頬に順番に、おはようのキスをしていった。
皆もそれぞれキスを返している。

〜?僕には〜?」

僕がスネて聞くと、「あら、オーリーは、さっきしたでしょ?私に」とアッサリ言われて落ち込んだ。

「えぇ?だ、だってからしてもらったわけじゃ…」
「驚かせた罰!今日はしてあげな〜い」

は笑いながら、そう言うと、

「じゃ、私、シャワー入るから!」

と言ってバスルームに行ってしまった。
それを見届け、皆で部屋を出ると、落ち込んだ僕に更に追い討ちをかけるようにジョシュが怖い顔で、

「お前…夕べ、ドムを泊めただろう?!」

と言ってきた。

「え…あ、いや…泊めたってわけじゃ…あいつが勝手に寝ちゃったんだと思…」
「いいから、早く帰せ…。父さんが怒ってる…」
「え?ああ…そう言えば…。あ、じゃあ、まず…着替えて来るから…アハハ…」

と笑いながら、すぐに自分の部屋に飛び込んだ。

「おい、こら…っ!」

後ろからジョシュの声が聞こえてきたけど、無視だよ、無視!
だいたい、ドムが泊ったのだってヴィゴが泊ったのだって僕のせいじゃないっつーのっ
勝手に酔いつぶれて寝ちゃったんじゃないかっ。そこまで責任もてないぞ…いくら何でも…!

僕はプリプリしながらクローゼットを開けて服を選んでいた。
すると部屋の僕専用電話が鳴り出し、慌てて出る。

「Hello?」
『Good morning!オーリー』
「あ、アニス?Good morning!」

一応、まだ交際中の僕のガールフレンドからだ。

『オーリー、早起きね?今日までオフでしょう?』
「あ…まあ…、ちょっと朝から家の中が騒がしくてね?アハハ」

僕は笑いながら誤魔化すと、アニスがクスクス笑っている。

『その分じゃ…何も知らないのね?』
「ヘ?何が…?」
『実は私…あなたの妹さん…と今度の映画で共演する事になったのよ?』
「はい?」

僕はアニスの言葉が脳に到達するまで数秒かかった(!)

『Hello?オーリー?』
「えぇっぇえぇ?!嘘だろ?アニス!」
『何で、こんな事で嘘つくのよ?ほんとよ?夕べだって会ったんだから』

僕はアニスの言葉で本気で目が覚めた。

「え…じゃ、じゃあ…今度の恋愛ものの…?」
『ええ、そうよ?他に共演は…』
「知ってる…。ライアンだろ?」
『え?ええ…彼もいるけど…って、どうしたの?オーリィ…怖い声出して…』
「別に…。そっか…アニスも出るんだ、その映画…」
『ええ、話が来た時、すぐに話そうと思ったんだけど、オーリー忙しくて掴まらなかったし…そろそろ携帯持ってよ』

アニスは、そう言いながらクスクス笑っている。
僕はアニスが、と共演すると聞いて驚いたけど…ライアンを見張りに行くには好都合だ。

『オーリー?』
「え?ああ…ごめん」
『どうしたの?まだ寝ぼけてる?』
「いや…もう目が覚めたよ?」
『なら、いいけど!ね、今夜会える?私、仕事夕方までなの』
「え?あ…今夜…別に大丈夫だよ?」
『そう。じゃ…うちに来る?久々に…』

アニスの、その言葉に僕もちょっとドキっとした。

(そうだよなぁ…久々だし…)

「うん、OK。行くよ」

僕はすぐに返事をして、少し話した後に電話を切った。

(そうか…アニスが共演してるなら・…をライアンから守ってもらえそうだ…っそれに詳しく一日あった事とか聞けるし…)

「やった…っ」

僕は、そう呟いて指を鳴らした。

ふふふ…見てろよ?ライアン…逐一、お前の事を報告してもらうからなぁ…
に近づいてみろ…っこのオーランド様がぎっちょんぎちょんに地祇って投げてくれるっ

僕はちょっと勝ち誇った気分で、やっと、「今日はいい朝だな〜」 なんて思ったりしていた――










イライジャ




「全く…何、朝まで眠りこけてるのさ、二人とも」
「だ、だって自分だって知らない間に寝てたんだよぉぉっ。仕方ないだろ?!」
「わ、私もだ…。いやはや…夕べは飲みすぎたな…」

ドムとヴィゴは情けない顔でため息をついている。
父さんは機嫌悪いまま仕事に行っちゃったし…レオとジョシュだって、ほら…あんな怖い顔で朝食を食べてる…。

「で、でも、このエマの料理は最高だね?美味しいなぁ〜!」
「あら、ありがとう?ドム」

エマはクスクス笑いながら、の分とオーリーの分の朝食を用意している。
出来ていたのだが急遽、ドムとヴィゴの分にしてしまったからだ。

「ほんと、それ食ったら帰れよ?ドム」
「な、何で俺にだけ、そんなこと言うんだ?ジョシュ…」
「お前が一番、うるさいからだよ」
「んな…っ。お、俺のどこが、うるさいと…っ!!」
「そういうとこ」
「ぐ…っ」

ジョシュに冷たくあしらわれ、ドムは顔を真っ赤にしてトーストにかじりついている。

(あ〜あ…ほんと、これでが来たら大変だよなぁ…きっと興奮して帰らないんじゃないか?)

「ご馳走様。美味しかったよ、エマ。ありがとう」
「あら、ヴィゴ…もういいの?」
「ああ、私は、これで失礼するよ」
「え?ヴィゴ、帰るの?」

僕は顔を上げて問い掛けた。

「ああ、まあ…ヘンリーを預けたままだしね?」
「そう…。じゃ、またね?」
「ああ。お邪魔して悪かったね?」

ヴィゴは相変わらず紳士な口調で皆にも挨拶を済ませると、キッチンから出て行った。
僕は見送ろうと席を立って玄関に歩きかけた時、レオが笑いながら、

「ああいうのが、ほんと紳士って言うんだよな?ジョシュ」
「ああ、ほんとだ。誰かさんみたいに、が来るまで居座る気満々よりは高感度アップだな?」

などとドムをイジメている声が聞こえてきて僕は苦笑した。

(ご愁傷様!ドム!その二人には敵わないよ)

僕は、そう思いながらヴィゴの後を追いかけた。

「待ってよ、ヴィゴ」
「ん?何だ?リジー」

ヴィゴは出て行き掛けた手を止めると振り向いた。

「これに懲りずに、また来てよね?」

僕の言葉に、ヴィゴはふっと笑顔になると、「ああ、ありがとう。もちろん、また来るよ?」 と言って僕の頭にポンと手を置く。
そこへ我が家の”騒音”が顔を見せた。

「あれぇ?ヴィゴ、帰るの?!」
「おぅ。オーラン…」

そこでヴィゴの言葉が途切れて僕は後ろを振り向くと、ちょうどオーリーの後ろからが一緒に降りてきた。

「あら、ヴィゴ…おはよう」
「あ、ああ。おはよう、
「夕べは泊って行ったんですってね?ちゃんと客室に寝れば良かったのに」

クスクス笑いながら、はヴィゴの前に歩いて来た。
ヴィゴはすでに顔が赤くて、さっきまでの落ち着きが消えている。

「ああ、いや…。こっちが勝手に泊ってしまったようなものだからね?いいんだよ。それより…次の映画が決まったようだね?」
「え?あ…はい。来週から…撮影に入ります」
「そうか…。体に気をつけて頑張ってね?」
「はい、ありがとう、ヴィゴ」

は、きっとドムなら鼻血でも吹いていたであろう(!)可愛い笑顔を見せて、そう言った。
案の定、ヴィゴも顔はさっきより赤くなり、見惚れている。

「ヴィゴ〜?僕等の天使が、あまりに可愛いからって見つめるなよ〜」
「うっ、バ、バカ!うるさいぞ、オーランド!」
「アハハ。ヴィゴ、照れちゃって!」

オーランドがヴィゴの肩を組んでからかっている。
は笑いながら、それを見ていた。(どうやら本気にはしてないらしい)
僕はの頬に、おはようのキスをすると、「リジー、まだオフなの?いいなぁ…」 と少し悲しげに呟いた。

(夕べ…少し様子がおかしかったけど…やっぱり辛かったんだろうなあ…詳しく聞きたいけど…聞けない…)

「じゃ、またな?リジー」
「え?ああ、またね、ヴィゴ!」

気付けばヴィゴは、そう言って帰って行った。まだ、と話していたいクセに…無理しちゃって…
ま、でもヘンリーを預けてるって言ってたし、それも心配なんだろうけど…

「リジー?朝食食べないの?」

ふいにに声をかけられて驚いた。
オーリーもちゃっかりの肩に腕を回して、「リジーの分も、食べちゃうよ〜?」 なんて言っている。

「はい、はい!どうせ僕がいたって食べるだろ?」

僕は苦笑しながら、そう言うと二人の後からついていった。












ドミニク




くそぅ…っ。さっきから、ちくちくと本当に、ここの長男と三男は最悪だよ!
ま、まあ…レオは携帯に電話が入って部屋に戻ったみたいだから、少しホっとしたけど…っこの三男だけはぁぁ…!

「おい、ドム」
「は、はい!」
「何、俺の顔、じぃと見てるわけ?」
「え?あ、いや〜男前だなぁ〜って思って。アハハっ」

俺の誉め言葉にノックアウトされたのか、ジョシュの奴は思い切り下を向いたと思った瞬間…


「はぁぁ…」

「…っ!!」


(って溜息ついてるし…っ!チ…。俺様をバカにしやがって…)


「あら、ドム。おはよう」


「……っ?!」


(その小鳥が囀るような美しい声は…っ!!!)


「あ、…!お、おはよう!」


俺はダイングへ入って来たを見て、すっかりジョシュの拷問から立ち直っていた。
しかしは、ジョシュの隣に座って、おはようのキスを頬にうけているっ!俺は思わず持ってたフォークを力いっぱい曲げてしまった…(!)

(ふんっ。ジョシュもデレデレしやがって…! )(いや、お前も)

あ…あぁぁぁあっ!あんな抱きしめて、こともあろうに、俺様の天使をひ、膝の上にぃぃ〜〜っ!!
も嬉しそうに、ジョシュの頬にキスをしている…っ俺のための唇だぞぉう?!(違う)
しかもジョシュの奴、何気に俺を見てニヤっと笑ってるし!絶対に、わ・ざ・とだ・ろぉう!うらぁっ!

「ちょっとドム…」
「な、何だ?リジー」
「何、怖い顔して…さっさと食って帰れよっ」
「む…っ。親友に向かって帰れとは何だ、帰れとは!」
「だってドムがいたらトラブルの元だからさぁ…。ジョシュも機嫌悪くなるし…。僕もが心配だよ」

俺はリジーの言葉に悲しくなった。

「何だよ…皆してさ…。俺はが…好きなだ…ふぐっ」

いきなり口を塞がれて俺は驚いた。

「ふぐぐぅ〜〜〜っ」
「しぃ!ったく…何をいきなり言うんだよ…っ。聞こえちゃうだろ?」

リジイーは俺の口を押えた手を少しだけ離した。

「き、聞こえるように言ったんだよっ。いいんだ、は俺の想いを全て分かっている」
「は?」

俺の言葉に、リジーは顔をしかめた。

「ふふん、ジェラスィーか?リジー」
「はあ?まさか!何で僕がドムなんかにジェラスィーを感じないといけないわけ?」
「まぁまぁ、照れなさんなって!そりゃも俺のこと少なからず想ってるからだよ」
「…………」

リジーは急に黙ってしまった。
俺は勝ち誇った気分で、


「まあ…あの俺を見る熱い視線を見れば分る。もきっと俺のこ…」

「ドムってさ……。偏差値低いよね?」

「な、何だと?!」


突然、俺の言葉を遮るかのように、冷たく言い放たれた言葉は俺のナイィ〜〜ブな心にグサグサっとナイフで刺さった。
なのにリジーは苦笑交じりで、

「だから、まあ、ドムに関して言えば…恋愛偏差値ってとこ?」
「な、ど、どういう意味だよ!」
「どういうって…そのままだよ!」

イライジャは意味深な笑みでニヤっと笑うと、鼻歌を歌いながらコーヒーを飲んでいる。
俺はジョシュと楽しそうに話しているを見ながら、恋愛偏差値って…何のことだ?what????

暫くの間、俺はそれについて考えていた…。ジョシュに追い出されるまでは―――
















「はぁ〜用意しないと…」

私はそう言ってダイニングの椅子から立ち上がった。

「今日は…何の仕事?」

ジョシュが、どこか心配そうな顔で聞いてきた。

「えっと…脚本家の人と会って、どんな役なのか具体的に聞いてくるの。そろそろ役作りしないとね」
「そっか…。じゃあ、今日はだけ?」
「うん、そうよ?」
「そっか…」

何だかジョシュは、ホっとした顔で微笑んだ。
私は首を傾げたが、「じゃ、用意してくる」 と言って自分の部屋へ向かった。

「はぁ…」

つい溜息が出てしまう。
夕べの動揺がまだ残ってるようだ…
ライアンの言葉が…ずっと頭の奥で響いてる。


"会いたかった…"


そんなこと今更言われても困る…
私から去って行ったのは…ライアンじゃないの…。

そう思っても、よく考えれば、あの時の状況はお互いに好きで別れたも同然だ。
仕方なかったとは言え、その事実が私を苦しめてる…そして、きっとライアンのことも…
でも彼にはリリーという奥さんがいて…どうしようも出来ない。
私は…新しい恋をするべきなんだ。

「よし…っと」

私は着替えを終えて簡単にメイクもすると廊下へ出た。そろそろ迎えのスタッフが来る頃だ。
今日から、私にはテリーじゃなく、最近事務所に入った新人のスタッフがつくことになっている。
昨日、その新人をテリーに紹介だけしてもらったが、印象は何となくクールな感じの男の子だった。

?」
「あ…レオ…出かけるの?」

ちょうど部屋を出てきたレオが歩いて来た。

「俺もこれから仕事!は?今日はどこ?」
「私は今日は脚本家の人のとこ」
「そうか。 ――大丈夫か?顔色悪いけど…」
「え?あ、大丈夫よ?」
「ならいいけど…あまり無理するなよ?」

レオは、そう言って私の頬にキスをしてくれた。

「じゃ、俺、先に出るね?」
「うん。行ってらっしゃい!」
「ああ」

レオは軽く手を上げて、階段を下りて行った。
私も軽く息を吐くと、そのまま下へ降りてリビングへ行くと、エマが散らかった部屋を掃除している。

「あ、エマ…。ごめんね?凄い散らかってたでしょ?」
「いいのよ。たまには皆で騒ぐのも楽しいじゃない?」
「でも夕べは騒ぎすぎだったけど…」

私はちょっと苦笑して肩をすくめると、そこに掃除機を持ってリジーが入って来た。

「あれ?リジーも掃除手伝ってるの?」
「あ、。そうなんだ〜。殆どがドムが散らかしたんだよねぇ…。僕がOK出したばかりに、こうなったらお詫びをかねて」
「そうなの?でも楽しかったね?また皆で飲みたいな?」

私が、そう言うとリジーは徐に嫌な顔をした。

「えぇ〜?もういいよ…。ヴィゴはともかく…ドムが来るとジョシュとレオが機嫌悪くなるしね?」
「そうなの?何で?」
「う…っ。あ、いや…あ、合わないんじゃない?ただ単に…アハハ」

リジーは、わざとらしく笑顔を見せると、絨毯に掃除機をかけ出した。
私は、よく分らなかったけど、ちょうどチャイムの音が聞こえて、

「あ、お迎え来たし…行ってくるね?」

とエマとリジーに声をかける。

「あ、行ってらっしゃい!」

リジーは掃除機のスイッチを消すと、私の方へかけてきて頬にキスをしてくれる。
私もリジーの頬にキスをして「行ってきます!」と言ってリビングを出た。
そこにオーリーのものと思われる騒々しい足音が聞こえてきた。

「あ、…!今日は迎えは?」
「あ、オーリィ…。やだ、今日はテリーじゃないのよ?事務所の新しいスタッフが今日から付き人として来る事になってるの」
「そ、そうなんだ。じゃ、いいや…ってか、その新人は女の子?」
「ううん。男の子よ?私より一つ上の――」
「何だって?!そ、それは僕が顔を見てやる!」
「え?!」

オーリーは、そう言うなりズンズンと歩いて行って玄関のドアを開けた。

「あ、おはようございます」
「おはよう。君がの迎え?」
「はい。スタンリーと言います。宜しくお願いします」

何とも爽やかな笑顔で、挨拶され、オーリーも調子が狂ったのか、「あ、ああ…。僕はオーランド…」 と普通に挨拶をしている。

「ええ、知ってます。…ロード・オブ・ザ・リング見ました。凄い良かったです。レゴラスの役がピッタリ、ハマってて」

いきなり映画の話をされ誉められたオーリーは、まんざらでもない様子で笑顔になった。

「え?そう?ありがとう!」
「いえ、俺、ハリソンファミリーの皆さんの映画全部見たくらいファンなんですよ。お会い出来て光栄です。」
「あ、ま、まあ…。とにかく…を宜しくな?あ、あと…手は出すなよ?」
「え?あ…もちろんです。そんな恐れ多いですよ…」

スタンリーは見た目よりも世渡り上手なのか、上手くオーリーを丸め込んでいる感じで、私は噴出しそうになった。

「じゃ、行ってくるね?オーリー」
「あ、うん。今夜は遅い?」
「ううん。今日は早いと思うわ?どうして?」
「あ、いや…」
「オーリーは?家にいるの?」
「あ…実は今日は…」
「あ、彼女とデート?」

私はピンときて聞くと、オーリーは少し慌てて、「だ、だけど、ちゃんと帰って来るしさ?」 と言って来た。

「あら、いいわよ…。久々に会うんじゃないの?泊って来たら?今日はジョシュもいるって言うし…」
「そ、そうなんだ…。でも…」
「いいから、いいから!楽しんで来て?じゃ、行ってくるね?」
「あ、うん。頑張ってね」

オーリーはそう言うと私の額にキスをして送り出してくれた。
私はスタンリーの運転する車の後ろに乗り込むと、まだ見送ってくれているオーリーに笑顔で手を振った。
その時、後ろからジョシュも顔を出して、手をあげている。
私も軽く手を振り返すと、スタンリーが車のエンジンをかけながら、「ほんとに仲がいいんだ」と笑った。

「そうね。普通の家族よりは…仲良しかも」

私はそう言うと、走り出した車の中から、最後にもう一度二人に手を振った――











ジョシュ




(あ〜あ…行っちゃったか…)

遠ざかっていく車を見送りながら、軽く溜息をつくと、まだ眠い目を擦りつつリビングへと戻って行った。
当然オーランドは僕の背中に張り付いてくる。

「おい、オーランド…うっとうしぃから、それやめろよ…」
「何だよ〜。少しくらい!」
「何が少しくらいだ…。俺は今朝、の悲鳴で叩き起こされて眠いんだよ…。それもこれもオーリーのせいだろ?」

僕がジロリと背中に、おぶさってくるオーリーを睨むと、パっと手を離して、

「わ、悪かったよ…っ。だっての寝顔が可愛くてさ〜?」

とホールドアップしている。

「そんなの今更言われなくても分ってるよっ」
「やっぱり〜?そうだよねぇ?の寝顔は子猫ちゃんみたいに可愛いからね?」

オーリーはニコニコとしながら、そう言って僕を見た。
僕も、そこは確かに…と頷く。

「あ、ジョシュ〜ちょっとオーリーも手伝ってよ!二人じゃ、なかなか片付かないんだ」

リビングに入るなり、リジーが怖い顔で僕とオーリーに言った。

「OK…。ったく…どうやったら、ここまで散らかせるんだ?ドムの奴…っ」

僕は、そう文句を言って片付けを手伝い始めた。
オーリーはと言うと、手は動かず口ばかり動いている。

「いやぁ〜ドムは最悪だね、やっぱり!今度からは外で飲まないとさぁ〜」
「是非、そうしてくれ…。ってかオーリー、少しは手も動かせって」
「へいへ〜い。あぁ〜俺、掃除って苦手なんだよねぇ…」
「お前なぁ…。少しくらい自分の部屋も掃除しとけよ?何で、あんなに物が多いんだ?」
「さぁ?自分でも分らないうちに増えてるんだよねえ…」

オーリーは笑いながら、そう言うとテーブルの上のお皿を持ってキッチンへ運んで行った。

ほんと…オーリーは本能のままだな…思った事が即行動に出る…
僕とかレオとは正反対だ。オーリーの両親とかも、そんな我が道を行くタイプだったんだろうか…
まあ、僕も本当の両親なんて、どんな人達なのか知らないけど…
生まれたての赤ん坊を施設において行くくらいなんだから、たいした人間じゃないんだろう。
どんな事情があったにしても…今更、出て来られても会いたくもないしな…レオも前、同じような事を言っていたっけ。家族は…うちの皆だけでいいって…。


「ほら、どいて?ジョシュ!邪魔、邪魔!」
「おぉ…悪い…」


リジーは掃除機を持って、僕の足元のゴミを吸っていった。

リジーはシッカリしてるもんなぁ…ほんと、最近怖いよ…さすが年上キラーなだけあるな…
ってこんなこと言ったら、すぐ怒り出すんだけどさ。

僕はテレビの前に転がっているワインの瓶と数本抱えてキッチンに行くと、空き瓶が置いてある箱にそれらを入れていった。

「あら、悪いわね?ジョシュ」
「ああ、エマ…別に…構わないさ」
「せっかくオフなんだから、どこかへ出かけたら?友達に旅行誘われてるんでしょ?」
「ああ・…でも…ちょっと考え中」
「そうなの?若いんだから大いに遊ぶ時は遊ばないとね?」

そう言ってクスクス笑うエマに、僕も苦笑した。

「そう言うエマだって…。家のことばっかりやってないでデートくらいしたら?」
「ああ、それはジョシュには言われたくないわ〜?ジョシュだって最近、デートしてないんじゃない?」
「俺は…まあ、忙しかったし?」
「じゃあ、このオフがいい機会じゃないの。いい子はいないの?知り合いで。結構、口説かれてるんでしょ?に聞いたわよ?」
「え?!」

僕は、そう言われて思わず顔が少し赤くなった。

「べ、別に…口説かれては…」
「そぉ〜う?オーリーは彼女以外からも声かけられてる様だし…リジーだって、この前ね…」

「ちょっと何をチクるつもり?」

「キャっ。リジー!」

後ろにリジーが怖い顔で立っていた。

「何だよ、リジー。驚かすなよ…」
「別に普通に来ただけだけど?それよりエマ…余計なことは言わないでよ」

リジーは少し頬を脹らませている。
エマはそれには苦笑すると、

「あら、いいじゃない。隠すようなことでもないでしょ?告白されるのなんて、しょっちゅうなんだし」

と言って肩をすくめた。

「え?リジー告白されたの?また年上?!」
「ジョシュ…その年上?って強調するのやめてよ…。まぁ…否定はしないけどさ…」
「ああ、悪い悪い…。え?でも…そうなんだ〜。で?それは断ったの?」
「え?あ、まだ返事はしないでっていうし…」
「何で?」
「何だか…私のこと、よく知りもしないで断られるのは嫌だから…少しだけ友達として付き合ってくれって言うから…」

リジーは少し困ったような顔で、頭をかいている。

「へぇ…そうなんだ。何だ、皆ちゃっかり、そういう事されてるんだ」
「な、よく言うよ!ジョシュだって、そうだろ?」
「え?あ、まあ…。でも俺、ほんと、その場ですぐ断っちゃうからさ」
「僕だって断ろうとしたんだよ。そしたら、そう言うから…仕方なく…」
「へぇ、でも優しいじゃん。わざわざ相手に合わせてやるなんて。じゃ、たまに会ったりしてるの?」
「いや…まだ二人ではね…。電話で話す程度だよ?」
「そっか。まあ、いいんじゃない?相手の事を知ってから答えを出すのもさ」

僕がそう言うとリジーも肩をすくめて、「まぁね…」と呟いた。
僕は、そんなリジーを見て苦笑した。

(ほんと…うちの家族は派手な仕事してるわりには真面目なんだよなぁ…。あ、レオ以外はってことだけど)(!)

僕もそろそろ彼女くらい作った方がいいんだろうか。
そんなに付き合いたいってほど好きな子も出来ないんだけど…それって相手を知らないからかな…

僕は、そんな事をあれこれ考えてると疲れてきた。

(父さんも、いい年して恋愛中毒だしなぁ…)

今度、父さんに、そう言う話でも聞かせてもらおうか。

僕はそんな事を思いながらリビングへと戻って行った――












今回は前回の次の日ってことで、とある日の日常風景です(笑)
今回は少し軽めに…
次くらいから、そろそろジョニーとか他の人物も出て来るかもですね。
サラとかの恋愛事情もありますし(笑)
まあ、のんびり進みます。家族夢だからvv
さ、今日も暑いので家に閉じこもって他のも書いちゃいます(笑)
ほんと暑くてうだる…