Vol.17...Also me...






A tight hug is made to be given. With nakedness


Also what time It can bear. If you are


A tight hug is made to be given. Don't be afraid.


I am the whole life. Are restrained by as by love


Quiet night Are by two persons and it needs


much much supporting Eternal


You You It is made to cry up


You You It does not detach...






さあ 抱きしめさせて 裸のままで


どんな時代も 耐えられる キミがいたら


抱きしめさせて 怖がらないで


僕は生涯 愛に縛られたままで


静かな夜は 二人でいよう


ずっと ずっと 支えていて 永遠に


君を 君を 泣かしたって


君を 君を 離さない…












「お疲れさん、ジョシュ!」
「ああ、お疲れ」


僕はスタッフに声をかけられ笑顔で手を上げた。


「今日で今年の撮影は終わりだろ?何?家に帰るの?」
「うん、一度、自分の家に戻ってから…クリスマスには実家に帰るよ」
「へぇ、真面目だな?クリスマスは家族と過ごすのか?恋人は?当然いるんだろ?」


そのスタッフの言葉に、ちょっとドキっとする。


「いや…いないよ?」
「ええ〜?嘘だろぉ?別にゴシップ雑誌に売らないし正直に答えろよ」


スタッフの男性は、ニヤニヤしながら僕の肩に腕をまわしてくる。
それには少し苦笑しつつ、「ほんと!いないって…勘弁してよ」 と肩に回された腕を離した。


「ほんとに?いや〜信じられないって!だってモテるだろ?ジョシュはさ〜。
外見はもちろんだけど…お前はさ、中身がいいんだよな、俺好きだよ、ジョシュみたいな男!」
「男に告白されても嬉しくないよ」


少しおどけた顔で肩をすくめると、そのスタッフは大笑いしながら僕の背中をバンっと叩いた。


「ま、それもそうだな?じゃ、今度、俺が、お前に合ういい女を探して招介するよ!」
「ああ、それも勘弁!」
「ええ?何でだよ…?!」
「俺に合う女は…この世に一人しかいないからさ?」


僕が済ました顔で、そう言うと、そのスタッフは驚いた顔で、


「え?!何?やっぱ恋人いるんじゃないか!誰?どんな子?」 


と興味津々で聞いてきた。
僕はちょっと笑うと、


「恋人じゃないって!…あ、俺もう行くわ…。明日、妹が帰って来るんだ。早く帰って掃除しとかないと…」


と時計を見ながら言った。


「ええ?妹…って…?」


スタッフは首を傾げている。
僕はニヤっと笑うと、「俺に合う、この世に一人しかいない女の子だよ!」 と言って、「じゃ、また来年!良いお年を!」 
と急いでスタジオの駐車場へと走り出した。
すると後ろから驚いた声と、
「お〜い!お前はシスコンか!待て!俺がいい女、招介してやるから〜!待ってろよ〜!」 と叫んでいる声が聞こえた。


僕は走りながら軽く手を振り、苦笑した。




いい女なんて必要ない。


他の女なんて目に入らない。


僕の傍には…一人がいればいい――







あの夜、の気持ちに気付き、僕は毎日が信じられない思いで過ごしてきた。
あれから、また会えなくなったけど…何故か前のように寂しくはない。
いや…には会いたいという気持ちは前以上にあるのかしれないが、なんだか心が満たされていた。
電話で話すたびに、その想いが増えてゆく。
も何も言わなくても、もう僕の気持ちに気付いているのか、どこか恥ずかしそうだった。


明日…やっと…会える。
の誕生日だ。


ほんとならは大学が休みに入って、すぐ実家の方に戻る予定でいたらしいが、まずは僕の家で過ごしたいと言ってきた。
実家には一日遅れで帰ると連絡したらしい。
父さんや母さんはの誕生日を皆で祝いたかったらしく、僕が、映画の撮影の為、こっちに帰った時、実家に顔を出したらボヤいていた。
まさか、僕の家に泊まるから…とは言えず、何も言わなかったんだけど…


今は映画の撮影の為、ミネアポリスに戻って来ている。
来年の1月まで撮影が続き、その後は、オフを取る間もなく次の撮影が入っていた。
それはロスで撮影に入るし、も大学が残ってるから、二人でゆっくり出来る時間は少ししかない。


でも…前より不安じゃなかった。
ただ…心配なことは一つだけ…


僕との事を…父さんと母さんに許して貰えるかどうかって事だけだ。


きっと…びっくりするだろうな…
もしかしたら父さんに殴られるかもしれない。
父さん、の事になると心配性が悪化するんだから・…
まさか大事な娘を奪う男が、自分の息子だとは思ってもないだろう。
そう思うと、何だか可愛そうな気もする。




僕は車に乗り込むと、すぐに自分の家に向かった。
暫く帰らなかったのもあるが最近、戻ってからは忙しくて、まともに掃除が出来なかったし今日中に掃除してしまいたい。
汚したままだと、に怒られるのは目に見えてるからな…。


スピードを出してきたので、すぐに家についた。
僕は時計を見ながら家に入り、すぐに明かりをつけると、ちょっと溜息が出る。


「はぁ…何から手をつけよう…」


思った以上に、散らかっているリビングを見て、僕はがっくりと頭を垂れた。













「Hello…あ、?」
『うん。まだ・…起きてた?』
「うん、起きてた…というより、まだ寝れないって感じかな?」
『え?』


僕は苦笑しながら部屋の中を見渡した。
さっきよりは、かなり片付いたが、後は洗濯が残っている。


『どうして…?仕事…?』
「あ、いや…ちょっと怠けてて部屋が散らかりすぎたから片付けてたんだ」
『ええ〜ジョシュが?』
「なぁんだよっ。俺が掃除したら変か?」


クスクス笑うに、僕は苦笑いしつつ言い返した。


『ううん…そんなの私が明日行った時にやるのに…』
「そんな…久々に帰って来て掃除なんて頼めないだろ?つくのだって夕方なんだし」
『そう…?でも今晩中に終りそう?』
「そういうこと言うんだ?いいよ、徹夜で頑張るからさ」


僕が笑いながら、そう言うと、もクスクス笑っている。


『じゃあ…明日は終業式終ったら、すぐ飛行機に乗るね?』
「ああ、空港まで迎えに行くよ」
『あ、いいわ?アリーと一緒に帰るから、彼女の両親に乗せてもらえるの。だから真っ直ぐジョシュの家に行く』
「そう?じゃ、家で待ってるよ」
『うん。あ…私、もう寝るね?』
「ああ、もうこんな時間か…」
『うん。ジョシュも、あまり遅くまで無理しないでね?』
「分かってるよ。洗濯したらすぐ寝る。今日の撮影でクタクタなんだ」
『帰ったらまた話聞かせて? ――じゃ…おやすみ、ジョシュ』
「OK。 ―おやすみ、


そこで電話を切った。


「はぁ…」


声を聞くたびに胸がドキドキするのは、いつからだったろう。
も…同じように思ってくれてるのかな…


そんな事を考えつつ、洗濯置き場まで歩いて行った。


「はぁ…とっとと洗うか…」




僕は現実に戻されて、また溜息を着いた―















Even when the falling rain is transmitted to a cheek


It is made to say any number of times that he likes


Such night as for which sadness is not made to language


A tight hug is given until it sleeps


Warmth of the hand which turned to the back


A tight hug is given automatically. Night which was able to be said so


Even reality when awaking out of a dream It seemed to be darling....









― 降る雨が頬を伝う時さえも


何度でも好きと言わせて


切なさが言葉にできないそんな夜は


眠るまで抱きしめていて


背中にまわした手のぬくもり


自然に抱きしめて そう言えた夜


夢から覚めた時の現実さえ 愛しく思えたの…















私は電話を切った後、枕元に携帯を置いた。
今まで聞いていたジョシュの声の余韻に浸りながら布団へと入ると、すぐ目を瞑る。


明日の夜には…ジョシュに会える。
そう思うと胸がドキドキしてきて目が冴えてきてしまうが、明日は寝坊できないので、何とか心を落ち着かせた。


"それは…が二十歳になった時に…答えるよ…"


あの夜のジョシュの言葉が思い出され、またドキンと胸が鳴る。


あれは…私と同じ気持ちだと…思っていいの?
ジョシュは私の気持ちを…分かったのよね…?
分かったうえでそう言ってくれたって事は…同じ気持ちだと思ってもいいよね…?


あの夜から何度となく繰り返し、心の中でそう問い掛けてきた。
また会えなくなって寂しかったけど、あのジョシュの言葉を思い出し、何とか今日まで頑張ってこれたのよ?
明日…その答えをジョシュは…ちゃんとくれるんだろうか…。
それとも…忘れてなんてないよね?


私は早く明日になって欲しい…と願いながらも、少し不安になり、布団を頭までかぶった。


あと…私は大きな心配事があった。


もし…もしジョシュも私と同じ気持ちだったとして…それを両親に隠しとおせるのか…ということ。
もし、私とジョシュが、男と女として想い合ってると知れば…きっと父さんも母さんも反対するに違いない。
それに凄く凄く悲しませる事になるかもしれない・…


そう思うと胸が痛む。




私は少し顔を出すと不安を消し去るように思い切り深呼吸をして、再びギュっと目を瞑った―

















「ふぁ〜眠い…っ」


アリーが車の中で大きな欠伸をして手で目をこすっている。
私も夕べ、なかなか寝付けなくて寝不足だったのだが、何故か今は眠くはなかった。


だって…久し振りのミネアポリスの街並みを見て、胸がドキドキして妙にハイテンションだったから…


ちゃん、あそこの角でいいのかい?」
「あ、はい。そうです」
「OK!」


アリーの父親の運転で空港からジョシュの家まで送ってもらってる途中だった。
車はジョシュの家の傍で停車した。


「ありがとう御座います」
「ほんとらしいわね?家に戻る前に、お兄さんのとこに来るなんて」

アリーがそう言いながらクスクスと笑っている。
私もちょっと笑うと、「じゃ、ありがとう、おじさん! ―アリー楽しい休日をね!」 と言って車を降りた。


「うん、も!電話するね?」
「うん」


私は笑顔で頷くとドアを閉めて、アリーに手を振った。
アリーもバイバイと手を振ると、車が動き出しすぐに走り去っていく。
私はそれを見送ると、ゆっくりジョシュの家に向かって歩いて行った。
すでに夕方の5時近く…
辺りは薄暗く、気温もかなり低くて寒かった。


「はぁ…」


溜息をつくと白い息が空に舞い上がって消えてゆく。
私はドキドキと心臓音が早くなるのが分かり、手にも汗をかいてきた。


「どうしよう…今頃、緊張してきちゃった・…」


独り言を呟きながら、ゆっくり歩くもすぐ家の前についた。
家に明かりがついてるのが見えて、またドキンと胸が高鳴る。
会いたいという気持ちと…この前の返事を聞くのが怖いという気持ちが混ざって息苦しい。
それでも私は決心をして、ドアの前に立った。
さっき空港から一度電話を入れてあるから、いる事は間違いない。
私は軽く深呼吸をして、チャイムへと手を伸ばした…その時―
ガチャ…ッと音がしたかと思うと、ひょこっとジョシュが顔を出して私は驚いた。




「わ…っ!」

「お帰り、!」




ジョシュは驚いて立ちすくんでる私を見て、嬉しそうに微笑みながら思い切り抱きしめてくれた。


「ジョシュ…?な、何で…分かったの?私が今…」


私の問いに、ジョシュは少し体を離すと、私の顔を覗き込んで、


「車のエンジンの音と…の声が、かすかに聞こえたからだよ?」 


と言って私の額に優しく口付ける。


「え?き、聞こえちゃった…?」


私はジョシュの久々の温もりにドキっとしながらも、なるべく普通に聞いてみる。
ジョシュはちょっと笑いながら、


「この時間、この辺は静かだろ?音が響くんだよ。俺、テレビとかつけてなかったしね」


と言って、今度は頬にチュっとキスをしてくれた。


「さ、入って…?今日は寒いし風邪引くぞ?」
「あ…う、うん…」


ジョシュは私の手を引いて中へと入ると、すぐに暖かい紅茶を淹れてくれた。
私はコートを脱いでバッグも部屋の隅に置くとソファーへ腰をかける。


「何だか…凄く懐かしい…ジョシュの家…」


私はそっと見渡すと、ゆっくり紅茶を飲んだ。
ジョシュは私の隣に座ると、私の肩を抱き寄せて来てドキっとする。


「そう言えば…もう一年以上は来てないか…」
「うん。でも…何も変わらない。ジョシュの匂いがする」
「え?そう?」


ジョシュは少し照れたような笑顔で、私の頬にキスをした。
それだけで顔が熱くなるのが分かり、私は俯いてしまう。
ジョシュはそっと私を離すと、いつもの優しい瞳で微笑んでくれている。


「あ、あの…ジョシュは…家に顔出した?」
「え?ああ…戻ってすぐにね?」
「そ、そう…母さんたち…何か言ってた?」
「ちょっと寂しそうだったよ?の誕生日を、皆で祝いたかったみたいだしね」
「そう…。毎年…家で祝ってもらってたから…」


私がちょっと寂しげに呟くと、ジョシュが優しく抱きしめてくれた。
頭に頬を寄せ唇で触れてくるのが分かり、さっき以上に顔が熱くなる。
そして私の額に、そっとキスをすると、「今年は…俺と二人で祝おう…?」 と言った。
その言葉に私の鼓動がどんどん早くなる。
ジョシュは私の顔を覗き込み、優しく微笑むと、「、ちょっと来て?」 と私の手を取り立ち上がった。


「え?な、何?」
「いいから」


ジョシュは、そのまま私を引っ張って寝室へと入って行く。
私はちょっとドキドキして、「あ、あの…ジョシュ?」 と顔を見上げた。
ジョシュは何も答えず寝室に入ると私の手を離し、ベッドの上にあった大きな箱を持つと私の方へ振り向いた。


「これ…誕生日プレゼント。着てみてくれる?」 
「えっ?」


私は目の前に差し出された奇麗な箱を受け取ると、ジョシュを見上げた。


「ドレス…なんだけどさ?に似合いそうだったから」


ジョシュはちょっと照れくさそうに頭をかいて私を見ている。
それだけで胸が一杯になった。


「あ、ありがとう…。あの…着てみるね?」
「うん。じゃ、俺、あっちで待ってるから」
「うん」


私が頷くと、ジョシュは、ニコっと微笑んでリビングへと戻って行った。
パタン…とドアが閉まると同時に涙が浮かんできて慌てて手で拭うと、「はぁ…」 と軽く息を吐き出す。


嬉しい…


心の底から、そう感じ、胸が温かくなった。
私は寝室の電気をつけると、奇麗にラッピングされた箱を開けていった。


「うわぁ・…奇麗なドレス…」


私はそれを手にとり、すぐに体に当ててみた。
そのドレスはアイボリー色のロングドレスで、前が巻きスカートのように合わさる形で、裾が前だけ斜めになっていた。
肩紐の所には奇麗なダイヤが散りばめられていて、四角い金具にはディオールの"D"の文字がお洒落な字体で刻まれている。


「わ…これ…ダイヤ…?靴とネックレスまである…」


私はドレスと一緒に入っていた靴の箱を出すと開けてみて、また驚いた。
ヒールの高い靴で、爪先が出るタイプなのだが、ストラップの辺りにもラインストーンが散りばめられていてキラキラと光っている。


「え…?これも…ダイヤ?!」


私は驚いて、その靴をマジマジと見てしまった。


うわ…凄い高そう…
このネックレスだって…プラチナダイヤよね…?
な、何だか…ほんと恋人にでも贈りそうなプレゼントだ…


そんな事を思って、ますますドキドキが酷くなった。


「と、とにかく着なくちゃ…って…これ胸元、かなり開いてるけど…胸小さくても平気なの?」


変な心配をしつつ、そのドレスを着て、靴も履いてみた。
そして全身鏡の前に立つと、ちょっと自分でも驚いてしまう。


「わ…何だか凄く・…大人っぽいような…。それに…この色…」


そのドレスは私の黒髪に、よく映える色だというのが着てみて分かる。


"に似合いそうだったから…"


ジョシュの、その言葉を思い出し、胸が熱くなった。


ジョシュ…本当に私の事を見ててくれてたんだ…。
じゃないと…こんな事まで分からないもの。
どうしよう…凄く嬉しい…。


私は涙が零れる前に、そっと指で拭うと、そのドレスに合うように髪を軽くアップにしてみた。
項の辺りを少しだけ残し、トップの辺りでねじり、渦巻きのように丸めて持ってたピンで留めていく。
毛先を指で広げて少しふわっとさせると、さっきよりも大人っぽく見える。


「胸元は…大丈夫ね…サイズがピッタリ…」


その時、コンコンとノックの音が聞こえて、「?着れた?」 とジョシュが心配そうな声で聞いてくる。
私は恥ずかしかったが、そのままドアのとこまで行くと静かにドアをあけた。






「………っ」


「あ、あの…どう?変じゃ…ない?」




私を見ても何も言わないジョシュに不安になり、おずおずと聞いてみた。
ジョシュは、ちょっと驚いた顔で私を見ていたが、その問いかけに、ハっとしたように、
「あ、ああ…凄く…似合ってるよ…っ」 と言うや否や、私を思い切り抱きしめた。


「キャ…っジョシュ?!」
「すっごい奇麗だ、っ!ほんとに、よく似合ってるっ」


嬉しそうに、そう言うとジョシュは私の脇の下に手を入れ上に持ち上げた。


「わ…っ」
「奇麗だよ?…ほんとに…」


下から私を見上げて、そう言うジョシュの言葉と、いつもの反対の目線に私は顔が赤くなってしまった。


「あ、ありがとう…ジョシュ…。凄く嬉しい…」


私がお礼を言うと、ジョシュは私を下ろし、もう一度抱きしめてから頬にキスをした。


「女の子の二十歳の誕生日は特別だからね?」
「う、うん…」


私は何だか恥ずかしくて俯いていると、そっと首に腕をまわされドキっとしたが、ジョシュは首の後ろでネックレスをカチっとつけてくれる。


「あ、ありがとう…。こんなダイヤなんて…いいの?」


そう言って私が見上げると、ジョシュは優しく微笑んで、
「いいんだよ?だって、そろそろダイヤを身につけてもいいんじゃないかと思ってね?」 と言って額にチュっと口付ける。
そして時計を見ると、「あ、ヤベ…時間だ。、ちょっとタクシー呼んでくれる?俺も着替えちゃうからさ」 と私の頭にポンと手を置いた。


「え?タクシーって…ど、どこに行くの?」
「どこって…。そんなドレスアップしてるのに家でお祝いするつもり?食事に出るよ?レストラン、予約してあるからさ」


ジョシュは笑いながら、そう言うと、「二人で、お祝いしようって言っただろ?」 と言って、私の頬にキスをする。


「わ、分かった…」


私は顔が赤くなるのが分かり、慌てて寝室を飛び出しリビングに行った。
そしてバッグから携帯を出すと前によく使ってたタクシー会社へ電話をかける。





「…15分くらい…。はい、分かりました。じゃ、宜しくお願いします」


私は、そう言うと電話を切って軽く息を付く。
時計を見ると、丁度6時20分過ぎだった。


これからジョシュとレストランで二人きりの食事…
そう思うだけで頬が赤くなる。
こんなドレスアップをして二人きりで食事なんて、今までした事がない。


どうしよう…そこで…あの時の答えを言ってくれるのかな…
そう思うと緊張してきちゃった…


私は少し深呼吸しながら胸を抑えてみるも、一向にドキドキが納まらない。
手に汗が滲んでくるのが分かり、はキッチンに行って手を軽く洗った。
すると寝室のドアが開く音が聞こえて、「?」 と自分を呼ぶ声。
「あ、今行く」 と返事をしてリビングへと戻ると、ジョシュが振り向いた。


「あ、タクシーどれくらいで来るって?」
「……っ」
?」


私が何も答えないからか、ジョシュは首を傾げて私の前に歩いて来た。


「え?あ、あの…15分くらいで…来るって…」
「そう。…何?そんな顔赤くして…どうした?」
「えっ?あ、ううん…何でもない」


私は、そう言うと視線を反らした。


「何だよ…。変な


ジョシュは、そう言って私を軽く抱きしめてきて、私は心臓の音が聞こえないか心配になった。
ジョシュは不思議そうな顔で私の顔を覗き込むが私は目を見ることが出来ない。


久し振りに見た、ジョシュのスーツ姿に、一瞬、ちょっと見惚れてしまったから…


ジョシュは、お気に入りのアルマーニを見事に着こなしていて、身長が高いから、これがまたよく似合う。
一年前よりも少し大人っぽく見えるのも、ドキドキさせる理由だった。


?」
「え?」
「どうしたの?あ…もしかして疲れてる?」


心配そうに顔を覗き込んでくるジョシュに、私は慌てて首を振るとパっとジョシュの腕から離れた。


「あ、あの…大丈夫。疲れてない…」
「そう?」
「う、うん…。あ…メイク…しなおさないと…」


私は顔が赤くなってるのを気付かれたくなくて、バッグを取るとバスルームの方へと歩いて行った。


「はぁ…苦しい…」


息を吐き出し、メイクポーチを出して軽くメイクを直したものの、ドレスに合うように普段は入れてないアイシャドーを薄く乗せた。
そしてドレスに合う口紅を探してみる。


何色がいいかな…
やっぱりホワイト系だし…赤い方がいいかなぁ…。それとも…淡いピンク…?
ジョシュはどっちが好きなんだろ…


ふと、そんな事を考えてしまう。
今まで、そんな事を気にした事はなかったのに…


私は、そこでジョシュの女性の好み…と言うか、女性の、どんな服装が好きだとか、そういう好みを何も知らないことに気付いた。

やだ…こんなに一緒にいたのに、何でジョシュの女性の好みとか何も知らないんだろう…
そこに気付くと、やっぱり知りたいと思ってしまうのも、ジョシュに恋をしているからよね…


何だか、くすぐったい気分だ。
そこへ、ジョシュがひょこっと顔を出した。




?何してるの?」
「わ…っ」


カチャンッ


ボーっと考えていたからか、その、不意打ちに驚いて手に持ってた口紅を洗面台へ落としてしまった。


「ああ、ごめん。驚いた?」


ジョシュは、すまなそうな顔で、その口紅を拾ってくれた。


「あ、ありがとう…」


私は恥ずかしくなり、その口紅を受け取ろうと手を出した。
だがジョシュは、その赤い口紅をジっと見ると、もう一つ、横に置いてあった淡いピンクの口紅を取り、
は、赤より、こっちの方が似合うんじゃない?」 と言って微笑んでくれた。


「え?あ…そう?じゃあ…そっちにしようかな…」


そう言ってピンクの口紅をジョシュの手から取ろうとした時、ふいにジョシュが屈んで私の唇にそっとキスをした。


「………っ!」


私は一気に顔が赤くなるのが分かったが動けない。
そのまま優しく口付けられ、チュっという音の後にゆっくり唇が解放される。
ジョシュは優しく微笑みながら私の顎を軽く持ち上げ、手に持ってる口紅を私の唇にそっと塗ってくれた。
その口紅の感触でさえ、ドキっとして気付けば顔が真っ赤になっていく。


「ん。これでOK!凄く可愛いよ、


ジョシュは口紅を塗り終えると、嬉しそうな笑顔ですでに真っ赤になっている私の頬に口付ける。


「あ、あの…ありがと…」
「ん。あ、そうだ。、そのまま外に出たら寒いだろ?コートとショールを持ってね?」
「あ、わ、分かった…」


私はそう答えるとすぐに寝室に戻り、ドレスと一緒に入ってたショールと、自分の持って来たコートを手にリビングに戻った。
するとジョシュが外から戻って来て、「今、タクシー来たから。もう出れる?」 と笑顔で聞いてきた。


「あ、う、うん…」


私は慌ててバッグを掴むと、軽くコートを羽織り外に出た。
ジョシュはすでにコートを着て待っている。
家の鍵をかけると、私の肩を抱き寄せて歩いて行き、先に車に乗せてくれた。
そして自分も乗り込むと、「ホテル・ミレニアムまで…」 と運転手に告げる。
運転手は軽く頷くと、すぐに車を出して大通りを走って行く。
私は何だか、まだドキドキが納まらず外を眺めていた。
その時、ジョシュに手を握られ、また鼓動が早まってしまう。
そっとジョシュの方を見ると、優しい瞳と目があった。
その瞳から目が離せず黙って見つめると、ジョシュが私の手を離し今度は頭を軽く抱き寄せてくれる。


そのままジョシュの胸に頭を置いて、いつもと少し違うジョシュの雰囲気に、また好きが一つ増えた気がしていた―














「二十歳の誕生日、おめでとう。
「…ありがとう」


そう言いながら目の前のケーキの蝋燭を、ふぅ〜っと吹き消すと、店内から拍手が湧きおこって私はちょっと恥ずかしくなった。
レストランの方からケーキを出されて驚いたが、ジョシュが予約をした時に誕生日だと言ったのだろうか。
私が火を消すと、ウエイターが、そのケーキを持ち、「切り分けて料理と一緒に出しましょうか?」 と聞いてくる。
それにジョシュも、「あ、お願いします」 と答えてシャンパングラスを持った。
私は他のお客さんからも、「Congratulations!」 と声をかけられ、ちょっと恥ずかしいながらも笑顔でジョシュを見る。
ジョシュはシャンパンを飲みほすと、そんな私に気づき、「ん?」 と言う顔をした。
そんな表情一つでさえ愛しいと思った。
私は軽く首を振ると、自分もシャンパンを飲みほし一息つく。


「はぁ…久し振り…シャンパンなんて。一気に顔、熱くなっちゃった…」
「あ…また酔っぱらうかもな?」


何気ないジョシュの一言に、私はドキっとした。
あの夜、酔った勢いで、あんな事を聞いた自分を思い出したから…


「きょ、今日は飲み過ぎない様に気をつけるもん…」
「そうだな、明日は家で父さん達が祝ってくれるし、どうせ二十歳になったんだからワインとか用意しそうだし」
「あ、そっか…。もう、お父さんにお願いしなくても堂々と飲めるんだ」


そう言うとジョシュは笑いながら、「全く…飲むのはいいけど、あまり外では飲むなよ?」 と言って私にシャンパンを注いでくれる。


「え?どうして?」
「だって…心配だろ?俺がいる時はいいけど…もし大学の友達とかと行った時にが酔っ払ったら…
この前の言い寄ってきたような男とかいたら危ないぞ…?」


ジョシュは、ちょっとだけ怖い顔で私を見るからドキっとした。


「あ、あれは…それに…男の子となんて…飲みに行かないわ?」
「そう?じゃあ、あのアレクとかって友達は?」
「アレクは…そんな人じゃないもの。逆に守ってくれるような人よ?」
「ふ〜ん…。なら、いいけど」


ジョシュは少し怒ったような顔でシャンパンを飲んでいる。


「ジョシュ…?何、怒ってるの?」
「別に…怒ってないよ?」
「嘘…。だって顔が怖い…」
「もともと、こういう顔だよ」
「ジョシュ…?」


私が悲しそうな顔で俯き、チラっとジョシュを上目遣いで見ると、今まで怖い顔をしていたジョシュも困ったように微笑んだ。


「ごめん。ほんと怒ってないよ?」
「…ほんと?」
「ああ。だから、そんな顔しないで?せっかく奇麗なのに…」
「だって…」


私はジョシュの怒った顔なんて見た事がないから本当に悲しくなってきてしまった。
するとジョシュが、テーブルに両肘をつき手を組むと身を乗り出して私を見つめてくる―


…ほんと、そんな顔されたら俺、抱きしめたくなっちゃうんだけどな?」


私はその一言で一気に顔が赤くなった。


「な、何言って…」
「ここがレストランで良かったかな?」 
「………っ」


私は顔を上げられなくなってしまった。
その時、ウエイターがやってきて、さっき火を吹き消したケーキを切り分けて持って来てくれた。
ジョシュは笑顔で、ウエイターに、「ありがとう」 と言うと、お皿を私の方に置いて、「食べないの?」 と聞いてきた。


「…食べる…」


私はやっと顔を上げると、ケーキのお皿へと手を伸ばした、が、その手をギュっと握られ、ドキっとしてジョシュを見る。


「…さっきはごめん。ほんと怒ったんじゃなくて…ちょっとした妬きもちだからさ…。気にするなよ?」 
「……え?!」


ジョシュの、その言葉に私は胸がドキンと大きく跳ね上がったのが分かった。
ジョシュは、ちょっと恥ずかしそうに笑うと私の手を離し、それ以上何も言わないでシャンパンを飲んでいる。
私も何も聞けなくて黙ってケーキを食べていると、料理が運ばれてきた。
ジョシュは、それを黙って食べている。


私は胸がいっぱいで何だか食事が喉を通らない気がしていた。











「う〜ん…ちょっと飲みすぎたかな?」


ジョシュは伸びをしながら空を見上げている。
酔いを覚ますため家の少し手前でタクシーを降りて二人で夜風に当たりながら家まで、ゆっくり歩いて行く。


「何だか…雨が降りそう…」


私は曇って、どんよりとしている夜空を見上げた。
すると少し前を歩いていたジョシュが戻ってくると、そっと私の手を繋いだ。


「寒いし早く帰ろう」
「う、うん…」


私はドキっとしつつ、そのままジョシュに手を引かれて歩いて行く。
ジョシュの横顔を、チラっと見上げて、さっきの言葉を思い出していた。


"ちょっとした妬きもちだから…"


ほんとに?
ジョシュが妬きもちなんて・…信じられない。
それって…やっぱり私と同じ気持ちだって事なの?
そう聞きたいのに聞けない…。
この前は酔っ払ってたから聞けたけど今日は何だか緊張してるからか、そんなに酔わなかった。
でも…ジョシュは、いつもより飲んでたけど…私と同じで緊張してるのかな…?


そんな事を考えてると、ふいにジョシュが私の方を見て、私は思わずパっと顔を伏せてしまった。


「ん?」
「な、何でもない…」


さっき以上に緊張してくるのが分かり、私はジョシュの手を離そうとした。
すると、その手を、ぐいっと引き寄せられ、気付けば私はジョシュの腕に強く抱きしめられていた。


ドクン、ドクン、ドクン…


自分の心音が凄く大きく聞こえる気がして息苦しさと恥ずかしさで、クラクラしてくる。
そのうち、それがジョシュの心音だと気付き、私はジョシュの胸元へ頬を寄せた。


ジョシュの胸も…ドキドキしてる…




「ジョ…ジョシュ…あの…」


私が口を開くと、ジョシュは抱く力を少し強くした。


「ん…っく、苦しいよ…?」
「……ごめん」


そう言うとジョシュは少しだけ力を緩めてくれた。
そして、私の頭に唇をつけて頬を寄せてくる。
私は心臓が壊れそうなほどに早くなるのに苦しくて気が遠くなりそうだった。
その時…




…?」
「な、なに…?」



返事をするとジョシュは私を抱きしめたまま、「この前…が聞いてきたことだけど・…覚えてる?」 と言った。
私はギュっと目を瞑りジョシュの胸に顔を埋めると、コクンと頷いた。それだけで精一杯だから…
ジョシュは、もう一度私の頭にキスをして、「俺も…ずっとに…同じ事を聞きたかったんだ…」 と呟いた。


その言葉にドクンと心臓が大きく鳴るのを感じながら思わず体が強ばってしまった。
それに気づいたのか、ジョシュは私の肩をそっと掴んで少しだけ体を離した。
ゆっくり顔を上げるとジョシュは優しい瞳で私を見つめている。
私はドキドキしながらも、目が離せない。
ジョシュは私の頬に手を添えると、「は…俺のこと…どう思ってる?」 と聞いてきた。
私は目を開いて、ジョシュを見つめると、思い切ってその答えを言おうと口を開きかけた。







「ジョシュ…私は……ん…っ」





その時、私の唇はジョシュに優しく塞がれて言葉が途切れる。
腰を強く抱き寄せられ背中に回された腕に力が入ると、私は体の力が抜けそうになる。
ジョシュは優しく啄ばむような口付けをして、そっと名残惜しげに唇を離した。
ゆっくり目を開けるとジョシュの瞳と目が合い、恥ずかしくて瞳を伏せてしまう。
ジョシュは私の頬を軽く撫でながら―




「――俺も…と同じ気持ちだよ…?」 




と一言、でもはっきりと、そう呟いた。




「ジョシュ…」




私は顔を上げると喉の奥が痛くなり声がそれ以上出せない。
その時、また抱き寄せられ、私はギュっとジョシュの腕を掴んだ。
それが合図かのようにジョシュが私の頭に頬を寄せると、




「…俺…のこと妹とは見ていない…。一人の女性として…愛してる…」







その言葉を私は信じられない気持ちで聞いていた。
何も答えられず、黙ってジョシュの胸に顔を埋めると、肩をそっと掴まれ体が少し離れる。
ジョシュは私の顔を覗き込むと、「…は?」 と聞いた。
その優しい瞳を見つめていると、私は言葉にできない想いが溢れてきて胸が一杯になる。
それでも何とか声を押し出すように、



「私…も…ジョシュのこと…愛してる…」 


と今の気持ちを精一杯、言葉にした。
その時、ジョシュの私を抱く力が強くなったのを感じ、両頬を手で包まれたと思った瞬間、唇を塞がれた。
押し付けられるようなキスをされたと同時に離れる唇。
そして額に、コツンとジョシュの額があたり、そっとジョシュを見上げると、また優しく唇を塞がれる。
今度は温もりを残すように、ゆっくりと口付けられ、私は瞳を閉じてジョシュの腕に体を預けた。
何度も落ちてくるジョシュの唇の温もりに、体の力が入らなくなる。
少しづつ深くなる口付けに知らず涙が頬を蔦っていった。
私の涙が、頬を包むジョシュの手に零れた時、唇の温もりが消えて私は目を開ける。
ジョシュは唇で涙を掬うと優しく微笑み、私をもう一度抱きしめた。


そして…





…俺と…一緒に暮らそう?」 
「え…?一緒…に…って…」
「俺と…二人で…暮らそう?ずっと…傍にいて欲しい…」
「ジョシュ…」


私は驚いてジョシュを見上げると、また優しくキスをされた。


「ん…っ」


そのまま頬に唇を押し付けられ、少しづつ下がると首筋にも口付けられ、ドキっとした。
ジョシュは私の首筋に顔を埋めるようにしながら唇を這わせていく。


「ん…ジョ、ジョシュ…」


私の呼ぶ声にジョシュは少しだけ顔を上げると、また唇にキスをして最後に額にもキスをしてくれた。
そして私の瞳を見つめながら―



「もう…自分の気持ちを…隠さない。時期を見て…父さんと母さんに…との事を話すよ…」
「…ほんと…に?」


驚く私にジョシュはニコっと微笑むと、「ほんとっ」 と言ってチュっとキスをした。
私は嬉しくて何だか体がふわふわする気がしてジョシュにしがみつく。
ジョシュは、そんな私を優しく抱きしめると、ちょっと息を吐き出した。




…。ずっと…俺の…傍にいて…」






ジョシュの言葉が言い終わらないうちに、小さな雨粒が落ちてきて私の顔を蔦って落ちた。


そんなのは気にもしないで、私は小さく頷くと、ジョシュはちょっと体を離し、嬉しそうに微笑む。


そして



そのまま…もう一度…私の唇を優しく塞いだ―








 

Postscript

ああ…ダメ…大事なシーンなのに沈没です(涙)
ちょっと思うような話にならず直せもせず。何か繋ぎっぽくなっちまいましたね…トホホ。
そっとしておいてください…(苦笑)
他の書いて気分転換しますぅ…。


本日も皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて...

【C-MOON...管理人:HANAZO】