Catch me if you can.......~A
real love ?... or... fake love?...~
その日の夜、俺はを離したくなくて…何度も抱いた。
薄暗い部屋で俺は目を開けて背中にある温もりに気付いた。
気付けばは俺の背中にしがみ付くようにして眠っている。
俺はそっと体を動かしての方へと体を向けた。
寝息での細く白い肩が、かすかに動いている。
俺はちょっと微笑むと彼女の肩にキスを落として軽く抱き寄せた。
直接触れるの体の温もりに今まで以上に愛しさが溢れてくる。
そっと背中を撫でるもはぐっすり眠っていて目を覚ましそうにない。
夕べは俺が何度も求めたから疲れてしまったのだろうか…
彼女は初めてだったからか、俺が抱こうとしても怖いのと恥ずかしいのとで幾度となく俺の手を止めた。
なるべく優しく壊れ物を扱うようにの体を愛撫して最後に一つになった時、は涙を零して"嬉しい"と言ってくれた。
そんなが愛しくて何度も口づけ彼女を抱いた。
その後でも愛し足りなくて何度も何度も彼女を求めては体を重ね、知らず眠っていたらしい。
今は…朝か…
今日も…と一緒にいられるんだ。
そう思うと幸せな気持ちになる。
俺は彼女の滑らかな肌を撫でながらそっとの額にキスをして、唇にも軽くキスをした。
「…ん…」
かすかにの顔が動いて、また眠りに入ったのかスースーっと小さな寝息が聞こえてくる。
その寝顔が可愛くて俺はもう一度唇に口づけて、そのまま細い首に唇を這わせた。
夕べ俺がつけた赤い跡がいくつか胸元に残っている。
俺は少し体を起こしてまた白い肌へ赤い印をつけると、少し痛みがあったのかの体がピクっと動いた。
それでもはまだ眠ったまま。
それを見てると愛しさで体が熱くなるのを感じ、そのままの白い胸元へと唇を這わせ手で優しく触れるとまたが欲しくなる。
あんなに抱いたのに、まだそんな感情が溢れてくる自分に驚きながらも、
その感情に身を任せての華奢で柔らかな胸へと唇を這わせていった…
「…ん…っ」
私はかすかに感じた刺激で意識が戻って来た。
胸の辺りのに暖かいものが触れて電流が流れたように体がビクっとなる。
「……ん…っ」
二度目の刺激に意識がハッキリしてきた。
ゆっくりと目を開けると薄暗い部屋が見えてレオの家だと思い出す。
「ん…レ…オ…?」
自分の体に刺激を与えているのがレオだと気付いた時には熱い唇に言葉を塞がれていた。
「ン…っ」
私はまだ少し気だるさの残る体を動かそうとするも、レオが上に覆い被さってきて動けないまま深く口付けられた。
優しく体の線をなぞるようにレオの手が腰から胸へと移動して、また胸に刺激を感じ眉間を寄せれば自然に甘い声が漏れる。
レオは唇を首から胸へと這わせて優しく愛撫をしながら手を足の方へを滑らせていき少しだけ足を持ち上げられた。
「…」
かすかに私の名を呼ぶレオの声が聞こえた瞬間、さっきよりも強い電流が体を走る。
「ンン…ッ ンァ…ッ」
レオが入ってきたのが分かり背中にしがみ付くと、もう一度名前を呼ばれた。
「……愛してる……愛してるよ…」
何度も愛を囁かれて、私は眠りから冷めた瞬間に襲ってきたレオから与えられた快感に身を任せていった…
ACT.1...
「…オ…レオ…?起きて…」
「ん…?」
俺は体を揺さぶられて意識が戻ってくるのを感じた。
「レオ…?もうお昼だよ…?」
の可愛い声が聞こえて俺は手探りで彼女の体を捕らえると、そのままベッドへと押し倒し唇を塞ぐ。
「んン…っ?」
は驚いたような声を出して体を起こそうとするが、それを抑えての小柄で可愛い胸へと手を伸ばし…
「ん…っ……何で…服着てるの…?」
俺が唇を解放してそう呟けばは顔を真っ赤にして俺を下から睨んでいる。
「だ、だって…レオが触るから…」
「…ン~?俺に触られるの嫌~?」
「い、嫌とか…そうじゃなくて…着てないと…すぐ…」
はそこで言葉を切ると顔を赤くして視線を泳がせている。
俺はの言わんとする事が分かり、ちょっとイジワルな事を聞いてしまった。
「着てないと…すぐ…何?」
は真っ赤な顔でチラっと俺を見ると口の中でモゴモゴと何か呟いている。
「だ、だから…すぐ…あの…」
「何…?俺がすぐを襲うから?」
俺がニヤっとしてそう言うとは耳まで真っ赤にして体を横にし、枕に顔を埋めてしまった。
そんな彼女が可愛くて俺はまたを仰向けにすると、チュっと小さな唇にキスを落とす。
「レ、レオ…あ、あの…早く起きよ?」
は恥ずかしそうに俺を見上げて体を起こそうとするが、俺はそれを許さず彼女をもう一度押し倒した。
「キャ…ちょっと…」
「…今日は休みなんだから、まだ起きたくない…」
俺はの胸元に頬を寄せそう呟いた。
「で、でも…お腹空いたでしょ…?それに…明日の用意しに私、一度家に帰らないと…」
「やだよ…帰さない…」
「だ、だって…明日からずっと一緒なんだし…荷物取りに行くだけよ?」
「う~ん…もう少し、こうしていたい…」
「今日から…10日間も一緒なのに…?」
が少し笑いながらそう言うから俺は顔を上げて、「たった…10日間だけだよ…」 と呟くとの唇に強引にキスをした。
「んン…っンぁ…レ…オ…」
が俺の名を呼ぼうと少しだけ開いた口に素早く舌を忍ばせ、の口内を優しく愛撫すると甘い声が洩れる。
「ん…」
その声を聞くとまた体が熱くなるのを感じ、の着ていたワンピースを足元から捲っていくとが慌てて体をよじった。
「ん…っ?」
胸元をぐーっと押されて俺は悲しげにを見るとすでに顔が真っ赤っ赤だ。
「も、もう…っすぐそうやって…」
「だって…を、もっと抱きたい…」
「……っ?!」
俺の言った言葉に思った以上に顔を赤く染めて、口をぱくぱくして何かを言いたげなが可愛くて、
俺はもう一度キスをしようと唇を近づけた。
「ダ、ダメー!」
いきなりがギューっと目を瞑って顔を背けるもんだから、さすがに俺もちょっと落ち込んだ。
「ダ、ダメ…って…そんなこと言うなよ…」
「だ、だって…っ」
そう呟くを見ると耳どころか首もとまで、薄っすらと赤くなっている。
あ~あ…こんなに真っ赤になっちゃって…ほんと可愛いんだから…
そんな顔されると、ますます我慢出来なくなっちゃうんだよなぁ…
苦笑しながらそんな事を思いつつ、ふぅ…と溜息をつくと、「ごめん、起きるよ」 と言っての頬にチュっとキスをした。
の腕を引っ張って起こすと、またが顔を背ける。
「キャ…っレ、レオ…服着て…!」
体を起こしたからか、布団がはがれてしまったのを見てが叫んだ。
「え?ああ…何で?そんな今更…」
と言いかけたがは必死に目を瞑って背を向けてしまったから俺も何だか恥ずかしくなって近くにあったバスローブを羽織った。
「?着たよ?」
「ほんとに?」
「うん。だから、こっち向いてよ…」
俺の言葉にそぉっと振り向くをすぐに抱きしめた。
「わっ…レオ…」
「ほんとって可愛いな…。きっと何度抱いてもそうやって恥ずかしがるよな?」
俺はそう言うと少し体を離してにキスしようと顔を覗きこむとは、まだ赤い顔で何かを言いたげにしている。
(ああ、今の俺の言ったことで照れてるんだ…)
そう気付き、ちょっと笑顔になった。
ぱくぱく開きかけてる唇を優しく塞ぐとの唇をペロっと舐めて最後にチュっと音を立てて解放した。
すでには湯気が出そうなほど顔が赤くて、俺はその真っ赤な頬にも、チュっとキスをすると、
「シャワー浴びてくるね?」 と言ってを解放する。
は力が抜けたのか、その場にへにゃっと崩れ落ちたのが見えて、
「あ、も一緒に入る?襲われるのを覚悟で」
とジョークを言うと枕が飛んで俺の顔にヒットした(!)
ボフっという音と共に、
「さっき先に入った!!レオのエッチ!早くバスルーム行って!」
と、の怒鳴り声が聞こえて来て、俺はちょっと鼻をさすって噴出しつつバスルームへと入って行った。
私はほんとに体の力が抜けてるのを感じて、レオがバスルームに入った後もベッドの上から動けないでいた。
「はぁ…胸が苦しい…」
夕べから恥ずかしくて何度もドキドキしたから心臓が壊れちゃうんじゃないかって思ってしまう。
初めて抱かれた男性がレオだなんて思うと本当に信じられなくて恥ずかしくて困ってしまった。
怖さと恥ずかしさで何度も体を硬くしてレオの手を止める私に、彼は怒るでもなく凄く優しくしてくれた。
最初の痛みも覚悟はしてたものの、想像以上の激痛で私は本当にこんなことを皆してるわけ?!と変なとこで感心してしまう。
その痛みも消えないうちにまた求められて何度も抱かれているとそんな痛みも薄らいでいき、同時に幸せを感じた。
好きな人に抱かれるのがこんなにも安心で心が満たされるなんて思ってなかったから…
それにしても…皆、こんなに何度も求められるものなのかしら…
そんな事を考えると、また顔が熱くなる。
今朝だって…
あの後、少しして目が覚めてレオがぐっすり眠っているから私は先にシャワーに入った。
ベッドから出て歩こうとすると何だ体が思うように動かなくて驚いたんだけど…
鏡で自分の体を見て、昨日の自分と何が違うんだろう…なんて考えていると胸にいくつも赤い跡を見つけて顔が赤くなってしまった。
こ、これがあの噂(!)のキ、キスマーク…!
なんてバカみたいだけど本当にそんな感じだった。
前にキャシーが、
"キスマークは本当に好きな相手じゃないとつけないわ。だってあれは感情が高ぶってつけてしまうものだもの"
と、話していたのを思い出し少し胸がドキドキした。
よく体を許したら男は冷たくなるって聞いたりもしたけど…
レオってその逆なんじゃないかと思うくらいに優しい…(いや…やらしい…? (!))
それとも…レオが、そういう人なのかな…
ほら、レオって抱いた女性には優しそうだし…関係を持った後でも礼儀じゃないけど…前以上に優しくするとか…
って何考えてんだろ…
レオが他の女性とも関係を持ってたと思うと今更ながら胸がツキンと痛む…
そんなの仕方ないし、あんなにモテるんだから当たり前よ。
いちいち気にしてても仕方がない。
それに…私だって、まだダニーとは別れてないんだ…。
本当なら…きちんとしてから、こういう関係になった方がいいのかもしれない。
でも私は…ダニーと別れることが出来るのか不安だった。
こうなってしまった今は…完全にダニーを裏切った事になる。
それは自分でも辛かった。
罪悪感…
それでも、その罪悪感ですら薄れてしまうほど…
今はレオと一緒にいたかった。
10日間…この間だけは色々な事を忘れてレオの事だけを見て過ごしたい…勝手だけどそう思ってしまう。
そんな事を考えていると急に後ろから抱きしめられ、かすかにシャンプーの香りに包まれる。
「レ、レオ?」
「どうしたの?ボーっとベッドに座って…俺に食べられたくて待ってた?」
「な、何言って…っ」
そんな事を笑いながら言うレオに恥ずかしくなって俯いた。
レオは私を自分の方へと向けると額に優しく唇を押し付け、
「じゃあ、俺が激しすぎたから腰が立たないとか?」
と言ってニヤっと笑った。
ムギュッ
「ぃたたっ」
私は顔が真っ赤になってレオの頬を思い切りつまんでやった(!)
「…そんな事ばっかり言って!エッチ!スケベ!変態!」
私はそう怒鳴るとレオの腕からするっと抜けて寝室から出ていく。
レオも慌てて私の後を追ってくると、
「…エッチとスケベはいいけど(!)変態はないんじゃない?」
と口を尖らせている。
私はその顔を見てちょっと噴出してしまった。
「ぷ…っ…だ、だって…変なことばっかり言うから…っ」
「変なことじゃなだろ~?俺がに惚れてるだけだよっ」
レオはそう言うと階段を下りている私の腕を掴んで強引に抱き寄せた。
「キャ…あ、危ないわ?」
「ん…大丈夫…俺が支えてるから…」
レオに抱きしめられ、頬にキスを何度もされてると私は力が抜けそうになってしまう…
「あ、あの…私、荷物取りに行かないと…」
「俺が送ってくよ?一緒に行かないと心配…」
「え?何で…?」
そう言ってふとレオを見上げるとレオは、ちょっと寂しげな顔で微笑むだけで、私の質問には答えなかった。
「俺、着替えてくるよ。は紅茶でも飲んでて」
「う、うん…」
レオはもう一度私の頬にチュっとキスをすると、また階段を上がってクローゼット代わりにしている部屋へと入って行った。
私は手でそっと頬に触れるとまだレオの唇の感触が残ってるようで胸がドキっとする。
(やだ…こんな事にまでドキドキしてたら、本当に心臓がどうにかなっちゃいそう…)
そんな事を考えつつ、そのままキッチンに行ってレオの分も紅茶を淹れた。
リビングのカーテンを思い切り開けると明るい光が入って部屋の中が明るくなり、私は少し窓を開けて空気を吸い込む。
「う~ん…今日もいい天気…空も真っ青だわ…」
独り言なんて言いながらソファに座り、紅茶を飲むと不意にさっきレオが言ってた"心配"の意味が気になってくる。
何だろう…
別に意味もなく何の気なしに言ったのかな?
レオって見た感じそういう風には見えなかったけど、かなり心配性なのか妬きもちやきっぽいし…
妬きもち…?
あ…っさっきの心配って…もしかしてダニーのこと?!
彼が家に来るんじゃないかって…そう思ってるのかな…
ダニーは今日からカナダなんだけど…。
その事を何度も告げようと思ったが、レオと一緒にいる時にダニーの話をしたくなかった。
だってレオは何も言わないけど…ダニー絡みの話になると一瞬、凄く悲しそうな顔をするから…
夕べも…私はダニ―が帰ってしまった後、時間を見てまだ早いと分かるとどうしてもレオに会いたくなった。
さっき別れたばかりなのに…と躊躇ったけどそれでも車を飛ばして会いに来た。
レオは飲みに行くと話してたしいないのは分かってたけど、帰りを待つだけで良かったんだ…
つい寝ちゃったけど目を覚ましたらレオが目の前にいて顔を見たら凄くホっとするのを感じた。
一瞬…レオに抱かれるのを躊躇したけど…ダニーとの事があるから。
でも…
今だけは…私はフィアンセなんていない、ただレオに恋する女の子でいたい…
ふと、そう思った――
「うわぁ、何だか凄く久し振りな気がする。の家…」
レオは私の部屋に入るなりそう言ってベランダに出て伸びをしている。
私はそんなレオを見ながらちょっと笑った。
そう言えば…あのダニーとのキスを見られた夜以来だ…
そんな事を思い出してチラっとレオを見た。
レオはそこまで思い出さなかったのか、気持ち良さそうに海風に当たって目を瞑っている。
私はキッチンに行って紅茶を淹れるのに電気ポットのお湯を確めて紅茶葉の入ったポットにお湯を注いだ。
「レオ?紅茶入ったよ?」
「あ、サンキュ」
レオはベランダから中へ戻ってくると私の隣に座って頬にチュっとキスをした。
私は何だか恥ずかしくて俯くと、黙ってマグカップの中に砂糖を入れる。
「あ…レオ、砂糖…」
と言いかけてレオの方へ顔を向けた途端、私の唇はレオの唇に塞がれていた。
「……っ」
私は驚いて目を見開くとレオはすぐに唇を離し、最後に私の唇をペロっと舐めて、
「の唇の方が砂糖より甘いね」
と微笑むと、もう一度、今度はチュっとキスをした。
私は何も言えず、ただ顔が熱くて慌ててソファから立ち上がった。
「どこ行くの?…」
「あ、あの…ボストンバッグに必要なもの入れてくる…」
「ああ、手伝おうか?」
「あ、い、いい…っ。一人で大丈夫よ?」
何とか笑顔でそう言うとすぐに寝室の方へ歩いて行った。
レオは首を傾げつつも、傍にあった映画雑誌を手にして読み始めたのが見える。
私は寝室へ入る前にその姿を確認すると静かに中に入った。
「はぁぁ…」
自分のベッドに体を投げ出して思い切り息を吐き出す。
何だか顔が熱くて私はすぐに起き上がると窓を開けて外の空気を吸った。
海の匂いにホっとする。
ドキドキ…また心臓がうるさい。
レオって凄く情熱的で…実のところ私は極度に恥ずかしがりやだし困ってしまう…
気は強いのに…と、よく言われるけど男女の…そういうことってほんとは凄く苦手…というより恥ずかしいのだ。
元々の両親が父は日本人だったからか、人前でもスキンシップするなんて事もなかった。
母さんは典型的なアメリカンだから別にハグや,行ってらっしゃいのキスも普通にしようとすると、
厳格な父は、「朝から何を考えてる」 とか言ってよく怒ってたっけ…
私も…父に似ちゃったのかしら…
それでもダニーとは普通にしていられた気がするんだけど…
確かに照れることもあったけど、ダニーはレオみたいにあんな風に普段もキスしたり抱きしめてきたりはしてこなかった。
だからなのかな…
でもレオだとダメ…
元々ファンってのを差し引いても、あの顔で近づいてこられるとほんとに固まってしまって蛇に睨まれた蛙状態だ。
特に奇麗なブルーグリーンの瞳に見つめられると吸い込まれそうなほど見惚れてしまう…
まあ、映画見てるだけでそうだったんだから…本物に見つめられたら、固まるのも当然よね…
私はちょっと熱い頬を両手で包む。
こんなんで夕べ、よくレオに抱かれることが出来たと首を傾げてしまう。
いや…確かに…何度も止めてしまったけど…
抱かれた後の方がこんなにも照れるものなんだろうか?
それとも初めての相手だから?
「あ~…こんなんで、10日間も一緒に過ごせるの?」
そんな独り言を呟き、そのままクローゼットへ行って持って行く洋服を選んでいった。
今時期はアトランタも寒いと聞くし、暖かい格好じゃないと…
私は冬物のセーターを数枚とコートなどを入れて最後に下着を手に取った。
下着って…他の人ってどんなのつけてるのかなぁ。
別に普通のでいいよね…?
最近じゃ凄いのも売ってるらしいけど…って私は何を考えて…っ!
顔がまた熱くなって私はパタパタと手で仰ぎながら日数分の下着をバッグにしまった。
前ならこんな事は気にもしなかったんだけど…やっぱり初体験の後ってこういう事を皆も気にするのかな…
何だか今までの自分とは少しづつ変わっていくようで…ちょっと怖い。
その時、ノックの音が聞こえてハっとした。
「?まだ終らないの?」
「あ、あの、もう終るから…」
私はそう言うと旅行用のハブラシセットもメイク用のポーチも全て入れて立ち上がった。
そこにドアが開いてレオがひょこっと顔を出すと「「終った?」 と言いながら入って来た。
「う、うん…終った」
「コートとか入れた?アトランタはロスより10度ほど気温も低いからさ」
「あ、うん…大丈夫…入れたよ?」
「そ?ならOKだね」
レオはニッコリ微笑むと私の腰を抱き寄せた。
私はドキっとしてちょっと俯いてしまう。
「どうした?」
「え?」
「何だか…さっきから様子が変だから…」
「そ、そんなことないよ?」
レオが顔を覗き込んでくるもんだから私はどんどん下を向いてしまってレオが首を傾げている。
「あ、あの…レオの家に…戻る…?」
私はこの状況から抜け出そうとそう言ってみる…もレオの返事がない。
思わず、ちょっと顔を上げて上目遣いでレオを見てみると何だか少し怖い顔をしている。
「レオ…?」
「もしかして…ダニーが来たら困るとか思ってる?」
「…え?!」
いきなりそんな事を言われて私は驚いた。
「そんなこと思ってない…どうして、そんなこと言うの?」
「だって…さっきからそわそわしてるし…今だって早くここから出たいって感じだから」
私はレオの言葉にドキっとするも勘違いさせてしまった事を申しわけなく思った。
「あ、あの…そんなんじゃないの…。それに…ダニーは今日から仕事の関係でカナダに行ったから…来ないわ?」
「え?そうなの?」
レオは少し驚いたように体を離し私の顔を覗き込んだ。
「う、うん…」
「何だ、そっか。俺、てっきりが彼が来たらどうしようって思ってるのかと思ってさ…」
「レオ…」
「ん?でも…じゃあ、何で、そんなにそわそわしてるの?」
「え?そ、それは…その…」
ど、どうしよう…、まさか…こうされるのが恥ずかしいなんて言えない…
あんな関係になっておいて…それはないよね…自分でもそう思うんだけど…でも…
「?」
レオは答えを待つように更に私の顔を覗き込んでくる。
私は顔が赤くなったのが分かった。
ついでに耳まで熱い。
「…顔赤いよ…?」
「な、何でもない…。あの…あっち行こう?」
そう言ってレオの腕から離れようとした。
するとレオはもう一度ギュっと私を抱きしめて、
「あ…分かった。寝室にいると俺に襲われるとか思ってる?」
と笑いながら私の頬にキスをした。
「んな…っち、違うもんっ」
私はボっと顔から火が出たかと思うくらい赤くなってレオを見上げると急に唇を塞がれた。
「んーっ」
レオは初めから舌を押し込んできて私の腰を更に強く抱き寄せる。
そしてゆっくり歩き出したから私が後ろへ下がるようになった。
そのまま進んでいくと足に何かがあたり、ガクっとなって座ってしまった場所がベッドだと気付いた時はすでに押し倒されていた。
「ンン~ッ」
必死に抗議するも口内を舌で愛撫されて鼻から甘い声が洩れる。
「んぅ…っ」
それでも私は何とか力を入れてレオの胸をぐいっと押した。
レオはそれに気づくと以外にもすぐ唇を解放してくれて、でも最後にチュっとキスをするのを忘れない。
「も、もう…!すぐこんなことして…」
私が口を尖らせて文句を言えばレオはクスクス笑いながら、
「だってが逃げようとするから。それに俺はいつだってを抱きたいよ?」
と照れもせず、ヌケヌケと言うレオに更に私の顔が赤くなっていく。
「レ、レオのバカ!エッチ!最低!」
私はガバっと起き上がってリビングにかけていった。
レオもそれを追ってくると、「なぁんで最低なんだよ~。好きなら当然の感情だろ?」 と少しスネている。
私はソファに座って紅茶を飲むと隣に座ったレオに背中を向けた。
「知らない…っ」
「そんなに怒らないでってば…。?」
レオは後ろから私のお腹の辺りに腕をまわして私の右肩に顎を乗せた。
私は無視していたがレオがあまりに悲しげに、「ってばっ」 と呼ぶので、思わず吹き出してしまった。
「あ~やっと笑った…」
レオは少し安心したように言うと私の体を自分の方へ向けて額にコツンと自分の額をくっつけた。
「俺、に怒られたらどうしていいのか分かんないよ…」
「そ、そんな怒ったってほどじゃ…ただ恥ずかしかっただけで…」
「そうなの?」
「う、うん…」
「そっか…じゃあ…俺、に普段、触らない方がいい?」
改めてそう聞かれると困ってしまう。
「そ…れは…」
困っているとレオはそっと額を離して、「でも、それだと俺、一時間ももたないよなぁ…」 と呟いてるから思わず笑ってしまった。
「や、やだ…そんな…。レオっていつもこうなの?」
「え?いつもって…?」
「だ、だから…前の恋人とかにも…ってこと」
「ああ…それは…どうだっけ…?俺って前は結構、淡白だったけどね?」
「ええ?!嘘だっ」
「な、何だよ…その驚きよう…酷くない?」
大げさに驚いた私をスネたように見てレオは苦笑した。
「だ、だって…レオが淡白なら世の男性は皆が淡白よ?」
「うわぁ、そういうこと言っちゃう?」
「だ、だって…キャ…っ」
レオは私をソファに押し倒してニコっと笑うと、
「そんなこと言うなら今から淡白じゃなくなるけどいいの?…って、そっか。俺、だとこうしていつも触れていたくなるんだ」
と言って笑っている。
「へ?」
「だから!にだけこういう事しちゃいたくなるんだよ」
「何を…んンっ?」
いきなり唇を塞がれて私は驚いてレオの腕を掴んだ。
レオは優しく口付けながら私の頭を撫でている。
さっきよりも優しく口内を愛撫されて私は胸がドキドキとうるさくなるのを感じていた。
レオの舌が私の舌に絡まり、そっと吸い上げられる。
「んぅ…っ」
思わず甘い声が洩れて恥ずかしいのに体が動かず頭が朦朧としてきた。
レオは少しづつキスを深め、私の頬を軽く撫でて行く。
ピピピピピ…!
「―――っ」
その時、いきなり携帯の音が鳴り響いて私は一気に現実に引き戻されるとレオの胸を軽く押した。
レオはゆっくり唇を離すと、「もぉ~お邪魔虫は誰だ?」 と言って体を起こした。
私も慌てて体を起こすも鳴っているのが自分の携帯じゃなくレオのだと気付きホっとした。
「Hello?ああ、何だ、お前かよ…。ったく…え?違うよ、起きてた」
レオの友達かな?
良かった…ダニーかと思って一瞬、心臓が痛くなったわ…
そんな事を思いつつ、少し捲れているスカートを慌てて直すとソファに座りなおし紅茶を飲んだ。
―少し冷めてしまっている。
「ああ、明日からアトランタ。うん…え?昨日クランクアップしたの?へぇ、お疲れさん!
俺はまだもう少しかかりそうだな。ああ…え…今夜…?」
レオはそう言って私の方をチラっと見た。
「ああ、OK。じゃも連れてくからさ。ああ、ほんと!で、場所は? ―えぇ~?ジョニーの店かよっ
他にしない?いや…別にそんなんじゃ…って、うるさいよ!あ~分かった、分かった!そこでいいよ。うん、じゃあな!」
レオはそう言うとピっと電話を切って私の方を見た。
「…誰?私も連れてくって…?」
「ああ、トビーから。トビー昨日、撮ってた映画がクランクアップしたって言うからさ、今夜お祝いじゃないけど
皆で飲みたいって言うし…だから一緒に行こう?」
「え…いいの?私が言っても…友達と飲み会って事でしょ?」
そう言うとレオは私をグイっと抱き寄せ額にキスをすると、
「来ていいに決まってるだろ?俺が連れて行きたいし、トビーにも招介したいんだからさ」
「レオ…」
「それに…と一緒にいれる時間があるのに離れていたくない」
レオに真剣な顔でそう言われて私は胸が苦しくなった。
嬉しくて喉の奥が熱くなる。
私はレオの胸に顔を埋めて、「私も…。一緒にいたい」 と呟いた。
するとレオは嬉しそうに、「ほんと?」 と言って来る。
私はそこで顔を上げるとちょっと微笑んで、「ほんと」 と言った。
レオは私の唇にチュっとキスをして離すと、もう一度触れるだけのキスをしてくれる。
そして名残惜しげにそっと唇を離すと、
「俺…こんなに人を好きになったのなんて初めてかもしれない…」
と呟いた。
その言葉が私の胸にストレートに響いてきた。
「…私…も…」
涙を堪えてそれだけ呟くとレオは本当に嬉しそうに微笑んだ。
そして私をギュっと強く抱きしめると、「一緒に…住みたいな…」 と小さな声で言うのが聞こえて私は驚いた。
「レオ…?」
レオは体を離すと私の顔を見つめて、
「俺…本気なんだ…と…ずっと一緒にいたいって思ってる」
と真剣な顔で言った。
私は胸がドキドキして瞼の奥が熱くなる。
私は…どうしたらいい?
今…私になんて言ってあげられるの?
まだ婚約を破棄したいと伝えてもいない私が…何も答えられるわけがない…
そんなハッキリとしない事を口には出来ない。
「あ…の…私…」
何とか出た言葉が震えているのが分かった。
レオもまたそれに気づいてちょっと息を吐き出すとニコっと微笑んだ。
「一度、俺の家に戻って荷物置いてから出かけよう?」
「え?あ…うん…」
「よし、じゃ、もう行こうか?少し暗くなってきたよ?」
「あ…ほんとだ…。もう5時すぎ?寝坊しすぎたかな…」
私がそう呟くとレオがニヤニヤして、「俺が節操なく何度もを食べちゃったからね?」 と言って私の頬にチュっとキスをした。
「な…っ!だ、だから、そういう事そんなさらっと言わないで…っ」
真っ赤になってそう叫ぶ私をレオは愛しそうに見つめながら、でもちょっと笑ってた。
私は怒ってるフリをしながら、さっきの動揺を隠して心の中で何度も何度もレオに愛してるって叫んでた。
きっとこの時の二人には…自分たちの未来が見えてなかったのかもしれない。
一緒にいたいと願いながら、それを心のどこかで出来るはずがないと…諦めていたのかもしれない…
俺はの手を繋ぎながら通いなれたジョニーの店の中へと入って行った。
まさか、こうしてを連れてここに来るなんて思っても見なかったんだけど。
店員に案内されていつもの部屋に通されると、ジョニーがスーツ姿にシャンパンで待ち構えていた。
「よぉ!お二人さん!」
「あれ?ジョニー、いつロケから帰ったの?」
「今日の朝だよ」
「へぇ~お疲れ。まさか来ると思ってなかった」
「あ、あの…今晩わ」
が、おずおずとジョニーに挨拶をした。
「やあ、ちゃん!久し振り!どうだ?レオは。優しくしてくれてるか?」
「…え?!」
「おい、ジョニー…!」
「まあ、まあ。いいじゃないか!めでたく、二人が、こうなったんだから!お祝いさせろよ」
ジョニーはすでに飲んでいたらしく、いつも以上にテンションが高い。
はいきなりのジョニーの突っ込みに顔を赤くして俺の腕をギュっと掴んでくる。
それが可愛くて俺はの肩を抱いてソファに座った。
「あ~あ~もうベッタリだな?」
ジョニーはシャンパンの栓をポンと軽く抜いてグラスへと注いだ。
「まぁね。羨ましい?」
俺はいつもの口調でジョニーを見た。
ジョニーはクックと笑いながらグラスを前に置くと、
「ちゃん、まだ遅くはないから俺の胸に飛び込んでおいで?」
と両手を広げている。
「え?あ、あの…」
「おい、ジョニー!に変なこと言うなよ…。凄いテレ屋だしジョークだって通じないぞ?」
「あ、レオ…今、バカにしたでしょ」
急にが怖い顔で俺を見上げてそう言った。
「え?バカになんて…」
「したじゃない。ジョーク通じないって!そ、そりゃレオのジョークは本気で言いそうなこと言うから分からないけど、
他の人のはちゃんと通じるんだから…っ」
「な、何だよ、俺のジョークがって…」
「ああ、どうせ、いやらしいこと言ってるんだろ?そりゃジョークとは思えないよなぁ?ちゃん」
「そう、そうなんですよ!分かります?」
「ああ、長い付き合いだからな?分るよ、分かる!ちゃんも苦労するな?何なら俺が貞操帯でもプレゼントしようか?」
「え…っ?!」
「ジョニー!」
ジョニーのアホな失言には真っ赤になるし、当の本人は呑気に口笛なんて吹いて、
あげく海賊の歌だか知らないけど陽気に歌い出して困ってしまう。
そこに今日の主役(?)が登場した。
「ヘイヘ―イ!飲んでるぅ?!」
「うるっさいなぁ。もっと静かに入ってこいよっ」
「よぉ、レオ」
「フレッド?」
トビーの後ろからひょこっと顔を出したフレッドはニコニコしながらトビーを押しのけて入って来た。
「久し振り!」
「ああ、ほんとだな!ツアーどうだった?」
「まあ、成功かな?」
「そっか~お疲れっ」
俺とフレッドは軽く抱き合うと後ろでトビーが口を尖らせている。
「何だよ、今日は俺が皆を召集したのに!押しのけるなんてひど―」
いきなりトビーのうるさい声が途切れて俺はソファに座りながら顔を上げた。
フレッドも向かいのソファーに座りかけたままトビーを見ている。
ジョニーはキョトンとした顔で、「何だ?どうした?」 とキョロキョロと皆の顔を見渡した。
皆の視線を一気に集めている当の本人、トビーは口をポカンと開けてアホ面(いつもの事)で俺の方を…
いや…の方をジーっと見ていた。
はジョニーにシャンパンを注いで貰いながらそれを美味しそうに飲んでいてトビーの視線に気付いていない。
「ん…これ、ほんと美味しいです」
「そうか、そうか。じゃあ、ぐいっと飲んで」
「そんな急に飲んだら酔っちゃうかも…」
「いいよ~。酔っても。解放してあげるからね?」
「お、おい、ジョニー!」
俺はトビーを気になりつつ、ジョニーの発言に慌ててを抱き寄せた。
「手を出すなっ」
「お~妬きもちか?似合わんぞ?」
「うるさいよ!それと、トビー!何、ボーっと突っ立って…」
「あ、あの…俺、いや僕、トビー、よ、宜しく!」
「え?あ…あの…です…宜しく…」
トビーがいきなり、ずんずんとの前に来たかと思うと顔を赤くして手を出して挨拶したのに驚いて、
今度は俺とフレッドがポカンと口を開けてしまった。
は目の前で手を出されたものだからピョコンとソファから立ち上がってトビーに挨拶をしている。
トビーは俺とは反対のの隣へ腰をかけると、
「いつもレオから話は聞いてたけど、まさかこんなに可愛いなんて思ってなかったよ!」
「え?!」
突然、そう言われても驚いて俺を見た。
「お、おい…トビー?」
「レオ…!お前の話だと何だか凄い凶暴なイメージがあったんだけど会ってみたら…全然違うから驚いたよ~」
「おい…っ余計なことは…!」
その時、の怖い視線を感じて俺は怖くなった。
「あ、あの…違うんだ…トビーはアホなんだよ、アホの言う事は信じるな…な?」
「ふ~ん…レオは私のこと、凶暴だって話してたんだ…」
「え?ち、違うって!そんなこと言ってないっ。おい、トビー!お前も何か言え!」
「え?あっと…ちゃん、違うんだ、それは俺の勝手なイメージで…
前にレオが引っぱたかれたって話してたからさ?俺が勝手に怖いイメージ持ってただけで…」
「そ、そうそう。こいつの勝手なイメージ!」
俺とトビーで必死にそう言うと突然、がクスクスと笑い出した。
「やだ…冗談よ?そんな事で怒らないもん」
「な、何だ…驚いた…」
俺はちょっと苦笑しながら息を吐き出した。
そしてトビーを睨むと、「お前、あっち座れよ…」 とフレッドの方を指さした。
「ええ~俺、ちゃんの隣がいい!ほんと可愛いよねぇ~。どう?レオなんてやめて俺と付き合わない?」
「え?そうですか?じゃあ、そうしようかな?」
「…は?!」
はトビーの言った事がジョークだと思ったらしくそう言いながら笑っている。
俺は思いきり溜息をついた。
トビーは半分、本気だ。あのデレっとした顔を見れば分かる。
フレッドだってジョニーだって苦笑しているんだから…
でも…だけどどうしてはジョークで言った俺の言葉を本気でとって
半分本気で言ってるトビーの言う事をジョークにとるんだ?!
「レオ?どうしたの?
「え?あ、何でもないよ?…あまりトビーに近づくな。アホがうつるから」
「う~わ!親友に向かって酷いよなぁ~っ。ねぇ?ちゃん」
「うるさいよ!黙って飲んでろ!」
「うぁ、怖い…」
トビーは肩をすくめると、ジョニーの注いだシャンパンを一気に飲み干し、
「やぁ~っとクランクアップだぁ~!」 と叫んで両手をあげて喜んでいる。
それを見ても楽しそうに笑ってるのを見て俺も笑顔になった。
そっと肩を抱き寄せて頬にチュっとキスをすると、また怖い顔で俺を睨むんだけどその顔もまた可愛くて仕方がない。
そんな俺を見てフレッドが苦笑している。
「レオ、トビーに聞いたとおり、ちゃんにベタ惚れだな?」
「ああ、まぁね。あ、そうだ、忘れてた。、こいつ、俺の古くからの友人でリンプビズキッドってバンドのヴォーカル」
「宜しく、フレッドだよ」
「は、はい、あのです。宜しく…」
「アハハ…っ。"はい"だって…ほんと可愛いな?レオにはもったいないぞ?」
「うるさいよ!」
俺は苦笑しながら煙草に火をつけるとはちょっと俯いてシャンパンを飲んでいる。
きっと可愛いと言われて恥ずかしいんだろう。
ジョニーも、トビーもフレッドもそんなを見てちょっと驚きつつ、ニコニコと見ている。
業界の女は可愛いとか奇麗とか言われなれてるからか、こんな風に照れることなく当たり前でしょってのが多いし、
皆、の反応が新鮮なんだろうな…
「でも、ほんとレオの好みというか変わったよね?」
「トビーはいちいち、うるさいな?」
俺がそう言って睨むもトビーはケロっと、
「前はさ?年上ばっかりで、ムチムチボイーンとか、モデルでヒョロ~っと高い人ばっかりだったんだよ~?」
「おい、お前、に余計なこと言うなって!」
「そう…なんですか?」
「うん、うん、そうなの」
「お、おい…。 あ、あの?こいつの言う事は…」
「あ、ううん…気にしてないから」
はそう言うとニコっと微笑んで俺のグラスにシャンパンを注いでくれた。
俺は愛しさで溢れて思わず皆がいるのを忘れて思い切りを抱きしめてしまった。
「キャ…っレ、レオ…?」
「もぉ~可愛い…」
「は、放して…?あの…」
「おお~!レオがちゃんを襲おうとしてるぞ?いいねぇ~青春だっ」
ジョニーが楽しそうにそう叫ぶとシャンパンをグイっと呷っている。
俺はを解放すると頬にキスをして頭を撫でた。
「レオ…?」
「…好きだよ?」
「え…っ?!」
「アハハ…すぐ赤くなるんだから…そういうとこにもメロメロなんだけどね?俺は」
俺がそう言うとはますます顔を赤くしてしまった。
ちょっと苦笑しながらの頭に軽く唇をつけると煙草を吸おうと灰皿に手を伸ばした。
すると目の前でポカンと大口を開けて俺を見てるフレッドと目が合う。
「何?フレッド…」
「え?あ、い、いや…そ、そんなレオ、見た事ないからさ…こっちが照れたよ…あ~恥ずかしい…っ」
「何だよ、それ?」
何故か顔を赤くして視線を泳がすフレッドに俺は笑ってしまった。
するとトビーも驚いた顔で、
「いや、俺もこんなレオ、初めて見た!色々な女遍歴知ってるけど初めてだよ?人前で好きだとか言ったり、
キスしたり、こんな優しくしてるの見るのはっ!」
「おい、女遍歴とか言うなよ…っ誤解されるだろ?」
「誤解じゃないだろ?お前の場合」
「ジョニーは黙ってろよ!」
「うへ、怖い、怖い…。じゃ、一緒に飲んでようか、ちゃん」
「え?あ、はい」
「うぁ、おい、にちょっかいを…」
俺が文句を言おうとジョニーを見るといつの間にかトビーを押しやっての隣に座り、
しかもちゃっかりの肩まで組んでいた(!)
「レオはな~。ああ見えて凄~い妬きもちやきだから気をつけるんだぞ?」
「え?そうなんですか?」
「ああ、ほら、見てみろ。今も俺の顔を怖い顔で睨んで… ぶ…っ!!」
「キャ…っちょっとレオ…おしぼり投げないでっ」
「だって、ジョニーに語らせるとろくなこと言わないからさ」
俺は溜息をついてジョニーに謝っているをちょっと悔しい思いで見つつ呟いた。
それからワインを飲み始めて皆はベロベロになってたけど俺とは明日、アトランタへ発つので早めに切り上げることにした。
「じゃ、俺ら帰るけど、あまり飲みすぎるなよ?」
「おぅ~!ロケ、頑張ってこぉーい!」
「ジョニー、すでに飲み過ぎ…」
「お土産な?」
「そっちこそ、ツアー先で何も買ってこないクセに…」
「ちゃんも行くなんて凄いよねぇ~!俺、オフになったし一緒に行こうかな~
レオが撮影の合い間、俺がちゃんの相手しててあげるよ、何ならベッドの中までも…」
ゴンッ!!!!
「ぁだっ!!」
「お前は少し口を慎め…」
「ぃたた…ジョ―クだろぉう?!そんな本気で殴るなよぉう~~っ!!」
「うるっさい!帰るよ?…っ」
「う、うん…。じゃあ、皆さん、おやすみなさい…」
がそう言うと皆、一斉に手を振って、
「おやすみ~!レオに襲われないようにねぇ~!」
「いつでも俺の胸に帰ってこい!(?!)」
「おやすみ、ちゃん」
と、それぞれ、その人らしい(?)お別れをしている。
俺はトビーとジョニーの二人を軽く睨むとの手を引いてすぐ店の外へと出た。
「あ、あの…待って…レオ、歩くの早いよ…」
その声に少し歩くのを緩めると、が俺の腕を掴んで、「はぁ~…苦し…」 と息をついている。
俺はと繋いでた手を離すと思い切り彼女を抱きしめて少し強引に唇を塞いだ。
「んん…っ?!」
は驚いたのか俺の腕の中で少しもがいたが抱きしめる力を強くするともがくのをやめて俺の胸元をギュっと掴んだ。
俺はの唇の温もりを感じて安心するとそっと唇を離した。
「…ど、どうしたの…?」
は人の目が気になるのか少し周りを見渡しながらちょっと首をかしげて俺を見上げた。
俺はもう一度チュっと唇にキスをするとの頭を軽く撫でた。
「ずーっとキスするの我慢してたから禁断症状がでたかな?」
「な、何言ってるのよ…っ。こんな外で…もし前みたいに写真でも撮られたらどうするの?」
は少し顔を赤くしながらも可愛く頬を脹らませて怒っている。
この顔を見ると顔が緩むのが自分でも分かるくらいだ。
「俺は誰に見られてもいいって言ったろ?」
「で、でも…レオは有名人なんだから少しは自覚しないと…」
「でも…別に恋人とキスしてる写真を撮られても仕事が減るとかないよ?」
「そ、そうかもしれないけど…ファンの人達とか…悲しむかも…」
俺はの顔を覗き込むと、
「じゃあ、も前に俺のゴシップ読んで悲しんでくれてたの?」
とイジワルな質問をしてみた。
案の定、は慌てた様子で、
「わ、私は…その…半分は信じてなかったし…それに恋人がいても不思議じゃないから…」
と、何やらもごもご話している。
そんなは本当に可愛くて俺は今すぐ彼女を抱きたいと思うほど。
でも…例えばもし本当に俺とがこうして抱き合ってる写真が載ってしまったら…
一番困るのはなんだろうな…と、ふと思った。
そんな事を考えただけで胸が痛む…
「レオ…?どうしたの?」
「え?あ…何でもない…帰ろうか?」
「うん」
も笑顔で頷くと俺は抱きしめてる腕を離し、また手を繋いだ。
(恋人か…今の俺との関係は…なんて言うんだろう…)
そんな事を考えると、また胸がズキンと痛むのを感じていた…
「レオ…明日は何時に起きる?」
がベッドサイドの時計をいじりながら聞いてきた。
俺はベランダで煙草を吸いながら、「ん~と出発は夕方だから昼でいいよ?」 と答える。
「分かった…。じゃあ…12時…と…」
が一生懸命、目覚ましをセットしている姿が何だか子供のようで俺は思わず笑顔になった。
は目覚ましのセットを終えると髪を上げていたクリップを外しブラシで髪を解かしている。
そして、そのまま俺の隣まで歩いて来た。
「今日は少し曇ってるね?星が見えない…」
「うん…」
俺は夜空を見上げるの横顔を見つめて胸がドキンとなった。
少し寂しげでこんなに傍にいるのに遠くに感じ怖くなる。
「レオ…?」
俺はそっとを抱きしめて額にキスをした。
少し冷たい風が吹いての髪を攫っていく。
部屋のカーテンが一瞬大きくバタバタと揺れてその音での体がビクっとなった。
「はぁ…驚いた…」
ちょっとはにかむ顔が凄く奇麗でちょっと見惚れてしまう。
俺は首元につけているネックレスにそっと触れた。
「レオ…?どうしたの?」
「これ…つけてくれてるんだ」
「あ…うん。凄く気に入った」
笑顔でそう言うは俺の胸に顔を押し付けて安心したように瞳を閉じる。
俺は風でさらさらと靡いているの髪をそっと撫でて口付けた。
こんなに愛しい人と、いつか…別れないといけないのか?と思うと心臓が砕けそうなほど締め付けられる。
そっとの背中にまわした腕を離してすぐに抱き上げた。
「わ…っレ、レオ…?どうしたの?」
驚くの額に口付けて、そのまま彼女をベッドの上に押し倒し上に覆い被さった。
「あの…?」
「…俺…を愛してるよ…誰よりも…」
「レオ…」
少しだけの瞳が揺れて月明かりで奇麗に輝いている。
俺は優しくの唇を塞ぐと体が少しビクっと動いたのを感じた。
キスを深くしながら、この温もりを離したくなくて喉の奥まででかかった言葉を飲み込んだ。
"あいつと…別れて俺と…"
その一言がどうしても言えない…
「ん…レ…オ…」
が俺の腕を掴みながら小さく呼んで来る声すら愛しくて、その声を飲み込むように深く深く口付ける。
「ンァ…」
の口内を激しく舌で愛撫しながらゆっくり服を脱がせていった。
彼女が欲しくて、何度も抱きたくて、まるで媚薬でも飲んだかのように体が熱くなる。
この気持ちは…に伝わっているんだろうか?
この愛しい想いは何て言えば分かって貰えるんだろう…
の全てが愛しくて
小さな手も、長い髪も。奇麗な瞳も…この艶やかな唇も…
全てが欲しくてたまらなくなる。
いつかは…手放す時がくると…思いたくなかった。
「ん……」
そっと唇を離すと、の目がゆっくりと開いて涙で潤んでいる。
俺は唇をつけて涙を掬うと、「愛してる…」 と呟いて彼女の白い胸に顔を埋めた。
俺はに溺れているのかもしれない…
朦朧とする頭の中で、ふとそう思った――
>>Back
ACT.12...媚薬>>
今回はエロス色(笑)
何だか前回、自粛したと最後に書いたらメールでも
もっとエロでもOKですという声多数来まして…(笑)
なもので規制がかからない程度…(何だよ、それ。笑)
まあ序の口ですけど未成年の皆さんは、見なかったことに(オイ。笑)
いや見るなとは言えないので、見なかったことにして下さい(笑)
というか恋愛ものを書く上で性的愛情表現は欠かせないと思うのでね。
さて…今回のレオ様、情熱的に攻めてみました(多分…)
いいんだ…いちゃいちゃさせたかっただけさふ…っ ┓( ̄- ̄)┏
まあ、若干レオ様がオーリーとかぶり気味だけど、レオ様だから許せるエロス色…
エロスもいいけど切ないのが大好きですっ
本日も皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて...
【C-MOON...管理人:HANAZO】
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