WEB拍手用SS......"It meets is sweet"
A quiet eye....by.JOSH.
仕事で疲れて帰って来ると、部屋に明かりがついていた。
私は彼だ、とすぐ分かり家に向かって走り出す。
鍵を出すのさえ、もどかしくて思い切りチャイムを鳴らした。
すると静かに開けられるドア。
その向こうには優しい瞳で出迎えてくれる彼――――ジョシュの姿があった。
「た…ただいま」
「お帰り。寒かっただろ?」
そう言って私の腕を引っ張ると包むように抱きしめてくれる。
「ジョシュ、あったかい…」
「そりゃ、ずっと暖炉の前で本読んでたからさ」
「ずっと?ジョシュ、いつ帰って来たの?」
忙しい彼が、この時間にいる事は滅多にない。
つい、そう聞いていた。
「ずっと…って言っても午後の…3時くらいかな?帰って来たのは」
ジョシュはそう言って微笑むと、お帰り…と、もう一度呟き、私の唇も体と同じように暖めてくれる。
彼の唇が重なり、体も心もジョシュの温もりに包まれた。
そのままジョシュに手を引かれ、暖炉の前に連れて行かれる。
私はコートを脱いでクッションの上に座った。
するとジョシュが煙草に火をつけながら、一度キッチンに行き、すぐにカップを持って戻ってくる。
「はい、コーヒー」
咥え煙草のまま、ジョシュはカップを私に差し出す。
それを、そっと受け取った。
「わ、ありがと。いい匂い…」
ほこほこと湯気の出てるコーヒーの香りを嗅ぐと、猫舌の私は軽く吹いてから唇をつけた。
「美味しい…」
一口飲んで、そう呟けばジョシュも私の隣に座り、優しく微笑んでくれる。
暖炉の炎でジョシュの瞳が揺れているように見えた。
私を見つめる、その優しい瞳が好き…
煙草を吸う時の、その大きな手が好き…
そう思いながら微笑を返す。
ジョシュは煙草を灰皿で消すと、いつものクセで前髪をかきあげた。
私は、コーヒーを飲もうとカップに唇を寄せた時、不意に頬にジョシュの手が触れた…と思った瞬間、彼の唇が再び重なる。
優しく確めるように重ねられた唇に私は持っていたカップを落としそうで体に力を入れた。
すると、ジョシュは、ゆっくりと離れて私のカップをもつ手に自分の手を重ねる。
「ジョシュ……?」
少しだけ彼を見上げると、ジョシュは、そのままカップを私の手から奪い、横においてニッコリと微笑む。
「その唇が触れるなら……カップにも嫉妬しちゃいそうだよ…」
「……え?」
少しだけ照れたように、ジョシュ独特の低い声がそう呟いた。
私は耳まで赤くなったけど今は暖炉の火でバレることはない。
「じゃあ……私は煙草に嫉妬しなくちゃ……」
ちょっとだけ笑って、そう呟けば、ジョシュも小さく噴出している。
そのまま、そっとジョシュに抱きついた。
「こんな風に甘く出迎えてくれるなら、どんな疲れも飛んで行っちゃうね……」
そう呟いた時、ジョシュの腕が私を強く抱きしめた。
......END.....
You may kiss?......by.ELIJAH
僕はそぉっと足を忍ばせて寝室へと入った。
時間は夜中の2時…
こんな時間になってしまったので彼女を起こさないように着替えてベッドへ滑り込む。
彼女は布団の中で丸くなっていて無邪気な寝顔が見えた時、ふと笑みが零れた。
「ただいま…」
小声で呟いて彼女の体を抱きよせ自分の腕の中へと納める。
小さく華奢な体がスッポリと納まり、それが、また愛しくてたまらない。
「んぅ……」
少し動かしたせいで、彼女が子供みたいに可愛い声を出した。
だが起きた様子もなく、でも僕の胸に無意識なのか顔を埋めてくる。
眠りながらの甘い出迎えに、胸の鼓動が早くなってしまった。
「もう……眠ってるのに誘惑してくるんだからさ…」
罪のない寝顔に、そう呟いてみても彼女の寝息しか聞こえない。
僕はそっと彼女の額に口付け、そのまま唇にも口付けた。
そうすると、いつもなら真っ赤になる彼女の頬も、今は月明かりに照らされて艶やかに光っていた。
ゆっくり唇を離すと、かすかに彼女の手が僕の背中へと周り、更に鼓動が早まる。
「…どうすんの…?この状況…」
少しだけ離れて、このまま眠ってしまおうとも思うのだが、彼女は擦り寄るように体を寄せてくる。
こんなんじゃ眠れそうにない。
「ほんとに襲っちゃうよ…?」
少しだけスネたように呟き、再び彼女の唇を優しく塞ぐ。
それでも全く起きる気配などない彼女の唇に何度もキスを降らせた。
ゆっくり体勢を変えて覆い被さるように華奢な体を拘束しながら、彼女の温もりを確める。
だが少しづつキスを深めれば、当然の如く、彼女は目を覚ました。
「ん…ぅ…リジー…?」
ゆっくりと開かれた瞳には驚きの色が伺え、僕はちょっとだけ微笑んだ。
「おはよ…って言っても、まだ夜中だけど…」
「……な…何して…」
少しづつ頭がハッキリしてきたのか、キスをされてた事に気付いたようだった。
見る見るうちに彼女の頬が赤く染まって行く。
「何って…ただいまのキスしてただけだよ?」
「…………っ」
僕の言葉に彼女は、ますます頬を赤くして何やら文句を言いたげな表情だ。
「君がいけないんだよ?」
「……な…何で…?」
「僕が寝ようと思ったのに可愛い出迎えをしてくれちゃうから…さ…?」
「……??」
僕の言った意味が分からないのかキョトンとした瞳で見上げてくる。
その顔が可愛くて、またドキっとさせられる。
「もう一回……キスしていい…?」
僕はさっきの続きをしたくて、そう囁いた。
それには彼女も耳まで真っ赤にして口をパクパクさせている。
僕はちょっとだけ微笑むと返事を待たずに、再び彼女の唇に口付けた。
......END.....
It waits for a telephone......by.ORLANDO
「ただいまぁ……」
そっとドアを開けて中へ入る。
そのまま足音を忍ばせ、リビングに向かった。
テレビは付けっ放しで画面は砂嵐になっている。
「…オーリィ…?」
小声で、そっと待っているはずの恋人の名前を呼んだ。
だが何の返事もなくて私は一瞬、不安になる。
だがソファーを見れば投げ出したままの彼の長い足が見えてホっとした。
「オーリィ…?」
そっと歩いて行ってソファーを覗けばオーリーが居眠りをしていた。
それも手には電話の子機を持ったまま…
「あ〜あ…フテ腐れて眠っちゃったんだ…」
私はそう呟いて微笑んだ。
そしてソファーの前に膝をついてオーリーの寝顔を覗き込む。
少しだけ口をへの字にしたまま眠っている顔は、さっきの怒りが持続しているようだ。
「ごめんね、オーリィ…」
額にかかった柔らかい髪を手で避けながら、そう呟いた。
そもそもこんなに遅くなる予定じゃなかった。
だけど久々に大学の頃の友達と集まると話に花が咲き、二件三件と店を変えて飲み出してしまうのだ。
それだけでもオーリーは嫌がるのに今日は仲間内に男もいると知り、先ほど電話で大喧嘩になってしまった。
売り言葉に買い言葉。
「そんなに他の男と飲みたいなら、ずっと飲んでれば?帰って来なくていいよ!」
「分かったわよ!今日は帰らないから!」
そんな事を言い合って電話を切ってしまった。
だが本当にそんな事が出来るハズもなく、私は電話を切った後、友達に謝って、急いでタクシーで帰って来たのだった。
オーリーの手の中に握りしめられた電話が、彼がどれだけ心配していたかを裏付ける。
きっと私からの迎えに来てという電話を待っていたのだろう…
それとも心配で携帯にかけようと思ったのか…
彼の手からそっと電話を取り、テーブルに置くと、オーリーに背を向けソファーに寄りかかり、溜息をついた。
その時、後ろから急に腕が伸びてきて抱きしめられる。
「キャ…っ」
あまりに驚いて声を上げたが、すぐに顔を上げるとオーリーのふわふわの髪が額をくすぐる。
「オーリィ……起きたの…?」
「帰って来てくれたの……?」
驚くほど小さな彼の声にドキっとする。
「うん……あの…ごめんね?あんなこと言う気じゃ…」
「ううん。俺もごめん…」
オーリーはそう呟くと私の体を自分の方に向けた。
正面から見た彼は悲しげな顔で私を見つめていたが、ちょっとだけ微笑むとホっとしたように息をついた。
「良かった…帰って来てくれて…」
「え…?」
「ほんとに……帰って来なかったらどうしようって…凄く不安だった…」
「オーリィ……」
「何度も電話しようかって思ったか知れない…。でも友達といるのに何度も電話しちゃ、もっと怒るかな…とか、
もしかしたら君の方から電話してくれるのかなとか…色々と考えてたんだ…」
オーリーはそう言うと私をギュっと抱きしめた。
その腕の強さに私は我慢していた涙が、瞳に溢れてくるのを感じた。
「ごめんね…ごめん、オーリィ…」
「いいんだ…俺も悪いんだからさ…?俺こそ、ごめん」
オーリーはそう言って少しだけ体を離すと、
「お帰り……」
と呟いて優しくキスをしてくれた。
何度も確めるように唇を重ねてくるオーリーに、私はギュっとしがみついた。
帰って来る途中、何度も不安でたまらなくなった心が、オーリーのキス一つで、こんなにも幸せな気持ちへと変わる。
「大好き……」
オーリーに唇を開放された時、私は心の中の想いをそっと言葉にしてみた。
......END.....
A hand gentle to.....by.VIGGO
彼の手が、そっとポットを持ち上げ、カップにコーヒーを注いでくれる。
私はその奇麗で大きな手から目が離せない。
「どうした?」
「え?」
「じーっと見ちゃって…」
ヴィゴはちょっと笑いながら、そう言うと注いだばかりのコーヒーを私に差し出した。
「これ飲んで。体が冷えてる」
「ありがとう…」
優しく頭を撫でてくれる彼に、私は微笑むと、ゆっくりと温かいコーヒーを飲んだ。
彼の大きな手で撫でられると、安心して眠くなってしまう。
「で…今日はどうしたんだ?急に会いに来るなんて…」
「あ…ごめんなさい…。迷惑だよね…」
私は少しだけ俯いて、そう呟く。
するとヴィゴが私の隣に座った。
「迷惑なんて思ってないよ?心配なだけさ」
彼は、そう言うと本当に心配そうに私を見てくる。
その表情に私はつい、会いたかったから…と言ってしまいそうになった。
「何も…。ただ……」
「ただ…どうした?」
ヴィゴは優しく私の頭を撫でながら、まだ、どこか心配そうな瞳で私を見つめる。
その瞳に見つめられると、本当に彼のことが好きだと言う感情が溢れて来て胸が苦しくなった。
「…何でもない…。もう…帰るね?」
これ以上、ヴィゴと見つめ合っていると自分の心をぶちまけてしまいそうだ。
そう思って慌てて立ち上がった。
すると急に手首を掴まれドキっとする。
「もう帰るのかい?」
「だ、だって…」
「まだ…一緒にいたいんだけど……ダメかな?」
「……え?」
ヴィゴにそう言われて私は驚き、振り向いた。
その瞬間、手を引っ張られて再びヴィゴの隣に座ってしまう。
「ヴィゴ……?」
その行動に驚きながら顔を上げると、私の大好きな、彼の優しい手が頬を包み、胸がドキンっと大きく跳ね上がった。
「思ってもみなかった、この夜に…喜んでいるのは私だけかな…?」
「え…?あの…」
その言葉の意味が分からず、聞き返そうと口を開いた瞬間、私の言葉が不意に途切れる。
気付けばヴィゴの唇に塞がれていて、私はあまりに驚きすぎて目を見開いた。
そのまま抱き寄せられ、啄ばむような口付けを受けながら、これは何かの夢じゃないかと思う。
だけど彼の熱い唇が現実の事だと実感させる。
「……私に…会いに来てくれたんだと…自惚れてもいいかな……?」
ヴィゴはそっと唇を離して、そう呟いた。
頬に添えられた彼の手に、私は返事の代わりにそっとキスをした―――
......END.....
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Comment
□JOSH HARTNETT
こんな風にジョシュに「お帰り」って言ってもらえたらいいなぁ〜なんて思いつつ書きました(笑)
ジョシュって何だか暖炉とか似合いそうです〜^^
□ELIJAH WOOD
仕事から疲れて帰って来て恋人に、こうやって寄り添われたらリジーもついついね(笑)
好きな人の体温って特別ですよね〜
□ORLANDOBLOOM
ケンカしたとしても、こんな風に心配してくれてたら怒りなんて飛んじゃうなあと(笑)
オーリーはどこでも心配性みたいです^^;
□VIGGO MORTRNSEN
こんな片想いの相手から突然、告白されるのもいいかなと思って(笑)
会いたくなって行ったのに思ってもみない展開&サプライズって最高ですねv
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