Vol.12...Graduation ceremony of a rainy day...Second Half





It stops. When your gait is overdue


It sits down. When it has the look at your wound


Moreover, he also begins to walk. It is if together with you. It is surely pleasant


Easy thing All Since it is very easy, it is...








― 立ち止まるのは 貴方の足取りが遅れた時


座り込むのは 貴方の傷を診てあげる時


 また歩き出すのも 貴方と一緒なら きっと楽しい


簡単な事 全ては とても簡単な事だから…









?用意できたの?」
「うん」
「じゃ、早く降りてらっしゃい!もう出るわよ?」
「今、行くわ!」


はベッドから立つと鏡の前へと立った。


今日は卒業式。
お父さんも、お母さんも、何だかソワソワしているらしい。


(まだ少し早いくらいなのに…)


私は、おかしくなって吹き出した。


(結局…ジョシュは間に合わなかったなぁ…卒業して、門から出る時に迎えて欲しかったのに…)


私は少し溜息をつくと、それでも両手で頬をパンと軽く叩き、勢いよく部屋を出て下へと降りて行った。




…ほら、もう出るわよ?ジョーも預けてきたし…」 


と、お母さんが一人慌てている。
今日は弟のジョーは隣の人に預かってもらっていた。


「お母さん…まだ少し早いわ?」
「でも…車を止められなくなったらイヤだってお父さんが…」
「あ、そうか…それもそうね…。止められるとこ探し回るのも面倒だもんね」
「そうなのよ…。だから、もう出るけど…忘れ物はないわね?」
「うん、今、チェックしたわ」
「そう…じゃ、行きましょうか。お父さんは、とっくに車の中で待ってるわ」


と、お母さんが笑いながら言った。
「やだ…ほんと、せっかち!」 と私も笑うと、お母さんと駐車場へと歩いて行った。


「遅いぞ!早くしろ」


お父さんはすでにエンジンまでかけてイライラしたように待っていた。
私とお母さんは顔を見合わせ、「ごめんなさい」 と少し笑うと、素早く車へと乗り込んだ。


「じゃ、行くとするか…」 


お父さんが独り言のように呟くとエンジンをかけて車を発車させる。
少し早い時間だからか、人通りもまばらだった。


「しかし…ジョシュは残念だったな…。間に合わなくて…」


お父さんがバックミラー越しに私の方を見て言った。


「うん。でもジョシュ、忙しいから仕方ないわ…?それに今日で、ほんとに撮影終ると思うし…明後日には帰ってくるんじゃない?」
「そうか…。ま、でも安心したよ。が泣き叫ぶんじゃないかと、母さんと心配してたんだ」


と言いながら父は笑っている。
私も吹き出して、「やだ…そんな子供じゃないわ!」 と澄まして言うと、


「でも…、帰って来てから、少し変わったわね?向こうで何かあった?」 


お母さんが振り向いてそう言ってきて、私はドキっとした。




変わったこと…
それはきっと、ジョシュを兄としてではなく…。一人の男性として好きだと気づいたからかもしれない…
自分ではよく分からないけど…周りから見れば変化が分かるのかも。
久し振りに学校へ行った時も、アリーに、


…何だか変わったね?少し大人っぽくなったかも」 


と言われてドキっとした。
自分ではまだまだジョシュに甘えてばかりで、子ども扱いされても仕方ないとさえ思っていたのに…


(少しは…私も変われるのかな…ジョシュとつり合うような女性に…)




あまりに黙っているので心配になったのか、お母さんは、「?どうしたの?」 と、また声をかけてきた。


「え?!あ…何でもないわ?それに・…別に向こうで変わったことなんて…。
あ、でも知らない人とも仲良くなれて、友だちがいっぱい出来たのよ?女の子も、男の子も」


すると、お父さんが、「何?男の子もか?お前…大丈夫なのか…?」 と心配そうにしている。
私はお父さんが、あのことを気にしているのだろうと思って笑顔で答えた。


「お父さん、私、彼らだけだけど…。少しなら大丈夫になったのよ?凄いでしょ」
「ほ、ほんとか?」
「ええ、ほんと!本当に、いい人達なの。こっちにも遊びに来たいって話してたし…来たら家に泊めてもいいでしょう?」
「あ、ああ!構わないよ。――しかし…女の子の方だろ?」 


と、お父さんは変なことを心配してるので、またおかしくなった。


「やだ、男の子でもジョシュと友達なんだから、ジョシュのとこへ泊めたらいいじゃないの」
「あ、そ、そうか、そうだな…アハハ!」


と何故か、お父さんが顔を赤くしている。 
それを見て、お母さんも嬉しそうに笑っていた。
私は少し微笑みながら窓の外を見た。
するとポツポツっと雨粒が窓に落ちてきて、突然の大雨に変わった。


「あら、やだわ…凄い雨…」 


とお母さんも窓の外を見ている。
でも私は、雨でも嬉しかった。




雨が…ジョシュを連れて来てくれる気がして―










学校へつくと、私達は、車を降りて雨の中、走って校舎に入った。そこへ―


ー!おはよう!」


と、アリーが廊下から走ってくるのが見えた。


「おはよう!。アリーのとこも早いのね!」 


と私は雨を払い落としながら言うと、


「そうなの!うちのパパ、駐車場が混んだらイヤだって言うから…」 とアリーが肩をすくめる。
私は吹き出して、「嘘?私のとこもよ?どこでも親は一緒なのね」 と言って二人で笑った。


後ろでは、お父さんと、お母さんが、濡れたコートをハンカチで拭きながら、アリーの両親へと挨拶をしている。


「じゃ、行こうか?凄い雨だもんね」
「ええ、何だか卒業式!って感じよね?」 


と私がワクワクしたように言うと、「何よ、それ?」 とアリーも笑いながら一緒に式を行う講堂へと歩き出した。


「今日も校長先生の話、長いのかな…」 


アリーがうんざりした顔で呟く。
私も少し顔をしかめて、


「ほんと…リハーサルでも、あれだけ話せれば大したもんよね…」 
「あれだけで20分はキッツイわぁ…寝ちゃいそう…」
「ほんと…それで式が伸びるのもイヤだわ…」




私とアリーは顔を見合わせて、同時に溜息をついたのだった。












式が始まって在校生から卒業生へ軽いメッセージを読んだ後、私とアリーがウンザリしていた校長先生がステージの上へと上がった。
私とアリーは隣同士に座っていたので、また顔を見合わせる。
そこで校長先生の長い挨拶が始まった。


「えー本日は…この大雨の中…忙しいながらも、こうして集まって頂き…非常〜に嬉しく思います!」



私は吹き出しそうになった。


(全く…結婚式じゃないっての…!)


チラっとアリーの方を見るとアリーも顔を赤くして笑いを堪えていて、でも少しだけ肩が震えていた(!)
そして私の方をチラっと見て、声を出さずに大口を開けて笑い出した。
私も手で口を押さえつつ、声を殺して笑い出す。
他にも私達以外に同じようにヒソヒソと話しながらクスクスという笑い声が聞こえてきた。
そんな事には一向に気づかず、校長先生はだんだんとヒートアップしてきたのか、声が大きくなってきた。


「こんな素晴らしい生徒が我が校から旅だって行くのは!私にも非常に寂しいことでありまぁす!!
でも!皆さんも、これから社会へと出て!
幾多の困難にも立ち向かい!そして、いつかは成功をする!それを見守るのが私の夢でもあるのでーす!」


だんだん演説みたいになってきて右手の拳を振り上げている。


私は我慢できずに、「ぷ…っ」と吹き出してしまい、黙って校長の話を耐えて聞いてる生徒に睨まれてしまった。
私は顔を下にして肩を震わせながら何とか我慢していた。


(もう…!卒業式って言ったら感動して泣くものなのに…!何で、私は笑いで涙が出て来るのよ…勘弁して!)




私は後で卒業証書を校長先生から受け取る時、吹き出してしまわないかと、そっちの方が心配になった。









「一緒に写真撮ろう?」
「あ、あっちで撮ろうよ」


あちこちで生徒同士が、雨が降っているので校舎の中で一緒に写真を撮ったりしている。
私は玄関近くの廊下でそんな光景を見ながらアリーと話していた。
お父さんとお母さんも、親同士で話をしている。
もっぱら、「お宅の息子さん、俳優なんですってねぇ…。いいわねぇ、素敵だわ」 などと言われてるのである。




「ほんと…大人でもミーハ―なのよねぇ。うちのママも何だか雑誌買って来て、
"この男の子よね?ちゃんのお兄さんって"って言い出した時は驚いちゃったわ?恥ずかしいったら…」


と、アリーは肩をすくめた。
私は笑いながら、「そうなんだ!アリーのママは奇麗だし、そんな事しそうにないのに」 とチラっとアリーの母親を見た。


「そう?ママはかなりミーハ―よ?だってブラッドピットのファンだし」
「え?そうなの?」
「ええ、何本もビデオ借りてきたりしてね。私にまで見せるんだから。」
「あはは!可愛いじゃない?うちのお母さんはそういうの疎くって、ジョシュが俳優になるって言った時も舞台俳優かと思ってたくらいだし」
「そっちの方が可愛いわ?うちのママなんて子供の私より、芸能人に詳しいんだもの…」


アリーが苦笑しながら言ったのを、私も笑いながら聞いていた。
すると、アリーはその母親から呼ばれてそっちの方へと歩いて行く。


私は玄関から外を眺めた。
雨は止む気配もなく、サーサーっと静かな音で降っている。
さっきの大雨から、いつしか霧雨に変わっていた。
私は学校の傘をさして、外に出てみた。
この3年間の思い出が、色々と思い浮かんだ。
最初の頃は、憂鬱で仕方なくて帰る時間が待ち遠しかったりした。


すぐにジョシュに会いに行きたくて…
でも…それなりに…楽しかったのかもしれない。


私は誰もいない校庭を門の方へとゆっくり歩いて行った。
雨で少し冷えたが、それほど気にもなるわけでもない。
こんな静かな雨の音を聞くと…ジョシュと初めて会った日を思い出すから安心するのだ。




あの日…ジョシュの家について、私は知らない人に会うのだという怖さから、
お母さんの手を握り締めて玄関前の門をくぐって、こうしてゆっくり歩いて行った。
雨が降ってきたのも、不安になる理由の一つだったかもしれない。
空はどんよりしてて、あの日の私は、まさにそんな感じだった。


インターホンを鳴らすと、お父さんが笑顔でドアを開けてくれて…それでも私は少し怖くてお母さんの後ろに隠れてしまった。
すると後ろからちょっと、ひょろっとした男の子が歩いて来て、そっとタオルを差し出し…


「ようこそ!」 


と優しく微笑んでくれたのだ。


それが…ジョシュだった。


私はその優しい笑顔に一瞬で安心した。
それだけは、はっきりと覚えている。
そして…あの日の雨の音も…その笑顔で、心地いいものへと変わった。


そう…今のようにジョシュに会えない時に聞くと…不安な気持ちが少し和らいでくるのを感じる。
雨の音は私にとって、ジョシュに微笑まれて安心した時の気持ちを鮮明に思い出させてくれるからだ。


立ち止まって、そっと空を見上げてみる。
細い霧雨が細かく私の顔へと落ちてきて、それがとても気持ち良かった。
その時、静かな音の中に、車のエンジン音が聞こえてきた。
まさか遅れてきた父兄じゃないわよね?と思いつつも、校門の方まで少し歩いて行くと一台のタクシーが止まった。


(やだ…ほんとに遅刻した誰かの父兄かしら…。もう、とっくに式は終ってるのに…)


私はジっと一人、そこに立ったまま、そのタクシーを見ていた。
その時、校舎の方からも数人、帰るために、ぞろぞろと出てきた気配がしていた。
だが、私は振り向く事もしないで、タクシーのドアが開くのを見ていた。


そして――


傘を差して降りてきた男の人を見て、私は心臓がドキドキと凄い速さで打つのが分かった。
タクシーから降りてきた男性は、スラっと身長が高く、黒のコートを着ていた。
でも傘を差しているので、はっきりと顔は見えない。


だが…その男性が、ゆっくりと私の方へと視線を向けた瞬間――



私は傘を放り投げ、走り出していた――









「ジョシュ!!」






?!」




私は雨に濡れる事も気にしないで、ジョシュのもとまで走ると、思い切り抱きついた。


「ただいま!!」


ジョシュは嬉しそうな声で私を抱きとめると、きつく抱きしめてくれた。
足元にジョシュの持っていた傘が落ちる。
私は涙がボロボロ出てきてジョシュのコートをギュっと掴んだ。


「ジョシュ…!来て…くれた…の?」 
「ああ、驚かそうと思って…。実は朝方3時頃に撮影が終ってさ、監督に頼んで一足先に帰らせてもらったんだ。
朝、電話しようかとも思ったんだけど…朝一番の飛行機、慌てて取って、そのまま来たから…
ちょっと遅れちゃったけど… ―卒業、おめでとう…


そのジョシュの声が電話じゃなく、本当に自分の耳に直接聞こえて来て"おめでとう"と言ってくれたことが嬉しくて、
私は何も言えず、ただジョシュの胸の中で頷いた。
何度も、何度も、何度も…




「…?濡れちゃうよ?」


ジョシュが心配そうに聞いてくる。


(ああ…いつものジョシュの声だ…)




そう思うと、また涙が出て来る。


すると後ろから、「まあ、ジョシュ?!」 


と驚いたお母さんの声が聞こえて、私は慌ててジョシュから離れて涙を拭いた。


「やあ、母さん、ただいま!」
「ただいまって…。あなた、今来たの?」


お母さんも目を丸くして驚いている。


「ジョシュか?!」
 

その後ろからお父さんも走って来た。
ジョシュは落とした傘を拾うと、私の肩を抱き寄せ、濡れない様にしてくれる。


「父さん!ただいま」 
「お前…帰れないって聞いてたから…全く…驚かせるな!」
「もう…の姿が見えなくて、校門の方を見たら、人影がするから来てみたら…二人でいるんだもの…驚いちゃたわ…」


お母さんは、まだ驚いているのか胸を押さえて息を吐き出している。
私はジョシュを見上げて微笑むと、ジョシュも私を見て微笑んでくれた。


…濡れちゃったね…風邪引くよ…」


ジョシュはそう言うと自分のコートの中へ私をくるんでくれる。
そこで少し恥ずかしくなり、ふとお母さんたちの後ろへと視線をやって驚いた。




そこには帰ろうとしていた生徒や、その両親たちが数人、驚いた顔で見ている。
私は恥ずかしくてジョシュの胸へと顔を埋めた。
ジョシュは笑いながら、そっと頭を撫でてくれている。
そこへ、「…?」 とアリーの声がした。
私はまた顔を出すと、アリーも驚いた顔で両親と門の前に立っていた。


「あ、アリー。帰るの…?」 


照れくさいのと、まだ少し動揺していたのかあまり関係ないことを聞いていた。


「え、ええ…にも挨拶しようかと思って探してたの…。 もしかして…お兄さん?」


アリーはジョシュの方をチラっと見て言った。


「う、うん…あの…ジョシュよ? ジョシュ…彼女、友だちのアリー前に話したでしょ?」
「ああ、覚えてるよ。どうも、初めまして。いつもと仲良くしてくれてありがとう」


とジョシュは、こっちへ歩いて来たアリーへと手を出した。
アリーは少し顔を赤くしながら、「あ、あの…アリーです…。初めまして…」 と挨拶している。
するとアリーの母親までもが、「あの…アリーの母です…!」 と言って手を出してきて、
ジョシュもまた笑顔で「どうも…。の兄です」 と握手している。
アリーの母親は、


「まあ、雑誌で見るよりも、素敵ですわ!」 


と言って、アリーに、


「ちょっと!ママ、やめて!恥ずかしい…!」 


と服を引っ張られている。


それにはジョシュも苦笑しつつも、「ありがとうございます…」 とお礼を言った。


「と、とにかく…風邪を引いても何だし…帰るか?」 


とお父さんが言った。


「ああ、そうだね。、ちょっと濡れちゃったんだ。父さん、車、まわして来れる?」


ジョシュはまだ私をコートの中に包みながら、お父さんの方へと振り向いた。


「ああ、待ってろ。今、ここへ回すから。母さんも、ここで待っててくれ」 


そう言うと、お父さんは小走りで駐車場へと車を取りに行った。
私はジョシュの体温に安心しつつも、帰ろうとしている生徒たちが、ぞろぞろ出て来ては私の方を見ていくのが恥ずかしかった。


(でも…ま、いいか…。今日で卒業だし…)


そんな事を思っていると、「…寒くない?」 とジョシュがいつもの優しい笑顔で頭を撫でながら聞いて来た。


「うん、ジョシュがあったかいから大丈夫よ?」


そう言うと、ジョシュも嬉しそうに微笑んでくれる。
そこへ…あの騒がしい声が響いた。


「きゃーー!?!  そ、その人…もしかして…お兄様?!」


何と、一番、会わせたくないルイスが目ざとく見つけて校門の方から駆け寄ってきた。
私は、嫌な顔を隠しもせず、「…うん」 と小さく答えた。


「キャー!うっそぉーー?! カッコイイ!!本物だわ!…あの握手して下さい!ファンなんです!」


と言って、ルイスが、傘を肩と顎の間に挟むと何と両手を出した。
だがジョシュも傘を持っているので、苦笑しながら、


「ごめんね?こんな状態だから、片手で失礼するよ…」 と微笑んで、ルイスと握手をしている。
それでもルイスは、「いいえ!!嬉しいですーーっ!」 と騒ぎ、ジョシュの手を両手で包んで握手をしていた(!)


それを見てムカっと来たが、アリーと目が合い、彼女が、「困った人ね?」 と言うように目で合図をしてきたので少し笑うと、軽く頷いた。
お母さんに至っては若い女性の黄色い声が頭に響いたのか、こめかみを押さえている。
そこへやっと、お父さんが車で出てきた。
ジョシュはそれを見ると、まだ手を掴んでいる(!)ルイスへ、


「…ごめんね?が風邪引くといけないから…もう行くよ」 


と言って営業スマイル(?!)なのか、ルイスへニッコリと微笑むと、
ルイスも目がハートになって、「はい!」 と言いながら、やっとジョシュの手を解放した。
するとジョシュは素早く車のドアを開け、まず私を乗せてくれた。
そして自分も乗り込むと、すぐに私を抱き寄せてくれる。
それが嬉しくてルイスのことなど、すぐに忘れてしまった。
そこへ、コンコンと音がして窓の方を振り返ると、アリーが笑顔で手を振っていた。
慌てて、少しだけ窓を開けると、


、卒業しても、、たまには会いましょうね?」 とアリーが少し涙目で言ってくれた。
私も、「うん。電話するね…?」 と言って微笑むと、アリーも笑顔で頷く。


「じゃ…また!」
「うん。、またね!」


お互いに手を振ると、お父さんが、「もう出しても大丈夫かい?」 と聞いてきたので、「うん…」 と答えた。
私はアリーに最後に、また手を振ると窓を閉めた。
その時、車がゆっくりと走り出す。
後ろで、かすかに、「お兄様〜〜!!」 と聞こえた気がしたが、気のせいだと思うことにした…(!)


そっとジョシュを見ると、ジョシュも私を見て、「寒くない?もうちょっと、こっちへおいで?」 と言って私を抱き寄せてくれる。
両親の前で、こんなにギュっと抱きしめてくれたのは初めてだったので、私は少し驚いたが、
別にお父さんも、お母さんも気にしてないようだったので、素直にジョシュへと体を預けた。


「ちょっと体が冷えたね?帰ったら、ちゃんとお風呂に入れよ?」 


とジョシュは私の額へとキスをしてくれた。
私は何も答えず、頷いてジョシュの胸に頭を寄せる。
すると、お父さんが、「ジョシュ。今夜はうちに泊まるんだろ?」 と聞いている。


「ああ、そうするよ…。夕べ、一睡もしてないんだ…これから自分の家に帰るのもだるいしさ」
「そうか!そりゃ無理したな?お前も…」
「当たり前だろ?我が家のお姫さまが卒業するって日に、来ない訳にはいかないよ」 


私は顔が赤くなったが、お父さんは、「そりゃ、そうだな!」 と言って笑いだした。
お母さんも、「ほんとね?じゃ、ジョシュは、我が家の王子さまってとこかしら?」 と寒い事を言って笑っている。
それにはジョシュも苦笑いして、「王子さまってガラじゃないだろ?」 と肩をすくめた。


「今夜は二人の好きなものを作るわね? あ、あなた、買える前にマーケットに寄ってね?」
「ああ、分かってるよ」



二人も何だか今日は嬉しそうだった。


(きっと…久し振りに家族が揃うからだろうな…)


私はそんなことを思いながら小さく溜息をついた。


でも…もう心は"家族"じゃなくなってしまった…
ごめんね?お父さん…お母さん…。
私は…ジョシュを兄としてじゃなく…一人の男性として愛しているの…。




ジョシュの胸に頬を寄せてる私の頭を、ジョシュが優しく撫でてくれている。
そのジョシュの手の温もりが、出会った日からいつでも私の宝物だった…。




「ジョシュ…?」
「…ん?」
「I wanted to meet...」




そっと小声で呟いた。
するとジョシュも―




「It is also me...」




と囁いて、優しく私の額へとキスをしてくれる。
私は何度も、心の中で、"会いたかった…"と呟き、ジョシュの胸に顔を埋めるとジョシュが本当に私の側に居るんだということを何度も確認するように、そっとジョシュを抱きしめた…。




外はまだ静かな音をたて…雨が降り続いている―









Postscript

ヲヲっとぉ〜v長くなってしまいました(汗)
ヒロイン、とうとう卒業です。
何だか卒業した時の気持ちなんて、とっくに忘れてるから(笑)
思い出しつつ書いてみましたんv
私もジョシュのコートに包まれたい…!自分の願望ですかね。エッへッヘ(バカちん。笑)
えと…多分、ここで一部と言うか…ヒロイン18歳は終了です。
次からは飛びまして…20歳くらいになってるかもです(笑)
あ、でもまだ繋ぎとして書くかもしれませんが、そろそろ…20歳にしたいです。


本日も皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて...

【C-MOON...管理人:HANAZO】