Catch me if you can.......~A
real love ?... or... fake love?...~
~レオ結婚式当日のジョー~
今日は俺の担当する俳優…レオナルド・ディカプリオの結婚式だ。
何だかんだと色々事件はあったが無事に愛する女性と結婚できるのでレオは朝からウキウキだ。
俺はそんなレオを激励する為に前から着てみたかったタキスィードなるものを借りてきた。
まあ、それが俺の友人のもので、そいつが俺より細身だって事はこの際どうでもいい。
いや…よくなかった。
その突然の不幸はレオの控室で起きた…。
WEBCLAP...ジョーの尻裂け事件簿
(…ったく!人がせっかくタキスィードを着てやった(!)のに皆でペンギンなどと笑いやがって!)
プリプリと怒りながらレオの控室を出た直後、俺はその異変に気付いた。
歩いていると先ほどまで少し突っ張る感のあったズボンが少し緩くなってる気がしたのだ。
(ん…?まさか、これ着てるうちに俺って痩せたのか?)(んなバカな)
そんな事を考えて式場になる教会へと向かった。
そうか…サイズの小さい靴を履くと足が小さくなると言うが…服の場合も同じなのかもしれないっ。
今度からワンサイズ小さ目の服を買うとしよう。
俺はそんな事を思いながら教会へと入り自分の席へとついた。
だが…暫くすると何だか後ろからクスクスと笑い声が聞こえてくる。
確か…俺の後ろは"Catch me if you can!"の時のスタッフだったずだ。
衣装のメアリーも、さっき見かけたし…
何でコソコソと笑ってるんだろう。
女性はほんとそう言うとこがあるからな…
俺は呆れながら首を締め付けている蝶ネクタイをキュっと閉めなおした。
そこにあの巨匠、スピルバーグがハンディカム片手に入ってくるのが見えた。
あの人はカメラを持ってない時がないくらいだな…
きっとレオと彼女に式の風景を撮影して編集なんかもしちゃってプレゼントするつもりだろう。
スピルバーグは後ろのスタッフのとこまで歩いて来て皆に挨拶をしている。
俺も一応はキャストのマネージャーという立場なので、挨拶をしようと後ろで挨拶が終るのを待ち構えていた。
「ぶ…っ」
(…ん?ぶ…っ?)
何だ?誰か噴出したような声が…
そう思った時、肩をポンポンと叩かれ振り向いた。
そこには今、挨拶を…と思っていたスピルバーグがニコニコしながら立っている。
「あ…これは監督…。どうもお久し振りです!」
「やあ、君は…ジョーくんだったかな?」
「はい。レオのマネージャーで…」
「ああ、そうだったな?ところで君…」
「はい?」
「今日のパンツはピンクの☆柄かね?」
「へ…?」
天下のスピルバーグに何とも失礼な返事の仕方だったと頭の隅で思ったが
彼の言ってる意味が脳に到達した時、思い切り驚いた。
「え?あ、あの…パ、パンツ…ですか?」
「ああ、何だかお尻の裂け目からバッチリ見えてね?いやぁ、君も案外若作りなパンツを穿いてるんだね。アッハッハ!」
「――ッ?!」
(お、お尻の裂け目?裂け目って何の話だ?!)
俺は頭の中が混乱したが、突然霧が晴れたみたいに思い当たった事があった!
「う…っ」
そぉっと手を自分のお尻に回して触ってみる。
すると…
指が入る個所があった…!
(うぎゃっ!さ、裂けている…?!)
俺は一瞬で青ざめた。
後ろではプーーっと今度はさっきよりハッキリと噴出す声が聞こえてくる。
「ちょ、ちょっとメアリー失礼だろ?ぷふーーっ」
「何よ、ダン。あなただって….っ」
何だかコソコソと話している声すら聞こえて来て俺は今度は顔が真っ赤になった。
(や、やばい!式の前に着替えないと…っ)
俺はそう思って教会を出て行こうとした。
その時、新郎のレオが入って来て皆に手を振っている。
ぐぁ!何てタイミングの悪い!
こういう時こそお前の得意な遅刻でいいよ!!(!)
俺は心の中でレオにそう叫びながらお尻を抑えてオロオロしていた。
そのうち式が始まり、とうとう新婦までが父親と腕を組んで入って来てしまった。
(お、俺はどうすれば…)
と考えたものの、今ここから出て行けば余計に注目を浴びる事になる。
それだけは避けたかった。(いやケツは裂けてるんだけども…)(!)
(し、仕方ない…式が終るまではこのまま手で抑えて、あまり動かないようにしよう.…)
俺は、そう決心して何とか無事(?)に式を乗り切った…
だが最悪なことに式が終っても着替えに戻る時間もなく、俺はジョニーとトビーに掴まり、
ずるずると引きずられるようにしてパーティ会場へと連れて行かれた。
そこで色々な人に挨拶をされるたびにお尻を手で抑えながら笑顔で誤魔化していた。
だがあまりに俺がお尻を抑えているのを疑問に思った奴が一人.…
「ねぇ、肉のおじさんってさ、痔なの?」
「ぐ…っ!!」
そう…あの小生意気なガキ…もとい、子供のマークだ。
俺は極力笑顔で振り向いた。
「マーク…おじさんじゃないだろ?お兄さんだって何度言えば解るのかなぁ?」
「だからお兄ちゃんより年上なんだからおじさんだろ?おじさんも何度言えば解るのさ!」
(ぐぐ…っ耐えろ…!耐えるんだ、ジョー!!)
「ま、まあいい…。そんな事より.…おじさんは痔&なんかじゃないぞ~?」
「じゃあ、何でお尻抑えてるのさ!」
「う…そ、それは事情が…」
「何の?お尻が裂けそうなの?」
(いや、すでに裂けてるんだよ…?)
と心の中で答えて、どうする、俺!!
「な、何でもないんだ…。あ、そうだ。お兄ちゃん、ちょっと着替えて来ようかなぁ?じゃ、失礼するよ」
俺はわざとらしい笑顔を浮かべ、さっさとこのガキから離れようと歩き出した、その時。
お尻を抑えてた手をぐいっと引っ張られ、慌てたものだから動き回り更にビリリ…っと布の裂ける音が聞こえた。
「アハッハハハ!!おじさん、お尻真っ二つに裂けてるよ?!しかもパンツがピンクだってさ~っアハハハ!」
マークは大きな声で爆笑し出して俺は顔が真っ赤になった。
「う、うるさい!ピンクは俺の今日のラッキーカラーなんだよ!放っとけ!」
「だ、だって今時、☆の柄なんて僕でも穿かないよ~~!!アハハハハ!」
「ぐ.…っ」
マークが大声で笑うものだから皆が一斉にこっちを見る。
今日の主役の花嫁まで驚いた顔で歩いて来るのが見えた。
ああ…これで俺の評判はがた落ちだ…(?)
結婚式でタキシードのケツが裂けた男として名を残してしまうだろう.…
しかも何だかスピルバーグが、俺のケツをハンディカムで撮ってるし…(!)
一体何に使う気だ!!(と言いたいが言えない…。巨匠だから…)
俺は今度からワンサイズ大きめの服を買うことを、この日、心に誓った―
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ジョーの悲劇でした…(笑)
本日も皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて...
【C-MOON...管理人:HANAZO】
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