第十二章:幼なじみ                                                                 

 










今ではもう・・・・・・貴方は手の届かぬ人・・・・・・









  僕の敵でしかないんだ―――
































「ま、全く!何してんだ、道の真中で堂々と!」


「愛の抱擁」


「普通に答えんな!」




ロイは鼻息を荒くして俺の目の前に仁王立ち状態。
さっきから、こんな感じでプリプリ怒っている。
俺はと言えば、こんな朝からロイの説教なんて聞きたくないってのに・・・・・・


「ふぁぁぁ・・・・・・」
「ジョシュ・・・・・・!!」
「なぁんだよ・・・・。寝不足なんだから仕方ないだろ?」




ソファに凭れつつ、ウンザリしたように顔を上げれば、ロイの怖い顔が見下ろしてくる。




「それはお前が勝手に女と会うからだろうが!それもストーカーなんてくっついてる子と!」


「・・・・・・・・・・っ」





その言い方にはカチンと来て俺はソファから立ち上がった。




は好きでストーカーされてるわけじゃない。そんな目で彼女を見るな」
「・・・・・・わ、分かってるけど・・・・・・!もし、お前まで危ない目にあったらって思うと心配なんだよ、俺は!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」



ロイの心配は分かる。
だけど、そんな事より、俺は彼女の方が心配だった。
確かに彼女の側には不気味な影がまとわりついている。
それも常に・・・・・・




夕べ、俺とがホテルの外で抱き合っていたと、誰かがロイに電話をしてきたらしい。
相手は名乗らず、しかも声を変えていたとか。
俺はそれを聞いて、"あいつ"だと思った。
それで朝からロイにグチグチ言われているんだけど・・・・・・



「全く・・・ロケ先で、こんな事に巻き込まれるなんて最悪だ!しかも新しい恋人なんて見つけやがって・・・」
「ロイが新しい恋をしろって言ってたんだろ?」
「そ、そうだけど!何も・・・っ」
「何?ストーカーされてる子じゃなくても・・・.って言いたいわけ?」
「ぅぐ・・・そ、それもあるが・・・・・・彼女は、まだ学生だし、しかもジョシュとは遠距離になるだろ?すぐダメになるんじゃ・・・・・・」
「関係ないよ。俺が会いに来ればいい話だし?まあ、ロイがちゃんとオフをくれればの話だけどね」
「・・・・・・・・・・・・・・・」



俺の言葉にロイはガックリ項垂れ、これ以上、何を言っても無駄だと思ったのか、疲れたようにソファにドサっと腰を下ろした。



「と、とにかく・・・彼女と付き合うのはいい・・・。だけど出来れば犯人・・・ストーカーが逮捕されてからにして欲しいよ・・・」
「はぁ?そんなに待てないよ」
「待てなくても!一応、ここには仕事で来てるんだからな?撮影も押してるし今日から暫く自由な時間なんてないと思えっ」
「・・・はいはい・・・・・・分かったよ・・・。でも空き時間とかならいいだろ?ちょっとくらい会っても」


俺が身を乗り出し、そう聞けばロイは半目状態で見つめて来た(ちょっと怖い)



「お前・・・そんなに彼女が好きなの?」
「え?な、何だよ、急に・・・・・・」
「いや・・・ここ最近、仕事以外のことで、そんな明るいお前見たの久し振りだと思ってな」
「・・・ああ、マリアの時はケンカが多かったしね・・・」



俺が苦笑交じりに肩を竦めると、ロイはふっと笑ってソファにも垂れた。



「ま、二人で勝手にどこかに出かけたりしないって言うなら・・・多少は会ってもいいよ」
「ほんと?」
「ああ。その代わり!内緒で出かけたりしたら許さないぞ?どこでストーカーが見張ってるか分からないんだ。
お前を危険な目には合わせられない。どこに行ったか分からなければ守る事だって出来ないからな」


ロイは真剣な顔で、本心から言ってくれてるんだと思った。



「ああ、分かった。勝手に出かけたりしないよ」
「なら、よし」




ロイは素直な俺の言葉に満足そうに笑顔を見せて、立ち上がった。



「じゃ、雨で潰れた分のロケに行くか!」


「はいはい」



俺はちょっと笑うと、寝不足の体を何とか立たせて軽く伸びをした。



今日はいい天気だ。


は大学で講義でも受けてるのかな・・・
後で電話でもしてみようか。






窓の外を見て、そんな事を思いながら、自然と笑みが零れた。























「え・・・?ジョシュと・・・?」
「う、うん・・・・・・」
「い、いつの間に・・・っ!!」
「ちょ・・・メグ・・・しぃ!」




私は慌ててメグの口を手で抑えて、辺りをキョロキョロ見渡した。
今は大学構内にあるカフェでランチを取っているところだ。
夕べの今日で何だか夢みたいで、誰かに話してしまいたくなった。
ここは、やはり自分の事を何でも知っているメグしかいないだろう。
メグとは、今までも恋愛絡みで色々と相談した事もある。
男のマイケルには言えないことも彼女になら言えるのだ。
アレックスの時も最初に相談したのはメグだった。


「ひゃ〜ウソみたい・・・。がジョシュとねぇ・・・・・・」
「な、何よ・・・」
「だって最初はちょっと険悪だったじゃない?それに・・・あんな有名人捕まえちゃって・・・!」
「ぃたっ」


メグにドンっと肘でどつかれ私は顔を顰めた。


「そ、そんなんじゃ・・・・・・ジョシュには・・・今までも色々と助けて貰ってるうちに、その・・・・・・」
「はいはい、惚れちゃったのね?で、彼もに惚れた、と」
「メ、メグ・・・!」
「あら今さら照れないでよ。そうなんでしょ?で、もう寝たの?」
「バ・・・バカなこと言わないで!昨日の今日で、そんな・・・」




私はメグの言葉に一瞬で真っ赤になってしまった。
だが彼女はクスクス笑うだけでケロっとしている。



「何だ、まだなの?夕べ盛り上がった流れで泊まって来たのかと思ったわ?」
「ゆ、夕べはちゃんと送ってもらったわよ・・・っ」
「ふ〜ん。なーんだ、つまんない。ってば、まだヴァージンとっておくつもり?」
「――――っ!!」
「あらら・・・そんな茹蛸みたいにならないでも・・・・・・」
「メ、メグがバ、バカなこと言うからでしょ・・・っ」




私は一気に跳ね上がった心臓を落ち着かせようと紅茶を飲んで軽く息をついた。
そして、ふと思い出し、


「メグこそ・・・人の心配してないで自分とレザーのこと心配しなさいよ。まだなんでしょ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「メグ・・・?」




私の言葉に、メグは意味深な笑みを浮かべてコーヒーを飲んでいる。
その様子にピンときた。




「まさか・・・レザーと?ねぇ、そうなの?」


メグの顔を覗き込むようにして聞けば、彼女は顔を上げニッコリと微笑んだ。


「まぁ・・・ね」
「うわーおめでとう!良かったねっ」
「わっちょ・・・・・・っ」


ガバっと抱きついて、そう言えばメグも驚いたようにアタフタしている。
だが頬を薄っすら赤く染めて嬉しそうだ。



「この前の雨の日にね?一回、送ってもらったじゃない?で、少しして彼から電話がきて、やっぱ泊って行っていい?って」
「そう!レザーもメグのこと大事にしてたのよね〜。良かったね?」
「うん。今までより、もっとシックリしてきたかな?」




メグは幸せそうな顔で微笑むと、の手を軽く握った。




もジョシュと頑張って?彼はACTORだし色々と大変だとは思うけど・・・」
「う、うん・・・そうだね・・・。普通の人と付き合うようにはいかないかもしれないけど・・・頑張るわ?」
「何かあれば、また相談に乗るから」
「ありがとう、メグ」




はちょっと頬を赤くしつつも嬉しそうに微笑んだ。
だが少し目を伏せると、


「でも・・・皆には、まだ内緒にしててくれる?」



と言ってメグを見た。




「皆って・・・マイケルとレザーにってこと?」
「う、うん・・・」
「あ〜心配するから?」



メグは苦笑交じりでを見ると、軽く息をついた。



「まぁねぇ。マイケルはの事になると、ほんと心配性だから・・・。ジョシュの事だって、そんな良くは思ってないかもね」
「やっぱり・・・そうなのかな・・・?」
「ん〜・・・ジョシュがって事よりも・・・が誰と付き合ってもマイケルは心配なのよ・・・」
「・・・私、子供じゃないのに・・・」



メグの言葉に、は少し頬を膨らませ、紅茶をゆっくり飲んだ。
メグはそれを見ながら軽く目を伏せると、


「そうね・・・。もう昔とは違うのに・・・・・・」



と呟いた。
だがすぐに笑顔を見せると、



「分かった。まだ内緒にしておくわ?大学で噂がたっても困るしね?」



と言っての額をツンっと突付く。



「ごめんね?メグ・・・・・・」
「いいのよ。特に今はストーカーの事だってあるし・・・・・・。ね、最近はどう?まだ電話とかくる?」



少し身を乗り出しながら、メグはの顔を覗き込んだ。
するとも目を伏せ小さく頷く。



「実は・・・・・・夕べ変な留守電が入ってて・・・・・・それで心配になってジョシュのとこに行ったの」
「変な留守電・・・?」
「うん。"僕が悪いんじゃない・・・。あの男が悪いんだ・・・。邪魔な奴ばっかりだ。一人一人消していかないと・・・"って・・・」
「な、何それ・・・・・・ほんと気持ち悪い・・・っ」



メグは顔を顰めて、そう言ったが、は少しだけ身を乗り出すと、



「メグ・・・。きっとアレックスを車でひき逃げしたのは"あいつ"よ・・・。邪魔な奴を消して行くって・・・危害を加えるって事じゃないかな・・・」



と不安げに呟いた。
それにはメグも真剣な顔で頷く。



「そうね・・・アレックスの事は私もただの事故とかじゃないと思ってたの・・・。その留守電の様子じゃ、"あいつ"がやったと思うべきだわ・・・」
「まさか・・・そこまでするなんて・・・・・・」
「やりかねないわよ。かなり危ない奴だもの・・・。ジョシュは大丈夫なの・・・?」
「うん・・・色々危ない目にあってるんだけど・・・・・・本人は気にしてないって・・・」
「そっかぁ。ほんと優しいわね?彼」
「・・・え?」
「ジョシュはが気にすると思って、そう言ってるのよ」
「あ・・・・・・」



は、そう言われて顔を上げた。



そうだ・・・・・・ジョシュはいつも笑顔で"大丈夫"って言ってくれてる・・・・・・
本当はやっぱり不安だってあると思う。
でも私の前で出さないのは、私が気にしないように、って彼の優しさなんだ・・・・・・



、愛されてるわね?幸せじゃない」
「メグ・・・・・・」
「色々と不安はあるだろうけど・・・・・・大丈夫よ。きっとジョシュはを守ってくれるわ?」
「・・・・・・ぅん・・・」




メグの言葉に、は少し瞳を潤ませながら嬉しそうに微笑んだ。
















カフェを出てメグと別れたは次の抗議もないので校内をブラブラと歩いていた。
マイケルに"一人になるな"と言われているが、今は抗議も少なく学生たちも沢山いるので怖くはない。
ふと携帯を取り出し時間を確認すると、はベンチへ座った。




ジョシュ・・・何してるかな・・・
今日は撮影再開だから忙しいよね・・・。
今まで撮れなかった分を撮らないといけないんだし・・・



そこで軽く息をついて携帯を握りしめた。
夕べ別れたばかりなのに、もう会いたいなんて重症だなぁと自分でおかしくなる。
それに・・・あの告白は現実のものだったのかとまで思ってしまう。
半分諦めていた人だったからこそ、本当に驚いた。
まさか彼が自分の事を好きだなんて思いもしなかったのだ。
彼は現実に有名なACTORであり、住む場所さえ遠いのだ。
今後の事を考えたら不安は沢山あった。



今の撮影が終わればジョシュは自分の住む場所へ帰ってしまう。
同じアメリカとはいえ、かなりの遠距離恋愛になる。
それに彼は普通の人よりも忙しい人で、帰ってもまた別の場所でロケとかがあるんだろう。
そんな人と長く付き合っていけるはずもない・・・・・・


「はぁ・・・」



そんな不安ばかり考えて悩んでも仕方ないんだけど。
せっかくジョシュに好きだと言われたばかりなのに喜ぶどころか悲しくなってどうするのよ・・・


自分自身に、そう言い聞かせ、メールくらいなら送ってもいいかな?と再び携帯を手にした、その時―――



ピピピピ・・・ピピピピピ・・・



「あ・・・」



不意に鳴り出した携帯に驚いてディスプレイを見れば、そこにはジョシュの名前が出ていて思わず笑顔になった。




「Hello?」


『あ、?俺』


「・・・う、うん」



受話器の向こうから聞こえてくる彼の低い声に胸がドキドキしてくる。




『今、大丈夫?』
「うん。今は校内を散歩してたの」
『え?一人で?危ないだろ?』




ジョシュは心配そうに溜息をついていて私はちょっと笑ってしまった。
"あいつ"の事を心配してるんだろう。




「大丈夫よ?周りには学生も沢山いるし」
『そう?でも・・・油断するなよ?』
「うん。あ、ジョシュ、撮影は?」
『ああ、今は休憩入ったとこ。もう一気に撮ってるから大変だよ』




ジョシュは苦笑交じりに、そう言った。
後ろでは確かにザワザワとスタッフらしき人達の声が聞こえてくる。
そんな忙しい中にも電話してくれた事が嬉しかった。



「今日は夜まで?」
『そうなるかも・・・。ほんとはと一緒に食事でもって思ってたんだけどさ』
「い、いいよ。そんな無理しないで?」



ジョシュの気持ちが嬉しくて、それでも無理して欲しくなくて私は強がりを言った。
忙しい彼の重荷にだけはなりたくない。
だが受話器の向こうからは特大の溜息が聞こえてくる。



「ジョシュ・・・?」
『何だよ。会いたいと思ってるのは俺だけ?』
「―――え?」



その言葉にドキっとして言葉につまった。



『撮影延びないようにNGも出さないで頑張ってるのにさ』
「だ、だって・・・・・・」



ジョシュには無理して欲しくないんだもの・・・
私だって本当は会いたくて仕方ないよ・・・。



そう思って黙ってるとジョシュを呼ぶ声が聞こえた。





『あ〜行かなくちゃ・・・』
「う、うん・・・」
『あ、もし早めに終われば電話していいかな・・・?』
「え?」
『会いたいんだ。、夜は何してる?』
「あ、えっと・・・特に何も・・・。寮にいるわ?」
『そっか。じゃあ・・・とにかく電話するよ』
「うん、分かった」
『じゃ・・・また』
「うん。撮影頑張って」
『・・・サンキュ!』




そこで電話が静かに切れた。



「はぁーーー・・・」



話している間ドキドキしていた胸を抑え、一気に息を吐き出した。
緊張していたのか手にもジットリ汗をかいている。



ほんとに大学生かと自分でも笑ってしまう。
でもACTORやってる人と付き合うのも初めてだし、どうしていいのか分からない。




"会いたいと思ってるのは俺だけ?"




そ、そんなこと言われたら何て答えていいのよーっ



さっきのジョシュの台詞を思い出し、顔が熱くなった。
だが周りには人がいるので、なるべく顔が赤いのを悟られないよう、そっとベンチを立つ。
その時、目の前に誰か立ちはだかり、ドキっとして顔を上げると、そこには笑顔のピートがいた。


「あ、あなた――」
「やあ、。久し振りだね、一人でいるのは」



ニヤリと笑いながら、そう言ったピートにゾっとして私は一歩後ずさった。
だが、それを見たピートはニヤニヤしながら近づいてくる。



「どうして逃げるの?」
「に、逃げてなんか・・・。何の用?」
「別に用がなくちゃ話しかけていけないって事ないだろ?同じ講義取ってる仲間なんだから」



ピートはそう言いながら目の前のベンチに腰をかけると、



「そう言えば・・・アレックスは、まだ意識が戻らないんだね」



と意味ありげにニヤリとする。
その態度に私は怖くなった。



「あ、あなたが何故、アレックスのこと・・・」
「僕は何でも知ってるよ?君の事は。彼は前に付き合ってた奴だろ?この前もカフェで一緒にいるところを見たよ」



あの日の事を言ってるんだと分かり、体が震えてくる。



「まさか・・・あなたが彼を―――」
「何のこと?ああ・・・・・・アレックスを轢いたかって?」
「違うの・・・?」
「さあ?そんな事をして何のメリットがあるんだい?だいたい彼と君は別れてたじゃないか」
「そ、そうだけど、でも・・・あなた私の後をつけたりしてるんでしょっ?」



ピートのツラっとした態度に、だんだん腹が立ってきて少し声を荒げてしまった。
周りの学生の視線がこっちに向くのが分かる。


大丈夫。
ピートが何をしても周りには大勢いる。



そう思いながらピートを睨みつける。
だが彼はクックックと笑うだけでベンチに寄りかかった。



「何も知らないって怖いよね?」
「―――え?」



彼の言葉に嫌な感じを受けた。




「何のこと・・・・・・?」
「周りに守られてるから外の事が見えないんだよね。人の本質だってさ」
「・・・・・・何・・・・・・言ってるの・・・?」



言ってる事が分からなくてイライラしてきた私はニヤニヤしているピートを睨んだまま、後ろに下がった。



「と、とにかく・・・もう私を付回さないでっ。今度付きまとったら刑事さんに言うわよっ」
「好きにしたら?今度は刑事に守ってもらうといいよ。その方が安全だ」
「・・・・・・っ」



ピートは、そう言うと不意に立ち上がり歩いて行ってしまった。
私は不気味な彼の言葉に鼓動が早くなり、そのまま寮に向う。



何なの?あいつ!
ほんと気持ち悪い・・・・・・
私が何を知らないって・・・?



イライラする。
よく分からない不安や恐怖・・・
そんなものが交じり合って・・・・・・・・・



ジョシュに会いたい・・・
傍にいて欲しい・・・



そう思っても無理な事は分かっているけど・・・・・・




言いようのない寂しさに襲われながら、私はすっかり晴れ上がった空を見上げた。





















「はぁー」
「何、溜息ついてんだよ!」
「ぃて!」



いきなり後ろからバンっと背中を叩かれ、俺は顔を顰めた。



「いちいち叩くなよ、ニック!」



俺は後ろでニヤケているニックを睨みながら煙草に火をつけた。
ニックはそのまま隣の椅子に腰掛け、



「もう疲れたのか?まだ一日分しか撮ってないってのに」



なんて言って笑っている。
俺は溜息をつきながらシートに凭れた。



「別に・・・あと、どれくらいで終わるかなって思ってただけ」
「ふーん。ま、でも暗くなってきたし次のシーンは明日に持ち越しだな、こりゃ」
「ほんとか?」



その言葉に俺が身を乗り出せば、ニックはニヤっと笑って肩に腕を回してきた。


「何だよー。そんなに早く帰りたいのか?」
「べ、別に!うっとーしぃから離せよっ」


ニックの腕を振り払うと窓を開けて煙を吐き出した。
空にあった太陽はゆっくりと西に傾き、オレンジ色を放っていて、とても奇麗だ。



この時間ならは寮に戻ったかな・・・?



ふと彼女の笑顔を思い出し、ホッとするのを感じた。
その瞬間、横からヌっとニックの顔が現れ、一気に現実に戻る。


「なーにニヤケてるんだよ、ジョシュ」
「ニヤケてないつーの。いいから近づくなよ・・・っ」
「何だよー冷たいなぁ〜。ちょーっと彼女が出来たら俺のことは構ってくれないわけ?」
「な・・・っ!」



いきなり、そんな事を言われて俺は驚いてニックを見た。
ニックは更にニヤニヤしつつ俺を見ている。



「あれぇ?図星かな?」
「な、何でお前―――」
「ああ、何で知ってるかって?そりゃーねーマネージャー様が俺に、ジョシュの事を見張っておけって言ってたからさー」
「み、見張っておけって?俺を?」
「ああ、って言っても別に、コッソリ彼女と会う事のないようにって事でね」



ニックはそう言って澄ました顔。
それには俺も唖然とした。



くそう、ロイの奴、見張りまでつけやがって!
だいたい何でニックに見張りなんて!




「まあまあ、ジョシュ。そんな怖い顔するなって。ロイだって心配してるんだからさー」
「分かってるよ!だからって何も見張りなんて・・・」
「そうだけどさ。もしジョシュがコッソリ出かけて、万が一ストーカーに怪我でもさせられたら困るだろう?」
「だからコッソリなんて出かけないって。言えばいいんだろ?」



呆れて顔を背けつつ、そう言えばニックはまた腕を肩に回した。



「今日、これから会いに行くんだろ?」
「・・・・・・・・・・・・」
「隠さなくていいって!俺は別に止めやしないからさ。ただ行く場所だけは言っておいてくれないと」
「はあ?何でだよ」
「居場所が分からなきゃ守りようがないだろ?」
「守るって何だよ。いいよ、そんなの」
「よくないぞっ?ストーカーはすでに一人、怪我させてるんだ。しかも重症だぞ?お前も同じ目にあいたいのかよっ」



ニックは初めて怒ったように、そう言ってきた。




「分かってるけど・・・。奴は俺を犯人に仕立て上げたかったんだろ?だからあんな―――」
「いや、きっと疑われても一時の事だってストーカーも分かってるって。だってジョシュにちゃんの元彼を傷つける理由がないだろ?」
「まあ、そうだけど・・・・・・」
「あれは警告だと思うけどな?彼女に近づいたら、お前もこうなるぞっていう」
「警告・・・・・・?」
「そう。まあ、あの轢き逃げされた男は巻き添え食ったんだろうなぁ・・・・・・。可愛そうに」




巻き添え・・・・・・?
ほんとに、それだけか?


俺はどうしても、それだけとは思えなかった。
"あいつ"が俺に警告する為だけに、あんな危ない事をする奴とは思えない。
そんな、わざわざ刑事が動くような事をするはずは・・・・・・
自分を不利にするだけだ。





「おい、ジョシュ?」
「・・・・・・っ」



考え込んでいるとニックに肩を叩かれハっとした。



「どうした?難しい顔して」
「いや・・・・・・」
「まあ気になるだろうけど、あまり考えすぎるなよ?」
「ああ」
「じゃあ、そろそろ終わるけど、もしちゃんに会いに行くなら場所だけでも教えろ。分かった?」
「はいはい・・・・・・分かったよ」



そう言って肩を竦めると、ニックは俺の肩をポンポンっと叩いて、車から降りて行った。



「はぁ・・・・・・見張りつきのデートなんて聞いた事ないよ・・・・・・」





そう呟き、吸っていた煙草を灰皿で押しつぶした。
















、もう食べないの?」
「うん・・・・・・ちょっと食欲なくて・・・」



私はそう言って椅子から立ち上がった。
ルームメイトのケイトは心配そうに見ているが気づかないフリをしながらお皿を片付ける。



、最近疲れてるみたいね・・・?何かあった?」



手早くお皿を洗っているとケイトがそう言って隣に立った。



「別に・・・何もないよ?」
「そう?でも・・・アレックスがあんなことになって・・・・・・」



刑事が聞き込みに来たからか、大学内でアレックスの事故の事は広まってしまった。
そのせいで彼の取り巻きだった女達が事情聴取を受けるなどして騒ぎになったのだ。



「彼の事は・・・関係ないわ?もう別れたんだもの」
「そうだけど・・・前の恋人が轢き逃げなんて・・・嫌な気分じゃない」
「まあ・・・楽しくはないわね」



私はそう言って洗ったお皿を拭き終わると時計を見た。


そろそろかな・・・
それとも、まだ撮影してるんだろうか。


そう思いながら小さく溜息をつくとケイトが紅茶を淹れながら私を見た。




「なぁに?時計見ながら溜息なんてついちゃって。何か約束でもあるの?」
「そ、そんな事は・・・・・・」
「まあ、はモテるんだから新しい恋人が出来たとしても不思議じゃないけど!」
「そ、それ言うならケイトでしょ?今日はデートじゃないの?」



そう言って彼女を見れば、ケイトは肩をすくめてソファに座った。




「最近、しょっちゅう会ってたからいいのよ。最初はいいけど、あまり長く一緒にいると、だんだん新鮮味がなくなってきちゃって」
「ふーん・・・・・・そんなもの?」
「そうよ。傍にいると時間さえあれば一緒にいたくなるじゃない。でも、そうすると気持ちが冷めるのも早くって」



ケイトはそんな事を言って笑っている。
私も紅茶を淹れてリビングに戻った。




そうかなぁ・・・・・・
私はいつでも会えるのって逆に羨ましいし、ずっと一緒にいたいけど・・・・・・。
それも、そう出来ないジョシュを好きになったから、そう思うのかな・・・・・・
ジョシュとずっと一緒にいれるようになれば、そんな事を思わなくなるのかな。



「ねぇ、
「・・・・・・え?」
「アレックスのお見舞い行く?」
「あ・・・・・・そのうち・・・。今は意識不明でICUみたいだし・・・」
「そうなんだ。怖いね・・・昨日まで元気だった人が、そんな風になっちゃうなんて・・・・・・」



ケイトはそう言って軽く首を振っている。
その時、携帯が鳴り出しドキっとして立ち上がった。



「どうしたの?慌てて・・・」
「あ、ううん。何でもないの。ちょっとごめん」



そう言ってすぐに部屋に戻るとバッグの中から携帯を取り出した。
だがディスプレイを見てガックリする。



「何よ・・・パパ・・・?」



そこに出ていた名前は父のものだった。
思い切り溜息をついてから通話ボタンを押した。



「Hello....?」
か?』
「うん・・・」



受話器の向こうからは相変わらずぶっきらぼうな言葉が返ってきて一気に憂鬱になる。



「何か用・・・・・?」
『何か用じゃない!お前はいったい何をしてるんだ?!』
「――え?」



いきなり怒鳴られ私は驚いた。
父は少し興奮してるようだ。



「な、何よ、いきなり・・・」
『いきなりじゃない!お前、事件に巻き込まれてるって本当か?!』
「え・・・な、何で・・・」




父の言葉に唖然とした。
何故、父がそんな事を知っているんだろう?
刑事が父の下へ行ったなんて聞いていない。
だが父は声を荒げながら、



『今朝、会社の方に電話があったんだ!お前がチャラチャラとACTORなんかと付き合ってるとなっ!
しかも前に付き合ってた奴は轢き逃げされ、そのACTORが容疑者の一人だって言うじゃないか!どうなってるんだ?!』



「――――っ?」



父にジョシュのことがバレてる・・・
しかもアレックスのことまで―――
どうして・・・?



「ちょ、ちょっと待ってよ、パパ!ジョシュは容疑者なんかじゃ―――」


『うるさい!全く!真面目に勉強してるかと思えば男と遊んでるなんて!
せっかくトムを紹介したのに失礼な態度で断ったのだって大目に見てやったというのにこれか!』


「か、彼のことは悪いと思ってないわ?失礼なのは彼の方よ!」


『何だと?!とにかく一度こっちに戻って来い!寮だと安心していれば、とんでもないことに巻き込まれるなんて!』


「好きで巻き込まれたわけじゃ―――」


『つべこべ言うな!今度の休み一度こっちに来るんだ!いいな!』



「ちょ――」




そこでガチャンっと大きな音がしてツーツーっと空しい音が聞こえてきた。



「な、何よ、言いたいことだけ言って切らないでよ!」



頭に来て私はそう怒鳴ると携帯をベッドに投げ捨てた。



ほんと変わらないんだから!
誰もが自分の言う事を聞くと思ってる・・・。



「はぁ・・・・・・」



思い切り溜息をついてベッドに寝転がった。




せっかくジョシュからだと思ったのに・・・
転がっている携帯を見ながら、一気に切なくなった。


それにしても・・・誰が父に電話なんて・・・・・・
アレックスの事故だって私は無関係だから、刑事も実家まで電話するはずがない。
それに・・・ジョシュの事まで知ってて容疑者扱いしている。



「冗談じゃないわ・・・っ。ジョシュが容疑者だなんて・・・っ」



そんなはずない。
確かに夕べ、送って貰うときにジョシュからアレックスのジャケットが部屋の前にあった事は聞いた。
でも刑事さんだってジョシュには動機がないことくらい、とっくに調べてるはずだ。
さっきの電話でもジョシュは何も言ってなかった。





「大丈夫・・・大丈夫よ・・・」



自分に言い聞かせるように呟いた。
その時、再び携帯が鳴り出しビクっとなった。



「だ、誰・・・」



そぉっと手を伸ばし携帯をとると恐る恐るディスプレイを確認する。



「あ・・・・・」



そこにはジョシュの名前が出ていて心の底からホっとしたと同時に涙が込みあげて来る。




「Hello.....?」
『あ、?俺』
「う、うん・・・お疲れさま・・・」



涙を何とか堪えて、そう言った。
だがジョシュは私の少しの異変にも気づいてくれる。



『・・・どうした?元気ないけど・・・何かあった?』
「ううん・・・何もないよ?大丈夫」



ジョシュは優しい・・・
こんな事くらいで心配してくれる・・・



『なら・・・いいけど・・・・・・』
「うん、平気よ?それより撮影終わったの?」
『ああ、撮れなかった分は明日になったけど・・・今日はもう終わり』
「そう・・・」
『で・・・さ・・・今から出てこれる・・・?』
「え・・・?」
『ちょっと会いたいんだ。ダメかな・・・?』




胸がギュっとなった。
ジョシュの言葉で、こんなにも心が暖まる。



「出れるわ・・・?どこに行けばいい・・・?」



零れそうになった涙を慌てて拭きながら何とか明るい声で尋ねた。
するとジョシュは困ったような声を出した。




『それが・・・さ。マネージャーの奴が心配性で、このホテルでなら会ってもいいって言うんだ・・・だから――』
「分かった。じゃあ私が行けばいい?」
『いや、危ないから俺が車で迎えに行くよ。門のとこに・・・15分後でどう?』
「うん、分かった。じゃあ15分後ね?」
『ああ。じゃあ後で・・・』
「後でね」




そう言って電話を切ると、私はすぐに服を着替えた。
さっきまでの暗い気持ちが一気に晴れていく。


本当に不思議・・・・・・
ジョシュに会える。
たった、それだけの事なのに、こんなにも心から色々な感情が溢れてくるから・・・・・・



着替え終わると簡単にメイクをしてバッグを持つ。
あと5分ほどで時間だ。
そのまま部屋を出てケイトに出かけてくると声をかけた。
ケイトは何も言わず、ただ、「気をつけて」と笑うだけだった。



静かに廊下を出ると、そのまま非常階段から表へ出た。
暗い中、慎重に下りて行くと門に向って歩いて行く。
数人の学生は歩いているが昼間よりは少なく、ちょっとだけ不気味だ。
何となく後ろが気になり足を速めようとした。
だが、その時、いきなり肩を捕まれた。



「―――っ」


「どこ行くんだ?」





心臓が飛び上がり、慌てて振り向けば、そこには怖い顔をしたマイケルが立っていた。



「マ、マイケル・・・・・・驚かさないでよ・・・」



少しだけホっとして、そう言うも、マイケルは怖い顔のままだ。



「どこ行くんだ?こんな時間に・・・」
「ちょ、ちょっと・・・友達のとこに・・・。マイケルこそ・・・どうしたの?」
「俺はバイトの帰りだ。それより・・・・・・友達って・・・?」
「え?あ・・・えっと・・・」



なんて言って誤魔化そうかと考えていると、マイケルが溜息をついた。



「ジョシュって人のところか・・・?」


「え・・・?」


「知ってるよ。最近、よく二人で会ってるんだろ?」




マイケルはそう言って私を見た。




「ど、どうして・・・」
「刑事に聞いた」
「え?」
「アレックスが事故にあった日・・・・・・彼と一緒に病院にいたんだろ・・・?」
「・・・・・・・・・っ」




そうか・・・あの刑事・・・マイケルのとこにも事情聴取に行ったんだ・・・・・・・・・
その時にジョシュのことも聞いたんだろう。




「あ、あのマイケル・・・・・・」
「お前・・・・・彼のこと・・・好きなのか・・・?」
「・・・・・・マイケル・・・」




いつもと違い、真剣な顔で見つめてくるマイケルにドキっとした。
だが自分の心は誤魔化せない。
そのままマイケルを真っ直ぐ見つめ返し、小さく頷いた。




「そうか・・・・・・」
「あのね、マイケル・・・ジョシュは――」
「あいつはやめておけ」
「え・・・?」
「やめた方がいい・・・。が悲しむだけだよ」



マイケルはそう言うと私の肩を掴んだ。



「ロケが終わればいなくなる奴だろ?しかもACTORなんてやってて忙しいんだ。と会う時間すらないんじゃないか?」
「ちょ・・・やめてよ、マイケル・・・。それでもいいの。放っておいて」



私はマイケルの腕を振り払って門の方に走って行った。


彼は追いかけて来なかった。





















「いいの?あんなこと言っちゃって・・・」
「・・・メグ・・・」



の姿を見送っていると、後ろからメグの声が聞こえた。



「仕方ないだろ・・・?が悲しい思いをするのは目に見えてる」
「だからって、あんなこと言ったら逆効果じゃない。嫌われるだけよ?それでいいの?」
「・・・うるさいな・・・放っておいてくれよ」



マイケルは顔を顰めてそう言うと寮の方に歩き出した。
メグもすぐに後を追う。




「レザーとデートだったんじゃないのか?」
「してきたわよ?でも今、送ってもらったの」
「へー。泊まって来なかったんだ」
「そんな、しょっちゅう泊まれないわよ。彼だってバンドの練習とかあるし」
「・・・お前が、そんなこと気にするんだ。以外だな」



マイケルは皮肉るように、そう言うとメグの方を見て笑った。
だがメグは真剣な顔のまま、マイケルを見上げる。




「仕方ないでしょ・・・・・・?マイケルがこっちを見てくれないんだから」
「おい――」
「誰にも言わないわよ。だけど・・・時々なら会ってくれてもいいんじゃない?」



メグはそう言うとマイケルの腕に自分の腕を絡めた。



「やめろよ・・・っ。誰かに見られたら・・・」
「困る?にバラされるのが?」
「メグ・・・!」



そこでマイケルは怖い顔でメグの腕を振り払った。



「俺は・・・お前のこと好きだよ。でも――」
「それは幼なじみとして、でしょ?知ってるわ?前にも聞いた」
「だったら何で・・・」
「それは私の台詞よ!だったら何で、あの時"私を抱いたの"?!」
「――――っ!」




メグの言葉にマイケルはハっとしたように立ち止まった。




「メグ・・・・・・」


「・・・ごめん・・・分かってる・・・。の"代わり"でしょ?」


「・・・・・・・・・・・・」


「いいの。私だって分かってたんだから・・・・・・でも・・・」





メグはそこで言葉を切ると唇を噛み締めた。




が他の人と付き合うたびに、あなたが傷つくのは、もう見たくないの・・・っ」


「メグ・・・!」





メグはそう言うと寮の方に走って行ってしまった。




マイケルは追いかける事も出来ず、その場に暫く立ち尽くしていた。






















!」




ジョシュは笑顔で私の方に駆け寄ってきた。
車の外で待っていてくれたのだ。




「ごめんね、ちょっと遅くなっちゃって・・・・・・」
「いいよ。何かあったのかって思って今、電話しようかと思ったけど」



ジョシュはそう言っておどけて笑った。
その優しい言葉に一瞬、喉の奥が痛くなるがグっと堪えて笑顔を作る。



「じゃあ乗って。あまり時間ないからもったいないし」
「あ、うん」



そう言ってドアを開けてくれたジョシュに促され車に乗り込んだ。
ジョシュもすぐに運転席に乗り込むとエンジンをかける。




、お腹空いてない?」
「あ、うん・・・一応、食べたわ?」
「そっかぁ。俺、何も食べてなくてさ。ルームサービスとっていいかな」
「うん」




ジョシュの笑顔を見ながら頷くと、ゆっくりと車が動き出した。
ジョシュは運転しながら煙草を咥え火をつけている。




「ほんとは今日、会うの無理かなって思ったんだけど・・・思ったより早く終わったから良かったよ」
「でも・・・大丈夫・・・?疲れてるんじゃ・・・・・・」
「ん〜。でもの顔見たら元気になった」
「・・・・・・っ」




ジョシュの言葉にドキっとして俯くと、車が信号で止まった。
そして不意に暖かい手が頬に添えられ、更に鼓動が跳ね上がる。




「何で俯くの?」
「え?べ、別に・・・・・・」




至近距離でジョシュと目が合い、一気に顔の熱が上がっていく。
だが彼はちょっと微笑むと、優しく唇を重ねた。
その感触ですら心臓に負担がかかりそうなほどにドキドキしてくる。





「凄く・・・・・・会いたかった・・・・・・」


「・・・・・・ぅん・・・」




少しだけ唇が離された時、ジョシュが呟いた。


ドキドキと一緒に心の底から彼が愛しいという想いが溢れてくる。






「好きだよ・・・」




ジョシュはそう言って、もう一度唇を重ねた。



軽く抱き寄せられ、彼の香りが鼻をつく。





その瞬間、さっきマイケルに言われた言葉を思い出した。






"ロケが終わればいなくなる奴だろ?"






そんなの分かってる・・・・・・


それでも今、この気持ちを止められない・・・・・・


ジョシュが好き――――










そう思いながらジョシュの腕をギュっと掴めば、優しく抱きしめられた・・・・・・




















 

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Postscript


久々の更新ですみません^^;
ちょっとスランプ入ってました(苦笑)
だんだん佳境になってきましたかねー


本日も皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて...


【C-MOON...管理人:HANAZO】