Hollywod Homicide~ハリウッド的殺人事件









いつもの朝。


いつもの時間。


またしても、あいつは女性同伴で出勤してきやがった―――!!



























据え膳わぬは何とやら・・・




























「送ってくれてありがとう。エレン」


「私はモニカよ、KC」


「Oh.....sorry......」













(く・・・っ!!あ・・・あの女好きのF●●Kヤロウ~~~~っっっ!!!!!!)








俺はその場でプルプルしながら拳を握り締めた。
だがそんな俺の前にコールデンは涼しい顔で歩いて来る。




「あ、レオン、おはよう」


「――――っっ!!(ブチッ)」





(こ、こいつ、俺をナメてやがるのか――?!)






俺は悪びれもなく堂々と笑顔を向けたコールデンの射殺を決め、マイ・ガンに手にかけた、その時―――






「あ、KC!・・・とレオン!」


「っ!!」 (俺はついでか!!)


「あ、!おはよう」




コールデンはが走ってくると何とも言えないデレっとした笑顔を見せた。
その顔すら今の俺にとっちゃ怒りの元となる。





「ストーーップ!!!!近寄るな!KC!!!ペっペっ!!(汚っ)」



「「?!」」





が走り寄って来た時、俺は二人の間に入り、接近を阻止した。


「レ、レオン、どうしたの?」
、今すぐ、こいつと別れろ」
「え?」
「お、おい、レオン・・・・・・」


俺はの肩を掴み、真剣な顔で言ったが、は驚いたようにコールデンと俺を交互に見た。
コールデンと言えばギョっとした顔で珍しく慌てふためいている。


「な・・・・・・何よ、レオン・・・・・・。その話ならもう済んだじゃない」
「そう、そうだったな・・・。俺もKCが真剣なら、と思って泣く泣くお前達の事を一度は公認した・・・泣く泣くだけどな?」
「だ、だったら何で・・・それに、まだ一週間しか・・・」
「そうだ。一週間、俺は様子を見てきた。お前と真剣交際(学生か)するなら、と思ってな?」
「レオン、俺は―――」
「黙れ、KC!!」


「「っ!!」」


はぁはぁと息を荒くし、ビシっとコールデンを指さして俺は叫んだ。ああ、叫んださーっ!!!
おかげで署の連中の視線を独り占めだ、このヤロウ!!


「少しは落ち着けよ、レオン・・・朝からテンション高すぎ―――」
「うるさーいっっ!!だ、だいたい、こんな爽やかな朝から俺を怒らせてるのは誰だ?!お前だ、KC!!」
「俺?どうして?」




(くーー!!な、何が、"どうして"だ!!!)




「お、お前と言う男わぁ!!のことだけは真剣だとか何とか抜かしやがったクセに、この一週間、黙って見てれば、
毎日ふざけた女性同伴出勤ばっかりしやがって!!!ちっとも変わってねーじゃねーかっ!!!」


「ああ・・・その事・・・」


「"ああ・・・その事・・・" じゃ ねーっっ!!!の事もやっぱり遊びなんだろう?!手を出す前に今すぐ別れろ!」


「ちょ・・・レオン!!もうやめてよ・・・っ」


、お前は騙されてるんだ。この女好きの●●●(とても描写できません)ヤロウにっ!!」


「・・・っ!」


「おい、それはないだろ?レオン、俺はマナーを守ってるだけで、別に心は裏切ってない。愛してるのはだけだよ」


「――――ぬっ!!なっ!っ~~~~!!!(この嘘吐きヤロウと言いたい)」




「KC・・・」


、君だけだよ?」


「ぅ、ぅん・・・」


「く・・・っ!」





(おいおいおーーーーい!!!俺の前でイチャイチャするなっ!怒ってる俺がバカに見えるだろうがっ!)



互いに恥ずかしそうに視線を泳がせつつも、チラっと見つめあう二人・・・・・・
何とも初々しい雰囲気をかもし出してる二人に、俺の怒りは頂点に達した!
その時―――



「おい、レオン!コールデン!うるさいぞ!!」


「―――っ」



そこへ後ろから不機嫌そう~~な顔のジョーが歩いて来た。
どうせ、また副業の不動産屋の方が上手くいってないに違いない。


「ジョー、俺は別に騒いでませんよ?」
「いいから来い。捜査だ」
「はいはい・・・。 ――じゃあ、、またランチの時に」
「うん、頑張ってね?」
「ああ。も危ない事はしないで。いいね?」
「はい」
「・・・・・・・・・・・・・・・」


おいおいおいおい・・・・・・も一応、刑事だぞ?(見習いだけど)
それだけで"危ないこと"なんじゃないんですかぃ?コールデンさんよ!!
だいたい今まで見せた事もないようなデレ~っとした顔で、そんな甘い事を言うからの奴は更に勘違いするんだっ!!


コールデンは怒りで震えて、もう言葉すら出てこない俺を軽く無視して、の頭をナデナデするとジョーの方に歩いて行った。
それをクスクス笑いながら見てる署の連中もムカツクが、一番ムカツクのは、何気に頬を赤く染めて、
KCを熱い目で見ているのウットリ具合だ。
何で、あんな男がいいんだ、妹よ!!兄ちゃんは悲しいぞ?!
(まぁ、確かにルックスだけはいいかもしれないが男は顔じゃないさ!)


「あ、レオンも、そろそろ仕事したら?ケヴィンが呆れ顔で待ってるよ?」


はチラっと俺を見て、そう言うとそそくさと歩いて行ってしまった。


「・・・・・・・・・・・・・・・」




(か、悲しい・・・・・・・・・・)









ポンポン・・・




「・・・っ?」


「元気出せ、レオン。恋をすると女は皆、恋人の言う事を信用するもんだ」


「ケ、ケヴィィィ~~ン・・・!!」




いつの間にか後ろにいた相棒のケヴィンが俺の肩を抱き、溜息交じりでそう言った。
俺は思わずケヴィンの厚い胸板に抱き付き(!)


「俺の代わりに、あいつを撃ち殺してくれ、ケヴィン~~~っ!!」


と警察署で堂々と殺人依頼をしたのだった・・・・・・・・・・・・・・・




















今日は別に、これといった事件も起きず、(まあ俺がKC殺人犯にならなければ)平和といえば平和な一日だった。
いや俺以外の人はな――。


今、俺の目の前にはとKCが楽しそうにおしゃべりをしている。


仕事も終わり、何故かジョーとケヴィンのお誘いで、ボードナーズ・バーへと来ていた。
ボードナーズ・バーはハリウッド署の警官の溜まり場でハンクという男が経営し自らもバーテンダーとしてカウンターに入っている。
今、そのカウンターの少し離れた向かい側に、とKC。
俺の横にはケヴィンと、その隣にジョーが座っていた。


「そんな怖い顔で睨むなよ、レオン」


ケヴィンが呑気に笑いながらバーボンを口に運ぶ。
俺はグラスを一気に空けると、ハンクに、「お代わり!」と叫んだ。


「はいはい。今日は荒れてるね、レオン。女にでも振られたのかい?」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


ハンクの戯言は軽く無視して俺は新しく出てきたバーボンをグイっと飲んだ。


「くそ!ランチでも一緒だったクセに何で夜まで一緒に・・・・・・・・」
「おいおい、レオン・・・。ランチにまでくっついてったって?」


ジョーは苦笑気味に鼻で笑うとスコッチをゆっくり飲んでいる。
俺はグラスを置くと、ジョーの方に身を乗り出した。


「ジョー、あいつを何とかして下さいよっ。相棒でしょ?」
「俺はあいつのママじゃない。女関係にまで口を出すつもりはないさ」
「だけど――」




~~~~♪~~~~♪




「はい、ギャヴィラン。ああ・・・何だって?!あの物件は最高の値打ちがあるんだぞ?!」


「「・・・・・・・・・・・・・・・」」






(どぅーでもいいが、ふざけた着信音だな、ジョー・・・・)(!)




ジョーは不動産の仕事の電話が入り、一旦、バーの外に出て行った。
ケヴィンは軽く肩を竦めて俺の肩をポンっと叩く。


「ジョーに頼むのは無駄だよ。あいつが興味あるのは物件が売れる事と犯人逮捕だけだ」
「・・・ったく!相棒の首輪くらい買っとけってんだ・・・!」


俺はイライラしつつ、向いで楽しそうに話しているとKCを見て舌打ちした。


「はぁ・・・いつKCがに手を出すかと気が気じゃないよっ」
「ああ、それは署でも話題になってるな・・・」
「嘘だろ?マジかよ!」
「仕方ないさ。ちゃんは最近じゃ署の連中のアイドル的存在だったんだ。それをKCに簡単に攫われたってんで皆もへこんでるんだろ?」
「・・・・・・まだ他の奴の方がマシだったよ・・・」
「あはは、そりゃそうだ。ま、でもKCだって本気だからこそ、ちゃんには手も出してないんじゃないか?」
「だからって他の女に手を出すのか?!冗談じゃないっ」


ガンっとグラスをカウンターテーブルにたたきつけるとハンクが顔を顰めて俺を睨んだ。


「おい、レオン、グラス割るなよ?」
「割ったら弁償するよっ!」
「・・・ったく・・・ちゃんの事になると人が変わりやがる・・・」


ハンクはブツブツ言いながら、グラスを拭いている。
俺はフンっと鼻を鳴らしバーボンを飲んだ。


「だいたいだよ。兄妹二人きりで頑張って警察官になったのに入った途端にあんな男に恋をしなくたって・・・っ」
「お前は誰が相手でも同じだろ?」
「そうだけどKCはその中でも最悪の部類だぞ?女と見りゃ手当たり次第!自分のヨガの生徒だって大半はお手つきときてるんだから!」


「前はお前も、その中の女を紹介して貰ってただろ・・・?」


「・・・・・・・・・・・・・・・」





(そ、それはそれ!これはこれだ!)




俺は赤くなった顔を反らし、煙草に火をつけた。
そこへムカツクほどの甘い声が聞こえてくる。






「今度の非番にドライヴでも行こうか」
「ほんと?」
「ああ。そろそろ車も戻ってくるしね」
「修理に出してるのよね?」
「ああ。さっき電話が来て明後日までには直るって連絡あったんだ」
「そう・・・・・・じゃあ、車が戻れば、もう送ってもらったりしないの?」
「うん。ごめんね?嫌だったかな?」
「う、ううん・・・・・。いいの、分かってるから」
「ありがとう、





(おいおいおい・・・・・・・そこで甘い顔するから、こいつがつけあがるんだぞ?!)




俺はコールデンの嬉しそうな笑顔を見ながらピキピキきていた。




だいたいはコールデンが色々な女に手をつけてるのを知ってるのに付き合っている。
それ自体が理解不能だ。
そう言うと、は決まって、


「理解してくれなくていい。私がKCを好きなんだから」


とムキになるんだ。


浮気してるってのに何で、それを怒らないんだ?!






「なかなか、お似合いじゃないか。KCだってそのうち他の女に手を出さなくなるよ」



仲良さそうにしている二人を見て、ケヴィンが呑気な事をほざき、俺は軽い眩暈がした。



「ケヴィンまで、あいつの味方なのか?!」
「そうじゃないけど・・・ちゃんにだけは手も出してないんだろ?」
「そ、それは・・・本当かどうか信じられないけどなっ」
「だってちゃんがお前に言ったんだろうが。"KCはキスもしてくれない"って」
「・・・・・・まあ、そう・・・だけどさ・・・」
「だったら本気って事だろ?そんな心配するな」


ケヴィンはそう言って笑うとバーボンをお代わりしている。
それを見ながら俺は軽く息をついた。



そう・・・確かにそうなんだ。
一昨日、久し振りにと一緒に帰宅し、夕飯を食べていた時、俺がコールデンと順調か?とさり気なく偵察入れたら、
の奴、途端に悲しげな顔になったんだ。
それを見て、俺はてっきり、コールデンがに何かしたのかと不安になった。
だがの口から出た言葉は―――



「KCは私にキスもしてくれないの・・・。何でかな・・・?やっぱり好きじゃないのかな・・・。レオン、どう思う?」




それを聞いて俺はぶっ飛んだね!!
まあ、手は出してないとは言え、あいつの事だ。
てっきりキスくらいはしたんだろうと、毎晩あいつの殺害計画(!)を考えていたもんだが、まさかキスさえしてなかったとは!
俺としてはバン万歳だが、はそのせいで落ち込んでいる。
俺としては複雑な気持ちだ。
の悲しんでる顔は見たくない。
だからつい、その時も、


「バカだな。男ってのは本気の女ほど簡単に手が出せないんだよ」


と言ってしまった。


なぁーんで、なははーーーぁんで、この俺様が、あんなバカで女好きな男のフォローをしなくちゃいけねぇんだっ?!
だいたい、あいつはに手は出さないとは言え、他の女とヤリまくってるんだ!!!
公認で浮気をし、俺の妹を裏切ってる。
俺が射殺したっていいはずの男だ!(それは違うと思う)
なのに何で俺があいつのフォローをーーー・・・っっ!!(よほど不本意で不愉快だったらしい)


曰く、デートの帰りもキスするのは額とか頬にだけ。
スキンシップは手を繋いだり、頭を撫でるというもの。
は、コールデンが自分の事を"女"としてじゃなく"妹"みたいに思ってるんじゃないかと不安のようだ。
まあ、俺がにするスキンシップと似てるんだろう。


はぁ・・・・・・それを聞いて少しは安心したから、大目には見てきたが、俺としちゃ複雑だ。
に手を出してもらいたくはないが、かと言っての悩んでる姿は見たくない。
一体、コールデンは何を考えて、と付き合ってるんだ?!



ギリギリと歯を噛み締め、に甘い笑顔を向けているコールデンを睨んでいたが、不意にが立ち上がり奥の方へと歩いて行った。
大方、トイレだろう。
それを見て俺は、「んっん!」と咳払いをした。
するとコールデンがビールを飲みながらも、こっちを見る。
そこで指をちょいちょいっとやって奴を呼んだ。





「何だい?レオン」
「お前・・・の事が好きなのか?」


俺は真剣な顔でコールデンを見詰め、そう尋ねた。
すると以外にも奴はすぐに、


「ああ、本気だって言っただろ?」


と真面目に答えてくる。
そこで俺は軽く息をついてコールデンを見た。


「じゃあ、どうして他の女に手を出す?」
「ああ、その事か。それは仕方ないよ。向こうが誘ってくるんだから。断ったら失礼だろ?そこに愛はない」
「・・・・・・・・・・・・・・・」


(ほんとに撃とうかな・・・・・・・・)


「お、おい、レオン・・・!その手をどけろ・・・っ」


隣で聞いていたケヴィンは慌てて俺の手を抑えた。
どうやら無意識で手が銃にいってたらしい(!)


落ち着け、俺!!
ここで撃ったら店に迷惑がかかる!(そこかよ)
落ち着くんだ、レオン!!!






「・・・・・・そ、そ、それで・・・には愛があるって言うのか?あぁん?(何気に声が震えている)」


「ああ、もちろん」




コールデンは、そこはケロっと答え、笑顔まで見せた!
それには何だかムカついて俺も声が上ずってしまう。


「じゃ、じゃあ・・・何でキ、キ、キスもしないんだ?まあ、したら俺がお前を撃つかもしれないけどなっ!!」(!)


俺がじぃっとコールデンを見詰めながら半分、本気交じりで、そう言えば珍しく奴は頬を赤くし、目を伏せた。


「別に・・・しないでおこうと決めて、そうしてるわけじゃないんだ・・・」


「はぁ?どういう意味だよ?」


この女たらしが何を言っている?!
そう思いながら更に詰め寄れば、コールデンは頭をかきつつ、軽く息をついた。





「だから、その・・・・・・"しない"じゃなくて"出来ない"って言うか・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・はぃ?」











な、何て言った?こいつ・・・・・・・・・
しないんじゃなくて・・・・・・・・・・出来ない・・・出来ないとおっしゃりましたか?このスケコマ氏さんは!!!




「う、嘘つけ、このヤロウ!!!お、お前に限って、そんな事は、このロスが猛吹雪に見舞われることよりありえない!!!」


俺は目が血走り、思わずドンっとテーブルを叩いてしまった。
隣のケヴィンもコールデンの発言に口を空けてグラスを持ったまま固まっている。
ほーら、見ろ!お前の今の発言は、この男さえも固めてしまうほどに聞き捨てならない台詞なんだっ!


だがコールデンは心外だなというような顔で肩を竦めた。




「酷いな、レオン・・・俺を何だと思ってるんだよ?」


「無類の女好き」(!)」


「まあ、そこはあってるけど・・・・・・」


(あってんのかよ!!)


「お前――っ」


「ちょ、ちょっと待てよ・・・。だけど俺はにだけは本気なんだよ」


「あぁん?!そんなもん信用できん!!のどこが好きなんだ?言ってみろっ」




俺はすでに立ち上がり、コールデンをいつでも殴れる体勢で睨みつけた。
すると奴はチラっと店の奥の方に視線を向け、がこないのを確めると―――













「彼女と一緒にいると・・・凄く胸がドキドキして・・・幸せな気持ちになるんだ・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「こんな風になった事ってないから最初は驚いたんだけどさ・・・。後で、ああ一目惚れって、こういうのかなって・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・へぇ」



よく分かってるな、こいつ。(!)
まあ、は、その辺の女なんかよりも、ものすっごい可愛いから一目惚れするのも分かるけどな・・・・・・・・・(!)


奴のその発言で俺は少し気分を良くした。


「それで・・・彼女の事が頭から離れないし・・・今でもそうなんだよ。彼女に触れるだけでドキドキするんだ。おかしいかな?」


「・・・・・・・・・い、いや、おかしくはないだろ・・・・・・別に・・・・・・(!)」


つい何故か、そんな事を言ってしまった。
だがコールデンは嬉しそうな笑顔を見せると、


「そう思うか?」


と尋ねてくる。
それには俺もコホンと咳払いをして椅子に座った。


「あ、ああ。おかしくないよ。それが正常だ。恋するって、そういう事だろ?」


「そうか!レオンも分かってくれたんだ」


「ぬ・・・・・・・・・・・・」


(そ、それは違うが・・・・・)


俺は何となく、こいつの事を認め始めてきた自分にもムカついて気分がブルーになってきた。
それに納得いかない問題が残っている。


「で、でも、じゃあ何で、お前は平気で他の女と―――」


「だから、それは人と人との繋がりだよ。ある種の体操みたいなもんだ。誘われたら素直にそれを受けるだけさ」


「はぁ?!言ってる事が意味わかんねーよっ」


俺はまたブチっときて椅子から立ち上がった(ほんと忙しい)


だがコールデンは肩を竦め、息をついた。







「だから俺にとっちゃ以外の女とのSEXは運動というか、まあヨガをやってる時と同じ感覚だ。気にするな。
ほら、よく"One must not refuse a lady' advances...(女性に言い寄られたら断ってはいけない)って言うだろ?」


「・・・・・・な・・・・・・~~~っっ!!」


(や、やっぱり、の為に、今ここで、こいつを撃っても、きっと罪にはならないはずだ!!)(なるから)


「いつか・・・・・・とそうなったら、きっと俺は彼女だけを抱きつづけると思うよ?それじゃダメなのか―――」


「こ、殺してやる―――!!!!」


「お、おい、レオン、やめろ!!!バカ、銃をしまえ!!!」



ケヴィンは、そこで慌てて俺を後ろから羽交い絞めにし、必死で止めている。


「は、放せ、ケヴィン!!!こいつがに手を出す前に俺がここで殺してやるんだぁぁぁっ!」


「―――レオン?」


「「「―――っっ!!」」」



その声に振り向けば、目を丸くしたが立っている。



「ちょ・・・・・・レオン、何してるの?またKCに何か―――」


!こ、こんな男には一生、肌を許すなっ!分かったな?!」


「な!何言って・・・・・・っ」


「二人の交際は認めーーん!今すぐ別れなさいっ!」


「「・・・・・・・・・・・・・・・」」




俺の言葉にとコールデンは軽く息をついた。


「あっちで飲みなおそうか、


「はい・・・。あの・・・・・・レオンがごめんなさい・・・・・・」


「いいんだ。すぐに認めてもらおうなんて思ってないよ。ゆっくり理解してもらおう?」


「はい」




はコールデンの言葉に嬉しそうに微笑み、コールデンも心なしか頬を赤らめつつ、の肩を抱いて席へと戻って行った。


俺はと言えば、ケヴィンに羽交い絞めにされたまま、目が点さ。
まさに点だよ、目が。





わ、分からない・・・・・・!!
コールデンもだが、までが俺には理解出来ない!!
あ、あんな男のどこがいいんだ、妹よ!!
兄ちゃんは悲しいぞ・・・・・・!!!



俺は一気に力尽き、その場にへたりこんだのだった・・・・・・

















あ~・・・・・・レオンってば魂抜けた顔しちゃって・・・・・・
またケヴィンに慰められてる。


私は内心、レオンを心配しながらも隣のKCをチラっと見た。


レオンの言ってる事は分かるわよ?
普通なら恋人が他の女性と関係を持ったりしたら怒るべきなのも・・・・・・
でも彼は、こういう人なんだもの。
仕方ないじゃない・・・・・・
分かってて好きになってしまったんだから―――



レオンに散々、"あいつには近づくな"と言われてたけど、私は彼の事そんな悪い人には思えなくて気づけば好きになっていた。
KCは誰よりも優しくて、私が初めて本気で好きになった人かもしれない。
確かに女癖が悪いのかもしれないけど、それは愛情とは違うものみたいだし・・・・・・
そりゃあ・・・・・・ほんとは嫌だけど。
最初は何で他の人とは寝て、私にはキスさえしてくれないの?って不安に思ったりもした。
でもKCは、"大事にしたいって初めて思った"って言ってくれたし、私はその言葉を信じたい。
いつか・・・・・・私だけに触れてくれると信じてる。
ただ、まだちょっと怖いからKCに抱かれる事は出来ないけど・・・・・・
でも、こんな感じでいい。
彼はこうして私の側にいてくれるから。




、そろそろ送るよ」



KCは、そう言って優しく微笑むと、そっと私の頬にキスをした。


その温もりだけで全身が心臓になったみたいにドキドキする。


KCも少し照れくさそうに微笑みながら私の手を優しく握った。





「明日も一緒にランチに行こう?」


「はい」





今は、これだけで十分。


今度、彼の初舞台の後、家に誘われてるけど、きっと何もないと思う。
(レオンには内緒にしていかないと。マシンガンでも持って襲撃しに来かねない(!))




私はオンリィワンの女よりも、ベストワンの女であればいいって、KCを好きになって初めて、そう思ったから―――




私はKCの手を軽く握り返すと、彼は凄く嬉しそうな顔で微笑んだ。


そして二人で静かに店を出た。(もちろん抜け殻のようになったレオンは置いてきぼり)










「だから、一体いくらなら買うんだ?!散々、値下げしたんだぞ?!」



「「・・・・・・・・・・・・・・・」」







外では、ジョーがまだ契約交渉をしていて、KCと私は顔を合わせて苦笑した。



契約、頑張ってね?ジョー。



心の中で、そう言ってジョーに手を振ると、彼は電話をしながら軽く手を上げた。
そのまま二人で家に向って歩き出す。











「今夜は少しだけ・・・・・・遠回りして帰ろうか」









夜の通りを歩きながら、KCは私の額にそっとキスをした後、そう呟いた―――






二人が良ければ、それでいいじゃない。















据え膳食わぬは男の



















彼はマナーを守ってるだけのようだから――――
























※ブラウザの"戻る"でバックして下さいませ。


あはは(笑)ハリ的~夢第二弾。
ちょっと変わった方々ばかりになってきました^^;
はーv でもKCジョシュは、ちょっとふっくらしてて可愛いから好きです(笑)