The signs of LOVE
夏の終わり、少し傾いた太陽の日差しを浴びて歩いて来るあなたが見えた。
それだけで胸がドクンと跳ね上がる。
「ごめん、待った?」
「ううん。私もちょうど来たばかり」
「そっか、良かった」
そう言って少しホっとしたように微笑み、被っていたキャップを直す仕草に、またドキっとする。
よく知ってる人なのに昨日までの二人とは違うから。
「じゃあ・・・行こっか」
「うん・・・」
ジョシュがそう言って差し出す手に目眩すら感じる。
でももう何も気にすることはないんだ。
だって私とジョシュは・・・"恋人同志"になったんだから。
優しく握られる手が妙に熱くて照れくさい。
今までと違うから余計に何を話せばいいのか分からなくて、繋いだ手から"好き"が溢れてる気がして強く握れなかった。
「どこか行きたいとこ、ある?」
ジョシュも同じような事を考えているのか、少し照れくさそうに、それでも普段のように視線を外しながら聞いてくる。
それは彼のクセでもあり、私はそのクセが凄く好きだった。
彼の問いに私はちょっと首を振って、「ジョシュは?」と尋ねれば、彼は首を傾げて、
「俺は・・・別にこのまま歩いてるだけでいいんだけどさ」
なんて言って笑ってる。
私も・・・今、同じこと考えてた。
なんて口に出しては言えないけど、でも・・・嬉しい。
そんな小さなことで顔がニヤケてしまう私ってほんと単純。
「何、笑ってるの?」
「何でもない」
「何だよ」
笑いながら首を振る私にジョシュもまた笑ってる。
雑踏の中、こんな風に手を繋いで歩いてる。
ただ、それだけで幸せなだけだよ。
そう思っている私の手を、ジョシュは不意に持ち上げ、ギュっと強く握った。
「って、ほーんと手、小さいな」
「ジョシュが大きすぎるんだよ」
「そっか?でも・・・何となく俺との手って似てない?」
「え?」
「ほら、形とかさ」
そう言って繋いだ手を一度離し、そっと並べてみる。
たった、それだけで、また顔がニヤケちゃうなんてどうかしてる、私。
「ほんと。似てるかも」
私がそう言ってジョシュを見上げると、彼は嬉しそうに微笑んだ。
そして再び手を繋ぐと、ゆっくりと歩き出す。
「はぁ〜久し振り。オフにこんなにノンビリするの」
「ずっと忙しかったもんね?今日も、こんな昼間からじゃなくて良かったのに。疲れてるでしょ?」
「いや・・・前はいっつも夜とかに会ってたからさ。初デートくらいとこうして太陽の下を歩きたかったんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
ジョシュの何気ない一言で顔が赤くなる。
そう・・・・まだ友達だった頃は仲間と集まる時はいつも夜だった。
ジョシュも忙しい人だから、仕事を終えてそのまま合流なんて事がよくあって、こんな風に昼間、
それも二人きりで会うなんて今日が初めてだった。
何となく意識してしまって黙っているとジョシュが小さく欠伸をした。
「あ、ほら、やっぱり眠いんじゃない」
「・・・・っとゴメン。ってか・・・夕べあまり眠れなかったんだよな・・・」
「え?でも夕べは早く終ったって・・・」
「ん〜そうなんだけど」
「あ、家に帰って寝る、なんて言って実は遊びに行ったんじゃない?」
「違うよ。夕べはちゃんと家に帰りました」
ジョシュはそう言って少しおどけたように肩を竦めて笑っている。
でも確かに目が少し赤い。
「じゃあ何で―」
「・・・・・・」
そこで言葉が切れた。
ううん・・・・・・眠れなかったのは・・・・・・目が赤いのはジョシュだけじゃない。
私だって・・・・・・
今朝は目薬したりして大変だった。
その時、ジョシュがちょっと笑って私の頭を撫でた。
「も・・・少し目が赤いぞ?」
「だって・・・」
見透かされた気がして慌てて顔を上げれば、ジョシュもちょっと苦笑を洩らしてて・・・私の頬に軽くキスをした。
『ね、うれしすぎて夜を あなたも眠れなかったの?』
心が通じ合った日を思い出して
SONG BY:DREAMS COME TRUE
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Postscript
残暑見舞いシリーズ第二弾。
ドリカムの「The signs of LOVE」をジョシュで(゜∀゜)!!
友達から恋人へ・・・付き合いだした最初は皆、こんな感じでモジモジしちゃうかなって話(笑)
まだまだ暑いですが夏風邪が流行っておりますので皆様も気をつけて・・・
学生さんは夏休みも終ってしまいましたね(;゚д゚)
また冬休みに向けて(笑)学校、勉強と頑張って下さいね!
本日も皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて...
【C-MOON...管理人:HANAZO】
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