From me Dear you....Catch me if you canSequel...~



ACT.9...親の背を見て子は育つ                                 




ハァイ♪僕の名前はトビーマグワイア。
これでも一応、ハリウッド界で俳優なんてやってる有名人さ!
それでもって、きっと世界中の人が知ってるレオナルド・ディカプリオの大親友でもあるんだ。
まあ、最近のレオはと言えば新婚気分ウキウキ状態で僕が遊びに行っても全然構ってくれなくなったけどね。
(ちょっと寂しい)
おまけに嫌ぁ~な顔丸出しで出迎えるんだから嫌になるよ。
でも僕の味方、レオママだけは最高に喜んでくれるんだけどね!
今日だってレオが映画のプロモーションから帰って来るから"遊びにいらっしゃい"って電話をくれたんだ。
だから今、愛車"スパイダーマン号"を飛ばして家に向ってる最中。
(道行く人が皆、振り返るほどクールな僕の愛車さ!)(?)
久々に愛しのハニー(なんて呼んだらレオは激怒するけど)の顔も見たかった事だしね♪
でもちゃんは今はお腹に"悪魔の子"を宿してるから心配なんだ。
(オーメンのように頭に"666"とかあるかもしれない!)(んなバカな)
まだ"つわり"もあるって言うし、そんな時にレオが不在なんて、きっと不安に違いない。
ここは僕が側に行って、レオの代わりに愛情をたっぷり注いであげなければ!(大きな勘違い)
そして、そうそう!今日は僕が見た飛び切りの夢の話でもしてあげようかな♪


そう思うとウキウキしてきて僕はグイっとアクセルを踏み込んだ。























「ボンジョルノ~~!!君が噂のトビーくんかぃ?!」





ガバッ








「ぅお!!」







(な、な、何だ、何だ?!この陽気なジェントルメーンはっ!!!)


僕はチャイムを鳴らした後、いきなり顔を出し抱きついてきたこのダンディなミスターに心底、驚いた。


(そう言えばレオがこの前、今、父親が遊びに来てる・・・と言ってたっけ?)


「あ、あのぉ・・・もしかして・・・レオパパですか?」


ふとレオの話を思い出し恐る恐る尋ねてみると、そのダンディなミスターは僕を放して満面の笑みで頷いた。


「そうとも!私がレオの父のジョージだ!宜しく、トビーくん!」
「こ、こちらこそ宜しく!ミスタージョージ!!」


互いに数秒で打ち解けて(同じ匂いがしたのかも)固い握手を交わした。
すると奥からレオママがひょこっと顔を出す。


「ちょ、何してるの、ジョージ!私のボーイフレンドにまでちょっかい出さないでっ」
「ああ、イル!いやぁ、噂のトビーくんと挨拶を交わしてただけだよ。なあ?トビーくん!」
「そうだよ、レオママ!いやーさすがレオパパだけあって男前だよねー♪」
「いやいや!嬉しい事を言ってくれるね!ささ、中へ入って一緒に飲もうじゃないか!」


レオパパは、まだ昼間だというのにそんな事を言いながら僕をリビングに引っ張って行った。(レオママはピキピキきてたけど)
リビングに入るといきなりジャックのお出迎え&洗礼を受け(飛びつき顔ベロ攻撃)
ちょっと悲しくなっているとレオパパが高級なワインとグラスを持ってきた。


「さぁ、トビーくん!乾杯しよう!」
「はーい、レオパパ!」


まあ僕も結構、臨機応変な男なので普通にグラスを受け取るとレオパパに注いでもらったワインを味わった。


「ん~!美味しいですね~!これイタリアワインですか?」
「そうとも!おぉ、トビーくんもイケる口だねぇ!ささ、グイっと飲んで」
「ああ、どもども!」


僕も素直にワインを頂き、少しだけほろ酔いになってきた頃、ふと大事な使命を思い出した!(遅)


「あ、レオパパ!僕のハニ・・・じゃなくて・・・ちゃんはどうしたんですか?」
「ん~?ああ、我が娘か!今は二階で休んでるよ。夕べも"つわり"が酷くてね」
「えぇ?そうなんだ・・・。可愛そう…ちゃん・・・・・・」


僕はギュっと抱きしめてあげたくなった。
だけどそれはレオに殺される覚悟をしなくちゃ出来ない。


(まあ、いつもハグしては蹴られてるけど)


「ちょっと、あんた達!昼間っから飲んっじゃって!呆れるわ、ほんと」
「あ、レオママ!」


そこにレオママが顔を出し、怒ってる割にはチーズの盛り合わせなんか出してくれる優しさが僕は大好きなんだ♪


「レオママも一緒に飲むぅ?」
「私はダメよ。お酒臭くしてちゃんのお世話は出来ないわ?」
「あ、そっかぁ・・・。ねね、ちゃんは大丈夫?」


と僕が聞いた時、今まで足元に寝ていたジャックがムクっと起き上がった。
そしてドアの方にカチャカチャと爪を鳴らして走って行く。
そっちに顔を向けた時、静かにドアが開き、そこへ顔を出したのは―


「あ、トビー?来てたの?」
「あ、ちゃん!!」


そこに愛しのハニー(違うだろ)が顔を出し、僕はピョコンっとソファから立ち上がった。


「あら、ちゃん大丈夫?」
「あ、お養母さん・・・。はい、かなり楽になりました。すみません.朝食食べられなくて・・・」
「いいのよ、そんな事は。あ、グレープフルーツジュースでも飲む?」
「あ、頂きます」
「じゃあ、ちょっと待ってて?あ、そこの二人には近づかない方がいいわ?昼間からワインなんて飲んでるダメ男達だから」
「ちょっとレオママ~~酷いよ~~!」
「そうだぞ?イル!イタリアでは朝だろうが昼だろうがワインを飲む習慣があるんだ!」
「ここは天下のアメェーリカ~よ!!」


レオママはガツンとそう言うとキッチンへと引っ込んでしまった。
それを見てハニー(だから違)はクスクス笑っている。


「やあちゃん。だいぶ顔色も良くなったね!」
「あ、お養父さん。はい、休んだら何とか・・・」
ちゃん、ここ座ったら?」
「あ、ありがとう」


僕はソファから立ち上がってちゃんを座らせた。
でもアルコール臭いといけないので悲しいけど少しだけ離れて座る。
そこへレオママがジュースを持ってきた。


「はい、ちゃん」
「あ、ありがとう御座います」


ちゃんは笑顔でグラスを受け取り、それを美味しそうに飲んでいる。
その姿がほんとに可愛いんだよなぁ、これがv 


ちゃん、体調悪いんだって?」
「ぅぅん、ちょっと"つわり"があるってだけで・・・・・・でも大丈夫よ?」
「そっかぁ・・・。ママになるのも大変だよね・・・」


僕はますます細くなったちゃんを見てそう呟いた。
そして、ふとお腹に目が行く。


「まだ・・・あんまり目立たないね?」
「うん、まだ三ヶ月くらいだから・・・」


ちゃんは少し恥ずかしそうに微笑みながら手でそっとお腹に触れた。
その姿は凄く幸せそうで、何だかちょっとレオが羨ましくなる。


はぁ・・・僕もちゃんみたいな可愛い奥さんが欲しいよ・・・
って言うか、二人みたいな恋がしたいっ!ぐっ(握り拳)


そう!あの最悪な出会い!そして少しづつ惹かれあっていく二人!
幾多の困難を乗り越え、最後には固く結ばれあい、結婚して今は天下のラブラブバカップル!!!(オイ)
そして遂に二人には悪魔の子―――もとい。
可愛いベイビィがーーーーっ!!!
いいよなぁーー!ほんっと羨ましいぞ、レオの奴・・・・・・


(ちょっとワインで酔ったみたい、僕)


ちゃん、レオがいなかったし寂しかっただろ?」
「え? あ、でも・・・お義母さんやお養父さんもジャックもいたから・・・」
「そうだよな? ちゃんは私がレオの代わりに守ってあげてたんだ」


そこへレオパパがニコニコしながら会話に入って来た。
さすがレオの父親だけあって女性への扱いとか心得てるって感じだ。


「トビーくんは彼女とかいるんだろ? 結婚はしないのかい?」
「え? 僕は・・・最近、別れちゃったんで・・・」
「そうなのか? でも君なら恋人の一人や二人、出来るだろう?」
「いやぁ・・・そうでもないですよ・・・」


僕はちょっと溜息をついて肩を竦めた。


だいたい俳優なんてやってても寄って来るのは興味本位か、僕の名前で寄って来るような軽い子ばかりだ。
そんなゲームみたいな恋愛なんてもうしたくないって感じなんだよね。
まあ、そんな風に思うようになったのもレオとちゃんの二人を見てきたからなんだけどさ。


ちょっとおセンチな気分になりつつワインを飲んでいると、外から車のエンジン音が聞こえてきてジャックが尻尾を振りだした。


「お、レオが帰って来たようだ」


レオパパも顔を上げて笑顔で僕を見た。
ちゃんは嬉しそうに微笑むとソファから立ち上がり、ジャックを連れてリビングを出て行く。
きっとお出迎えするんだろう。


(ああ、そんな事すら羨ましく感じるんだから僕って重症かも・・・)


「トビー!ちょっとこっち手伝ってもらえる?」


そこへレオママからのお呼びがかかり、レオパパが肩を竦め苦笑した。


「きっとコキ使われるぞ?」
「あ、でも、いつも夕飯の準備とか手伝ってるんですよ♪」
「そうなのか!全く・・・レオの友達に何をさせてるんだ・・・。どれ私も一緒に行くよ」


レオパパはそう言うとワイングラスを手にキッチンへと歩いて行く。
その後から僕もくっついて行った。


だが数分後、またしても二人のケンカが始まり、僕は一人でオロオロするハメになった・・・・・・















「レオ、お帰りなさい!」
、ただいま!」


エントランスまで迎えに出てきたを見てレオは笑顔で抱きしめた。


「ん~久し振りのの感触!」
「ちょ、ちょっとレオ・・・」


「んっん!早速見せ付けないでくれるかな・・・?」


そこへジョーがレオの荷物を運んで歩いて来た。


「ジョーさんもお帰りなさい」
「やあ。体調はどうだい?」
「まだ少し"つわり"があるけど大丈夫です」
「そうか、それは良かった。顔色もいいね」


ジョーはそう言って笑顔を見せると家の中へと入っていく。


「ワゥー!」
「うぉ!またお前か、ジャック!」
「ワゥ!ワゥ!」


だがジョーが入ったその瞬間、待ち構えていたジャックに飛びつかれ、
後ろへひっくり返っているところへレオとも入ってくる。


「何してんだ? ジョー・・・」
「な、何って見れば分かるだろ?! このバカ犬を早く避けろ!」
「バカ犬? おいジャック。そのまま乗っかってていいぞ?」
「んな!おい、レオ・・・うぇ!な、舐めるな、コラ!」


レオの命令を忠実に聞いたジャックは、そのまま嬉しそうにジョーのお腹に乗っかり顔をベロベロ舐め出した。
それを見ながらレオはを連れてリビングへと向う。


「レオ・・・ジョーさん放っておいていいの?」
「いいよ。それより俺がいない間、二人は大丈夫だった?」


レオはの頬にチュっとキスをしながらも自分の父と母の事を尋ねた。
その言葉には複雑な表情を浮かべる。


「えっと・・・大丈夫かな・・・? 時々・・・ケンカはしてたみたいだけど私がいるとそんなには・・・」
「そっか・・・。ごめんな? ほんと、あの二人って昔から、あんな感じなんだ・・・」
「ううん。ケンカしてても仲がいいって感じじゃない」
「・・・・・・そう?」


の言葉にレオはちょっとだけ首をかしげて苦笑した。
その時、キッチンの方から凄まじい声が飛んで来た。


「ちょっとジョージ!!それにワインなんて入れないでよ!」
「何だと?! これが隠し味じなんじゃないか!」
「何言ってるのよ!これはちゃんの分よ?! こんなに入れちゃったら食べられないじゃない!」
「じゃ、じゃあ何でもっと早く言ってくれないんだっ」
「言おうとしたら、あなたが勝手に入れちゃったんでしょ?!」


「「・・・・・・・・・・・・・・・」」


レオとは互いに顔を見合わせ、そのまま苦笑いを浮かべる。


「またやってるよ・・・・」
「そうみたい。でも今日はトビーも来てるの。だからきっと止めてくれるわよ」
「は? あいつ来てんの? 何かされなかったっ?」


トビーの来訪を知り、レオは慌てての顔を覗き込んだ。
だが彼女もクスクス笑いながら首を振る。


「まさか。大丈夫だよ? お義母さんがレオが帰って来るからって呼んだみたい」
「そっか・・・。ったく母さんも余計なことして・・・」


レオはそう言って軽く溜息をつくとを抱き寄せ唇にチュっとキスを落とした。


「あの二人の詰りあいは胎教に悪いからちょっと上で休んでよう?」
「え? でも・・・」
「平気だよ。今日はトビーもジョーもいるんだしさ。何とか二人の間に入ってくれるだろ?」


そう言いながらレオはすでにの手を引いて階段を上がっていく。
(ただ単に二人きりになりたかっただけという話)


そこへ悲痛な叫びが聞こえてきた。


「レオ~~!ちゃ~~ん!誰か二人を止めてよぉ~~う!!」










・・・・・・今日もディカプリオ家は賑やかだった。






















:::::::::::::::::::::::::::::::In five years....::::::::::::::::::::::::::















ゆっくりと目を開けるとカーテンの隙間から太陽の日差しが入り込んでいるのが見えて、レオはそっと隣に顔を向けた。
そこにはいつものように愛しい妻が可愛い寝息を立てながら静かに眠っている。
少しだけ体を起こし、レオは未だ夢の中の妻の頬へと軽くキスをした。


「おはよ、
「・・・・・・ん・・・」


その時、かすかにの顔が動き、瞼がゆっくりと開いていく。
それに気づいたレオはすぐにの上に覆い被さった。


「ん・・・レオ・・・?」
「・・・起きた?」
「・・・ん・・・今・・・何時・・・?」


ゴシゴシと目を擦りつつ、そう聞いてくるにレオはちょっとだけ微笑み時計に目をやった。


「今は・・・朝の9時5分前」
「・・・起きて用意しなくちゃ・・・」
「まだ平気だよ」


レオはそう言いながらの唇に軽くキスを落とす。
だがはちょっと笑ってレオを見上げた。


「ダメよ。今日は色々やることあるんだから」
「俺も手伝うよ」
「でも・・・疲れてるでしょ?」
「んー。まあ・・・夕べ、ちょっと激しかったから少しね」
「レ、レオ・・・っ?」


いつものレオの言葉には顔を赤くした。
そんな彼女にレオは苦笑すると、もう一度、唇を塞ぐ。
かすかに抵抗するに覆い被さり、少しづつキスを深くしながら裸の胸へと手を伸ばした。


「ん・・・.ちょ、レオ・・・」
「・・・まだ時間あるよ?」


に睨まれてもレオは細い首筋へと唇を滑らせていく。
だがはレオの胸を押して首を振った。


「ダメ・・・っ。マークが起きてくるわ?」
「あいつは夕べ遅かったから、まだ寝てるって」
「でも今日は一緒に連れて行くって約束したじゃない? もう起きてくると思うんだけど」
「・・・あ・・・そうだった・・・」


苦笑しながら、そう言うにレオは思い出したように頭を項垂れた。


「はぁ・・・仕方ない・・・。起きて用意するか」
「レオはまだ寝てていいよ? 私、先に家のことやっちゃうし」
「いいよ。俺も手伝うって。それにジャックの散歩も行かなくちゃいけないしさ」
「そうだけど・・・ほんと大丈夫?」
「大丈夫!ちょっとシャワー入ってスッキリしてくる」


レオはそう言ってにチュっとキスをすると体を起こした。
もガウンを羽織ってベッドを出るとすぐに下へと下りていく。


「ジャック!ご飯だよ?」


先にジャックの食事を用意して呼ぶと、すぐにカチャカチャと音をさせて黒い顔がキッチンへと顔を出す。


「ワゥ!ワゥ!」
「はいはい。おはよう、ジャック。はい、ご飯」
「ワゥン♪」


目の前にご飯を置いてあげるとジャックは嬉しそうに尻尾を振って食べ始めた。
それを見ながらは皆の朝ご飯の用意もするべく冷蔵庫を開け、材料を出していく。


「んー今日はサラダ、何にしよう・・・」


プルルル・・・プルルルル・・・


朝の献立をあれこれ考えていると、電話が鳴りだし、は急いでリビングに走って行った。


「Hello? あ、ジョーさん? どうしたんですか? え? 白いネクタイ? 
ええ、あると思いますけど・・・え? なくしちゃったんですか?
あ、分かりました・・・。じゃあ後で教会の方に持っていきます。はい、じゃあ後で」


そこで電話を切るとはすぐに二階へと戻り、クローゼットを開けて白いネクタイを探した。
するとレオが自分の結婚式で使った時のものが出て来る。


「これだわ・・・」
「・・・? どうした?」
「あ、レオ」


そこにシャワーから出てきたレオが歩いて来て後ろからを抱きしめ頬にキスをする。


「これ・・・俺のネクタイ?」
「うん。あのね、今ジョーさんから電話がきて・・・白いネクタイなくしちゃったんですって。だから持ってたら貸して欲しいって」
「はあ? 全く最後の最後までアホだな、ジョーは・・・」
「またそんなこと言って・・・。ね、これ貸してもいいでしょ?」
「ああ、いいよ。新郎がネクタイなしじゃカッコつかないもんな」


レオは笑いながらそう言うとバスタオルで髪を拭いた。


「マークは?」
「あ、まだ寝てるかも。でもそろそろ起きてくると思うわ? ジャックの散歩、一緒に行くでしょ?」
「ああ、そうだな。じゃあ俺が起こしてくるよ」
「うん、お願い。私、朝食の用意しちゃうから」


はそう言ってネクタイをバッグにしまうとまた下へと戻って行った。
レオは髪を拭き終え、軽く着替えてからベッドルームを出て奥の部屋へと歩いて行く。
コンコンっとノックをしたが返事はなく、そのまま静かにドアを開けた。


「おいマーク。ジャックの散歩行くぞ?」


そう声をかけたが小さなベッドの主はピクリとも動かない。
レオは軽く息をついて部屋の中へと入った。


「おい、マーク。起きないなら置いてくぞ?」
「・・・・・・んーー・・・」


スッポリと布団に潜っている為、くぐもった声だけが聞こえて来てレオは苦笑しながら布団をはいだ。


「おい、マーク」
「ん~? ダディ・・・?」
「起きないのか? ジャックの散歩、今日は一緒に行くって約束しただろ?」
「・・・・・・ふぁあぁ・・・今・・・起きる・・・・・・」


特大の欠伸をしながらゴシゴシと目を擦ると、マークはのっそり起き上がった。
ブロンドの奇麗な髪と、薄いブルーグレーの瞳はスっと切れ長でなかなかの美形顔だ。
だが本人はガシガシと頭をかくと欠伸を噛み殺しつつベッドから抜け出し、そのまま部屋を出て行こうとする。


「おい、マーク!そんな格好で行くのか?」
「・・・・・・あ・・・」


まだ寝ぼけ眼なマークは自分がパジャマ姿だということに気づき、呆れ顔のレオに向けて、エヘへ・・・と頭をかいて見せた。


「すぐ着替えるから待っててくれる?」
「ああ、早くしろよ? 俺は下にいるから」
「OK。すぐ行くよ」


マークはやっと目が覚めたのか、すぐにクローゼットを開けて着替えを出している。
それを見ながらレオは笑みをもらすと静かに部屋を出て行った。


「じゃ、行ってらっしゃい。ジャックから目を離しちゃダメよ? すぐどっかに行っちゃうから」
「分かってる。ダディと一緒で可愛い雌犬が来ると、すーぐ追いかけて行っちゃうからねー」
「おい、マーク・・・。お前、朝からケンカ売ってんのか・・・?」
「だってトビーおじさんが前に教えてくれたよ? "お前の父さんは昔、女たらしで―"」
「あーーーー!!いいから早く行くぞ?! 今日は忙しいんだから!おい、ジャック!」


レオは慌ててジャックを呼ぶと、首にリードを付け出した。
それを見てはマークと顔を見合わせクスクス笑っている。


「じゃあママ、ダディは僕が見張ってるから安心してて?」
「ほんと? それは頼もしいわね」
「おい、まで、そんな・・・」
「嘘だってば!行ってらっしゃい」
「・・・行って来ます」


ちょっと笑っているにレオも苦笑いを浮かべつつ、彼女の頬にキスをした。
そしてジャックとマークを連れ、いつもの散歩道を歩いて行く。


それを笑顔で見送ると、はすぐに掃除をするべく家の中へと入った。










「はぁ・・・ったく・・・朝から何だか疲れるよ・・・」


海を眺めながらレオはそうボヤいてジャックと遊ぶ我が息子を見ていた。
そして過去を息子にコッソリ、バラしていた親友にどんな制裁を与えようかと考える。


ったく・・・トビーの奴、後で会ったら殴ってやる・・・っ
まあ、今日はおめでたい席だから一~二発くらいで勘弁してやるか・・・


そんな事を考えながら煙草に火をつけ、昇ったばかりの太陽を見上げた。
マークはジャックと砂浜を駆け回っていて楽しそうにはしゃいでいる。
その笑顔は彼と同じ名前の、かつての恋のキューピッドを思い出させた。


(マークの奴・・・元気にしてるかな・・・今年、中学に上がったと前に話してたけど)


懐かしい笑顔を思い出し、レオは笑みを浮かべた。
マークはのいた病院を退院した後、父親の仕事の都合でニューヨークへと引っ越して行った。
行く前に遊びに来て、皆を集めて送別会をしたのがマークに会った最後。
彼は医者になると決めてから忙しい父の面倒も見ながら頑張って勉強していた。
時々、電話でも話すが最近はメールが多かった。


今日の結婚式の写真も送ってやろう。
きっとマークの奴、笑うだろうな。
ジョーのペンギン姿は二度目だろうけど。
肉のおじさん結婚すんのー? なんて、前に電話で報告した時、驚いてたしな。


何だか懐かしい日々が記憶の中から蘇えり、レオは息子へと目をやった。
彼が生まれた時、もレオも同じ事を考えていた。


もし生まれてきたのが男の子だったら・・・"マーク"という名前をつけよう。


それは二人が自然に思っていた事だった。




「ワゥ!ワゥ!」
「あ、ジャック!」
「――?」


その声に、ふと顔を向ければジャックがマークから離れ砂浜を走って行くのが見えてレオはすぐに立ち上がった。
ジャックが走って行く方向を見れば、時々、散歩に来ているゴールデンレトリバーがいる。


(ああ、何だ。ジャックの奴、"彼女"に会えたから走って行ったんだ)


最近、会うそのゴールデンの雌にジャックは一目惚れしたのか、会う度にいつもその犬の尻を追い掛け回している。
飼い主のおばさんもいい人で、別にジャックが自分の犬に寄って行っても怒りもせず、快く二匹を遊ばせてくれるのだ。


「おい、マーク!そんな走らなくても大丈夫だって!」


ジャックを慌てて追いかけて行く息子にそう声をかけながらレオも後から歩いて行った。
そこへゴールデンの飼い主のおばさんも見えてレオは笑顔で挨拶をする。


「おはよう御座います」
「あら、おはよう!今日は息子さんも一緒なの?」
「はい。あれ・・・その子は・・・?」


話しながら歩いて行くと、おばさんの後ろからひょこっと可愛らしい女の子が顔を出した。


「この子、私の孫なのよ? 今日は休みだから遊びに来てくれて・・・サーシャ、ご挨拶は?」
「・・・・・Good morning」
「morning!何歳なの?」


レオはサーシャと呼ばれた女の子の前にしゃがみながら笑顔で尋ねた。
すると彼女は少し照れくさそうにモジモジしながらも、「4歳・・・」としっかり答える。


「へぇ、4歳か。あ、こっちは俺の息子のマーク。おい、マーク、お前も挨拶―」
「やあ、サーシャ。僕、マーク。宜しくね?」
「よ、宜しく・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


(こいつ・・・可愛い子に弱いのか・・・?)


マークは慣れた感じでサーシャに挨拶をして、それを見たレオは一瞬、半目になってしまった。


「僕、すぐそこの家に住んでるんだ。今度、遊びにおいでよ」
「う、うん・・・。ローズも一緒に連れて行ってもいい・・・?」
「ローズ?」
「ああ、この犬の名前よ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


おばさんはニコニコしながらジャックと遊んでいるゴールデンを見て言った。
だがレオだけは内心、驚いて、かつちょっと溜息をつく。


何だよ、ジャックとローズって・・・・・・・・・・
すっごい嫌な展開だな、これ。


ジャックはそんなレオの気持ちなど知らず、愛しい"彼女"に会えて嬉しいのか、
尻尾をブンブン振りながらゴールデンのローズに纏わりついている。


(はぁ・・・。もしこれで、コイツラもくっつけば・・・どんな子犬が生まれるんだ・・・? 黒ブチのゴールデンか・・・?)


マークはマークで楽しそうにサーシャに話し掛けていて何だか昔の自分を見てる気持ちになり、
レオは思い切り溜息をついたのだった。



















「あはは!そりゃー凄い展開だな!俺も見たかったよ~!やっぱ子は親に似るんだよな!」
「うるさい・・・!」


俺はケタケタと笑っているトビーを睨み、思い切り後頭部を小突いてやった。


「いったいよ、レオ~~!」
「黙れ。だいたい今日はお前を一発は殴ろうと思って来たんだ。ったくマークに変な話しやがって・・・」
「ああ、だって親の実態を知るのもいいかと思ってさ!な? ジョー」


「・・きょ・・・今日はおいそが・・・おしそが・・・お・・・お忙しい日に・・・いや違うな・・・」


「「・・・・・・・・・・・・・・・」」


ジョーは何だか緊張しているのか、二人の会話など耳に入っていない様子で何やらブツブツ言っている。
そんなジョーを見てレオは軽く息をついた。


「何言ってんだ? ジョーの奴・・・」
「ほーんと。あんなこと新郎が言わなくたっていいのにね」
「つか、あれじゃ式の前にぶっ倒れるかもしれないぞ?」
「あーありえるねっ」


トビーはそう言ってゲラゲラ笑い出した。


ここは教会の新郎の控室。
今日はレオのマネージャーを長年務めてきたジョーの結婚式だ。
相手は・・・・・・・・・・・・・・・
なんと、ジョーにはもったいないくらいの女性、シェリーだった。


「しっかし彼女もよくジョーのことなんて好きになったよね?」
「あーでも、まあ・・・ジョーも頑張ってたみたいだしな? コソコソと」
「元彼から助けたんだって?」
「そうらしいな。何度か相談を受けて・・・最後は見事に彼女の心を射止めたってわけ」


レオはそう言って肩を竦めた。


シェリーは元彼と再会した時、ジョーに助けてもらったようだ。
だがその後、元彼はその件で人前で恥をかかされたと思ってシェリーに嫌がらせを始めた。
彼女の仕事関係の人にある事ない事、ベラベラと吹いて周り、あげくシェリーは仕事を干された。
それを見かねたジョーはシェリーには内緒で彼女の事務所の社長に会いに行き、全ての事情を説明したらしい。
最初は聞く耳を持たなかった社長も、ジョーの必死さに打たれシェリーを再び受け入れる事を約束してくれたようだ。
それを後から聞かされたシェリーはそのジョーの優しさに惹かれていった・・・
まあ元々、ジョーのキャラに好意をもっていたらしいが。(なんて変わった趣味なんだ・・・)


(全く・・・人に何も言わないで、そんな事をしてたなんてな・・・ま、ジョーもいいとこあるよな・・・)


レオは煙草に火をつけつつ、未だ冷や汗を垂らしながらブツブツ言っているジョーを見てちょっとだけ微笑んだ。


「あれ? そう言えば・・・ちゃんとマークは?」
「ああ、シェリーの方に行ってるんじゃないかな。ちょっと見てくる」
「あー俺も行くよ!ガールフレンドが出来たマークをからかってやろ♪」
「・・・どうでもいいけど・・・変なことだけは言うなよ? マークに言ったらあいつ全部に告げ口するんだから・・・」
「アイアイサー♪」


レオが怖い顔で睨むとトビーは笑顔で手を上げた。




















「・・・おい・・・ジョー大丈夫か? 顔、真っ赤だぞ?」
「らーいじょうぶーだーって!」
「・・・どこがだよ・・・」


ろれつの回ってないジョーに、レオは思い切り溜息をついた。
ジョーは式を無事に終え、緊張から解放されたのか、式の後のパーティで散々、カクテルを飲んで酔っ払っているようだ。
レオもワインを飲みながらネクタイを外し、はどこかと会場を見渡した。
レオのマネージャーが結婚となればも今日は色々と忙しく動き回っていてまともに話す時間さえそんなになかったのだ。


「ダディ!」
「ああ、マーク。を見なかった?」
「ママなら何だか巨体のおばさんに捕まって話し相手にさせられてるよ?」
「おばさん? 誰?」
「ジョーのママ」
「・・・・・・ああ・・・」


それを聞いてレオはガックリと項垂れた。
今日、初めて会ったジョーの母親がこれまた強烈なキャラで、「私、あなたの大ファンなのよー♪」と抱きつかれて困ってしまった。
しかもさすがジョーの母親、しっかり遺伝は伝わっているようで、かなりの巨体。
あの巨体に抱きつかれたレオは後ろにひっくり返りそうになったほどだ。
というのもパーティの最初でダンスを踊る時間があり、レオはもちろんと踊ろうとした。
だが、そこへジョーママがやってきて、


「ちょっと旦那さんを借りるわね♪」


に断り、結局、レオはジョーママとチークダンスなんて踊るハメになってしまったのだ。


ったく・・・何で俺がジョーの母親とチークなんて踊らないといけないんだ?
って言うか、あれはチークじゃなくて何だか日本の国技の"相撲"かと思ったよ・・・


先ほどのダンスを思い出し、レオはまた具合が悪くなってきた。
の元へ行きたいが、そこへ行けばジョーママにまた捕まることになる。
レオはどうしたものかと、考え、目の前でグビグビと酒を飲んでいるジョーの頭を小突いた。


「おい、ジョー」
「ん~なんら~? レオ~」
「お前の母親、から離せよ。だって疲れてるんだからさ」
「んあーママなら大丈夫らって!レオの大ファンなんらから!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」


(意味わかんねー・・・)


すでに泥酔に近いジョーにレオは心の底から疲労を感じた。
するとマークがジョーのタキシードのズボンをグイグイと引っ張っている。


「ちょっとジョー!ママが可愛そうだろぅ? 自分の母親くらい管理しろよなっ」
「ぬ~? 何ら、生意気らな、相変わらず!ほんろ、レオにソックリらよ!」
「あったりまえだろ? 親子なんだからさ!」
  「ぷ・・・っ」
「何ぃ~?!」


(いいぞ、マーク。もっと言え)(何て親だ)


マークはジョーと対等に話をしていてレオは笑いを噛み殺した。
だいたいマークはジョーイジメが大好きなのだ。(ここからしてレオの遺伝を受け継いでいる)


「お、おい、あんまり引っ張るな・・・っ」
「いいから早くママを助けろよーっ」
「おいこら、マーク・・・そんら引っ張ったらまた破ける・・・っ」


マークはジョーのズボンをグイグイーーっと引っ張り、必死に訴えている。
だがジョーはマークから逃げようと体の向きを変えて歩き出そうとした、その時・・・







ビリっ









―――っっ!!








何だか嫌な音がして、その音を聞いたレオは数年前の自分の結婚式での出来事を鮮明に思い出したのだった。


「あははは!まーったケツ破いたのかージョー!!」
「うるさい、トビー!!今度は破いたんじゃなくて、レオのガキに破かれたんだっ!」
「おい、ジョー!俺の息子を捕まえて"ガキ"とは何だよ!」


人生で二度目の珍事件にすっかり酔いの覚めたジョーの周りを囲んで皆が騒いでいると、
そこへと新婦のシェリーが歩いて来た。


「ちょ・・・どうしたの?」
「あ、・・・いや何でもないんだ」
「でも今、騒いでたじゃない。もしかしてマークが何かイタズラでも・・・」
「えっと、それが・・・」


「ジョー? どうしたの? お尻なんて抑えて・・・」
「あ、シェ、シェリー・・・!い、いや何でも・・・ああっ!こっちに来ないで・・・っ」


レオとが話しているとジョーが慌ててトビーの後ろに隠れている。


「ジョー? もしかして・・・ズボン破いちゃった?」
「う・・・っ」


シェリーに見抜かれ、ジョーの顔は一気に赤く染まる。
まあ前のように人の結婚式でも恥ずかしい思いをしたのに今度は自分の結婚式だ。
そりゃ恥ずかしくもなるだろう。


そんなジョーを見かねてレオは苦笑交じりで事情を説明した。


「実は・・・マークの奴がジョーのズボンを引っ張っちゃってさ・・・。それで破けたんだ」
「え? そうなの?! ご、ごめんなさい、ジョー・・・!後でマークによく言っておくから・・・」
「い、いや、いいんだよ!こんな事くらい!ほら!俺は二度目で慣れてるしさ!あははっ」


(ジョーの奴、には弱いんだよな、昔から)


「・・・二度目って?」
「う・・・い、いや何でもないよ、シェリー。っはははは」


シェリーに首を傾げられ、ジョーは慌てて首を振った。
そんなジョーを見ながらトビーも笑いを堪えつつ辺りを見渡した。


「で? その破いた張本人はどこ行った?」
「え? その辺にいただろ?」


トビーの言葉にレオも驚いて後ろを見渡した。
するとシェリー側の親戚らしき人達のテーブルで小さな女の子と話をしているのが見える。


「君、名前は? 僕はマークって言うんだ」
「私、アニーよ?」
「アニーか。可愛い名前だね♪」
「あ、ありがとぅ・・・」
「あ、アニージュースでも飲む? 僕持って来て上げるよ」
「う、うん・・・じゃあオレンジジュース」
「OK」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。














その光景を見てその場にいた全員が半目でレオの方を見たのは言うまでもない。
















「なーんか・・・前によく見た光景だな・・・」


(おいおい何を言い出すんだ? ジョー・サンダーっ!)


「あー分かる。俺もしょっちゅう見てた気がするから」


(グ・・・っお前は黙ってろ、トビー!)


「へぇーそうなんだ。やっぱりねぇ・・・。ジョーから聞いてた通りだわ・・・」


(シェ、シェリーにまで何を言いふらしてやがんだ、あいつっ!)


皆の会話にレオがブチっと切れそうになった時、だけが、ちょっと笑顔を見せて振り向いた。


「・・・・・・そうなの? レオ・・・」


「え・・・?! あ、いや~俺は何の事か・・・」


ちょっと顔が引きつりつつも笑顔を見せると、トビーがレオの肩に腕を回して微笑んだ。


「いやいやいや~♪子は親に似るって言うけど、ほーんと!遺伝子って怖いね☆」
「む・・・お前は黙ってろよ・・・!」
「いやいや。トビーの言う事は一理あるな、うん!ありゃー将来、レオの後を継ぐかもな?」
「ジョ、ジョー!!」
「まあまあま!そうなったら俺がまたマネージャーしてやるよ」
「しなくていいよ!ってかマークまで俳優にさせるな!」
「いやーあの容姿じゃ、うちの社長が放っておかないだろう!いいじゃないか!親子二代でハリウッドスターってのも!」
「エーンド、ハリウッド界1のプレイボーイまで親子二代でいけるよねー♪
「・・・殴るぞ、トビー・・・」
「でもマーク、"将来はダディみたいになりたい"って言ってたし、もしかしたら俳優になるかも!」
「ちょ・・・まで、そんな・・・っ」
「いいねー!じゃあ早速、子役で何か仕事でも取って来よう!」
「おい、ジョー!勝手に決めるな!つか、お前はサッさと破れた尻を縫ってこい!!」


「「まあまあまあまあまあまあー♪未来のレオジュニアにかんぱーいY」」


ジョーとトビーは、そう言いながら何だかワインで乾杯なんかしている。


レオはそれを見ながら思い切り頭を項垂れ、溜息をついたのだった―


















::::::::::::::::::::::Present now....:::::::::::::::::::
















「って夢を見たんだ!どう思う?!」


  「ほ、ほんとか?! ほんとに俺がシェリーと結婚を?!」


「はあ?! そんなの知るかよ!まだ生まれてもいないのに!!ってか話長いんだよ!」


  「お、おいトビー、その話をもう少し詳しく―」


「いやいや!絶対に男の子だってば!俺は絶対そう思うね!早く出てきなさーい、マーク~♪」


「おいこら、トビー!勝手にに触るな!」


「ぃでっ」





のお腹に手を当てているトビーをレオは慌ててどついた。
その間、無視され続けたジョーはムっとしてビールをグビグビ飲んだくれている。


そんな皆にはクスクス笑いながら自分でもお腹にそっと手を置く。







「でも・・・元気な男の子なら嬉しいな。それもレオそっくりの」
「ちょ・・・まで、そんなこと言って・・・」
「あ、違うの。その・・・プレイボーイとかじゃなくて・・・容姿がね?」
「えぇ~? 俺はプレイボーイじゃないって!」


「「・・・嘘つけ!」」(とはジョーとトビーの呟き)



だが幸運なことにその呟きはレオの耳に届かなかったようだ。










「・・・俺はさ、そっくりの可愛い女の子がいいんだけどな」





レオはそう言って素早くの唇にキスをした。










「私は私そっくりの男の子がいいな!」






「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」











そこへ突然、ジョージがやってきた。
レオはその発言もそうだが、自分の父の格好を見て思い切り溜息をつく。







「父さん・・・。何その格好・・・・・・・」
「ん? これか? いやーイルが皿洗いを手伝えって言うもんだから」
「いや、そうじゃなくて・・・。そのフリフリのエプロン・・・母さんのだろ?」
「ああ、これか!これは私のイタリア製のシャツが汚れないように、とイルに借りたのさ!結構、似合うだろ?」
「・・・・・・まあ、そうだね、ある意味ね。それより・・・父さんそっくりの子供なんて絶対に生まれないから心配するなよ」
「何でだ? 私の遺伝子だって入るだろう? だったら私ソックリでもおかしくは―」




「ちょっとジョージ!!!まだ洗い終わってないのよ!サッサと戻って来て!」




「――っ!」











そこへ鬼のようなイルメリンの声が飛んで来てジョージは速攻でキッチンに戻って行く。












「クゥン・・・?」












そしてそれまで眠っていたジャックがイルメリンの大声にピクっと耳を動かし顔を上げた。











こうして今日もディカプリオ家の夜はふけてゆく・・・・・・





























親の背を見て子は育つ











     果たして、夢の通りに行くのかどうか・・・




















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久々に更新しましたー(滝汗)待ってて下さったという奇特な皆様、ほんとに、どうもすみません(平謝り)
結婚生活って、どうも話が思い浮かばなくて^^;
これは長く書くつもりではなかったので最初に書いたとおり、この番外編もそろそろ終わると思います。
レオの次の連載も考えたいなーと思ってるのですよ(笑)(短連載の方が終ればですが)
なので次回で終わりになるかもしれません。


本日も皆様に楽しんでいただければ幸いです。
日々の感謝を込めて...


C-MOON...管理人:HANAZO