Web拍手用SS......"The occurrence of a day
with winter..."
Snow dances.....by.JOSH
「寒い…」
私は冷たい冬の風に吹かれて思い切り顔をマフラーの中に埋めた。
ミネソタの冬は早い。
寒いな…と思った途端に冬の匂いと共に雪が降る。
今朝は特に寒くて風も強い日だった。
「はぁ…やっぱり家にいれば良かったかな…」
そう呟くものの、あのまま家にいてもゴロゴロしながら、せっかくの休日を終えてしまう事だろう。
こんな寒い休日には、本当だったら恋人と一緒に過ごしたいものだと思うが、彼は仕事で今はカナダの方に行っている。
「仕方ない…。何かDVDでも借りて帰ろうかなぁ…。それとも映画館に行こうか…」
私は暫し立ち止まって後ろを振り返ってみた。
元来た道を戻れば映画館…このまま歩けばレンタル屋に寄れるし家につく。
だが、またしても強い風が吹き、私は挫けて帰る方を選んだ。
(いいわ…。家で暖かいココアでも飲みながらDVDを見よう)
そう決めて再び、歩き出した時、目の前にチラホラと白い綿毛のようなものが舞って来た。
「うわ…雪?!どうりで寒いはず…」
私は空を見上げて、どんよりした雲の間からフワフワと落ちてくる雪を見て溜息をついた。
その吐く吐息でさえ白い。
「う〜寒い…。早く帰ろう…」
私はポケットに冷えた手を入れて枯葉が溜まっている通りを小走りに家に向かった。
まだ夕方なのに寒さのせいか、誰一人歩いていなくて寂しくなるほど。
その内、風が強く吹くせいで、どんどん降って来る雪も横に斜めにと動き回り容赦なく私の頬を冷たくしていく。
前が少しボヤけるほど視界が白くて私は目を細めた。
(こんなに降るなら家から出なければ良かった…)
そう後悔しはじめた時、前から誰かが歩いて来るのが見えて私は顔を上げた。
雪が舞い落ちてくる中、はっきりとは見えないのに、私にはすぐその人が彼だと分かった。
そう――私の今、一番会いたい人、恋人のジョシュだ。
「…ジョシュ…?」
私は立ち止まり驚いた顔で目の前に歩いて来る彼を見つめた。
ジョシュは私の事を見つけると、いつもの優しい笑顔で駆け寄ってくる。
「やっと見つけた」
「え…?」
「今、家に帰ったけどいなかったから探しに行こうと思ってたんだ」
ジョシュは私の冷たくなった頬に手を添えて、ニッコリ微笑んだ。
「ど、どうして…?だってカナダに行ってるハズじゃ…」
「さっき戻ったばかりでさ?携帯にも電話もしたんだけど繋がらなくて焦ったよ。また電源切ってただろ?」
「あ…電池切れたから、そのままだった…」
私はその事を思い出し気まずそうにジョシュを見上げると彼は苦笑しながら額にキスをしてくれた。
「そんな事だろうと思ったよ。だから家に直接戻ったんだけどいないからさ。ま、近所に買い物だろうと思って」
「も、もっと早く電話くれれば良かったのに…」
「だって予定より少し早く終って、そのまま帰国したから…」
スネたように言う私にジョシュは困ったように頭をかいている。
その時、また風が吹きつけて来て私は思い切り顔を顰めた。
するとジョシュが私のマフラーを捲きなおしてくれて、そっと冷えた手を握ってくれた。
「こんな冷えちゃって…俺のあげた手袋は?」
「ま、まだ雪なんて降ると思わなかったから…」
「こっちは雪が降るの早いって連れてくるときに言わなかったっけ?」
「そ、そうだけど…」
困ったように目を伏せれば、ジョシュはクスクス笑いながら私の手を握り、そのまま自分のコートのポケットに一緒に入れた。
「カナダもすっごい寒かったよ。マイナス20度の中で撮影してたんだ。だから、この温もりが恋しかったかな…?」
ジョシュは少し照れくさそうに微笑みながら、そっと私を抱き寄せると、
「会いたかった…」
と一言呟き、優しくキスをしてくれた。
寒さで赤かった私の頬が別の意味で赤く染まると彼は満足そうに微笑んで、
「さ、一緒に帰って暖かいものでも飲もう」
と、ゆっくりと歩き出す。
私は突然の彼の帰国で驚きの冷めぬまま黙ってジョシュの手の温もりを感じていた。
小さな雪が風と一緒に舞って、今ではそれが凄く奇麗に思えてくるから不思議だ。
一人でいるのと彼と一緒にいるのとでは温度が違うんだ…
こんな日は、やっぱりジョシュと一緒にいたい…
そう思いながら彼の横顔を見上げると、ジョシュの柔らかい髪が風に吹かれてふわふわしている。
だが表情は寒そうで、私はそっと彼に寄り添った。
「今夜はジョシュと一緒に映画見たいな」
「いいよ?DVD借りて行こうか?」
「うん。私も、そう思ってたの」
「じゃあ急ごう?俺、寒くて凍えそう」
ジョシュは首をすぼめて、そう言うと私の赤くなった頬に素早くキスをして目尻を下げた。
でも、私はもう寒さなんか感じなかった。
隣にジョシュがいて心まで温かくなったから。
ジョシュが傍にいてくれるなら…寒い冬も悪くない。
そんな事を思いながら、私はジョシュの手をギュっと握り返した――
......END.....
Snow of rain......by.ORLANDO
カラン…
音がして入り口を見ると、そこには演劇学校時代の友人、オーランドが入ってくるところだった。
「やあ、久し振り」
「久し振りね?ロケは終ったの?」
「うん。夕べ帰って来たんだ」
オーランドは、そう言いながらカウンターの方まで歩いて来る。
「前に注文した本が届いたって留守電に入ってたからさ」
「ええ。ロケに行く前に届く筈だったのに、ごめんね?」
「いいよ。そんな君のせいじゃない」
オーランドは普段どおり優しい笑顔を見せるとカウンターに肘をついた。
私はACTRESSの道を諦め、実家の本屋を継いでいるのだが、オーランドが店の近くにフラットを借りたため、
時々こうしてロンドンに戻ってくると顔を見せるようになった。
彼はテレビとか一切見ないが本を読むのが好きらしく、気に入ったのがあれば必ず私の店に注文しに来てくれる。
「はい、これ。ちゃんとカバーつけておいたわ?」
「あ、サンキュ。でも俺、いっつもカバーとか汚しちゃうんだよね」
「いいのよ。本が汚れなければ。オーリーったら学校でも、よく台本とかに飲み物、零してたでしょ?だから毎回つけてるのよ?」
「…そんな変なとこばかり覚えてなくていいよ」
オーランドは照れくさそうに頭をかくと注文した本を受け取った。
「オーリー、手が冷たいよ?傘も差さないで来たの?」
「うん、まあ…近いしさ?」
「いくら家が近いからって…。それに今日みたいな雨降りの寒い日には何か羽織ってこなくちゃダメじゃない」
「あ〜…でも面倒でさ?それに、すぐ来たかったし…起きてから、そのまま来ちゃったんだ」
「そんなに、この本、読みたかったの?本は逃げないわよ?」
私はクスクス笑いながら他に入荷した本を棚にしまおうとカウンターから出た。
するとオーランドは私の方を見ながら、「手伝おうか?」と声をかけてくる。
「いいわよ。そんな今やスターのオーリーに、こんな雑用はしてもらえないもの」
「……そんなこと…。俺は…別に何も変わってないよ?」
私がからかうように言った言葉に、オーランドは少し寂しそうに目を細めた。
「あ…ごめん。そんな意味じゃ……キャ…っ」
本を高い所へ仕舞おうとした体勢のまま振り返ったことでバランスを崩した私は手から何冊か本を落としてしまった。
その一冊が私の額を直撃して、その痛さでしゃがみこむと、オーランドが慌てて駆け寄ってくる。
「大丈夫?!」
「う、うん…。何とか…」
「ちょっと見せて?おでこに当たっただろ?」
「だ、大丈夫よ…」
「いいから」
オーランドは額を隠している手を外すと私の顔を覗き込んできた。
「あ〜赤くなってる…。ほんとドジなんだからさ…」
「ド、ドジで悪かったわね…」
痛さと恥ずかしさで、そう言って口を尖らせると、オーランドは、ちょっと微笑んで私を見つめてくる。
「…何…?」
「いや。そのドジなとこが可愛いなぁって思ってるんだけどね、俺は」
「は……?何言ってるのよ…。そんな手には乗らないんだから…」
彼の言葉にドキっとして私は慌てて目を反らした。
だいたい学生時代からオーランドの周りには沢山の女の子が集まってきていて、フェミニストな彼はこういう台詞もサラリと言うところがある。
こんな事でいちいち胸がときめいてたんじゃ友達の関係のままでいられる自信がなくなってしまう。
「ほ、本、戻さないと…」
床に座り込む形になっていたので、私は本を手に取り立ち上がろうとした。
だがオーランドは私の肩を掴んで、また座らせるように抑えてくる。
「な、何よ?」
「そんな手って、どういう手?」
「え?」
「今、そう言っただろ?どういう意味?」
「どういうって…別に深い意味は…」
「俺は本気で言ったんだけどな…?」
「え…?」
オーランドの真剣な瞳に見つめられ、私は、かなり驚いた。
あまりに驚いたからか、後ろの棚に背中を押し付けるようにして後ずさるも棚と棚の間で狭い空間しかなく、
オーランドから離れる距離すら取れない。
「どうしたの…?オーリー…。今日はちょっと変だよ…?」
「そんなことないよ。いつも…君に会いたくて店に来てたんだし…。気付いてくれてると思ってたんだけどな?」
「な、何を…」
「君に会いたくて…傍にいたくて、ここの近くに引越してきたってこと」
「……な…嘘…でしょ…?また、からかって…」
「からかってない。普通、気付くだろ?何年、俺が君のこと想って来たと思ってるんだよ」
オーランドは少しスネたように口を尖らせ、私を見つめた。
だが今の私は彼の言葉の意味を頭の中で整理するのに忙しく、至近距離で見詰め合ってる事でさえ、何だか夢のような気分だった。
だって…オーリーはいつも女の子にモテモテで私はただの友達でしかなくて…
卒業してからだって、こうして会ってるけど彼は今や世界的に有名になってしまった。
だから私は昔の自分の想いを一生閉じ込めようと頑張ってきたのに…
今さら、こんなこと言うなんて…
過去と現在の色々な事が頭の中を駆け巡り、私は暫し呆然としていた。
だが、その沈黙をオーランドは勘違いしたのか少し悲しそうに目を伏せると、
「ごめん…。俺には急なことじゃないけど…君にしたら気付いてなかったんだし驚くよね…」
と呟いた。
そして未だ返事をする事も出来ず目の前のオーランドを見ている私の額に、彼はそっとキスをした。
「―――っ」
「そこ…傷が残らないように薬塗った方がいいよ?じゃ、俺、帰るね。本、ありがとう…」
そう言ってオーランドは立ち上がると静かに店を出て行った。
カランカラン…っと入り口の鐘の音がして、ハっと我に返った私は慌てて立ち上がり、カウンターを見れば本の代金が置いてあった。
それを見た瞬間、私は何も考えずに傘を掴むと店を飛び出した。
外の雨は少し強くなっていて、かなりの寒さだ。
その中を私は思い切り走った。
「待って!オーリー!!」
「……?」
前方にオーランドが走っている姿を見つけて大きな声で叫ぶと、彼は驚いたように振り向いた。
私は彼の前まで走って行くと、雨で濡れているオーランドに傘をさしながら、
「こ、これ…持ってって」
と息を整えながら何とか呟いた。
「え…いいよ…。近いんだし…」
「ダ、ダメよ。風邪引いちゃうじゃない…。それに…自分の気持ちだけ言って、サッサと帰らないでよ…」
「…え?」
私の言葉に、オーランドは更に驚いたように目を見開いた。
それでも私は彼が濡れない様に背伸びをして傘をさしてあげると、やっとオーランドは手を出して傘を受け取る。
「君の方が小さいんだから無理だよ」
「だ、だったら早く持ってよ…。手が痺れちゃったじゃない…」
「ごめん…。でも…どうして追いかけてきたの?」
「だ、だから…勝手なこと言って人にキスして、サッサと帰るから…」
「あ…ごめん…怒った?俺、思った事、つい行動や口に出しちゃうんだ…」
オーランドは頭をかきながら困った顔で私を見た。
だが私は思い切り首を振ると、
「ち、違うの。怒ってるんじゃなくて…私の…気持ちも聞いてもらおうと…」
「…え…?君の気持ちって…。じゃあ…」
オーランドが頬を紅潮させて私を見た。
そこで私も勇気を出して自分の気持ちを言おうと口を開いた時…
オーランドの肩越しに白いものがふわふわと落ちてきたのが見えて顔を上げた。
「あ……雪…っ」
「え?!」
私の言葉を待っていたオーランドは驚いたような声を上げた。
「ほら…雨に混じって雪が降ってきた…。どおりで寒いハズ…」
「ほんとだ…。今年は初雪…?」
「うん。奇麗…」
雨に混じって落ちてくる雪はフワフワキラキラと奇麗で私は暫く空を見上げていた。
通りを歩いて行く人々は寒さに首をすぼめて足早に私達の横を通り過ぎていく。
その時、オーランドがハっとした顔で私の方を見た。
「あ…さっきの…続き、まだ聞いてないよ?」
「え?あ…」
突然の初雪で一瞬、その事を忘れていた私は慌てて彼の方を見た。
「で、私の気持ちとやらを聞かせて欲しいんだけど…」
オーランドはニコニコしながら私を見つめて、そんな事を言ってくる。
だがタイミングを逃すと、改めて今、言うのは何だか恥ずかしくなってきた私は、
「あ、あの、だから…」
と言おうとしていた言葉まで白紙状態になってしまった。
「こ、今度…言うわ?」
「えぇ?!今度って?」
苦し紛れに言った言葉に案の定、オーランドは頬を脹らませている。
「だから…今度会った時に…」
「ダーメ!今、言って。今、聞きたい」
「だ、だって寒いし…風邪引いちゃうよ…?」
「いいよ。君の気持ち聞かないと寝不足になりそうだし」
オーランドは、そんな事を言って私を困らせる。
私は本当に何て言っていいのか分からなくて黙っていると、彼が諦めたように溜息をついた。
「じゃあ…俺が言わせてもいい?」
「え…?」
私は意味が分からず顔を上げてオーランドを見上げた瞬間、唇に暖かいものが触れて目を見開いた。
それは一瞬の事で何が何だか分からないという顔をしている私に、オーランドは、ゆっくり唇を離してから微笑んだ。
「今度は唇に勝手にキスしちゃったんだから、君ももう言うしかないよね?」
「………………っ」
その確信犯的な言葉に、私は顔が真っ赤になったのが分かる。
そして何だか分からないけど腹が立ってきてオーランドを見上げるとキっと睨んだ。
「分かったわよ…っ。言えばいいんでしょ?言えば!私は……ずっと前からオーリーが好きだったの!文句ある?!」
後から思えば、こんな偉そうな告白もないだろうと赤面するのだが、この時の私は何だか悔しくて、
彼の顔から余裕を奪えるなら何でもいいと思った。
だが、そんな仕返し的な告白もオーランド・ブルームには通用しなかったようで、
彼は怒って見上げている私の頬を優しく手で触れると、
「…俺だって、ずっと前から君が好きだったんだよ?文句なんてあるハズないだろ…?」
と呟き、もう一度、私にキスをした。
その瞬間から私の中の怒りや悔しさが消えて、彼の唇の温もりだけを感じる。
気付けば傘も足元に落ちていて、せっかく彼のために取り寄せた本まで雨に濡れてしまったんだけど…
雨が完全に雪に変わった頃、長い間の想いが、やっと混じり会ったような気がした―――
......END.....
The mischief of the wind of winte...by.VIGGO
「外…風が強くなってきたよ…。凄く寒そう…」
「…ん?」
私は窓の外を見ながら、隣で本を読んでいる彼、ヴィゴに話し掛けた。
ヴィゴは少しだけ顔を上げると、窓の方に視線を向けて、
「ああ…。もうすぐ冬だな…」
と微笑む。
私は彼の隣に座りなおし、腕を組むと肩に頭を乗せた。
「ねぇ…覚えてる?私とヴィゴが出逢った日も、こんな風に冬の寒い風が吹いてたの」
「ああ、覚えてるよ?だから今、こうして君と一緒にいられる」
ヴィゴはそう言って私の頬に軽くキスをしてくれた。
その温もりだけで私は幸せに満たされていく。
そう…あの日…あの風の悪戯がなければ私とヴィゴは、こうして一緒にいることもなかったんだろうなぁ…
私はヴィゴの体温を感じながら、あの日の事を思い出していた――――
一年前・初冬―――――
私は紅茶を飲みながら、ふと顔を上げて通りをいく人の姿へ視線を向けた。
季節は、もう直ぐ冬になるという気温で皆がコートを羽織り寒そうに歩いていく。
(もうすぐニューヨークも雪が降りそうだなぁ…)
そんな事を思いながら、読んでいた本に視線を移した。
今は屋根はあるもののオープンカフェに座り、大好きな作家の小説を読んでいた。
私は大の恋愛小説好きで今日も新刊が出て、すぐに買い早く読みたくて、ここのカフェに入ったのだ。
だが、この寒い日、中は人でいっぱいで仕方なく私はオープンの方に座った。
こんな日では外には人などいなく、今は私の他に少し渋めの男性が私と同じく本を読みながら座っているだけだった。
寒くなれば帰ればいいと思ったのだが、小説が面白くて、なかなか入り上げ時が分からない。
すでに話の半分までは読んでしまっていた。
一旦、読み出すと話に夢中になり時が経つのを忘れてしまう。
そして悲しい場面があると素直に涙が浮かんできてしまうのだ。
今も同じで主人公が最愛の人を失った場面まで読み、自然に涙が浮かんできた。
そこでバッグからハンカチを出し、涙を抑えながらも回りも気にせず、小説に没頭していた。
だが辺りが薄暗くなってきた事に気付き、仕方なくシオリを挟む。
「はぁ…そろそろ帰らないと…。風も強くなってきちゃったし…」
時計を見ながら、すっかり冷めてしまった紅茶を一口飲みながら私は軽く息をついた。
その時、突然、強い風が吹き付けて私は思わず首をすぼめ乱れる髪を手で抑えた。
だがテーブルの上にあったハンカチが突風に吹かれて大きく舞い上がり、私は慌ててそれを掴もうと手を伸ばす。
だが届くには至らずハンカチは風に飛ばされ、何と少し離れた席に座っていた先ほどの本を読んでいた男性のテーブルの上に落ちてしまった。
「あ…っ」
私は驚いて声を出し席を立つと、その男性も目の前に飛んできた淡いピンクのハンカチの存在に驚いている。
「す、すみません!あ…」
すぐに、その男性の席へ行き、誤ったのはいいが、ハンカチが男性の飲んでいた紅茶にどっぷりと浸かっていて私は唖然とした。
「あ…す、すみません。あの…紅茶代、私が出しますから…」
「え?ああ、いや、そんな事はいいんだ…。それより…君のハンカチがダメになってしまった」
私が必死に謝ると、その男性は苦笑しながら手でハンカチを出してくれた。
だがたっぷりと紅茶を吸ったハンカチは茶色に変色している。
「いえ…ハンカチはいいんです…。それより飲み物が…」
「いやいや…飲み物はいいよ」
こんな、やり取りを二度ほどくり返し、気付けば私と、その男性は互いに顔を見合わせ噴出していた。
「こんなこと言い合っていても仕方ないな。出よう」
「え…?で、でも…」
「ああ、紅茶の代金はいいよ。もう殆ど冷めていて飲む気になれなかったんだ」
その男性はスタスタ歩いてレジまで行くと支払いを済ませてしまった。
私も慌てて自分の分を払うと、バッグを持った。
すると、その男性が歩いて来た。
「君のハンカチを弁償したいんだが…。近くにいい店はあるかな?」
「え?」
私はその言葉に驚き、男性の顔をマジマジと見た。
優しそうな瞳に落ち着いた物腰が大人の男性を思わせる。
こうして改めてみると素敵な人…なんて思ったりした。
「高価なものでもないし…本当にいいですから…」
「いや、でも…」
私の言葉に、その男性は納得いかないような顔をして頭をかいている。
その間も先ほどのように強くはないが冷たい風が吹きつけて来て二人で顔を顰めた。
「今日は…冷えるね」
「あ…そうですね…」
「さっき…君もずっと本を読んでいたが…。こんな寒い中では体も冷えたんじゃない?」
「あ…夢中になっちゃうと、つい…。でも…あなたも読んでましたよね?」
「ああ。私も一度読み出すと夢中になってしまってね。すっかり体が冷えてしまったよ」
「私も…」
そう言って笑うと、その男性は優しく微笑んだ。
「じゃあ…帰って体を温めた方がいいな」
「はい。あなたも…」
「ああ、そうするよ。じゃあ、本当にすまなかったね」
「そんなこと…。この風が悪いんです」
私がちょっと苦笑しながら、そう言うと男性は楽しそうに笑った。
その笑顔はびっくりするくらい可愛くて年上なのに失礼かな…と思ってしまう。
「じゃ…ここで」
「はい。さよなら」
そう言って、その男性は私とは反対の方に歩き出し、私も見送ると自分の家へと戻って行った。
この時、ここで終っていれば…きっと私は彼と一年後も一緒にいることはなかっただろう。
だが…私と彼は再び同じカフェで再会した。
あのことがあって一週間後の事だった。
彼は新しいハンカチを私に差し出しながら、
「また会えて良かったよ」
と言ってくれて本当に驚いたものだった。
聞けば、やはり申し訳なく思った彼が新しいハンカチを買い、このカフェに毎日のように紅茶を飲みに来ていたという。
その優しさに絆されて…というわけじゃないが、私と彼は再会した日の夜、一緒に食事に行った。
そして、その日から今日まで、ずっと一緒にいる。彼がロケに行く以外では―――――
彼がヴィゴ・モーテンセンというACTORであることは一ヵ月後に知った。
さすがに驚いたが、その話と同時に好きだと告白されて、彼が何者でも良くなってしまった。
――――私が好きになったヴィゴはACTORでも写真家でも作家でもなく、ただ一人の男性だったから…
「ねぇ、ヴィゴ…」
「ん…?」
「あの日…もし再会出来なかったら…って思うと、ちょっと怖いな…」
少しだけ顔を上げて、そう呟けばヴィゴは読んでいた本をテーブルへと置いて私を抱き寄せた。
「それは…私だって、そう考えれば怖いさ。でも、ちゃんと会えただろ?」
「そうだけど…。ヴィゴが、ああしてカフェで待っていてくれたから…」
「ああ、あの時は…どうして、あそこまでしたんだろうな…。後になって思えば…年甲斐もない事をしたと思うよ」
「あー。ヴィゴ、後悔してる?」
ちょっとスネて、ヴィゴの頬をつねると彼は困ったように微笑んだ。
「それはない。もう一度…君に会いたいと思ったから探したんだよ?」
「ほんとに?でもハンカチを渡すだけって思ってたんでしょ?あの日、私が夕食に誘わなければ…」
そう、あの日、私からヴィゴを誘ったのだ。
この人と、ゆっくり話したいと思って…
かなり年上の人なのに、どこか少年みたいに笑う彼に興味が湧いたのだ。
ヴィゴの腕の中に納まり、ちょっと見上げると、彼は苦笑しながら私に軽くキスをした。
「もし…誘われなかったとしても…私が誘ってたよ」
「ほんと…?」
「ああ。だって、あの時は何て言って誘おうか…と、あれこれ考えていたんだから」
「嘘でしょ?凄く冷静に見えたよ?」
「そりゃ私の方が、かなり年上なんだし節操なく誘うわけにはいかないだろう?冷静に見えても頭の中で色々と言葉を選んでいたんだ」
ヴィゴは、そう言いながら恥ずかしそうに微笑んだ。
私は、あの日のヴィゴを思い出しながら、実は、そんな事を考えていたのかと噴出してしまった。
「あ…笑うことないだろう?傷つくな…」
「だ、だって…。全然、そんな風に見えなかったから…」
「これでも男は色々と考えてるんだよ。自分がACTORだと言う事にだって少しビクビクしていたんだからね?」
「どうして?」
「そりゃ…何となく…業界の人…って思われたくなかったし軽いと誤解されたくもなかったからね」
「でも…私だって、そんな人が私を選んでくれるなんて思わなくて怖かったもの」
「仕事なんて関係ないさ。それに…私は君だから好きになったんだ。あの日、君の涙を見た時から気になっていたんだからね?」
「え?あ…っ」
あの初めて会った日、私は本を読みながら泣いていた。
それを彼は見ていたと言う。
そして本の中に入り込んで素直に泣いてる私を見て、自分と似てるなと思ったそうだ。
あの日…同じ空間で本を読んでいたヴィゴと…今、こうして静かな時間を一緒に過ごしている。
それは今思えば、とても不思議な感覚だった。
あの日、天気がよく穏やかな日だったら…私が本を読んでいなければ…どうなっていたんだろう…と、ふと思う。
だけど…どんな日であっても…私はヴィゴと出会えていたと信じていたい。
そんな事を思いながらヴィゴの胸に頭を置いた。
すると、いつものように大きな手が私の頬に添えられ、優しいキスをしてくれる。
この瞬間が今では最高に幸せな時間だ。
あの日の…風の悪戯に感謝をしつつ、私はヴィゴの背中に腕をまわした―――――
......END.....
Snowman......by.DANIEL
朝、目が覚めてカーテンを開けると、外は一面真っ白だった―――
「おはよう。ダン」
「やあ、おはよう。寒いね?」
学校へ行く途中、クラスメートのダニエルに会い、私は笑顔で声をかけた。
彼は普段と変わらず、優しい笑顔で答えてくれる。
今は凄く有名人なのに、彼のこういう飾らないところを私は尊敬していた。
「何だか楽しそうだね?どうして?」
「え?あ…ほら、今日は初雪が積もってたから何だか嬉しくて」
「ああ、夕べ遅くに降り出してたっけ。何で?雪が好きなの?」
ダニエルはクスクス笑いながら私の隣を歩いてくれる。
二人が歩くたびにキュ、キュっと音がして、それだけ私はワクワクしてくるのだ。
「私、冬が大好きなの。雪も大好きよ?ダンは?」
「僕?僕は…寒いのは苦手なんだ」
「そうなの?空気が奇麗じゃない?」
「そうなんだけど…朝、ベッドから抜け出せなくなるからさ?」
ダニエルは、そう言いながら震える仕草を見せて笑っている。
そんな彼に私も自然に笑みが零れた。
「私も朝は辛いんだけど…。毎年、初雪が振ったらお父さんと一緒に雪だるまを作るの。それが楽しみで…変かな?」
「変じゃないよ。今は時間ないけど前は僕もよく作ったなぁ…。何だか色々な飾りつけとかしちゃってさ?」
「そうそう!今年も本当なら今夜、一緒に作るはずだったんだけど…お父さん昨日から出張でいないから今年は無理かなぁ…」
「そうなんだ。残念だね…?」
「うん。でも一人でも作れるんだけど。こっちのと違って日本のは二段だから」
「え?二段の雪だるま?!」
「ええ、こっちは三段でしょ?日本じゃ雪だるまは二段なのよ?」
「そ、そうなんだ…。へぇ…見てみたいな」
「お父さんがいれば今夜見せてあげられたんだけど」
私はちょっと苦笑しながら白い息が空に舞っていくのを見上げた。
そんな私を見ながらダニエルはちょっと微笑み、私の頭にポンっと手を乗せる。
「今度、是非、作って見せてよ」
「うん…。でも、明日には、この雪も溶けちゃうよね。残念」
私がそう呟くと、ダニエルは黙って微笑んでくれた。
毎年、父と雪だるまなんて子供っぽいと言われてもおかしくないのにダンってば優しいんだなぁ…
そんな事を思いながら他のクラスメートに笑顔で挨拶しているダニエルを見て私は少し嬉しくなった。
「ねぇ、お母さん一緒に作らない?」
「嫌よ。寒いもの…。今年は諦めたら?」
「だって…今年はお父さんと勝負するの楽しみにしてたのに…」
「仕方ないでしょ?お仕事なんだから。あんたも風邪引くわよ?」
母は呆れたように笑いながら夕飯の用意をしている。
その後姿を見て、私はガッカリしながら自分の部屋に戻った。
「あ〜あ〜。一人で作ってもつまんないしなぁ…」
私はベッドに寝転がりながらブツブツ文句を言っていた。
今年は父とどっちが大きな雪だるまを作るか勝負しようと去年からの約束だった。
それが今週末まで出張となった時、凄くガッカリしたのだ。
うちの家族は皆が仲がよく、親とも時々は、そんな事をして遊ぶ事も多かった。
ハロウィンやクリスマスの飾りつけとかは一種のイベントにもなっている。
「今年はあとクリスマスだけか…。一緒にツリー買いに行けるのかな…」
ゴロンと寝返りを打ってカレンダーを見てみる。
ツリーも毎年、父と一緒に選んで買ってくるのだ。
そろそろ見に行かないといいツリーは売切れてしまう。
ゴン…
「………?」
そんな事を考えながらウダウダしていると変な音がして私は体を起こした。
「な…何?今の音…」
私はカーテンの閉まった窓に顔を向けると、そぉっと近づいて行った。
ここは一階なので夜はカーテンを締め切らないと部屋の中が丸見えになってしまう。
「気のせいかな…」
もう音もしないのでホっとして息をつき、またベッドに寝転がろうとした、その時…
ボフッ…
「キャ…な…何の音…?」
またしても変な音がして私はガバっと起き上がった。
その音は今度ははっきり聞こえて来て私は窓の方に張っていくと、そぉっと壁にくっついて外の様子を伺った。
すると、かすかに雪を踏む足音が聞こえてドキっとする。
「だ、誰かいる…」
それに気付き、私は、すぐに母に言いに行こうかと思ったが、
その前に本当にうちの前に誰かいるのか確めようとカーテンの隙間から目を覗かせた。
だが少しの隙間からじゃ外の様子は伺えない。
それに視界が白くてはっきりしないのだ。
仕方なく、私はカーテンをガバっとめくってみた。
「キャ………っっ!」
カーテンを開けた瞬間、目の前にいたのは…いや、あったのは大きな大きな三段のスノーマンだった。
「な…何よ、これ…何で私の部屋の前に…」
私は唖然として、その目の前にあるスノーマンを見つめていた。
すると窓に雪球がボン…っと当たり、ビクっとする。
そして視線をスノーマンの後ろの方に向けてみると、そこに立っていたのは何とダニエルだった。
「ダ…ダン…?!」
彼は寒そうにしていて息も白いがニコニコしながら手を振っている。
それを見た私は急いで窓を開けた。
「こんばんわ。驚いた?」
「お、驚いたって…そ、そりゃ驚くわ?何してるの?」
ちょっと悪戯っ子のように微笑むダニエルに私は窓から身を乗り出して聞いてみた。
「いや…今日は仕事もなかったし…。ほら、今朝君が言ってただろ?雪だるま作りたかったってさ。だから一緒に作ろうかと思って」
「お、思ってって…。で…このスノーマンは…」
「ああ、それはダニエル作。どう?結構、上手いもんだろ?」
ダニエルはそう言って窓の下に歩いて来るとスノーマンの肩にポンっと手を乗せた。
「じょ、上手だけど…でも、どうして…」
「最初は一緒に作ろうと思って来たんだけど部屋の明かりを見て、ちょっと君を驚かせたくなってさ。先に一人で一つ作ってみたんだ」
そんな事を言って笑うダニエルに私は苦笑するしかなかった。
「もう…驚いたわよ…。カーテン開けたら、いきなりスノーマンがいるんだから…。映画思い出しちゃった」
「あ、ジャック・フロストだろ?僕もあれ思い出してさ?」
「ほんと?ダンも、あの映画見た?」
「うん。ちょっと泣けるよね?あの主人公の子も、お父さんと一緒にスノーマン作るの楽しみにしてただろ?だから君の話聞いて思い出したんだ」
「そうね。でも…あれは少し悲しいけど大好きな映画なの。でもダンも、あんなメルヘンした映画見るのね?」
「まあ…だってテーマは家族愛だろ?だからさ」
ダニエルは少し照れたように微笑むと、「出てこない?僕に日本の雪だるま作って見せてよ」と言った。
私は一瞬、迷ったが、そんなに遅くもない時間なのですぐに頷く。
「今、行くね?」
そう言って窓を一度閉めると、カーテンも閉めて私は急いで暖かい格好に着替えた。
そして自分のマフラーをしっかりと首に捲く。
「あ…そうだ…」
私は、ふと思いついて両親の部屋まで走って行くとクローゼットから父のマフラーを出した。
それを持って母に声をかけてから外に出る。
「あれ…ダン…?」
私の部屋がある家の裏手に行くが、さっきまでいたはずのダニエルの姿がない。
おかしいなと振り返った瞬間…
べシャ…ッ!
「わ…っ」
急に顔に冷たい物体が当たり、私は驚いて後ろに転んでしまった。
するとダニエルが慌てて走ってくる。
「ごめん!」
「ひ、ひっどーい…」
私は顔についた雪をはらうと目の前にしゃがんだダニエルを少しだけ睨んだ。
「不意打ちなんて驚くじゃない…」
「ごめん。まさか顔に当たるなんて…ごめんね?」
ダニエルは心配そうに私の顔についた雪を払ってくれて、そのまま両手で頬を包み冷えた顔を温めてくれる。
それには、さすがにドキっとした。
しかも彼の瞳は吸い込まれそうなほど大きく奇麗で心音が聞こえてしまうんじゃないかと心配になる。
「あ、あの…もう大丈夫だから」
「そう?ほんとに、ごめんね?」
「ううん。あ、ダン、これ」
「え?」
立ち上がろうとしたダニエルの手を掴んで引き止めると私は先ほど出してきた父のマフラーを彼の首にかけてあげた。
「こんな寒いのにマフラーもしないで来るなんて…風邪引いちゃうよ?」
「あ…ありがとう…」
ダニエルは少し照れくさそうに視線を反らしたが、私はちょっと首を傾げて気になった事を聞いてみた。
「でも……どうして来てくれたの…?今朝の私の話だけで、こんな風に来てくれるなんて…」
「え…?だ、だから…さ…。今朝の話で…映画思い出して…あんな風に寂しい思いしてるんじゃないかって思ったから…」
「それだけで…?ダンってば、本当に優しいのね?」
私は素直に嬉しくて彼に、そう言うと、ダニエルは、ふと私の方に視線を戻した。
「だって………好きな子には…寂しい思いして欲しくないだろ…?」
「へ………?」
私は聞き間違いかと思って変に高い声が出てしまったが、ダニエルの顔は至って真剣だ。
これには私も顔が真っ赤になってしまった。
まさか、あのダニエルが私を…なんて思った事もなく、友達としてでも少し遠慮がちに付き合っていたのに…
「…返事は…聞かせてくれないの…?」
ダニエルは少しだけ微笑むと、私の顔を覗き込んできた。
私はそれだけで思考がストップしてしまって何も言えなくなってしまう。
ダニエルは真っ赤になっていく私の顔を優しく見つめながら答えを待っていたがニッコリ微笑んで立ち上がった。
「じゃあ僕がスノーマンを作ってる間に考えてよ」
「え?!」
私が驚いて彼を見上げると、ダニエルは軽くウインクして楽しそうにスノーマンを作り出した。
それを見ながら私はどんどん焦っていく。
もう少し…もう少し待って…
このドキドキが納まったら…きっと答えられると思うから…
――――この初雪の日にダニエルが私に作ってくれたスノーマンは次の日、帰って来た父を驚かせるには充分なほどだった。
......END.....
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Comment
□JOSH HARTNETT
普段なら気づかない事も好きな人がいないと気付くものとか一緒にいて気づく事とか、
そんな事があるかなぁと。
寒い日にはジョシュと一緒にいたいなぁ〜(笑)
□ORLANDOBLOOM
連載のオーリーより少し落ち着いたキャラで書きたかった(笑)ただ、それだけ〜♪(オイ)
何故ヒロインが本屋なのかと言うとテレビは見ないオーリーも本は読むから(笑)
ただ、それだけ〜♪(オイコラ)少し大人なオーリー演出です^^;
□VIGGO MORTRNSEN
うぉ!HANAZOがヴィゴ夢?!と思った方が多数いたと思いますが…(笑)
前に少しだけ書いてたネタをいじって今回、頑張った…が、沈没…(ブクブクブク…)
少し冬の入り口辺り、外のカフェでヴィゴが本を読みながら紅茶なんぞ飲んでたら似あうな〜なんて
思って、そんな出会いに…。実際いたらビビりますよね、アハハv
ヴィゴファンの皆さん、石は投げないでぇ〜(ゴンっ)(笑)
□DANIEL RADCLIFFE
何で雪だるまなのか書いた本人にも分かっておりません…(笑)(てめぇ)
ただダンが雪だるま作ってたら可愛いかなぁ…なんて…(安易)
夜、会いに来て、あんな告白されたらドキンちゃんだよなぁ〜…なんて…(おばか)(笑)
ほんと難しい短編で御座いました…(感想)ふがいなくて、すみません…´`;
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