君のいない明日にも、朝にも、意味も価値さえもないよ




サクラちゃんと話してから、二人で部屋に戻ると、ナルトくんが起きていた。
何やら我愛羅に術の伝授を強請ってるのか、私達が戻ったのも気づかずに、ひたすら……


「なぁなぁ、じゃあ……あれ、あれ教えてくれってばよ!我愛羅お得意の流砂爆流!あれすっげーよな!敵が多くても一気に埋められるし!」
「……無理だ。お前、砂を操れないだろう」
「んー。じゃあじゃあ、どうやったら砂、操れるか教えてくれってばよ!」
「…砂にチャクラを練りこむ。まずはそこから―――」


そこまで話すと、気配を感じたのか、我愛羅はハッとしたように私達を見た。


「…戻ったのか」
「あーサクラちゃ〜ん、ちゃーん!おっ帰りぃ♪」
「…ナルト…。あんた起きたと思ったら、何我愛羅くんに術教えてもらおうとしてんのよっ」
「エヘへ♪だって我愛羅の術ってカッコいいしー」
「だからって出来るわけないでしょ?ナルトに」
「サクラちゃ〜ん…」


厳しい一言に、ナルトくんはガックリ項垂れている。
そんな彼を見ながら、我愛羅も苦笑いを浮かべた。
でも、どことなく優しい笑顔…
最近の我愛羅は、ホント良く笑う。


「さて、と。じゃあナルト、私達もそろそろ自分の部屋に戻るわよ」
「えぇ〜?何で何で何で?まーだ早いってばよ〜」
「何で、じゃない!我愛羅くんだってちゃんだって長旅で疲れてるのよ?早く休ませてあげないと」
「そりゃ分かるけどさぁ…」


サクラちゃんの言葉に、ナルトくんはちょっと寂しそうだ。
でも確かに三日かけて木の葉まで来た私達も、かなり疲れてる。
それに明日は綱手さまの誕生日だし、今日はもう寝ないと体がもたない。
そう思っていると、我愛羅が静かに口を開いた。


「オレは眠くないから別にいてくれて構わないが?」
「え、でも…」
「ホントか?!んじゃー今夜は男同士で語り明かすってばよ!」
「ちょ、ナルト!」
「いーじゃん、我愛羅もこう言ってくれてるんだし♪サクラちゃんはちゃんと女同士で寝ればいーってばよ」
「…でも…」


サクラちゃんは困ったように私を見た。
きっと邪魔してしまった、と気を遣ってるんだろう。
でも我愛羅はナルトくんと話してると楽しそうだし、それならそれでいい。
どうせ二人きりの甘い時間、なんて、とっくに諦めてる。


「じゃあ…そうしない?サクラちゃん」
「え…?」
「今日、サクラちゃんの部屋で一緒に寝てもいいかな」
ちゃん…でも…いいの?」


そう言ってチラっと視線を我愛羅に向ける。
我愛羅はすでにナルトくんに捕まっていて、楽しそうにさっきの話の続きを始めていた。


「いいの。我愛羅も楽しそうにしてるし」
「…そう?ホント、ごめんね。ナルトの奴、気が利かなくって」
「いいの。久々に会えたんだし…。それに我愛羅に会えて嬉しそうな顔してるナルトくん見てると、何だか私も嬉しいから」
ちゃん…」


ナルトくんの明るい笑い声を聞きながら、ふっと笑みが洩れる。
最初に会った時は敵で、本気で殺そうと思った事もあったけど、分かり合えれば、こんなにも優しい時間を共有出来るという事を、彼に教わった。


「じゃあ…我愛羅。明日、起こしに来るね」
「ああ…。はゆっくり休め」
「うん」


我愛羅に声をかけると、二人でサクラちゃんの部屋へと向かう。
そこには、すでに布団が敷いてあり、時間も時間だし、もう寝ようという事になった。
仲良く布団に入り、電気を消すと、一瞬で闇に覆われる。
でも、もうこの闇を、怖いと思う事はなくなった。


「…サクラちゃん…寝た?」
「…ううん。隣のナルトの声がうるさくて」


苦笑する彼女の声に、私も笑いながら、ゆっくりと目を開けた。
辺りは静かで、時々虫の鳴き声も聞こえる中、ナルトくんの明るい声が聞こえてくるから、我愛羅と何を話してるのか、ちょっと気になった。


「…やっぱり…羨ましいな」
「え?」
「我愛羅の心を開いたナルトくんが」
ちゃん…」
「男の子同士って…いいよね。殴り合いのケンカをしても、またあんな風に笑いあえるんだから」
「そうね…」


私の言葉に、サクラちゃんは静かに答えた。
そして少しだけ寝返りを打ち、私を見ると、


「でも…女の子同志だって同じよ?」
「…え?」
「…何度ケンカしても、きちんと分かり合えたら、仲良くなれる。私とちゃんみたいに…」
「サクラちゃん…」
「私達、もう友達でしょ?」
「……うん」


ふふっと笑う彼女につられ、私も笑う。
素直にサクラちゃんの言葉が嬉しくて…
こんな風に女の子の友達が出来るなんて、考えた事もなかった。


「次は…砂隠れの里にも遊びに行くね。前は任務で行ったから観光も出来なかったし」
「ホント?じゃあ私が案内する。木の葉みたいに緑はないけど…」
「じゃあ…約束」
「うん」


互いに顔を見合わせ、指きりをする。
こんな些細な事でも、"約束"が嬉しくて。


この約束で、人と関わる事を恐れていた昔の私と、本当にサヨナラ出来た気がした。


















次の日も、木の葉は見事な快晴。
まさに火影である綱手さまの生誕を祝うように、太陽までもがキラキラしていた。
火影邸の前には里の人たちが全員いるんじゃないかと思うほどに集まり、そこからは「火影さまーおめでとう御座います!」という祝いの言葉が聞こえてくる。
それに応える綱手さまも、いつもの服装ではなく、きちんとした正装で、笑顔で手を振っていた。
綱手さまの隣には同盟国として招待された我愛羅が、風影の衣装を身にまとい、堂々としたふるまいで立っている。
その姿を後ろで見ていた私は、どこか誇らしい気持ちになりながら、綱手さまの挨拶を聞いていた。


「里の皆、多くの木の葉の忍たち、今日は本当にありがとう!こんなに素晴らしい誕生日を過ごせて、皆に感謝する!今日は一日、楽しんで行ってくれ」


そう最後を締めくくると、綱手さまは隣にいる我愛羅とも、固い握手を交わした。


「我愛羅…いや風影殿。今日は遠いところ足を運んで頂き、深く感謝する。今日はゆっくりと楽しんでいってくれ」
「…こちらこそ、お招き頂き感謝しています」


我愛羅はそう応えると、私に視線を送った。
私はすぐに用意したプレゼントを持って、二人の前に歩いて行く。


「綱手さま、お誕生日おめでとう御座います。これは風影さまからの気持ちで御座います。どうか受け取って下さい」
「…そこまで気を遣わせて悪いな」


そう言いながらも、綱手さまは嬉しそうに私の差し出したプレゼントを受け取った。
お酒好きな綱手さまの為に、我愛羅が用意させた、風の国自慢の蒸留酒だ。


「おお!これは美味そうだな!早速頂くとしよう。風影殿、それに。二人とも付き合え」
「え…私も…ですか?」
「ああ。風影殿の付き人だろう?傍にいた方がいい」


綱手さまはそう言うと、私に軽くウインクをした。
それを見て、やっぱり何か勘違いしてる?と思わないでもなかったが、断るわけにも行かず、火影邸の広いテラスに用意されたテーブルに、一緒につく事にした。
目の前には豪華な料理が並べられ、中央には大きなバースデーケーキが置かれている。
そこにグラスを持った人たちがやってくると、私や我愛羅の前にそれを置いて行った。


「では早速これを頂こう」


綱手さまは嬉しそうにそう言うと、先ほどプレゼントした蒸留酒を、私達のグラスに注いで行く。
そして注ぎ終わるとグラスを持って、「では乾杯」と軽くそれを持ち上げた。
私達も同じようにすると、もう一度「おめでとう御座います」と祝いの言葉を告げる。
そしてその酒をゆっくりと口に運んだ。


「うん、これは美味い!いい酒を造ってるな、風の国は」
「ありがとう御座います」
「…………」
「…ん?、どうした?そんな顔して」


固まっている私に気づき、綱手さまが首をかしげた。
でも私は口の中に広がる、何とも言えない味と、喉を伝わってくるアルコールの熱さに返事が出来ず、しまいには「おぇ」っと顔を顰めてしまった。


「おい、…お前まさか……酒が飲めないのか?」
「い、いえ、あの……ゲホッ」
「大丈夫か?」


私の様子を心配して、我愛羅が背中を擦ってくれた。
あんなに苦い酒を飲んだのに、我愛羅は特に変わった様子もなく、平然としている。


「だ、大丈夫です…。ちょっと…咽ただけで…」
「あはは!無理するな。飲めないなら飲まなくていい。酒の味が分からぬ者にこれを飲ませるのはもったいない」


綱手さまは豪快に笑うと、すぐに代わりの飲み物を用意してくれた。


「す、すみません…」
「構わぬ。だが二十歳も過ぎたなら酒の少しも飲めなければ風影の付き人は務まらんぞ?そういった席にも、これから招待されるだろうしな」
「……は、はい…。って、いえ!私はまだ未成年で……」
「……何っ?」


綱手さまの言葉に思わず頷いてしまったが、誤解されてる事を知り、慌てて首を振った。


「未成年…だと?」
「は、はい…。因みに…我愛羅もまだ……」
「………何だと?!」


私の一言に、綱手さまは青い顔をして我愛羅を見た。
でも当の本人はケロッとした様子でお酒を飲んでいて、それには綱手さまも慌ててグラスを取り上げる。


「オイ、我愛羅!何故それを先に言わないっ」
「…祝いの席で酒を断るのは失礼な事だと、四代目風影でもある父に教わった」
「そ、それはそうだが…と、とにかく未成年なら話は別だ!お前も他の飲み物にしろ!」


綱手さまはそう言うと、深々と溜息をついて椅子についた。


「はぁぁ…私とした事が、ついうっかり二人の年齢を忘れてしまった…。風影とは言え、まだ未成年だったな…」
「あ、あの…すみません」
「良い。まあ気を遣ってくれたんだろう?それはそれで嬉しい。一杯は付き合ってもらえたしな」
「はあ…」


綱手さまの言葉に、ホっと胸を撫で下ろし、口直しにジュースを飲む。
我愛羅は特に酔ってるふうでもなく、いつもの様子で苦笑いを浮かべていた。


「大丈夫か?
「う、うん…。でも…我愛羅は平気なの?お酒なんか飲んで…」
「言っただろう。四代目から少しは鍛えられてる」
「そ、そう……」


そう言えば四代目…我愛羅のお父さんは、時々公の場に我愛羅を連れて行ったりしてたっけ…
何度も暗殺を企てたクセに、そういう事も学ばせてたなんて、あの頃もよく思ったけど矛盾してる。
我愛羅曰く、「オレが生きてる間、自分が恥をかかないようしつけてるだけだ」って事だけど…
殺せないからって、そういうとこだけは利用するなんて…許せないって、私は思ってた。
我愛羅のお父さんだけど…私はやっぱり、彼を好きにはなれない。
私を里に受け入れてくれたのだって、我愛羅のブレーキになると思ったからだったし…



「どうした?。具合でも悪くなったのか?」
「え?あ、大丈夫。もう平気」
「そうか?ならいいが…具合が悪くなったなら、すぐにオレに言え」
「…うん。ありがとう」


我愛羅の優しい言葉が、素直に嬉しくて、笑顔で頷いた。
そんな私達を見て、綱手さまは何だかニヤニヤしている。


「ホントに仲がいいな、お前たちは」
「…えっ?」
「色々と事情は聞いているが…ずっと一緒にいるんだって?」
「…は、はい。まあ…」


綱手さまの言葉にドキっとしつつ、我愛羅の様子を伺う。
我愛羅はいつものように無表情で、相変わらず何を考えてるのか分からない。
そう思っていると、不意に綱手さまが身を乗り出し、テーブルの上に肘をついた。


「実は…今日は二人に話があってな」
「…え、話…?」
「…………」


その言葉に顔を上げると、綱手さまはいつになく真剣な顔。
私は少し緊張しながら姿勢を正した。


「話とは?」


綱手さまの様子に、我愛羅も気になったのか、グラスを置いてチラっと私を見た。
何とも言えない空気とは裏腹に、下の方からは里の人たちの明るい声が響いてくる。
今日は里中お祭り騒ぎで、街中には色々な露店が出てるらしい。
サクラちゃん達と、後で待ち合わせしてる事を思い出しながら、話が長引かないかな、と心配になった、その時。
綱手さまがゆっくりと私に視線を向けた。


…」
「え、は、はい」
「お前……暫く、この木の葉に滞在する気はないか?」
「……は?」
「…………」


突然のその申し出に、私は驚き、我愛羅は僅かに眉を寄せた。


「あ、あの…それはどういう…事ですか?」
「いや、もし良ければ、の話なんだが……お前を少々私の元で預かりたいと思ってな」
「…預かる…」


ますます話が見えない。
綱手さまが私を預かる?
それって、どういう意味?


そんな言葉が頭の中でぐるぐる回ってる。
綱手さまは優しく微笑むと、ゆっくりと椅子に凭れかかった。


「お前は血継限界なるものを持っている。そうだったな?」
「……はい」
「サクラやキバに聞いたところに寄れば…その実力も相当なものだと言う」
「…い、いえ…まだまだ修行が足りません」
「まあそう謙遜するな。忍術も体術も上忍クラスだと聞くぞ?」
「………」
「だからお前なら……サクラのように、医療忍術もすぐに覚えられるかと思ってな」
「……え?」


その言葉に驚き、顔を上げると、綱手さまはニヤリと笑った。


「以前、風影奪還の時に砂隠れに行った際、医療忍者が足りないようだった、とサクラが話していた」
「……あ…はい。特に毒物を扱う者は限られています」
「だそうだな。それで、だ。サクラの提案で、砂の者にそれらの医療技術を伝授したらどうか、という話になってな」
「…医療技術を…?」
「そうだ。もしあの時のように、解毒出来ない毒で攻撃を受けた場合、沢山の死者が出る。そのたびに木の葉から救援に行ったとしても、砂隠れまでは三日もかかってしまうし、手遅れになる事もあるだろう」
「…はい」
「だから、そういった事のないよう、砂の者に私の医療技術を叩き込もうと思ってたところだ」


綱手さまは、そこまで言うと、黙ったままの我愛羅を見た。


「でもこれは誰でもいいと言うわけじゃない。やはり医療忍者という者はそれなりの力を持つ者に限られてくる。が…なら、高等な医療忍術もマスターできると、私は思ったのだ」
「……私が…?」
「そうだ」
「で、でも…いいんですか?綱手さまの力を砂の私に託すなんて――」
「砂は今や木の葉の同盟国だ。互いに助け合うべきだと、私は思っている。チヨバア様も…そう願って我愛羅を助けたんだろう?」
「あ……」


あの時の、チヨバア様の言葉を思い出し、私は我愛羅を見た。


"砂と木の葉……これからの未来は、ワシらの時とは違ったものになろう……"


「…はい…」


あの時、私は我愛羅の死を、救えなかった。
傷ついた仲間を救えなかった。
ただ黙って見ていただけ……
もし私に…サクラちゃんのような力があれば、もしくは助けられた人もいたかもしれない。


「急な話だな。まあ…少し考えてから返事をくれ」
「…綱手さま…」
「我愛羅とも、良く話し合え。いいな?」
「…はい…」


そう頷いてから我愛羅を見ると、我愛羅は黙ったまま俯いていた。
今の話を、我愛羅はどう思ったんだろう…


「あ、あの…」
「ん?」
「ちょっと…約束があるので、私はここで失礼します」
「ああ、そうか。分かった。どうせサクラやナルト達だろう?なら二人で行ってくるといい。今日は街中も賑やかだ。楽しんで来い」
「…はい。ありがとう御座います」
「…………」


そこで席を立つと、我愛羅も無言のまま立ち上がり、綱手さまに一礼すると、足早に歩いて行ってしまった。
私も綱手さまに一礼し、急いで我愛羅を追いかける。
何となく今の話で不安になり、火影邸を出て行こうとする我愛羅の手を、慌てて掴んだ。


「待って、我愛羅…」
「…………」
「どうして…何も言わないの…?綱手さま、我愛羅の意見も聞きたかったんじゃ――」
は…」
「え…?」
「さっきの話を聞いてどう思ったんだ?」
「どうって…」


不意に振り返った我愛羅は、さっきより少しだけ元気がないように見える。
それでも真剣な顔で、私の答えを待っていた。


「私は…最初は驚いたけど…でも悪い話じゃないって思ったわ…。確かに綱手さまの言うように今、里の医療忍者は少ないし、技術も木の葉に負けてる…」
「…それは分かっている。だが…医療忍術を覚えるのは、一週間やそこらで出来るものじゃない」
「…うん…」
「何年もかかる事だってある。お前は……その長い期間、木の葉で過ごすことになるんだぞ」
「………」


我愛羅の言ってる事はよく分かる。
そうなれば私はその間、砂の里には帰れないという事だ。
それは、我愛羅と離れて暮らす、という事でもある。
そんな事、出来るんだろうか。
ずっと一緒にいた我愛羅と、離れて暮らすなんて……


「…我愛羅は…どうして欲しい?」
「…何?」
「我愛羅は…私に医療忍者になって欲しい?それとも――」
「それはオレが決める事じゃない。、お前が自分で決める事だ…」
「………ッ」
「オレはお前の気持ちを聞いたんだ。もしがそうしたいと言うなら……オレに止める権利はない。好きにしろ」
「…我愛羅……」


視線を反らし、そう告げる我愛羅に、私は言葉を失った。


「約束があるんだろう?行って来い。オレは部屋に戻っている」


我愛羅はそれだけ言うと、私を残し、宿へと戻ってしまった。
追いかけたいのに足が動かず、その場に立ち尽くす私の横を、楽しそうにはしゃぐ子供達が走り去っていく。
見れば前の通りには、沢山の露店があり、そこは大勢の人で賑わっている。
その中をゆっくりと歩いて、約束の場所へと向かった。


医療忍者になる…
そんな事、考えもしなかった。
ただ、あの時、その力が私にもあれば、と思った事はあっても……
我愛羅は…私の好きにしろと言ったけど…私にだって分からないよ…
綱手さまの申し出は嬉しいし、ありがたい。
でも…それ以上に我愛羅と離れて暮らすことを考えると、たまらなくなる。
こんな気持ちは…私だけなのかな…
傍にいろって言ってくれたのは、ついこの前の事なのに……もう我愛羅の気持ちが分からなくなっちゃったよ…


先ほどの、我愛羅の冷たい背中を思い出し、涙が溢れてくる。


いつも、当たり前のように傍にいてくれた我愛羅と会えなくなるなんて、私はこんなにも嫌なのに――