To hold you in my arms
To promise you my love
To tell you from the heart
You' re all I'm thinkking of
I'm reaching for a love that seems so far...
If living with without you...
I can't llive...
君をこの胸に抱きしめ 愛を約束して
心から打ち明けたい
僕が思っているのは 君のことだけなんだって
はるか彼方に思える愛に僕は手を伸ばしているんだよ…
君がいない人生なんて
僕には生きていけない・・・
今夜の月は青白く、どこか頼りなげで、まるで今の僕のようだった――
何分くらい、そこにいたんだろうか。
僕は、非常階段の一番上の段に座り込みながら容赦なく吹き付けてくる冷たい風に身震いした。
ジッポで煙草に火をつけると炎が強い風に揺らめいている。
「はぁ…」
溜息と共に思い切り煙を吐き出すと、白い煙が一瞬で風にかき消されてしまった。
―そろそろ戻らないと…
そうは思うのだが体が動かない。
戻ったところで、は部屋にいないかもしれない。
そう考えるたびに胸の痛みが襲ってきて、僕は、また夜空を見上げて息を吐き出した。
(どうしようか…どんな顔でに会えばいいのか分からない…)
今、イライジャと二人でいるところへ出くわしたら何を言ってしまうかも分からなかった。
(僕以外の男に抱きしめられている姿なんて見たくもない…)
普通の顔で今までどおり…接する事に自信がなかった。
僕はまた溜息をつくと、煙を吐き出し携帯の時計を見た。
なんだ…まだ20分しか経っていない…
もっと…ずっと…ここにいたような気さえする。
僕は携帯電話のディスプレイのライトが眩しくて目を細めた。
ピピピピピ…
そこへ、いきなり手の中の携帯が鳴り出し、僕はビクっとした。
すぐに相手のナンバーと名前がディスプレイに出る。
その名前を見て驚いた。
一瞬…躊躇するも、すぐに通話ボタンを押す。
「Hello......」
『あ!ジョシュ?!僕、リジーだけど…!』
その電話の相手はイライジャからだった。
「…ああ…。どうした…?」
僕は今、リジーの隣にがいるのかと思うと心臓がギュっと締め付けられた。
だが、以外にもイライジャは凄い剣幕で怒鳴り始めた。
『どうしたじゃないよ!今、どこにいるのさ?今、ジョシュの部屋の前なんだけど?』
「…ああ。 ちょっと…」
『…と、とにかくさ!すぐ戻って来て?が…泣いてるんだ…』
イライジャの言葉に、僕は一瞬、耳を疑う。
「お、お前…! に何かしたのか?!」
僕は、イライジャがを泣かせたのかと思って、そう怒鳴ってしまった。
『な、ち、違うよ!僕は何もしてないよ! ――が泣いてるのは…ジョシュのせいなんじゃないの?!』
「はあ…?」
逆にイライジャに、そう怒鳴られ、僕は頭が混乱した。
『はあ?じゃないよ、まったく!と、とにかく、今は僕の部屋にいるんだけど…僕は廊下で待ってるからジョシュ早く来てよ!』
イライジャの剣幕に僕は圧倒されて、「あ、ああ…。 今…いく…!」と電話を慌てて切ると、すぐに上の階へと向ったのだった。
はソファーの上に足を乗せて丸くなるように座りながら、そっとココアを飲んでいる。
隣に座っていた、イライジャは、その様子をチラっと見ると、「落ち着いた…?」 と静かに声をかけた。
はイライジャの問いに少しだけ顔を上げると、軽く頷く。
イライジャは少し、ホっとして、「あの…さっきはごめんね…?」 との顔を覗き込みながら謝ると、
はそっと顔を上げ、イライジャの方へと視線を向ける。
が、イライジャの言葉の意味が分からないのか首を少し傾けた。
「…あ、あの…。 オデコに…」
とイライジャは顔を赤くして言葉を切ると、もやっと分かったのか少し顔を赤らめ、それでも首を左右に振った。
「…怖く…なかったから…。リジーの事は…怖いと思わなかった…」
は、そう呟くと、またココアを飲んだ。
の、その言葉に顔を赤くするも、イライジャは少し安心した。
(さっきは…何で、あんな事しちゃったんだろう…泣きじゃくるを安心させたくて…つい…)
イライジャは、思い出すと、また顔が熱くなってきたのを感じ、慌ててソファーから立ち上がると、
「ね、ねえ…。ジョシュが戻って来たかもしれないし…部屋に電話でもしてみようか?」 とへ声をかける。
するとは少しビクっとして顔を上げると、また首を振ってしまう。
「…どうして?ジョシュ、心配してるかもしれないよ…?」
「心配…してないよ、きっと…」
イライジャは、その言葉の意味が分からなかった。
「…どうしたの?ジョシュと…ケンカでもしたの…?」
イライジャの問いかけに、また首を振る。
「だったら…。何で、そんな事言うの?」
その問いには答えず、は下を向いたまま。
イライジャは、どうしていいのか分からず、少し溜息をつくと、
「とにかく…僕、部屋へ行って様子見てくるよ…」
と言うと、そこでが顔を上げて、また悲しそうな顔をした。
それでもイライジャは、
「ジョシュ、絶対、心配してるから…!こんな時間に、を部屋へ入れた事が後でバレたら僕が怒られちゃうよ」
と、わざと軽く笑いながら言うとも少しだけ微笑む。
それを見て、イライジャは少し安心すると、
「じゃ、ちょっと見てくるから…。待ってて?」
と言って廊下へと出ると、隣の部屋のチャイムを鳴らした。
が…何の反応もない。
(ジョシュ…まだロビーで電話してるのか? それにしては…遅すぎる…)
イライジャはポケットから携帯を出すと、ジョシュの番号を出し、通話ボタンを押した――
僕は15階へと戻ると、廊下を歩いて行った。
確かに僕の部屋の前で、イライジャが、イライラした様子で歩きまわっている。
そして僕に気づくと、怖い顔で近付いて来た。
「リジィ…」
声をかけようとすると、イライジャは、グっと僕の腕を掴み、「ジョシュの部屋で話そう」 と一言言った。
その様子に驚いたが、「ああ…」 と答えると部屋のキーを出し、ドアを開けた。
イライジャはすぐに部屋の中へと、僕を引っ張っていく。
「お、おい…!何だよ?リジィ…」
部屋の中へと入り、僕が、そう言うとイライジャは僕の腕を放し、振り向いた瞬間、「どこにいたのさ!」 と怒鳴った。
僕は一瞬、ドキっとしたが、
「え?いや…ちょっと…知り合いに会っちゃって…話してたんだ…」
「そうなの?もう…!、泣いちゃって大変だったんだよ?」
と、イライジャはまだ怒っている様子。
僕は、その意味が分からず、慌てて問い掛けた。
「そ、そうだ、何でが泣いたんだ?!」
イライジャは、その問い掛けに軽く溜息をつくと、
「実はさ…さっき僕がマネージャーに用事があって部屋へ行こうとエレベーター待ってたら…
エレベーターのドアが開いた時、が中で、しゃがみこんで泣いてたんだ…。
僕、驚いちゃって部屋へ連れて行こうとしたんだけど…ますます泣いちゃって理由も言わないし…
人が通ってもヤバイから、僕の部屋で休ませようと思ってさ…。今、僕の部屋で少し落ち着いてるよ…」
僕はイライジャの説明で動揺していた。
(が…エレベーターの中で泣いてた…?は…どこに行ってたんだろう…)
そう考えた時…僕は思わず声をあげそうになった。
(もしかして…は僕が遅いから…ロビーへ迎えに来たのか…?そして…エレンと一緒の僕を見た…)
僕は心臓の鼓動が早くなってくるのを感じた。
は僕とエレンの後をついてきたんじゃないか…直感的に、そう思った。
(もしかしたらキスしたのを…見たのかもしれない…)
僕は顔が赤くなるのを感じ、慌ててイライジャに問い掛けた。
「な、なあ?は…は何か言ってたか?俺のこととか…」
イライジャは、僕の動揺ぶりに、少し驚いた顔したが、「い、いや…。だから…理由は…訊いても言わなかったんだ…」と呟く。
僕は、思い切り溜息をつくと、その場へとしゃがみこんでしまった。
「ちょ…ジョシュ?どうしたの?」
「…頭、痛い…」
僕は、そう言うと頭を抱えた。
「ね、ねえ…ジョシュ…。何かあったの?…泣いてた理由ってジョシュのことだろ?…」
「ああ…多分…」
「…その…下で会ってた知り合いってのが関係してるんじゃない?」
イライジャに、そう言われ、僕は顔を上げた。
「そうだと思う…」
「誰なのさ?」
イライジャは不思議そうに訊いてきた。
僕は今度は小さく息を吐き出すと、「実はさ…」 とイライジャへ、エレンのことを説明するのに話し始めた――
「ええ!そ、それで…急に会いに来ちゃったの?!」
「ああ…」
僕はウンザリするように頷く。
「エレン・グローバーって僕でも知ってるよ!有名なモデルじゃないか」
イライジャは少し興奮したように驚いている。
「えー!ジョシュ、彼女と付き合ってたんだ!へぇー凄いじゃん!え?でも…彼女って確かジョシュより少し年上だよね?へぇー!」
ジョシュは無邪気に驚いてるイライジャを恨めしそうな顔で見ると、「リジーは呑気でいいよな…」と小声で呟いた。
「え?ジョシュ、彼女のこと振っちゃったの?何で?向こうが、よりを戻したいって言ってるんだろ?」
と、まだ無邪気に聞いてくるイライジャに、
「あのな…別に俺はエレンのこと、好きじゃないんだよ…やり直したいとか思ってないんだ」
と、言うと、煙草へと火をつけて、ソファーへと座った。
「ええーもったいない!…ま、でも好きじゃないなら仕方ないけどさ…。
へえーでも彼女からキスされたんだ!ジョシュも、結構やる事やってんじゃん!」
と笑っている。
ジョシュは、ニコニコしているイライジャを、ちょっと殴ろうかな…と思いつつ睨んだ…。
「でも…そっか…。、きっと、それを見て誤解したんだね…。きっとジョシュが盗られる気がしたんじゃない?」
イライジャは少しマジメな顔になり、ジョシュの隣へと座る。
「盗られる…か…。 そうなのかな…。まあ…前にと一緒のとこに、エレンから電話があってさ。
一度だけ出たことがあったんだけど…その時も…悲しそうな顔してた事があったな…」
「そうなんだ…。じゃ、やっぱり…そうなんだよ…。ジョシュ…に、エレンとの事、ちゃんと話したら?
誤解ときなよ…。そしたらも安心するかもしれないし…」
イライジャに、そう言われて、「ああ・…そうだな…」 と呟くと、僕は少し気持ちが落ち着いてきた。
にエレンと会ってる所を見られたのは確かにヤバかったが…
それでも、さっきの…イライジャがを抱きしめていた事は、僕の勘違いだと分かった。
それだけでも、僕は心の底からホっとしていた。
(まあ、それでも…にキス(オデコだけど)してたのは事実だ…)
そう思うと、隣で、呑気に煙草を吸っているイライジャに対して、またさっきの嫉妬の炎が燃えてくるのを感じた。
その気持ちが知らず知らずに、顔に出ていたんだろう。
いきなり、イライジャは、パっと僕の方を見ると、
「ジョシュ…何で、そんな怖い顔で僕を睨んでるのさ…?僕…何かした…?」
と怯えた顔で呟いた…。
I would give up everyting
Before I'd sepate
My self from you
After so much suffering
I finally found unvamished truth.......
あなたと別れるくらいなら
なにもかも 捨てるわ
苦しむだけ苦しんで
やっと ありのままの真実を見つけたの…
今夜の月は青白く、どこか悲しげで、まるで今の私のようだった――
私はイライジャの部屋のベランダへと出て、夜空を見上げて胸の痛みに必死に耐えていた。
隣の部屋から明かりが洩れているので、ジョシュが戻って来たんだと分かる。
今頃…イライジャと話をしてるんだろう。
そう思うと胸がドキドキしてくるのを感じた。
さっきは…リジーの前で、つい、あんな事を言ってしまった…
彼は…私の気持ちに気づいただろうか?
そう考えると、今、彼とジョシュが何を話しているのかが凄く気になる。
それに…さっき、リジーに抱きしめられても…不思議と怖いとは感じなかった。
それには自分でも少し驚いたのだが…
リジーは本当に私に気を使ってくれてるのが分かった。
リジーの心の優しさが凄く伝わってきて…その優しさを感じた時、彼の事を怖いとは思わなくなっていた。
それに…さっきは…誰かに抱きしめてもらいたかった。
胸が痛くて心がバラバラになってしまうんじゃないかと思ったから…
ジョシュが…私から離れて行ってしまうと思っただけで…怖くてたまらなかった――
妹として…ジョシュの側にいるのが、こんなにも辛いと感じるなんて…
側にいたいのに…側にいると、どうしても、見たくないものまで見てしまう。
ジョシュに好きな人が出来るのも見なければいけない。
そう思うと初めて、ジョシュの側からいなくなりたい…と思った。
そこへ部屋のドアが開く音が聞こえて、私はドキっとして振り向いた。
「…!」
ジョシュが、慌てた様子で、そのままベランダへ歩いて来ると、いきなり私を力いっぱい抱きしめた―
私は、ジョシュのいつもと変わらない温もりに包まれて、心の奥から安心していくのを感じていた。
ただ、いつもと違うのは…私を抱き締める腕の力が、少しづつ強くなっていった事だった。
「ジョ…シュ…?苦しいよ…」
そう呟くと、ジョシュは少し腕の力を緩め、私の顔を覗き込んできた。
「…部屋へ戻ろう…?」
そして、そっと体を離し、私の手を強く握ると、後ろへ立ってるイライジャへ、「…悪かったな…」 と声をかける。
イライジャも軽く、「ううん…全然いいよ」と言うと、私の方へ、「…Goodnight....」と微笑んだ。
私も、「…リジィ…ありがとう…お休み…」 と言って少し微笑む。
するとジョシュが、そのまま私の手を引っ張るようにして部屋へと戻った。
そんなジョシュの様子が、いつもと違う事に気づいていた。
(どうしたんだろう…怒ってるのかな…私が部屋で待ってなかったから…)
ジョシュは部屋へと戻ると無言のまま、ソファーへと座り、私の手を少し強引に引っ張ると、自分の膝の上へと私を座らせる。
そして私は後ろから強い力で抱き寄せられ驚いた。
ジョシュは、お腹と肩へ腕をまわし、私を包むように、抱き締める
「ジョ…ジョシュ…?…どうしたの?」
恐る恐る、声をかけるが、ジョシュは無言のまま、私の頭にキスをして、顔を寄せてきた。
体を少し斜めにしてジョシュを見上げると、今度は頬や、額へとキスをしてくる。
それも、いつもの触れるだけのキスではなく、少し押し付けるかのようなキス…
私は顔が真っ赤になっていくのを感じて、慌ててジョシュへ声をかけた。
「…ジョシュ…ど、どうしたの…?何だか…変だよ?」
その声にジョシュはやっと顔をあげ、私の顔を見た。
「……ごめん…。一人にして…」
「え…?」
そう訊き返す私の顔を見つめながら、ジョシュは軽く溜息をつく。
「さっき…ロビーで…見たんだろ?彼女…エレンと一緒のとこ…」
私はドキっとして顔を伏せてしまった。
それで分かったのか、ジョシュは、「…やっぱり…」と呟いた。
「あ、あの…ごめんなさい…。ロビーまで…迎えに行ったら…」
「が謝る事じゃないよ…。彼女の事…ちゃんと話しておけばよかったね…」
ジョシュは、そう言うと、また私の頬へと今度は軽くキスをする。
「…あの人は…ジョシュの…彼女…でしょ…?」
胸の痛みを感じながら、そう問い掛けた。
するとジョシュは少し怒ったような声で、「…違うよ!」 と否定する。
少し驚いて、見上げると、そこには真剣な瞳で私を見つめてるジョシュの顔。
ジョシュは、そっと溜息をつくと話し始めた。
「…彼女とは…確かにロスに住んでた頃…ちょっとだけ付き合ってた事があるけど…ミネアポリスに帰る少し前には、もう終ってたんだ…」
「え…でも…じゃあ、何で、ここにいるの?」
「それは…この前…と泊まったロスのホテルに急に会いに来て……」
ジョシュは、エレンとの、これまでの事を、少しづつ、分かりやすいようにへと説明していった――
僕はに、もう何も隠し事はしたくなくて、エレンとの事を全て話していった。
その間、は僕の腕の中で、じっと話に聞き入ってるようだった。
彼女との出会い、そして別れたこと、
最近になって突然、やり直したいと言って来たこと、
僕は、それをハッキリ断ったこと。
そして今日は急に会いに来たということ、
最後に口論となって…無理やりキスをされたこと…
全てに話した。
は時折、キュっと目を瞑っているようだった。
僕は全てを話し終えた後に、そっと息を吐き出すと、
「もう…彼女から電話がきても…会うつもりはないから…」
と言った。
そして、の顔をそっと覗き込むと、は僕のほうを見上げて少し微笑みながら、「ほんと…?」 と一言呟き僕の胸に顔を埋めてくる。
そんなが愛しくて、ギュっと抱き締めると、「ああ…ほんと!」 と少し明るく答える。
は、僕の胸に顔を埋めたまま何も答えなかったが、少し体が震えていた。
少し驚いて、「…?…泣いてるの?」 と声をかけるがは顔を上げようとしない。
「…?」
僕は細かく震えているの体を抱き締めたまま、の頭に頬を寄せて、キスをした。
「泣かないで…」
が愛しくて堪らなかった。
今まで以上に、そんな気持ちが次々と溢れてきて僕は戸惑っていた。
だが…その想いを口にする事は出来ない。
ローラが言ったような、周りが気になるとか、そんな事ではなかった。
そんな事はどうでもいい。
誰に何を言われても…
僕が間違っていても、誰に責められても構わないと思った。
ただ…僕は…を傷つけたくなくて。
気づいてしまったへの溢れてくる想いを持て余していた…。
私はジョシュの胸に顔を押し付けたまま、止まらない涙に困っていた。
あんなに痛かった心が…ジョシュの言葉で、解消されていくのが分かる。
―もう彼女とは会うつもりはない…
その一言で、私は全身の力が抜けていくのを感じた。
するとジョシュが私の頭へ頬を寄せて、そしてキスをしてくる。
私は少しドキっとしたが、それが今は嬉しかった。
今は…例え妹としてしか見られてなくても…
こうしてジョシュに抱き締めてもらえるなら、それだけで構わないと思った。
こうして一緒にいられるなら…
どうして、こんなに愛しいんだろう?
こんなに人を愛せるものなんだ…
私は初めての感情で戸惑っていた。
ジョシュの体温を感じて、それさえ愛しくて――
「…?」
ジョシュが私の名前を呼ぶ。
私は少し顔をあげると、ジョシュはそっと唇で涙をすくってくれる。
その唇の感触で顔が熱くなり、私は瞳を閉じた。
「…大丈夫?」
ジョシュの私の名前を呼ぶ声が好き――
私を抱き締めている、その腕も、優しく触れてくる唇も、優しく見つめてくる瞳も全てが愛しくて…
「…眠いの?」
ジョシュは私が目を瞑ったままなので、心配そうに訊いてくる。
私は、そっと目を開けると、「…ううん…。 ジョシュの腕の中にいると…心地いいの…」 と言って微笑んだ。
するとジョシュも嬉しそうに微笑み、そっと頬へとキスをしてくれる。
こんな想いを、ジョシュが知ったら…何と言うんだろう…
きっと凄く…困らせちゃうんだろうな…
可愛い妹のままでいたら…こうして、ずっと一緒にいられるの…?
愛しいという感情を隠し通せば…ずっと、こうして私を抱き締めてくれるの?
どうして…違う出逢い方をしなかったんだろう…
お父さんとお母さんが羨ましい…初めて、そんな事を思った。
だって愛し合ってる限り―
死ぬまで一緒にいられるんだから――
・
そう言えば…昔、母さんが、ジョシュのお父さんと出逢った頃、日本の恋詩というものを作ってあげてた事があったと話してた。
そして、お父さんも日本の詩の書き方を教えて貰って、お母さんに作ってあげてたっけ…
その詩の意味を、母さんは嬉しそうに教えてくれたけど…子供の私には理解が出来なかった。
でも今なら…理解できる…
お母さんが少し恥ずかしそうに微笑みながら、私に教えてくれた、お父さんの作った恋の詩…
「天地と いふ名の絶えて あらばこそ
汝とわれと 逢ふこと止まめ」
その詩の意味は…
"世界が滅びる日が来たら 僕らは会えなくなるけれど 世界が滅びるその日まで 僕らはずっと一緒だよ…"
それはお父さんの、お母さんへの深い想い…。
今の私は…そんな風に人を好きになる気持ちが理解できた…。
「…起きてる…?」
ジョシュが私を呼んだ。
私は、心配そうなジョシュの顔を見上げると、「ジョシュ…大好きよ?」 と呟く。
ジョシュは嬉しそうに微笑むと、「俺も大好きだよ?」 と微笑んだ。
私は妹を演じながら…今までと同じようにジョシュへと抱きついて、もう一度…「大好き…」 と呟いた。
心の中では・…"love you..."と 囁きながら――
Postscript
今回ちょと短め。これは繋ぎで書きました〜。なので連続アップv
この後くらいで、そろそろ撮影現場も終ります、多分。
その後くらいに、20歳くらいになったヒロインでも書く予定…
お互いの気持ちは分からないまま…ですね(苦笑)
本日も皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて...
【C-MOON...管理人:HANAZO】