息 も 出 来 な い
「リジィ!ねぇ、リジィったら!起きてよっ」
かすかに意識が戻って来た時、そんな声が聞こえ、同時に体を揺さぶられた。
その声が彼女だと、すぐに分かり、僕は寝たフリをしたまま、の腕をグイっと引っ張った。
「キャ・・・」
は可愛い叫び声と共に僕のお腹に倒れこみ、驚いたのか大きな瞳をパチクリとしている。
「あはは!おはよ、」
「リ、リジィ? もうーータヌキ寝入りしてたわねっ」
「違うよ。ほんとに寝てたけどが起こしたんだろ?」
そう言って上半身だけ起こすと、未だお腹の上に倒れこんでいるの額にチュっと口付けた。
たったそれだけでは頬を赤くしてバっと僕から離れると辺りを慌てて見渡している。
「誰もいないってば」
「で、でも万が一、見られたらどうするのよ・・・っ」
「大丈夫。僕は誰も来ないとこ狙って寝てるんだからさ」
そう言いながら起き上がって少し逃げ腰の彼女を抱きよせた。
「ちょ、ちょっとリジィ・・・衣装が崩れちゃう・・・」
「じゃあ直して」
「直してって・・・あーもう!ウィッグに寝癖が・・・」
「それも直してよ」
一人、慌てているの姿に笑いながらそう言うと、彼女は可愛い頬をぷぅっと膨らませた。
「もう!リジィってば私の仕事、増やすの得意なんだから」
「だって、そうしたらと一緒の時間が少しでも持てるからさ」
「調子のいいこと言っちゃって・・・」
はそう言いつつも本気で怒ってるわけじゃない。
だって照れくさそうに笑顔を見せているんだから。
そんな彼女がやっぱり愛しくて、僕はゆっくり顔を近づけると、そっと唇を重ねた。
「ん・・・リジィ・・・?」
「しぃ・・・。もう少しだけ、こうしてて・・・」
恥ずかしいのか、僕から離れようとする彼女に、そう呟き、再び唇を重ねる。
何度も離しては触れながら、少しづつ深くしていく。
互いの息も出来ないくらい何度も彼女の唇を求めた。
それだけで僕の鼓動が早くなり、胸の奥がギュっとつかまれたみたいに愛しさでいっぱいになるんだ。
『息も出来ないくらい ねぇ 君が好きだよ』
そう思ってるのは僕だけ?
SONG BY:ZARD
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Postscript
暑中お見舞いシリーズ第二弾!ZARDの「息も出来ない」をリジィで。
皆には内緒で付き合ってるスタッフの恋人に甘えるリジィなんぞ・・・
皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて…
【C-MOON...管理人:HANAZO】
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