STORY.23 守ってあげたい、なんて傲慢だけれどさ









木々の間から太陽の日差しがキラキラと降り注ぐ。
いつも当たり前のように見ていた光景。
その中に、いつも彼女の笑顔があった。


「メロー!またそんなとこに上って!危ないじゃない」
「気持ちいいぜ?も上ったら?」


幹に寄りかかり、下から怖い顔で叫んでる彼女を見下ろせば、は呆れたように苦笑いを浮かべた。
てっきり、また怒るのかと思えば、腕まくりをして、木の枝に手を伸ばす。
その行動にギョっとしてる間に、彼女はアっと言う間にオレのいる場所まで辿り着いた。


「…ホントに上ってくるんだ」
「何よ。メロが上れって言ったんじゃない」


はそう言って眩しいくらいの笑顔を見せる。
彼女はいつだってオレにとったら、太陽のような存在で、手が届きそうで届かない。


「またLに怒られても知らないからな」
「あー冷たいなあ。メロは」


そう言ってオレの額を軽く指で小突き、明るく笑う。
こんな穏やかな日常が、いつまでも続くと思ってたんだ……Lがいなくなるまでは―――










の笑顔、木々の合間に見える太陽……全てが眩しい…


――メロ


キラキラと反射する光が眩しくて、思わず目を細めれば、がオレの名を呼ぶ。


――メロ


返事をしたつもりだったのに何の返答もなく、不思議に思って隣にいる彼女を見れば、そこには誰もいなくて。
あるのは真っ白な光だけ…


あれ…どうしたんだ…?
ここは……どこだ?
今まで目の前にあった、見慣れた光景が、いつの間にか全て白に染まっている。
いや…白いんじゃない…そう見えるくらいに眩しい光がオレを照らしている。
隣にいたもいつの間にか、その光の真ん中にいて、こっちを見て笑ってる。
どうして…どこに行くんだ?
何故オレから離れていく―――オレは…どこに向かってる…?


体が浮くような感覚の中、オレは必死にへと手を伸ばした。


――メロ


が…オレを呼んでる…


――メロ


何だよ…オレはここにいるだろ?
早く、こっちに―――


そう思いながらも必死で手を差し伸べた。


「………」


オレを見つめながら微笑んでいるへ指先を伸ばせば、再び視界が白に染まり、木々の合間から、また太陽が見えた気がした。



「…っ…ゴホッ……」


急に空気が送り込まれ、オレは激しく咳き込んだ。
その瞬間、伸ばしていた腕に痛みが走る。


「…つっ…ゴホッゴホッ…」


朦朧としていた意識が、次第にハッキリしてきて、ぼやけた視界の中に飛び込んできたのは、眩しい太陽の日差しと共に、空高く舞い上がる黒煙―――


「…ゲホッ…っ?」


急に視界が黒い煙に遮られ、オレはハッと辺りを見渡した。


「…これは…」


それまで感覚のなかった体に、不意に熱を感じ、息を呑む。
ゴォォォっという音、肌が焼けるような熱…
目の前の建物は、真っ赤な炎で埋め尽くされ、オレは少し離れた場所に倒れていた。


(そうか…あの女が…)


そこで何もかも思い出した。
オレは高田を浚い、ここまで辿り着いた。
だがあの女がいきなり隠し持っていたライターで自分の服に火を放った…
それを止めようとしたが、いつの間にか漏れていたバイクのガソリンに気づき、オレは堪らず外に逃げ出して…その後の事は覚えていない…
きっとバイクのガソリンに引火したせいで爆発し、その勢いで車にも…
オレは逃げる途中、吹っ飛ばされ意識を失った…というとこだろう。
喉や体のあちこちが痛むのはそのせいか。



(爆発時の衝撃で火の粉や煙を吸い込みすぎたか…)


痛むのを我慢し、何度か深呼吸をしながら、体勢を低くして燃え盛る建物から離れた。
少し体が痺れているが、何とか炎の熱から逃れ、木に凭れかかる。


「ゴホッ……クソ……あの女…」


この様子じゃあの女は助からないだろう。
咄嗟に連れ出そうとしたが、凄い勢いで振り払われ、そのまま火の中に飛び込んで行く高田を助ける事は出来なかった。
あのまま高田は火にまかれ、爆発で吹っ飛び、死んだはずだ。


だが突然のあの行為…自殺…か?
いやあの様子はきっと…キラの仕業…
あの時の高田の様子は明らかにおかしかった。
最初はあれほど怯えていたというのに、火をつけた時は妙に冷静で、オレの声などまるで届いてないように見えた。
となると…キラに操られ、殺された、という事か…


「やっぱりな…」


オレが高田を浚った事を知り、邪魔者を消したというわけか。
いや、キラからすれば、オレごと殺したかったというところだろう。
何とも素早い行動だ。
こういう時の為に、高田に全て用意させてたようだな…。
が…実際に手を下したのはキラではなく、キラに選ばれた別の人間…
という事は…ニアとの対決の前に、何らかの行動をしたという事になる。
その事にニアが気づいていればいいが…


「……クソ…このままじゃマズイな…」


次第に火の勢いが強くなっていくのを見て、オレは何とか体を動かした。
ここは教会の裏にあたり、このまま林を真っ直ぐ行けば大通りに出られるはずだ。
空を見上げれば、木々の間からさっきも見た太陽の日差しが降り注いでいる。


さっきのは…夢か。
久しぶりに、あの頃の夢を見た。


記憶の中にあった彼女との思い出。
オレを呼ぶ、彼女の声…


「おかげで…助かったな…」


もし、あのまま意識を失っていたら、今頃オレも、火にまかれ焼け死んでただろう。
の元に行かなくちゃ、という想いが、オレの意識を取り戻させてくれた。


――メロ


ハッキリと…聞こえた気がした…の、オレを呼ぶ声が―――









「―メ…ロ!メロー!!」




「―――ッ?!」









林の中に歩きかけた時、炎の音と共に、かすかにオレを呼ぶ声が聞こえ、ハッと足を止める。
まさか、幻聴だ。
彼女がこんな場所にいるはずがない。
あんな夢を見たから、聞こえた気がしただけだ。


そう思おうとした。
だが、その声は、もう一度、今度はハッキリ、オレの耳に届いた―――






「…メロ!!どこにいるの?!メロ…!!」
「……?」


燃え盛っている教会の方から、彼女の声が聞こえてくる。
そんなはずはない、と思いながらも、ハッキリ聞こえたの声に、オレは思わず彼女の名前を叫んでいた。


「…!!」


踵をひるがえし、元の場所に戻れば、教会横の木々の合間に人影が見えた。


「…?!」
「…ッ!メロ?!そこにいるの?!」
「…!危ない、戻れ!」


彼女がここにいるなんて信じられなかった。
だが木々の合間から姿を現したのは、間違いなくだった。


「メロ…!!」


オレに気づいたがこっちに走ってくる。
が、彼女の周りの木々には炎が燃え移り、今にも倒れそうで、オレも一気に走り出した。


「…危ないっ」


激しく燃えていた太い木が、ゆっくりと彼女の方へ傾いていく。
それを見て、間一髪のところでを抱きしめ、反対側に転がれば、ドォォンという音と共に木が倒れた。


「…メロ…」
、怪我は?!」


急いでその場から離れ、彼女の頬を両手で包む。
涙と煤で汚れた顔のまま、は何度も首を振り、オレに抱きついてきた。


「私は平気…それよりメロが無事で良かった…ッ…」
「…良くない!どうして、ここに来たっ」


無事だと分かった安心感で、ついそう怒鳴れば、は泣きながら、「メロが心配だったのよっ」と叫んだ。


「…メロは…いつも何も言ってくれない…。心配しながら待ってる私の身になってっ」
「……」
「今だって…どんなに怖かったか分かる?!あの炎の中にメロがいるかもしれないって思ったら…怖くて…怖くて…」


そう言いながら、震える手で胸元を掴んでくるの姿に、胸が痛んだ。
こんなにも心配してくれてたんだ、と思うと、愛しさでいっぱいになる。
オレの胸の中で泣きじゃくる彼女を抱きしめながら、さっき夢に見た過去の笑顔を思い出す。
あの頃はホントに幸せで、こんな風に泣いてるを見た事がなかった。
何で…こんな事になってしまったんだろう…


「……メロ」


その声に顔を上げれば、ハルがと同じように、顔も服も、すすけた状態で立っていた。
彼女を見て、ああ、そうか、と納得がいった。


「お前がをここに?」
「…彼女がどうしても、と言って…。ニアも了承してるわ」
「…ニアが…?」
「ええ。それより…もうすぐここに警察が。早く行きましょう」


ハルがそう言った瞬間、遠くでパトカーのサイレンの音が聞こえてきた。
の肩を抱いて立ち上がると、「車は向こうに止めてあるの。急ぎましょう」と、ハルが先を歩いて行く。


、口、押さえるぞ」
「…ん」


風で舞い上がる煤がの口に入らないよう、服の袖で抑えてやりながら、火の粉を避けてハルの後ろをついて行く。
少し歩いたとこで教会の正面へと出た。
その前に車が一台止まっている。


「あれです。早く乗って」


言われたとおり、車の後部座席にと乗り込む。
ふと窓の外を見れば、崩れかけた教会が炎の中に消えていくのが見えた。
一歩間違えれば、オレもあの中で灰になってたかもしれない。


「パトカーがついたようね。見つかると厄介だから二人は体を低くして隠れてて」
「…ああ」


ハルに言われたとおり、と二人、身を低くして後部座席に隠れると、車が勢い良く走り出した。
次第に近づいてくるパトカーの音に、一瞬緊張するが、ハルが機転を利かして逆方向へと曲がり、サイレンの音は少しづつ遠ざかっていく。
ホっと息をつけば、「…もう大丈夫よ」と声がして、オレとは体を起こした。


…大丈夫か…?」
「…うん…メロ、怪我は?」
「…かすり傷だ。大した事ない」
「でも血が―――」
「大丈夫だって―――」


一瞬、と見つめ合う。
さっきは必死で忘れていたが、彼女とこうして向き合うのは久しぶりで、急に気恥ずかしくなってきた。
ちょっと会わなかっただけなのに、何年も会ってなかったような、そんな感覚―――


「…元気…だったか?」
「…うん…メロは?」
「オレは…見たとおりだ」


彼女の前髪を指で避けて、そっと髪を撫でた。
指先から柔らかい髪が、サラサラすり抜けていく。


「…メロ―――」


そのまま頭を引き寄せ、唇を塞ぐ。
何度か口付けた後、ゆっくりと離せば、と至近距離で目が合った。


「…会いたかった…」
「……ん…」


オレの言葉に、は涙を浮かべながらも微笑んでくれた。


生きて戻ってこれたのは、この笑顔にまた会いたかったから―――


これ以上の理由なんか、きっとない。




「…お取り込み中のとこ申し訳ないけど」
「………別に取り込んでない」


ハルの言葉に一気に現実に引き戻され、溜息をつく。
彼女は気まずそうにミラーから視線を向けると、


「一応、ニアに報告しなくちゃいけないの。連絡してもいい?」
「……ああ…いや待て。オレが話す」
「……分かった。そこのパソコンを使って。パスワードは―――」


その言葉に頷き、傍にあったパソコンを開く。
パスワードを打ち込み、繋いだ瞬間、待っていたかのように応答があった。


『…ハル、どうなりましたか?』


第一声がそれで、オレは軽く深呼吸をすると、「…二ア…」と声をかけた。


『…メロ…ですか?』
「ああ…」
『…無事でしたか…』
「…まあな。もう全部知ってるんだろ?」
『ええ。ハルから聞きました。それで高田は…?』
「…死んだ…」
『…死んだ…?まさか―――』
「オレじゃない。いきなり火をつけて、まるで自殺しようとしたみたいだった」
『…ではキラが…』
「ああ。操って殺したんだろうな」
『…………』


オレの言葉に、ニアは何も言わず、静かに息を吐いたようだった。


『それで…ハルと一緒にいるという事は、無事にに会えた、という事ですね』
「…ああ」
『では、そのままハルに空港まで送らせます。すぐに二人で日本を脱出して下さい』
「……何?」
『ハルから聞いてると思いますが…私はこのまま作戦を実行に移します。メロはを連れて国外へ出て下さい』
「…………」
『メロはすでに前回の誘拐の件で日本の警察からも指名手配されてます。そのうち見つかるでしょう。そうなればキラにだって顔を知られてしまう危険もある』
「…ああ、そうだな」
『ですから今のうちに国外へ逃げて下さい。これはの為に言ってるんです』
「……ああ、分かってる」


そう言って隣で不安そうな顔をするを見る。
ニア、お前は、いつだってオレが反論出来ない言い方をする…。


『手配は全てこちらでします。今は言うとおりにしてください。今回の誘拐事件のせいで、少なくとも私の計画を邪魔したんですから』
「……キラの方で何か動きはあったか?」


オレの言った意味が伝わったのかは知らないが、ニアは一瞬、言葉を切り、静かに息を吐き出した。


『それは言えません。メロは言ったとおり、を連れて逃げてくれればいい』
「……勝手な言い分だな、ニア」
『お互い様でしょう。メロだって今まで勝手に動いてきた。でも、もう気が済んだのでは?』
「…………」


気が済んだ、か。
出来ればキラをこの手で殺してやりたかった。
いや、今でもそう思ってる。
だけど……


「…お前の好きにすればいい。オレのやるべき事は一通りやった」
『なら今すぐに空港へ。パスポートやチケットはレスター指揮官が持っていきます。もちろんの分もあります』
「…手回しがいいな…」


苦笑しながらそう言えば、ニアもかすかに笑ったようだった。


「ニア……」
『はい』
「…キラに…負けるなよ」
『負けるゲームはしない主義ですよ、私は』
「…ふん。お前らしい答えだ」


そこで通話は途切れた。
パソコン画面を消し、軽く息をつくと、そんなオレを、は心配そうな顔で見ている。


「…メロ…」
「…だそうだ。このまま空港に行ってくれるか?ハル」
「…ええ、分かったわ」


ハルはそう頷くと、少しづつスピードを上げていく。
オレは軽く息を吐くと、不安そうなの肩を抱き寄せ、額にキスをした。


「…そんな顔するな…」
「…でも…メロもキラを―――」
「もういい…。やるべき事はやったつもりだ。Lの仇は…ニアがとってくれるさ」
「…メロ…」


オレの言葉に、は僅かに瞳を揺らし、そして優しく微笑んでくれた。


「…最後の最後で…メロがニアに協力するなんてね」
「…協力したわけじゃ―――」
「いいの。分かってる」


はそれだけ言うと、オレの肩に頭を乗せ、目を閉じた。
そうされる事で、オレも心の奥が癒されていく。
何も言わなくても、自分の事を理解してくれる人が、この世界に一人でもいるという心地よさに、胸が熱くなった。


そのまま数時間、車を走らせ、東京に着くと、オレとは傷の手当てと、煤で汚れた服を替え、再びハルの運転する車へと乗り込んだ。
途中、無事に逃げたというマットと合流し、3人で空港へと向かう。


「…マットも無事で良かった」
「いや、マジで危なかったけどなー。"高田さま信者"はしつこいね。もうゴキブリなみ」


そう言ってマットは明るく振る舞い、心配顔のを笑わせてくれたが、内心、今度こそダメだと思った、と後で苦笑していた。
高田の護衛に囲まれ、一瞬は諦めたものの、車を廃車にしながら無理やり逃げてきたらしい。
そういうマットもゴキブリなみの生命力だと思ったが、敢えて口にはしなかった。


「…メロ、これがパスポートとロンドン行きのチケットよ」


空港に到着すると、ニアの部下という男が待っていて、必要なものをハルに渡した。
オレ達はそれをハルから受け取り、搭乗口へと急ぐ。


「ロンドン行きなのね。てっきりロスかと思ったけど…」
「ああ、でもまあ…いいんじゃねーの?」
「うん…そうだね」


とマットは、どことなく楽しそうで、久しぶりに故郷に帰れることが、心から嬉しいんだろうと思った。
キラと対決を控えているニアの事を心配しながらも、やっぱり過去の幸せの日々を思い出し、あの場所が恋しいんだろう。


オレが――そうであるように。


何もかも、あの頃のままというわけじゃない。
失ったものも沢山あった。
それでも、あの場所へと戻れば、何かがあるような気がしてる。
そう……全てが終われば…全てを終わらせる事が出来れば。


「メロ…」
「ハル…」


二人が搭乗手続きをしているのを見ながら、オレは軽く頷いた。
するとハルがポケットから、ある物を取り出し、オレの手に握らせる。


「車で…待ってるわ」
「……ああ。すぐ行く」


それだけ告げると、オレは「早く早く!」と急かすたちの方へと歩いて行き、搭乗口内へと進んだ。


「へぇ、結構バレないもんだな」


マットはそんな事を言って笑っている。
ニアの偽造パスポートのおかげで、特に怪しまれる事もなくセキュリティチェックも終わり、時間までには機内に乗り込む事が出来た。
は窓際に座り、手荷物などを整理し始め、どこか旅行気分のようだ。
そんな彼女を確認しながら、通路向こうの席にいるマットの隣に素早く座る。
マットは驚くでもなく、ただ黙ってオレを見つめた。


「マット。お前に頼みたい事が―――」
「…分かってるよ」
「………ッ?」
の事はオレに任せろ。ちゃんと無事に連れ帰るから」
「マット…」
「ああ、でも、これだけは言っておく」
「………」
「ちゃんと…生きて帰って来いよ?」
「……ああ…分かってる」


それだけ呟くと、オレはハルから預かった物を、マットへと渡した。


「メロ?何よ、男同志でコソコソしちゃって」
「ああ、悪い」


不意にの声がして、オレは苦笑しながら彼女の隣に戻った。
チラっと時計を見れば、もう少しで出発の時刻になる。


「ね、メロ」
「…ん?」
「ホントに…帰れるんだね」
「…ああ」
「何だか…夢みたい…メロやマットと…帰れるなんて」
「夢じゃない。現実だ」
「うん…」


そう言って手を繋いでくる。
そんな彼女の小さな手を、強く握り締めれば、はふと顔を上げた。


「でも…ホントにいいの?」
「…何がだ?」
「キラの事…二アに全て任せちゃって…」


は伺うような顔でオレを見つめた。
彼女はオレの気持ちを分かってる。
全部分かってくれてる…。


「ああ…オレはやるべき事はやったと言ったろ?もういいんだ」


ただ心残りなのは…君との約束を守れなかった事だけ…



キラを殺す―――


オレは最後の最後で、それを選ぶ事が出来なかった。
この手を汚したとしても、貫きたかった思いが今でもある。
でもと再会し、この手に抱く事が出来た時、本当の意味で怖くなったのかもしれない。
彼女を一人にする事も、オレが一人になる事も…
Lやニアとは別のやり方でキラと対決するつもりが、を通じ、
L、そしてニアの思いが嫌というほど分かってしまったから―――


ただ殺すだけが復讐じゃない。
それ以上に、キラという化け物に、敗北を味わわせたい。
いつからか、オレもそんな風に思うようになっていた。
ガキの頃から、ニアを追い抜き、一番になりたかったはずなのに……今頃になってLの言ってた事を理解するなんて。


"二アは冷静すぎて、メロは感情的になりすぎますが…合わせるとちょうどいいかもしれませんね"
"どういう意味?"
"私を超えたいなら…二人一緒で、という意味ですよ"
"…えぇ?嫌だよ。オレは一人で超えてみせるさ"


二人で一人…その本当の意味が、今なら分かるよ、L…


「…
「…何?」


もしオレが行くと言えば、君も必ず一緒に行く、と言うだろう。
だから…ごめんな。
これが…最後の我がままだから。


「ん、メロ…?」


ゆっくり口づけると、はかすかに頬を赤くした。
その頬にも軽く口付け、静かに席を立つ。


「…どこ行くの…?」
「…ちょっとトイレ。すぐ戻るよ」
「うん、分かった」


笑顔で頷くの頭をそっと撫でて、オレは彼女に気づかれないようマットに合図を送り、通路を歩いていく。
その時、背後で、「せっかくファーストクラスなんだし何か飲み物でも頼もーぜ」という、マットの声が聞こえて来た。
足を止め、そっと振り返れば、の明るい笑顔が見えた。


嘘をついてごめん。
でも必ず…迎えに行く。
今度こそ、全てを終わらせて。



そう心の中で呟き、最後の決戦を見届ける為、オレは歩き出した―――













どんな危険からも、君を―――







守ってあげたい、なんて傲慢だけれど




















ひぃー;マイパソコン(ノート)の「A」「あ」のキーが壊れかけてます;;>またかよ!!
初代のパソコン(Win98)も数箇所のキーが文字入力出来なくなって、結局買い換えたんですよ〜
なのにまたなの?!まだ二年も使ってない気がするんですけど!
今は強く押せば入力出来るんですけど、急に何も反応しなくなる事が多くなってきて青くなってます(゜ロ゜ )
こういう時、ノートって困りもんですよね…(次買い換える時はノートはやめよう…)
初代の時も、「A」と「あ」のキーから壊れたんですよねぇ…なんでだ?一番使うからか?


ホントに終盤になってきましたが、いつも暖かいコメントOR励みになる感想、ありがとう御座います!
これからも頑張りますー!(>д<)/



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■受験生です。辛いときとかに読んでも心に沁みます。感動をありがとうございます。(その他)
(そう言って頂けて感激です(*TェT*)こちらこそ、励みになるお言葉、ありがとう御座います!)


■そろそろ終わりなのかなぁと悲しみつつも、何度も読み返させていただいております。一番大好きな作品です!(中学生)
(何度も読み返して下さってるなんて嬉しいです!そろそろ終盤になってきてますが、最後まで頑張りますね!)


■メロ大好きな私にとって、眠れない日に見る時計は何度も見返してしまうお話です。そろそろ、終わりが近づいているのかなあ?と思っています! 次の話も楽しみに待っています!(中学生)
(この作品を何度も読んで下さってるなんて、ありがとう御座います!そろそろ終わるかと思いますが、ラストに向けて頑張りますので、これからも宜しくお願いします☆)












TITLE:群青三メートル手前