Missing you...
ロスの暑い日差しに目を細め、僕は時計を確認した。
そろそろ彼女から電話が入るはずだ。
遠い日本から―
今、は夏休みを取り、自分の国、日本に一時帰国している。
本来なら僕と二人でバカンスのはずが、いつもの如く、僕に仕事が入りダメになってしまった。
案の定、は「オーリィのバカ!」とプンプン怒ってしまって、その勢いで日本へと帰ってしまったのだ。
それでも毎日のように僕が電話をすると、やっと機嫌を直してくれたのか電話にも応じてくれるようになった。
そして僕から彼女に一つだけお願いをした。
"いつものように毎朝、9時にモーニングコールをして"
それはの声を毎日、聞きたいという僕の気持ちからのもの、そして連絡を途絶えさせない為の唯一の方法。
だってはすぐスネて僕がかけても電話に出てくれないことがあるからさ。
それに、こんなに離れてるという距離を少しでも埋めたいという気持ちもあった。
傍にいても、いつも彼女にモーニングコールを頼んでいるから、遠く離れていても毎日、声が聞ければ普段と変わらない。
にそう思って欲しかった。
僕たちには距離なんて関係ないってこと。
ただ・・・毎日、声が聞けたとしても会えるという訳じゃないから彼女が恋しいって事に変わりはないんだけど。
「はぁ・・・」
僕はベランダから部屋の中に入り溜息交じりでソファに座った。
今は朝の9時15分。
いつもなら、とっくにかかってくるはずの電話が今日に限って鳴りもしない。
何かあったのかな、と少し不安になってくる。
でも昨日の朝も電話で話したが、その時は特にケンカもしなかったし普通だった。
だからが何かに怒ってるとは思えない。
ただ、「早くに会いたい・・・」と僕が言うと、も珍しく素直に「私も・・・」と言ってくれた。
凄くいい感じだったんだ。
だから今朝だって凄く楽しみに彼女からの電話を待ってると言うのに―
「あーもう時間がないや・・・」
そろそろ仕事に出なくてはいけない。
今日は9時半にはロビーで、とマネージャーから言われている。
今日は電話の前にすでに起きて出かける用意もしてある。
でも仕事前に、やっぱりの声が聞きたくて、こうしてギリギリになるまで待ってるのだ。
やっぱり・・・離れてるとダメなのかな・・・
互いの気持ちを理解するのは難しいのかな・・・
声だけじゃ・・・相手の思ってることなんて分からないのかも・・・。
一人、そんな事を考えていると、だんだん憂鬱になってきた。
そして無情にも時計の針は9時20分を回った。
そろそろ行かなくちゃ・・・
そう思ってソファから立ち上がった。
部屋のキーを手にとり、重い足取りでドアノブに手をかけた、その時。
プルルル・・・プルルルル・・・
「――!」
突然、部屋の電話が鳴り出し、僕は心臓が一気に跳ね上がった。
すぐに踵を翻し、電話のとこまで戻るとドキドキしながら受話器を取った。
「Hello?!」
『あ、オーリィ? おはよ!』
「? もう・・・!遅いからどうしたのかと心配してたんだよ?」
そう言って思い切り息を吐き出せば、は受話器の向こうでクスクス笑っている。
そして僕は、ふとおかしなことに気づいた。
あれ・・・今、何で直でと話せてるんだろう・・・?
いつもならフロントの人から「外線からお電話です。繋ぎますか?」とかかってくるずなのに・・・
「えっと・・・・・・? 今・・・どこから―」
『オーリィがいる場所のずっと下から』
「え・・・っ?!」
その意味がよく分からなくて、僕の頭は色々な事がかけめぐった。
だがはいつもの明るい声で・・・
『ただいま。オーリィ』
「・・・・・・へ?」
どうやら彼女は・・・僕が恋しくて日本から飛んで帰って来てくれたようだ。
『声を届けてよ いつものように それだけで距離さえ越える』
ほんとに彼女は距離を越えてきてくれた。
SONG BY:GLAY
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Postscript
暑中お見舞い申し上げます!(この後にあと3人続きます)
そして、初の試み、お歌でお題、第一弾はGLAYの「Missing
you」をオーリィで♪
やはり離れ離れは寂しいし、相手が恋しくなりますよねーってちょっと不出来ですみません^^;
皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて…
【C-MOON...管理人:HANAZO】
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