朝も夜も君に逢いたい


わずか話す声が聞きたい


二人きり迷える時には


胸に刻む傷を消したい





朝も夜も強く抱いて――












「・・・寒い・・・・・・」






日が昇る少し前、薄暗い部屋で君が呟いた。
ベッドから上半身だけ起こして、そっとカーテンを捲りながら白く曇った窓の外を見ている。
俺はまだ起きたくなくて、現実に戻りたくなくて、君を後ろから抱きしめる。







「・・・レオ?」
「離れないで・・・・」






かすれるほどの声で呟き、彼女の髪に顔を埋める。
その瞬間、の体が小さく震えた。
そのままベッドに彼女を押し倒し、上から揺れる瞳を見つめる。
空気が冷えて肌がピリピリするけど、いつもと違う空気で余計に現実を忘れられた。








「そろそろ・・・帰らなくちゃ」


「どうして?」


「だって・・・・・・」








彼女は目を伏せ口篭もる。


ここは俺の家
俺は恋人の親友を抱いてしまった。
衝動を・・・抑える事が出来なくて・・・




あの雨の日、俺は彼女の想いを受け止めた。




それから・・・ずっと彼女と一緒に過ごした。









「まだ・・・一緒にいたい」


「・・・・・・レオ・・・」








彼女を傷つける事を知っていながら、それでも心の奥に芽生えた想いを隠しとおせなくて・・・


俺は彼女に触れてしまった。














「・・・・・つらい?」








分かっているのに、そう問いかけた。
彼女の瞳に薄っすらと涙が浮かぶ。
そこに口付け、そっと彼女の頬を撫でた。


本当は・・・・・・泣かせたくなんてないんだ・・・









「心配しないで・・・。君を・・・これ以上、傷つけない・・・」



「・・・どういう意味・・・・・・?」








そう問い掛ける彼女に優しく微笑み、ゆっくりと唇を重ねた。







心は決まってる。


もう迷わない。







それを伝えるように深く深く口付け、彼女を抱きしめた。



君が・・・誤解しないようにと願いながら――




















僕の事を気遣っていなくなりそうな君へ




重ねあう切なさを少しでも消さないで




























傷つけたくないと 左の耳元で・・・




さよならと言ってよ 




あなたから・・・・・・離れさせて下さい――




















「泣かないで・・・・・・」






彼の吐息と混じってかすれた声が耳に届く。
私はレオの腕に抱かれながら必死に涙を堪えているのに、熱いものが頬をつたっていく。








なぐさめないで 惨めさに挫けて   勝手に泣いてるだけ









あの雨の日・・・私はレオに隠してきた想いをわたしてしまった。
いけないと思いながら、それでも彼に触れたくて・・・受け止めて欲しくて親友を裏切ってしまった。



彼が欲しくて仕方がなかったから・・・こうなる事を望んでいた。


レオが想いを受け止めてくれたら・・・そんな事ばかり願ってきたから。





同じ想いなら・・・少しでも罪悪感が消えると思ったのに。
どんどん深くなってゆくだけ。
彼の想いも信じられなくなってゆくだけ。





レオは私の事をどう思ってるの?





結局、彼に抱かれて・・・惨めになったのは私・・・


何も言えないから・・・何も望めないから。







それでも、この温もりを二度と離したくなくて――









ゆっくり唇が離れると同時に頬にも軽くキスをしてくれる。










「・・・・・・」











抱きしめた手を あなたから離せば 二度と逢えないこと 分かってる






それでも・・・

































あと5分、時計の針を遅らせて


                                                ...Friend'slover

















もう少しだけ時間を下さい。




































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友達の恋人編、第三弾です。
あいやーついに結ばれちまいました^^;
この後、二人は何を手に入れるのかしら。
ご想像にお任せしますv