Celebrity......Love only of ten days











パシャパシャ・・・




「・・・それでレオは水に濡れるのが嫌だって文句ばっかり言ってたんだ。濡れるのが嫌だなんて猫みたいだろ?」
「ちょっと監督・・・。あれは濡れすぎだろ?一日の半分は水の中で撮影してたんだから」



カメラのシャッター音とフラッシュの嵐、そして記者達の笑い声・・・・



私は控室のような部屋でモニターを見ながらジェームズとレオのよそ行きの顔を見て苦笑を洩らした。















The fourth day... Dream...






11月3日。日本に帰国して四日目。


今日、レオ達は午後からホテル内で記者会見だった。
何故か私まで起こされ、一緒に来てと言われ連れて来られたはいいが会見場まで入るわけにはいかず、ここで二人を待っているとこ。
そこで黙って待ってるのも暇なので昨日レオに頼まれた"温泉に入りたい"という願いを叶えるべく実家に電話。
父に5人で行くから部屋を用意しておいてくれと頼んだ。
ジェームズとレオ、そしての秘書のボブ。エーンド、ボディガード二人(あの黒人さん達で名前はザンとマーカス)の5名。
映画会社の人達は行かず、今回は完全に関係者だけで行きたいとの事だった。
まあ、日本生まれの私が一緒なので迷う事はないと安心しているようだ。


最初、なかなか帰って来ない私に怒っていた父だったが事情を説明し、尚且つその帰れなくなった理由を作った人達を
客で連れて行くという事になったと言えば、最後はほくほくしながら、

「任せとけ!一番いい部屋を用意しとくから」

なんて事を言っていた。
だが、その客が実はハリウッドの俳優と映画監督だという事を話した途端、オロオロしだし、
「お、俺ぁ、イングリッシュなんて話せないぞ?!」と言い出したのだが。
あげく、「そんな有名人なら貸切にした方が良くないか?」と慌てだした。
だがレオ達はそんな大げさなのは好まないだろうし、田舎なんだから大丈夫だろうと通常の予約だけでいいと言っておいた。


はぁ・・・でも本当にあんな田舎に行く気なのかなぁ・・・
何もないとこなのに。
まあ、温泉に入りたいって言うんだしそれだけでいいのかもしれないけど。

そんな事を思いつつ、モニターを眺めていた。
二人の話を聞くのにこんなに記者達が集まっている。
こういう場面を見ると二人は本当に凄い世界の人達なんだと思い知らされるし、自分が一緒にいるなんて、ちょっと信じられない。
あんなハプニングがなければきっと一生縁のない人達だったんだろうなって思った。

ロスに帰ったらまた平凡な大学生活に戻るのよね・・・
そしてコリーともケンカしたり仲直りしたりしながらの生活に戻る。
それが日本に帰って来るまでの私の日常・・・

そんな事を考えていたら、ふとコリーに連絡してない事を思い出しかけてみようかと思った。
あれから4日は経ってるし、もう彼も怒ってないだろう。
そう思いながら携帯を出し家の電話番号を押した。
だが暫く呼び出し音が鳴るだけで出る様子はなく、私はそこで電話を切った。

(ったく・・・私がいないからって遊び歩いてるな・・・?)

ちょっとムカついて口を尖らせつつ、紅茶を飲むと再びモニターの方に視線を戻す。
レオとジェームズはニコニコしながら記者達からの質問をジョーク交じりに答えていたが、司会者の一言で会見も終わろうとしていた。


「では、この辺で・・・」


ジェームズがそう言って立ち上がった時、二人が戻ってくると思い私はモニターを消して軽く息をついた。
















「すーごい営業用の顔になってたわね?レオってば」

―会見の後、何故か私の部屋に集まり皆で紅茶を飲んでいた―

私がそう言うとレオは軽く苦笑して肩を竦めた。

「そりゃ仕事だからね?でも作品の事を話すのは本当に楽しいんだ。ま、ジェームズが余計な事を言ってたけどね」
「あはは。だって事実だろう?」

ジェームズはそう言って笑いながら、ふと思い出したように私の方を見た。

「そう言えば・・・温泉の件、連絡してくれたそうだね?ありがとう」
「え?あ・・・いえ・・・父も喜んでました」
「そうかい?まあ私達は温泉が初めてだし何かと迷惑をかけるかもしれないが宜しく頼むよ」
「い、いえ・・・もう、どんどん迷惑かけてやって下さい。父はお客命ですから」

私がそう言って笑うとレオも笑いながら、

「でも楽しみだなぁ。の両親に会えるの。そっくりだったら噴出しちゃいそうだよ」

なんて言っている。
そんな彼を横目に見つつ、紅茶を飲んでいるとボブが時計を見て立ち上がった。

「ミスターキャメロン。そろそろ取材のお時間です」
「ん?もう、そんな時間か・・・。では私は、これで失礼するよ」

ジェームズはそう言って笑顔で立ち上がった。
今日は彼だけ個別に取材があるらしい。

「ああ、そうだ。夜はどこか外で食事をしないか?」
「いいね。じゃ、どこ?」
「そうだな、私が前に紹介してもらった"しゃぶしゃぶ屋"がいいな」
「ワォ、しゃぶしゃぶね!俺も食べたい。は好き?」
「え?あ・・・好きだけど・・・」

と答えると、レオは笑顔で、「じゃ、決まり!ジェームズ早く帰って来てよ?」と言って手を振っている。
ジェームズも笑いながら手を上げると、ボブとボディガードを連れて部屋から出て行った。
となると必然的にレオと二人きりになる。
互いに顔を見合わせるとレオがちょっと笑って、「どうする?ジェームズが戻るまで暇だよな?」と肩を竦めた。

「じゃ、どっか出かける?と言っても・・・もう夕方だけど・・・」
「いやジェームズの取材もそんな時間かからないと思うし・・・外に出るのはなぁ・・・」

レオはそう言ってホテルのガイドブックをペラペラと開いた。
そしてニヤっとして顔を上げる。

「別館に温水プールあるんだけど・・・行ってみない?」
「え?プール・・・?」
「そ。室内温水プールだってさ。時間つぶしに泳ぎに行こうよ」
「お、泳ぐって、でも・・・」
「何?、泳げないの?」

レオはニヤニヤしながら、そんな事を言ってくる。
それにはムっとして顔を反らした。

「失礼ねっ!泳げますよ!」
「じゃあ、行こうよ。ほら、これ結構、施設も充実してるって」

そう言ってレオがガイドブックを開いて見せてくれた。
そこには温水プールの他にジムナジアム 、サウナ(ドライ・ウェット)湯風呂、水風呂、クラブサロン、
リラクゼーションルーム(男女共)マッサージルームなどがあって確かに、かなり良さそうな施設ばかりだった。

「どう?泳ぐの嫌なら風呂にでも入ればいいし」
「べ、別に泳ぐのは嫌なわけじゃ・・・・」
「じゃ、行こう」
「ちょ・・・ちょっと・・・っ」

レオは急に立ち上がって私の腕を掴むとそのまま部屋を出た。
私は転びそうになりつつも必死にレオについて行きながら、

「ちょっとレオ、濡れるの嫌いなんじゃなかったの?!」

と抗議すれば、彼は楽しげに笑った。

「そりゃ仕事でって事だよ。別にプールってちゃんとした場所ならいいんだ」
「な、何よ、それ・・・。ほんと勝手なんだから・・・」

私がブツブツ言っているとレオは苦笑しながらエレベーターに乗り込んだ。

「いいだろ?どうせ部屋にいても暇なんだからさ」
「そ、それはそうだけど・・・」
「ほら別館にはエステもあったし、プールの後はお肌でも磨いてもらえばいいじゃん」

レオは呑気にそんな事を言ってきて、さすがに苦笑するしかない。

「そーねー。もうピカピカにしてもらおうかなぁー」
「そうそう。で、奇麗になったら俺にまず見せろよ?」
「は?何でレオなんかに見せないといけないの?」
「そんな事言うなよ。ちょっとだけでいいからさ?」

私が呆れたように彼を睨めば、レオもおどけて両手を合わせてくる。
そんな姿に私はぷっと噴出してしまった。
それにはレオも一緒になって笑っている。
こんな些細な事でも何となくレオと一緒だと楽しくて、コリーとの色々な悩みも忘れてしまいそうだ。

最近、こんな風に笑った事なんてなかった気がする。
ロスではずっと怒ってばかりだった。
そして嫌な気持ちのまま日本へと来た。
なのに今は楽しくて毎日、こんな風にレオと笑ってる自分がいる。
お互いによく知ってるわけでもないのに一緒にいると心地いい。
それはちょっと不思議な感覚でもあり、また嬉しくもあった。




別館につくと私とレオは温水プールへと行って、まず水着を買った。
レンタルもしてたが何だか他の人が身につけた水着は嫌だからだ。

そのまま男女別のロッカールームに向ったが、そこで私は当然の如く、レオに水着姿を見られると気付き、少しだけ後悔した。

(ああ・・・レオなんてナイスバディな女優と何度も付き合ってるんだろうし何となく嫌だなぁ・・・)

そんな事を思いつつ水着を身につけると、ちょっと鏡の前に立ってみた。

はぁ・・・やっぱり胸の辺りが寂しい・・・(!)
もうちょっと大きければなぁ・・・ってかワンピースタイプにしておけば良かった!

ビキニタイプなので余計に体のボリュームがなく感じられガックリする。
なんてコリーと一緒にプールに行った時は全く気にしなかったのに何でレオだとこんなに気になるんだろうと首を傾げる。
まあ、レオはやっぱり俳優だし、それなりに奇麗な人とばかり会っているからなんだけど・・・

溜息をつきつつ、長い髪をアップにして先ほど水着と一緒に買ったバスタオルを羽織りロッカールームを出た。
すると突然、ポカっと頭を小突かれ、驚いて振り向けばレオが壁に寄りかかって立っている。

「遅いぞ?」
「ご、ごめん・・・」

すでに水着に着替えていたレオを見て、何となく視線を反らせば彼がニヤっと笑ってきた。

「やっぱいいね?女の子の水着姿って」
「な・・・何言ってんの?スケベ!」

レオの言葉に私は頬が赤くなり、バスタオルで前を隠すとそのまま彼を置いてプールの方へと歩いて行く。
するとレオも笑いながら後ろを歩いて来た。

「それにしてもって細いよなぁ?強く抱きしめたら折れそう」
「う、うるさいわねっ。どうせ貧相よ。ってかジロジロ見ないでっ」

バスタオルで隠しつつ、文句を言いながらプール独特の匂いのする室内へと入った。
この時間帯だと客は少なく、おばさんが2~3人しか泳いでいない。
いや、泳ぐと言うよりはプール内を歩いているのでフィットネス目的だろうか。
プールは細い長い形でかなり大きく、とても奇麗だった。


「泳がないの?」

不意に後ろから声がしたと思った瞬間、腕がお腹に回されドキッとした。
素肌に直接レオの手の温もりが感じられ、顔がカっと熱くなる。

「ちょ・・・レオ何して・・・っ」

驚いて振り向こうとした時、私の肩にレオが顎を乗せたので至近距離で目が合ってしまった。
それには心臓がドクンっと跳ね上がった気がした。
だがレオはニヤっと笑って軽くお腹を撫でると、

「何だ。ってエステ行かなくても肌スベスベで奇麗だよ」

なんて言っている。
それには、ほんとに頬が赤くなった。

「は、離してよ・・・このスケベっ」
「はいはい」

私が怒るとレオは苦笑しながら回していた腕を離しホールドアップする。
が、いきなり私が肩からかけていたバスタオルをサっと取ってしまい、私はギョっとして振り返った。

「ちょ・・・何するの・・・?」
「ここはプールだよ?こんなの羽織って泳げないだろ?」
「え・・・?」

レオの言葉に私が眉を寄せた瞬間、彼はニッコリと先ほどの会見場で見せてたような笑顔のまま・・・・・

私の肩を軽く押した(!)











「わ・・・・・キャァァァァァァ・・・っ」





ザパァァァァーーーーーン・・・ッ






激しい水音と共に私はそのままプールの中に落ちてしまった。



「ぅ・・・ぷ・・・・っ」
「あははっ。気持ち良かったろ?」

私が必死に水から顔を上げるとレオが楽しげに笑っている。
その姿に咽ながらもカチンときて私は彼の方に苦しそうに手を伸ばした。

「ちょ・・・苦し・・・」
「・・・・ぇ?!」

レオはゲホゲホっと咽ている私を見て驚いた顔でプールサイドにしゃがみ、「だ、大丈夫?」と手を差し出してくる。
それを見た時、私はニヤっと笑ってレオの手をガシっと掴んだ。


そして・・・・・・・







「ぅあっ!」







ザプァァァァァーーーン・・・・・・ッ






さっき以上に大きな水音が響き、レオはプールの中へと消えて行った。


「あはははは~」

私は水の中でもがきながらやっと顔を出したレオを見て、さっきの仕返しとばかりに笑ってやった。

「・・・・ちょ・・・おい・・・っ!!」
「なーによ!レオが先にやったんでしょ?お返しだもーん」

水で濡れた顔を手で拭きながらこっちに歩いて来たレオにそう言えば彼も苦笑いしながら、

「・・・・こいつ・・・っ」

と言って私に飛び掛ってきた。
そして再び水に沈まされ、慌てて顔を出す。

「キャ・・・・わ・・・ぷ・・・や、やーめてってばっ」
「あはは・・・っ。仕返しの仕返しだよ・・・!」
「もぅー!鼻に水が入っちゃったじゃないぃ・・・・っ」

私はツーンとした独特の痛みに顔を顰めながらレオを睨んだ。
だが彼は楽しげに笑いながら逃げて行ってしまう。
そこで追いかけようと思ったが、ふと視線を感じ後ろを見れば、さっきからプール内をウォーキングしていた、おばさん二人が、
"うるさいわねぇ"と言わんばかりにジロジロ見ていてその視線に思わず、

『・・・・すみません・・・』

と謝っておいた。


(もう!レオのせいだわ、ほんとに!)

私はプリプリしつつ、一人で泳いで、おばさん達から離れ奥の方に向った。
そこにレオも泳いできてクスクス笑っている。

「何、笑ってるのよ・・・」
「だってってばおばさんにビビっちゃって」
「ビ、ビビってたわけじゃ・・・!だいたいレオが悪いんでしょ?」
「何で?いいじゃん。別にプールでは静かに、なんて図書館みたいなルールはないだろ?楽しく泳ぐ場所なんだしさ」
「だからって・・・・」
「あんな太っちょおばさんが痩せるのに必死にウォーキングする為だけにここはあるわけじゃないからな」
「・・・・・・・・・」

(・・・ごもっとも)

澄ました顔のレオを見上げつつ、何も言えなくなってしまった。
だがレオはニコっと笑顔を見せ、「ほら、泳ごう?」と言って私の頭にポンと手を置いた。
そして私の両手を取ると後ろ向きのままに泳いでいく。

「ちょ、ちょっとレオ・・・・手、離してよ・・・・」
「何で?それにどうして歩いてるの?泳げよ」
「お、泳げって、こんな格好じゃ・・・・」
「大丈夫だって。俺が手を引いてあげるから。ほら」

レオは優しい笑顔を見せながらそう言うと、上手く立ち泳ぎをしながら進んでいく。
それには私も仕方なく体の力を抜いて足を動かした。

(な、何だか、これってよくサンタモニカ辺りのビーチで恋人同士が仲良く泳いでるような光景なんだけど・・・)

そう思いながらチラっとレオを見れば、彼は楽しそうに私の手を引いている。
それは普段の彼であって、さっき記者会見で見せていた顔とは明らかに違う。

(私は・・・・こっちの・・・ってか普段のレオの方がいいなぁ・・・)

なんて事が頭に浮かび、慌ててそれを打ち消した。

(か、関係ない関係ない・・・!レオなんて、普段の顔はただのスケベでセクハラ男なんだから!)

・・・?」

(だ、だいたいレオだって数日でロスに帰る人だし、その前に有名人だし・・・!)

「おい、どうした?・・・」

(私にだってコリーという薄情だけど一応、同棲中の恋人もいるし・・・!)

「・・・おい、、さっきから何、百面相してんの?」

(確かにカッコいいけどちょっといいなぁって思ったってレオなんかロスに帰れば私の事なんて忘れちゃうだろうし・・・!)



「ちょっと?!」

「へ・・・?」


いきなり名前を呼ばれ手を引っ張られた私はドキっとして体に力を入れてしまった。
おかげで一気に体が沈み、ついでに顔も沈んだ。

「キャ・・・っぷ・・・」
「なーにやってんだよ・・・」

レオは沈みかけた私の腕を更に引っ張り、自分の方に引き寄せ体を支えてくれた。

「あ、ありがと・・・ゴホ・・・っ」
「全く・・・俺を放置すんなよな・・・」
「ほ、放置って・・・」
「してただろ?一人で百面相してブツブツ言ってたしさ。何考えてたの?」
「え・・・?」

レオは首を傾げつつ私を見ていて、その顔の近さに今さら気付きドキっとした。
背中には体を支える為とは言えレオの腕が回っているし、かなり肌の密着度が濃い。

「ちょ・・・何でもないから・・・」
「何だよ?」

急に離れようとした私にレオは苦笑しながらも腕の力を緩めようとはしない。
それどころか更に私を抱きよせ、スッポリと自分の腕の中へ納めてしまった。
しかも私の背中・・・というか腰のところで自分の右手を左手で掴み、逃げられなくすると言う念の入れよう・・・
これにはさすがに私も顔が赤くなった。

「ちょ、ちょっと・・・!何するのよ、離してよ・・・っ」
「やだね。すぐ逃げようとするんだからさ」
「に、逃げるだなんて人聞きの悪い・・・ってか、ほんと離してよ・・・っ。またおばさん連中に変な目で見られちゃう・・・」
「大丈夫だよ?もう誰もいないから」
「・・・・・・へ?」

ニヤリとしながら言ったレオに私は意味が分からず顔を上げた。
するとレオは私の後ろの方に視線を送り、

「ほら、あのおばさん達、プールから上がって帰るみたいだ」

と言った。
その言葉に驚き、首だけ向けて見てみれば、確かにおばさん連中はタオルで体を拭きながら出て行ってしまうところ。
だが私が焦ったのはその事ではなく、ニヤニヤしながら発せられたレオの言葉だった。






「これで二人きりだし何でも出来るね?」


「・・・・・・は・・・はぁ?!な、な、何でもって・・・な、何が?!」






グっと体に力を入れて少しでもレオから離れようとしている私はそう言いながら彼を睨んだ。
だがレオはニヤニヤしたまま私の胸元に視線を移し、

「だって、せっかくこんな格好で二人きりなんだしさ?」

と意味深な事を言っている。
これには私も真っ赤になってジタバタと暴れ出した。

「おぉっと。ほんとってば往生際が悪いな?」
「は、離して・・・っ」

必死に体を捩ってレオの腕から抜け出そうとしたが、その抵抗も空しくただ体の向きが変わっただけで
レオの腕は今度は私のお腹に回されてしまった。
そのまま後ろから抱きしめられ、「逃がさないよ?」と耳元で囁かれ、ゾワっと鳥肌が立った。
そしてレオの手がするするとお腹から上がって私の胸のすぐ下まできてドキっとする。

「ちょ・・・レオ・・・?!」
「逃がさないって言ったろ?」
「・・・ッ!!!」


ぅ・・・ぅひゃーっっっ!!!
お、襲われる!犯される!プールでされるなんて嫌ぁぁぁっ!(オイ)
お、おばさん、カムバァァァック・・・ッ!わ、私の純潔がぁぁぁ~~っ!(違うけど)


ここで私はパニックになり、必死に前に進もうと足をバタつかせレオの腕を外そうともがいた。
だがレオは余裕なのか、クスクス笑っているだけ。
私は本気で襲われるかも・・・!と思う反面、抱きしめられ伝わってくる体温に何故か胸がドキドキしてくるのを止められなかった―















俺はジタバタ暴れているを後ろから抱きしめつつ、内心、噴出しそうになっていた。
別に本気で襲おうなんて思っていない。
ただ、おばさん達が帰るのが見えてちょっとからかおうと思っただけだ。
だがの必死に逃げようとする姿が可愛くて(何だか掴まったハムスターみたいだ)なかなかジョークだと言えないでいた。


「逃がさないよ?」


更に意味深な事を言って手を彼女のお腹から胸のすぐ下まで移動させる。

「ちょ・・・レオ?!」

は本気で驚いたように再びもがき出した。
その必死の姿がほんとに可愛くて、

「逃がさないって言ったろ?」

と更に意地悪を言って笑ったが、の肌は本当にスベスベで手に吸い付くほど滑らかだから少しドキっとする。
確かにこれ以上やってしまうとジョークにならなくなるかも・・・と腕の力を緩めようとした。
だが最後の一言ではパニックになったのか今まで以上に暴れ出し、前に逃げようと体を動かした時、
手に何やらムニュっとした柔らかい感触を感じ、ドキっとした瞬間・・・






「キャ・・・キャァァ~~っ!ち、痴漢!変態ぃ~~!!」


「うわ、ちょ・・・・・・!バ、バカ、ジョークだって・・・!」






いきなりが騒ぎ出し俺は慌てて彼女の口を手で塞いだ。

「ん~~~っっ!!!」
「ちょ・・・しぃ!ほんとに襲うわけないだろ?!ジョークだってば!ジョーク!!OK?!」

まだジタバタ暴れる彼女の耳元で必死にそう言えば、もピタっと動くのをやめてくれてホっとした。
軽く息をつき、「手、離すけど・・・叫ぶなよ?何もしないから」と言えば、もまたコクコクと頷く。
そこでそっと手を離した瞬間、くるりとが俺の方を向き、パシ!っと何故か頭を小突いてきた。

「ぃて・・・っ」
「さ、最低!レオのエッチ!」
「だ、だからジョークだって言っただろ・・・?」

俺は頭を擦りつつそう言えばは真っ赤な顔のまま、「で、でも・・む、胸・・・さ、触ったじゃないのっ!」とプンプン怒っている。
そして俺はと言えば・・・その言葉に驚いた。

「む、胸なんか触ってないよ!」
「嘘!触った!」
「触ってない・・・っ」

と言ってから、"ん?待てよ・・・?"と、さっきの事を思い出す。

(確かさっき一瞬だけど手に柔らかいものが触れたような・・・・)


「・・・・・あっ」
「ほら!」

が怖い顔で俺を睨みつけ、「痴漢!」とまで言ってくる。
これには俺も軽い眩暈がした。

「ちょ・・・痴漢って・・・さっきのはがいきなり動いたからだろ?俺は腕を離そうとしたのにさぁ。アクシデントだって」
「そ、それはだってレオが・・・っ」
「あ~本気で襲われるとか思っちゃった?」

苦笑気味にそう言えばも顔を真っ赤にして、「レオならありえるじゃない・・・っ」と怒鳴り、そのまま水の中を歩いて行ってしまう。
それを見て俺も彼女の後を追いかけ、「ごめんってば・・・。そんな怒るなよ」との腕を掴んだ。
するとは歩くのをやめ俺を見上げてくる。
だが以外にもその顔は怒ってるとかではなく、何だか恥ずかしそうな表情だった。
その顔を見るとちょっと罪悪感を感じ、「ごめんね?」と素直に謝った。

、すぐ本気にして慌てるから可愛くてついからかっちゃうんだ・・・。ほんと、ごめん」
「・・・・・・」

俺が本気で謝るとはへニャっと眉を下げ少しだけ顔を伏せてしまった。
きっと怒りが静まってきたら次に恥ずかしさがきたのだろう。
今では耳まで赤くなっていて、それを見ればまた可愛いなんて思ってしまう。
ガキの頃ならともかく最近はこんな風に女の子をからかった事もそんなにないけど
抱きしめただけでみたいなリアクションをした子は今までいなかったからどう扱っていいものかよく分からない。

「・・・えっと・・・・・・?」

だんだん俯いていってしまうに俺はどうしたらいいのか分からず、顔をそぉっと覗き込んだ。
するとが小さな声で、「・・・お腹・・・空いた・・・」と呟いた。

「・・・え?」

聞き間違いかと、もう一度の方に屈むと、はゆっくり顔を上げて、

「水の中で暴れたから、お腹空いちゃった・・・」

とスネたように口を尖らせている。
それには俺も思わず顔が綻んだ。

「そっか。じゃ部屋戻ってジェームズが帰って来たら食事に行こう?」
「・・・ぅん」

俺の言葉にも素直に頷いてくれたのと、やっと少しだけ笑顔を見せてくれてホっとした。

「じゃ、行こうか」

そう言ってそのまま自然に彼女の手を取ると、はちょっと驚いたような顔をしたが小さく頷くと一緒に歩き出す。

そんな彼女を見て、俺はちょっと微笑むと、小さな手をギュっと握ってそのまま引いていく。


繋いだ手が妙に熱を帯びていた。
















私はワインを飲みながらジェームズと楽しそうに話しているレオをチラっと見た。
レオはさっきからかなり早いペースでワインを飲んでいて少し酔っているようだ。
今はジェームズが前に来た事があると言っていた白金台のしゃぶしゃぶ店に来ている。
そこでいつもの様に食事をしながら、私は何となくレオの方を見れないでいた。
目が合うと、さっきのドキドキ感が蘇えってきてしまうからだ。

さっきは驚いたのと同時に鼓動が早くなってどうしようかと思った。
抱きしめられて嫌だったはずなのに何故かドキドキして顔が熱くなって・・・
レオの事を思い切り男の人だと意識してしまった瞬間だった。
それまでも何度か意識した事はあったけど、さっきは互いに素肌が密着して余計に恥ずかしくなったのだ。
頭の隅ではまたレオがからかってるんだと分かってたのに、体が反射的に逃げ出そうとした。
でもそれほど不快だったわけでもなくて何だか不思議な感覚だった。
あの時はただ無性に恥ずかしかっただけ。
そしてレオの手が胸に触れた瞬間、私の顔の熱が一気に爆発してしまった。
だけど本気で怒ったというわけじゃなかった。
アクシデントだって分かってたから・・・
ただ恥ずかしいのを誤魔化す為にあんな言い方をしてしまった。
あの後、レオが本気で謝ってきて凄く悲しそうな顔をするから私もどうしていいのか分からなくなって・・・
つい"お腹が空いた"なんて変なこと言っちゃった・・・・
でも・・・レオってば優しく微笑んでくれて、ちょっと自分でもおかしいくらいにその笑顔にはまたドキドキして・・・
そして、その後にそっと繋いでくれた手の強さが優しく感じた・・・

そんな事を思い出していたらまた鼓動が早くなってきて私は慌ててワインを飲んで軽く息をついた。
だがその瞬間にレオと目が合い、ドキンと再び心臓が跳ね上がる。


・・・?どうした?顔が赤いけど酔っちゃった?」
「う、ううん・・・。平気だよ・・・?」

何とか笑顔を作るも少し引きつってしまう。

(どうしよう・・・私ちょっと変かも・・・)

レオから視線を反らし黙っていると、彼は首を傾げ私の方に移動しようと掘りごたつから立ち上がった。
その行動にドキっとした、その時。


『あの・・・レオナルドですか?』


不意に日本語が聞こえて顔を上げると、そこには若い女の人が二人立っていて手にはカメラを持っている。
レオは自分の名前を呼ばれたのに気付き一度振り返ってから私を見た。

「あ・・・レオですか?って言ってる」

私がレオに、そう告げると彼は笑顔で頷いた。
するとその女性たちは満面の笑みになり、『一緒に写真撮ってもらえますか?』と言ってくる。
また私がそれを訳すと一瞬ボブが何かを言いかけたが、ジェームズが静止しレオは笑顔のまま、
「OK!」と言って彼女たちの方に歩いて行った。
そして記念撮影をしてあげている。
その光景を見ながら私は"やっぱり凄い人なんだなぁ・・・"と実感していた。
そして少しだけ寂しく感じている自分に気付きハっとする。

な、何で、こんなこと・・・
レオはハリウッドスターなんだから、こんな事、当たり前じゃないの・・・

そう思いながら込み上げてきた寂しさを振り払うようにワインをグイっと飲みほした。
するとボブが笑いながら、「酔いつぶれるなよ?」と言ってワインを注いでくれる。
私は笑って誤魔化しつつ、またワイングラスを口に運んだ。
その時、ファンと写真を撮り終えたレオが戻って来た。

「おい、、飲みすぎだぞ?」
「な、何よ・・・」
「何って、さっきからあまり食べないで飲んでばっかだろ?見てたんだぞ?」

そう言って呆れたように私の隣に座った。
それだけで少しドキっとして体を少し離すと、レオが気付き苦笑いを浮かべる。

「何?まだ警戒してるわけ?こんなとこで襲わないって」
「そ、そんなんじゃないもん・・・」

彼の言葉に顔が赤くなりそうでプイっと横を向き口を尖らせた。
するとジェームズが笑いながら、「何だ、レオ・・・。またをからかったのか?」と軽くレオを睨んでいる。
それにはレオも苦笑交じりで肩を竦めた。

「いや、さっきちょっとね。そしたら一気に嫌われたみたいだ」
「全くお前は・・・。ああ、、悪かったね?レオの奴が」
「い、いえ・・・別にそんなに気にしてないですから・・・」

ジェームズにそんな事を言われ私は慌てて首を振った。
だが、そんな私をレオは横目で見て、「嘘つけ。かなり怒ってたくせに」と言ってくる。

「な、何よ・・・だってあれはレオが・・・」
「はいはい、俺が悪かったよ。それより、ワインその辺にしとけって。飲みすぎ」
「あ・・・ちょっと・・・・」

レオは私の手からパっとワイングラスを取ると頭に手をポンと乗せてきた。

「ダーメ。今日はここまで」
「何よ、自分だって結構飲んでたのに・・・」
「俺はちゃんと食べたからさ。でも、殆ど飲んでばっかりだったろ?悪酔いするぞ?」
「大丈夫だもん・・・」

そう言ってとられたワイングラスを奪い返すと一気にそれを飲み干した。

「あ~~っ」

それを見てレオが慌ててグラスを取るも、すでに全部飲み干したのを見て怖い顔で睨んでくる。

・・・」
「な、何よ・・・」

一気に飲んだことで顔も熱くなったが、レオが私の手を掴んだ事でまたドキっとした。

「もうホテル帰ろう?」
「え・・・?」
「ジェームズ、俺、連れて先に戻るよ」
「ちょ・・・レオ・・・?」

彼は私の手を掴んだまま立ち上がりジェームズにそう言うのを聞いて驚いた。
だがジェームズも苦笑しながら頷くと、

「ああ、そうした方がいいな?、帰って休みなさい」

なんて言ってくる。
彼に言われたら仕方がないと、私は素直に頷いた。
するとジェームズは優しく微笑んで、レオの方を見た。

「レオ、ちゃんと部屋まで送るのはいいが、もう彼女をからかうなよ?」
「はいはい。分かってるよ。じゃね」

レオも苦笑いしながら軽く手を上げると私を連れて店を出た。
そこの前から少しだけ歩くと夜風が吹いて火照った頬には気持ちがいい。

「大丈夫?フラフラしてるぞ?」
「だ、大丈夫だってば・・・」

確かに最後に一気したのは効いたかもしれない。
顔が熱いし頭がぼわぁっとする。
レオと繋いでいる手も凄く熱く感じた。

「・・・・・・?」
「な、何?」

また何か言われるのかと少しだけ身構えると、レオは少し不安げな表情で私を見た。

「まだ・・・怒ってるの?」
「・・・え?何を・・・?」

いきなりそんな事を言われ一瞬、わけが分からず首を傾げる。
するとレオは少しだけ視線を反らし、「いや・・・さっきのこと・・・」と呟いた。
そう言われて再び鼓動が一瞬だけ早くなったが、すぐに首を振って微笑んだ。

「やだ、もう怒ってないよ?」

なるべく軽く言って彼を見上げる。
何だかレオが気にしてる様に見えたから・・・

「ほんと?」
「ほんと。それに、もう慣れたもん、レオの意地悪なんて」

そう言って笑うとレオは少しだけ口を尖らせ横目で私を見てくる。

「慣れたって、俺、そんな意地悪してないだろ・・・?」
「嘘・・・本気で、そんなこと言ってるわけ?」

彼の言葉に呆れたように返し苦笑した。
するとやっとレオの顔に笑顔が戻った。

「何だよ・・・酷いな。俺は別に意地悪してるわけじゃ・・・」
「じゃあ面白がってるんでしょ?」
「まあ、それはあるけど」
「うわ、ほらね。レオってば絶対、子供の頃はいじめっ子だったでしょ?」

私が笑いながらそう言うとレオも楽しげに笑っている。

「あはは・・・いじめっ子ねぇ・・・。そう言われてみれば・・・そうかも。好きな子とか、よくからかって嫌われたっけ」
「・・・・え?」

レオの言葉にドキっとして顔を上げた。
だが彼は気付かず、昔を思い出すように話し出した。

「12歳の頃にスペイン人の女の子と初めてデートしたんだ。それで映画見に行ったんだけど・・・
俺も初めてのデートで緊張してたから映画に感動して泣いちゃったその子を散々からかって嫌われちゃってさ。
それから一年くらいずっとその子に片想いしてたんだ。
まあ、でも口も聞いてもらえなかったし何度か会いに言ったけど話しかけられなかったなぁ・・・」

レオはそう言って苦笑しながら空を見上げた。
そんな横顔でさえ絵になるくらいカッコ良くてドキっとする。

でも・・・レオが片想い?
今の彼を見てると、とても想像できないんだけど・・・
と言うより、何で私をからかう話からそんな好きだった子の話になるわけ?
ちょっとドキっとしちゃったじゃないの・・・・

は?」
「え・・・・?」
は好きな人にちゃんと素直になれる?」
「・・・・・・・・」
「あ~なれないんだ」

レオはそう言って私を見ると、ちょっと笑いながら額を指で突付いてきた。
それさえドキドキしながら視線を反らす。

「そんな事は・・・ないけど・・・」
「そう?一緒に住んでる恋人には?」
「な、仲いいわよ?凄く」
「へぇ。じゃあ彼には優しいんだ」
「そ、そりゃあ・・・まあ・・・」

ちょっと変な汗をかきつつ、一応そう言っておく。
だがレオはスネたような顔をして立ち止まった。

「・・・レオ?」
「・・・俺には、かなり冷たいよね?」
「え?」
「まあ、恋人じゃないんだし仕方ないか」
「・・・・・・っ」

レオはそう言いつつ苦笑すると再び歩き出した。
私が何も言えないまま手を引かれていると、ふと彼が私を見る。

「でも俺もみたいな子、恋人に欲しかったな・・・・」
「は・・・?」

突然の彼の言葉に一気に顔の熱が上がった。

「ま、またからかってるんでしょ?もう、いい加減に―」
「からかってないよ?だって俺、のこと可愛いなぁってよく思うんだよね。さっきもそう思ったからからかちゃったんだけどさ」
「・・・な・・・何言って・・・っ」

レオの言葉に静まってた鼓動が、また早くなってくる。
だがレオは優しい笑顔を見せると、

「ほんとだよ?もし恋人がいなければ今、口説いてるかもな・・・」

と言って苦笑をもらした。

「よ、よく言うわよ・・・。レオの周りには凄い奇麗な人ばっかりいるじゃない・・・。私なんか・・・」
「そんなの関係ないし、私なんかって事ないだろ?」
「・・・・レオ・・・」
はさ、唯一、俺の普段の姿とか見て本当に自然に接してくれてる。仕事のことが分かった後でもね。
それは俺からしたら凄く嬉しい事なんだ」

レオはそう言うと大きな通りに出る手前でまた立ち止まった。

「だから一緒にいると凄く楽しいし自分を出せるんだよな・・・」
「・・・・そ、それは私がレオのこと何も知らないから・・・」
「それでも。俳優って事を知っても態度が変わらなかっただろ?普通は少しは変わるもんなんだ。
でもは変わらなかった。それが嬉しかった」

レオはそう言うと優しく微笑んで私の頭に手を置いた。

「さっきさ・・・プールで怒らせた時、は俺の頭を殴っただろ?」
「あ、あれは・・・その・・・」
「あ、怒ってるんじゃなくて。あれって俺が俳優だから気を遣って顔を殴んなかったんだろ」
「・・・・・・っ」
「やっぱりね。そうかなぁ?って後になって思ったんだ。普通、ああいう時って女の子は必ず顔を殴るからさ」

レオはそう言いながら苦笑すると私の顔を覗き込んで、「は優しいよな、ほんと」と言って微笑んだ。
その笑顔には私は真っ赤になってしまった。

そう・・・・あの時、ほんとに頬を殴ってしまいそうになった。
いつもコリーにしてるみたいに・・・(!)
でも咄嗟に顔だけは殴っちゃいけないって本能が働いて、つい頭を殴ってしまったのだ。
そんな事までレオが気づいてくれたなんて驚きだった。

「は~あ~。がフリーだったらなぁ~」
「・・・ちょ、ちょっと・・・何言って・・・酔ってるんじゃない?」

伸びをしながらそんな事を呟いているレオに、ついいつもの調子で返すと、

「まあ、確かに少し酔ってるかもね」

とクスクス笑っている。
だが、すぐ私の方を振り向いて、

「あ~も顔赤いよ?さっきのワインまわってきたんだろ」

と呆れ気味に言うと、また手を繋いできた。
そして優しく握ると、「、ほんと、手が小さくて可愛いな?」と微笑み、そのまま歩いて行く。
その言葉に胸の奥がギュっと掴まれたように熱くなるのを感じた。

やだ・・・今、レオの言葉に涙が出そうになった。
こんな風に優しくされたのも、男の人と手を繋いだのも・・・久し振りだからかな・・・
コリーなんて最近じゃ、優しい言葉の一つもくれたことない・・・。
だからって・・・・簡単に流されちゃダメだよね・・・・?





レオの横顔をそっと見上げながら、繋がれた手に少しだけ力を込めた―














The fifth day...


セクハラレオ様も素敵(笑)(バカモノ)
今回は、しゃぶしゃぶネタが本当ですねー
いいなぁー偶然会って写真撮らせてもらった人vv
あ、因みに初デートネタも本当のようです(笑)
あのレオ様が片想いしてた子って、どんな子なんでしょね♪
そして嫌われるほど何をからかったのやら・・・^^;


日ごろの感謝を込めて…


C-MOON管理人HANAZO