・・・上からつ目のボタン











「ねー何を着たらいいと思う?」


「んーいつもの格好でいいんじゃない?」




ソファに寝転がり、お気に入りの曲をウォークマンで聴きながら、私は顔を上げもせず答えた。
途端に聞こえてくる、彼のスネた声。



「ちゃんと見てよ」


「ん~オーリーなら何でも似合うわよ」


~?」


「・・・・・・・・・・・・・・・」






もう!いっつも、これなんだから。
どっちが年上なのよ!あなたよ?オーリー!





むくっと体を起こし、振り返れば、オーランドはクローゼットに寄りかかり、ニッコリと微笑んでいる。
上半身は裸で、どうやら我がまま王子様は上に着るものをご所望らしい。




「移動っていくつ?」
「ん~と、三回。シンジュク行って、それからロッポンギでビル内移動」
「じゃあ二着くらいでいいんじゃない?これと・・・・・・これ!」



私が選んだのは白のトップスとコンのトップス、黒いシャツ。
そしてオーリーお気に入りのマフラー。



「これが会見。重ねて着れるでしょ?それでプレミアはこっち!どう?」
「OK!が、そう言うなら、そうする」



オーランドは嬉しそうに微笑むと、私の頬にチュっとキスをした。


「私はオーリーのスタイリストじゃないんだからね」
「ん~でもが選んでくれるとセンスいいからさ」





この~・・・・・・可愛いこと言うじゃない・・・・・・






鼻歌交じりで着替えているオーランドを見ながら、私はちょっと顔が緩んでしまった。





「ねー


「ん~」




クローゼットに寄りかかりつつ、オーランドのお着替えタイムを眺めていると、彼が不意に私を見た。
そして私と目が合うと少し照れたように口を尖らせる。



「な、何ジロジロ見てるの?」
「別に~逞しくなったなぁ~と思って」
「・・・・・・スケベ」
「!!」



ちょっと待ってよ。
すっごい心外なこと言われたような気がするんですけど!!



「どっちがよ」
が」
「あーっそ!じゃあいいもん。もう見ないから」



私は頬が赤くなってしまい、プイっと顔を反らしてソファに戻ろうとした。
その時、腕を引っ張られ気づけばオーランドに後ろから抱きしめられていた。



「ちょ・・・・・・放してよ・・・っ」
「いつも俺の裸なら見てるだろ?」
「・・・・・・っ」



耳元で、そんな事を囁くオーランドに私の顔の熱は嫌でも上がる。


というか、どっちが本当にスケベなんですかね?オーランドさん!




「バ、バカなこと言ってないで放してってばっ」
「やーだね。が見たいなら好きなだけ見ていいよ?」



クスクスと余裕の笑いを洩らすオーランドに私は耳まで真っ赤になってしまった。



「ほらーの負け!」
「か、勝ち負けってあるわけ?」
「だってってばシャイなクセに、俺に挑んでくるんだからさ~」
「べ、別に挑んでるわけじゃ・・・・・・っ」
「でも俺、のそういうとこ好きなんだ、凄く」
「・・・・・・・・・・・・・・・」



な、なら許しちゃおうかな・・・・・・(!)




オーランドは、そっと体勢を変えて私を自分の方に向かせた。
ゆっくり顔を上げれば彼のニヤっとした笑顔と妖しく光った瞳・・・・・・



な、何でしょう?その顔は・・・・・・





「・・・・・・


「な、何?」


「まだ時間あるし・・・・・・もう一回、俺の裸見てみる・・・・・・?」


「は?」





な、何をその気になってるのよ、あんたは!!






一瞬、納まっていた顔の熱が再燃して、一気に頬が赤く染まる。
それに気づいたオーランドは満足そうな笑顔を浮かべ、私にチュっとキスをした。





「俺、が赤くなった顔、大好きなんだ」


「か、からかってない・・・・・・?」


「全然。本気も本気。大真面目だよ?」





そう言って私の頬から首筋に優しく唇を這わしていく。


その甘い刺激に体の力が抜けそうになった。





「ちょ、ちょっとオーリィ・・・・・・」


「・・・・・・何?」




オーランドは唇を止めないまま擦れた声で答える。
私は僅かな抵抗をしながら体を捩り、



「さ、さっき何か言いかけてたけど・・・・・・何?」



と尋ねた。


するとオーランドはそっとシャツのボタンに手をかけながら視線だけ上げてニッコリ微笑んだ。






、レコーディング、まだ始まらないだろ?」


「え・・・・・・?ええ・・・・・・それが?」



「だから~・・・・・・このままをカリブまで攫ってもいいかな?って聞こうとしたんだ」


「で、でも・・・・・・んっ」








チクリとかすかな痛みを感じ、体に電気が流れる。



見ればオーランドは慣れた手つきで三つめのボタンを外し、私の胸元に口付けていた。








「ちょ、ちょっと待っ―――」




「ん~待てない」





オーランドは更にボタンを外し、ゆっくりと唇を下降させていく。









ほらね?絶対、"スケベ"は、オーランドの方だと思うのよ・・・・・・







その甘い刺激に酔ってしまうのは仕方ない事でしょ?








オーランドが最後のボタンを外し終えた時、私は軽々と彼の腕に抱き上げられていた―――


















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ん~もひとつ同じヒロインでアップー
これもちょー短いですね^^;